スクウェア・エニックスが、日本で2014年春のリリースを予定しているステルスアクションゲーム「Theif」(PS4/PS3/Xbox One/Xbox 360/PC)。本作の開発スタッフであるStephane Roy(ステファン・ロイ)氏によるプレゼンテーションを受ける機会が得られたので、その内容を紹介しよう。
「Thief」シリーズはスゴ腕の盗賊ギャレットとなって、さまざまなお宝を盗み出していくアクションゲームだ。第1作は1998年にPC向けに発売。FPSスタイルの1人称視点にステルス要素を融合させた画期的な内容で話題を呼び、多くのゲームファンの支持を集めたエポックメイキングというべきタイトルである。
本作はこの「Thief」シリーズをリブート(再起動)したもので、続編や前日譚ではなくストーリーやシステムなどを一新した完全な新作として制作が進められている。開発を手がけているのはEidos-Montreal。2011年に発売された「デウスエクス」で高評価を得るなど過去の人気シリーズのリブートに定評のあるゲームスタジオで、今回の「Thief」もゲームファンから高い期待が寄せられている。
公式サイトにて現在公開中のトレイラーも紹介しておこう。これらを見ることでゲームの雰囲気をある程度つかんでもらえるはずだ。
クールでシニカルなギャレットの魅力を継承
今回のプレゼンテーションでは、まずストーリーディレクターのSteven Gallagher(スティーブン・ギャラガー)氏が、本作のシナリオや世界観について解説を行った動画が上映された。それによると、主人公のギャレットはエリンという孤児の娘を弟子とするが、目的のために平然と殺しを行う彼女と対立。コンビを解消するが、数年後に旧友であるバッソの依頼で再び彼女と組むことになる。
厳重な警戒が敷かれた館に侵入したふたりは、そこで怪しげな儀式を目撃する。そのとき突然館が崩れ落ち、エリンは屋根から落下。ギャレットも意識を失ってしまう。やがて目覚めたギャレットは、事件のあった日から1年もの時が経過していたことを知る、というのが冒頭部のシナリオ。非常にダークかつシリアスな内容と言えよう。
プレゼンテーションを担当したEidos-Montreal のStephane Roy氏は、「Thief」シリーズが今も多くの人に愛されているのは、ギャレットのダークでセクシーなキャラクター性が大きいと語る。そのため、本作でもそのイメージを継承するべく、金品の価値ではなく「盗む」という行為自体に生きがいを覚える「アンチヒーロー」の部分を強調しているのだという。
そんなギャレットがメインの武器として使用するのが「弓矢」だ。これは旧シリーズでも登場したギャレットを象徴するアイテムのひとつで敵への攻撃のほか、スイッチを撃って仕掛けを作動させたり、先端部に水が詰められている矢で灯りを打って周囲を暗くしたりと、さまざまな使い方ができるとのことだ。
「ブラックジャック」という携帯用の棍棒も紹介された。こちらもシリーズのファンにはおなじみのアイテムで殺傷能力がなく、殴っても相手は気絶するだけなので、この武器を活用すれば敵を殺さずに進んでいけるわけだ。また、壁を叩いて物音を立て、警備兵の注意を引くといった使い方ができることも明かしてくれた。
もちろん、新たな道具も登場する。「クロー」というカギヅメ状のアイテムで、これを使ってカベをよじ登るなどして高所に上がることができる。Roy氏いわく、このアイテムを導入したことにより、ステージの構成をより立体的なものにできたとのことで、本作をプレイする上で欠かせない重要なアイテムになりそうだ。
グラフィックと一人称視点が没入感を生み出す
ゲームの舞台となるのは謎に包まれた巨大な都市「シティ」だ。街の内部にはギャレットのアジトとなる「時計塔」があり、プレイヤーはここを拠点にして物語を進めていくことになる。また、マーケットで道具の入手や能力の強化などができるほか、さまざまなサイドクエストにも挑戦できるとRoy氏は語った。
ゲーム部分で重要視したのは「ゲーム世界への没入感」で、シティの中に自分が溶け込んでいるような感覚を味わえるように努めているという。特にグラフィックにはこだわっており、「ゲームの中の人やモノが匂い立ってくるような質感や存在感を出しています」と語るなど、その出来映えに自信を見せた。
1人称視点のシステムも没入感を生み出す要素になっているとRoy氏は語る。例えば、ギャレットはカギなどのアイテムをスリのように盗み取ることができるのだが、ギリギリまで相手に近づかなければならず、距離感が実感できる分、極めつけのスリルと緊張感を味わえるという。また、何かをするときにはギャレットの手が画面に映るが、これは実際に触れているかのような感覚を生み出すためであるとのことだ。
闇の中を進む隠密プレイと集中力を高める「フォーカス」
続いて、実機を使ったデモプレイが行われた。今回見せてもらえたのは、謎の1年の空白のあと、目覚めたギャレットが自分のアジトである時計塔に戻るというゲームの冒頭部にあたる部分だ。
時計塔を目指してシティの裏道を進んでいくギャレット。彼は影の中にいると敵に感知されないが、明るいところにいると見つかりやすくなってしまう。そこで役に立つのが画面の左下に表示される「ライトジェム」と呼ばれるゲージで、これは暗がりにいるとゲージも暗いが、明るいところに行くと光ってプレイヤーに警告してくれるのだ。
さらに、PS4の場合は「ライトジェム」のゲージとコントローラーのライトバーが連動しており、ゲージが暗いとコントローラーが青く光り、ゲージが明るいと白く光って状態を知らせてくれる。この機能についてRoy氏は、ゲームをプレイするとき部屋を暗くする人もいることから、ゲージを見なくても直感的にギャレットの状態が分かるようにしたのだと述べた。
