クラウドファンディングはコンテンツ制作に何をもたらすのか―国内サービス4社が議論を交わした「黒川塾(八)」レポート

発表会・イベント取材
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メディアコンテンツ研究家・黒川文雄氏主催によるトークイベント「エンタテインメントの未来を考える会」の第8回、「黒川塾(八)」が4月30日に開催された。

当日は、「クラウドファンディングってなんだ…!?」というテーマのもと、日本国内でクラウドファンディングを展開するベンチャーを立ち上げた4名をゲストに迎えて、クラウドファンディングの説明や各ゲストが運営するサービスにおける特徴や実例、そして今後の行く先について議論を展開した。

(写真左から)Anipipoを展開するグーパの平皓瑛氏、READYFOR?を展開するオーマ 取締役の米良はるか氏、黒川文雄氏、
CAMPFIREを展開するハイパーインターネッツ 代表取締役の石田光平氏、MotionGalleryを主宰する大高健志氏

まず4人がそれぞれのクラウドファンディングサービスを立ち上げるに至った経緯について語られ、コンテンツを作る上での資金面の不足やクリエイティブに定価はないという発想など、その内容はそれぞれ異なるものだったが、登壇者全員に共通していたのが企画者のアイデアを実現させるための手段として、サービスを立ち上げているという点だ。

そもそもクラウドファンディングにはいくつかの種類があり、今回参加した4社はすべて資金提供することでプロジェクト側が提示した権利や物品を入手できる「購入型」のサービスを提供する。MotionGalleryは映画コンテンツ、CAMPFIREはクリエイティブなコンテンツ、READYFOR?はソーシャルイシュー(社会において関心の高い事象)、近日サービス開始予定のAnipipoはアニメーションが中心となっている。

当然ながらクラウドファンディングはコンテンツ制作や商品開発のための資金だけにとどまらず、イベント開催のための資金提供やプロモーション活動に活かすケース、果てには渡航費や開業費の確保など多様な手段がとられている。

ただし、あくまでも成功に導くためには資金提供者がお金を出してもいいと思う内容であることが必要で、例えば信用に足らない内容であった時には資金が集まらず、そもそもの案件が成立しないという「オールオアナッシング」をとっている点で、仕組みとしてはよくできていると感じた。

ゲームコンテンツにフォーカスすると、現状、国内でのクラウドファンディングを活かした事例は多くないが、最近だと黒川氏、飯田和敏氏らによるゲーム制作プロジェクト「チーム・モンケン」がCAMPFIREで資金を募っているインディーズゲーム「モンケン」や、日本ではサイバーフロントより発売された2D格闘ゲーム「スカルガールズ」などが記憶に新しい。

黒川氏からはGDCでの講演をもとに自身が得た知見が語られたが、その中で興味深かったのが映画やゲームなどにおけるクラウドファンディングで設定したゴールを達成するための、出資者への広報活動やケアの必要性だ。

黒川氏はオンラインゲームを例えに出しつつ、出資者のリクエストを聞き、その内容に対してリプライするという一つ一つの対応が必要になると述べ、それに対してゲストからはクリエイターと出資者がコミュニケーションを埋める場を作る、ネット生放送などで熱意をアピールするなどの意見が挙げられた。

もちろん、クラウドファンディングというサービスは決して成功率は高くはなく、プロジェクトに対するアフターケアの必要性やプロジェクトをオープンにすることで不成立の場合にアイデアを盗まれる可能性などについても語られたが、各サービスともにその問題点は認識しており、答えも持ち合わせている模様。

ゲームコンテンツに限るとまだまだ実例が増えるには時間がかかるかもしれないが、先述した通り、アニメーションに特化したAnipipoがサービス開始に向けて動いていることからも遠い未来のことではない。実際にクラウドファンディングを実施している「モンケン」ともども、今後の動きに注目したい。

※画面は開発中のものです。

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