9月20日、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアは千葉・幕張で開催中の東京ゲームショウ2013にてPS4用ソフト「inFAMOUS: Second Son」のタイトルプレゼンを行った。
「inFAMOUS(インファマス)」シリーズは「コンジット」と呼ばれる趙能力を持つ主人公の活躍を描いた、オープンワールドを舞台にしたアクションゲームだ。「正義」と「悪」のどちらの立場でも行動できるなど自由度が非常に高く、北米では特に高い人気を誇っている。
シリーズ第3弾となる本作では前作「inFAMOUS 2」の7年後のシアトルを舞台に、新たな主人公・デンシルが政府機関「D.U.P」との戦いに身を投じていくことになる。ちなみに、副題の「Second Son」とは次男という意味である。
タイトルプレゼンを行ったのは本作のシニアプロデューサーであるGreg Phillips氏だ。Greg氏は実際のプレイを交えながら本作の注目すべきポイントを紹介していった。
Greg氏によると主人公の青年・デルシンは「煙」を操る能力の持ち主で、煙に姿を変えて通気口を通ったり、瞬間移動したりことができる。さらに、空中を高速で飛び回り両手から炎のようなもの撃ちだすといった、ハデなアクションも可能になっているとのことで、さまざまな破壊活動を楽しむことができる。
トレーラームービーではデルシンが兄のレジーに反抗的な態度を取るところも描かれていた。Greg氏いわくレジーは重要人物であるとのことで、このふたりの関係が物語にどう関わってくるのかも気になるところだ。
実機を使ったデモプレイでは、前述の能力のほかコントローラーのタッチパッドに触れることで車両から何かを引き出して破壊するといった能力の使い方も紹介された。最後にデルシンが空中高くから強力な必殺技を繰り出して、敵をまとめて撃破したところでデモは終了。これらのプレイ内容自体はすでにE3で発表されたものだが、実際に目の前で操作しているところを見られたのは収穫だった。
Greg Phillips氏への囲みインタビューも実施
――なぜ今回は「inFAMOUS 3」ではなく「inFAMOUS: Second Son」というタイトルになったのでしょうか。
Greg氏:「Second Son」という言葉にはいくつかの意味をかけています。ひとつは主人公のデルシンが次男であることですが、コールを主人公とした「1」「2」に続く第2弾であるという意味もあります。
――舞台を前作の7年後にした理由を教えてもらえますか。
Greg氏:前作のラストでコールが死んでしまったわけですが、そこから世界がどのように変わってしまったのかを表現したかったというのがあります。7年後の世界ではD.U.Pというコンジットを押さえつけようとする組織が現れ、コンジットも伝説的な存在になっています。
――デルシンの煙の能力のアイディアはどのようにして生み出されたのですか?
Greg氏:ダッシュですとか、コールの電撃の能力ではできなかったようなことが表現できますし、単純にかっこいいですしね。また、ハードがPS4になったことでパーティクルの表現力が大きく進化したので、それを見せるのに煙が最適ではないかと考えたというのもあります。
――ちなみに、今回はどのようにしてエネルギーをチャージするのでしょうか。
Greg氏:コールは街中の電気を集めてチャージしていましたが、デルシンも同じで車などの煙を吸収することでチャージすることができます。
――過去のキャラクターたちは登場しますか?
Greg氏:とてもいい質問ですが、現時点ではお答えできません(笑)。
――過去のシリーズでは善悪のいずれかに「カルマ」が傾く自由度が魅力のひとつとなっていましたが、このシステムはどのくらいパワーアップしていますか?
Greg氏:カルマシステム自体はこれまで同様ありますし、このシステムによって能力の進化の仕方やストーリーも変化しますが、それ以上のことはまだ言えません。
――PS4での開発で「ここが良かった」という部分を教えてください。
Greg氏: DUALSHOCK 4を使って新しいことをしてみたりとか、いろいろメリットがありましたね。前々作、前作はPS3の中期の作品ですが、今回はPS4の初期から参加できたという点でもよかったと思っています。
――DUALSHOCK 4で指紋認証ができるといったことも紹介されていましたが、そのほかにどのような使い方ができますか?
Greg氏:すみません。それも現時点では言えないのですが、本当にそのキャラターになったかのような体験を提供できると考えています。
――新ハードであるPS4で開発するにあたっての苦労点などがありましたら教えてください。
Greg氏:プラットフォームが変わるときというのは、いつでも何らかの問題が起きるものです。ただ、PS4は開発がしやすいのでPS3からの移行にあたって特に大きな問題はなかったですね。
――現在の開発の進行度はどのくらいでしょうか?
Greg氏:制作自体は順調なんですが、2014年に発売ということもあって、今は情報を出しすぎないようにしています。年末年始くらいには、もっといろいろな情報を公開できると思います。
――マルチプレイの搭載の予定はありますか?
Greg氏:ごめんなさい。今はストーリーモードにフォーカスを置いているので、それ以外のことにはまだお答えできません。
――これまでと比べて、マップはどのくらい広くなっていますか。
Greg氏:具体的な比較はできないんですが、舞台となるシアトルは大きな街ですし、実在の建物なども登場しますから、かなり大きなマップになると思います。
――忠実にシアトルの街を再現されたとのことですが、特に見てほしいところはどこですか。
Greg氏:ぱっと見て分かる建築物は世界的に有名なスペースニードルですね。ちょっと名前は忘れてしましましたが、シアトルの実在のお店もいくつか出てきます。また、シアトルは雨が多いのですが、雨が降った水たまりなどのリアルさも体験してもらえます。
――主人公のデザインを固める過程で大きく変わった部分はありますか。
Greg氏:キャラクターをデザインするときには、いろいろな議論があるもので、デルシンもそうでしたが、スタッフみんなが納得する形になりました。このあと大きく変わる予定はありません(笑)。
――さまざまなものをぶっ壊せるのも魅力のひとつですが、今作ではどこまで破壊の自由度は上がっていますか。
Greg氏:まだ映像で見せられないので具体的なことはお伝えできませんが、けっこう大きなものまで壊せるようになります。
――最後に日本のファンにメッセージをお願いします。
Greg氏:「1」と「2」のユーザーの皆さん、プレイしてくれてありがとうございました。今作では新しい主人公、新しい街、新しい力といったものを楽しんでもらえます。過去のシリーズをプレイしたことがない方にも、この機会に手に取ってもらえたらと思います。
――ありがとうございました。