なお、明るいところなど見つかりやすい場所にいると、警備兵の頭上に目の形のゲージが表示。こちらとの距離が近くなるにつれてゲージ量が増えていき、フルになると敵が警戒モードになって、「誰かいるのか」と声をかけてきたりするという。この状態になると、すぐに見つかってしまうので、すぐにその場所から離れるなどの対応が必要になるとのことだ。
「フォーカス」というスキルが使えるのも本作の見どころのひとつ。これはギャレットの集中力を高めるもので、発動すると弓で打てるモノやクローを引っかけられる場所など、インタラクト(干渉)できる部分を光で知らせてくれる。さらに、鍵穴の中をのぞいて正確にピッキングできるようにする、弓の命中精度を上げるといった効果もあるので、探索時に大いに役に立ってくれるだろう。ただし、「フォーカス」は発動するたびにゲージが消費されていき、特定のアイテムを使わなければ回復もできないため、無制限に使用することはできないそうだ。
ここで、Roy氏がカギのかかったトビラを「フォーカス」を使って開けるところを実際にプレイして見せてくれた。Roy氏によると「フォーカス」を使わずに開けることも可能だが、時間がかる上に物音も立つため、敵に発見される危険が高まるとのことだ。
時計塔を目指して街の中を進んでいくと、その途中に宝石店を発見。ここに高価な仮面が所蔵されているという警備兵たちの話を聞いて、これを盗むべく店に忍び込むことになった。本作はINFILTATION(潜入)、STEALING(盗み)、ESCAPING(脱出)という3つのフェイズで成り立っており、いよいよ本格的なミッションのスタートというわけだ。
宝石店への潜入ミッションを実際にプレイ
ここからは筆者がプレイしたので、そのインプレッションをお届けしよう。まずはRoy氏のアドバイスに従って矢でロープを撃ち、空中に吊り下げられている角材を落下させてみることにした。うまく命中して警備兵の注意を引けたものの、宝石店の玄関のあたりで躊躇していると見つかってしまい、追い詰められて万事休す。恐らく警備兵の頭上に木材を落とせるのだろうが、筆者の腕がヘッポコだったため、なす術なくゲームオーバーとなった。
Roy氏も思わず苦笑する最悪の立ち上がりとなったが、気を取り直して再度プレイ。正面玄関を突破するのは難しいとのことなので、今度はほかの場所から潜入することにした。Roy氏によると目的地への侵入経路はいくつも用意されており、自由度の高いプレイを楽しめるそうだ。
クローを使って高所にある足場に上がり、そこからロープをよじ登るなどして進んでいくと開いているトビラを発見。無事に宝石店の中に侵入することができた。室内では見つからないようにスイッチを押して周囲を暗くしたり、クローゼットの中に隠れたりしながら探索。途中、警備兵に見つかって戦うハメになったが、今度は「FOCUS」を使って敵の動きを遅くしたので、ブラックジャックで気絶させることができた。
ちなみに、「フォーカス」を使って壁の向こう側を歩く人の足音を視覚化することも可能になっている。いろいろな利用の仕方ができるだけに、どこで「フォーカス」を使うかが攻略のポイントになりそうだ。
そのほか、ダッシュのように素早く動く、物音を立てないように伏せて移動する、鍵穴から部屋の中の様子をうかがうなどの多彩なアクションも利用可能。うかつに動き回ると居眠りしている警備兵を起こしてしまったり、カゴの中の鳥が大声で鳴いたりするので、ステルスアクションならではの手に汗握るスリリングなプレイを体感できるのだ。
さまざまなやり込み要素も満載
店内をあちこち探して、ようやく机の中に隠されていた仮面を入手することができた。ところが、これはガラスでできた安物で、もっと高価なものが隠されているという。ぜひ探してみたかったが、ここまで時間をかけすぎたため、今回は脱出してアジトに向かうことにした。
どうにか無事、時計塔に到着してミッション終了。クリア後のリザルト画面では、見つからずに進んだ割合や警備兵と戦った割合など、プレイの内容が円グラフで見られるほか、見つけたルートやアイテムの数、稼いだ資金、灯りを消すなどして暗闇を作った回数、ヘッドショットを決めた数なども確認することができた。
ちなみに、筆者が見つけたアイテムは90個中わずか3個、資金にいたっては最大で299ゴールド稼げるにも関わらず、入手できたのは5ゴールドというありさまだった。クリアしたミッションは何度でもプレイできるそうなので、すべての要素の発見というのも大きな目的のひとつになるだろう。
アウトローとしての生き様を楽しめる
プレイ終了後、Roy氏に簡単ではあるが話を聞くこともできた。まず、過去の「Thief」シリーズの印象だが、「ほかのどんなタイトルとも比較できないオリジナル性を持った作品が出てきた」と感じたという。それゆえ「ギャレットのキャラクター」、「光と闇の要素」、「一人称視点」、「重厚なストーリー」といったオリジナル版の根幹をなす部分は、本作でも変えることなく継承したのだとRoy氏は語った。
一方で、前作から10年の開きがあるため、現在のプレイのされ方に応じた変更も必要であると強調。「フォーカス」はその一例で、新しいファンがとっつきやすくするために、このシステムを導入したと説明した。ただ、昔からのファンやヘビーなゲーマーのため、オフにすることも可能にしてあるとのことだ。
最後に日本のファンに向けて「このゲームは奥が深くて、どこまで作り込まれているのか自分でも探し切れないほどです」とコメント。さらに、「このゲームでは盗賊となって“盗む”ということが醍醐味なっています。法律に縛られないアウトローとして生きていくというファンタジーを存分に楽しんでいただきたいと思います」と語り、プレゼンテーションを締めくくった。
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※画面は開発中のものです。
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