スクウェア・エニックスは東京・渋谷のアイア シアタートーキョーにて「ドラゴンクエスト夏祭り」を8月2日に開催した。ここでは第1部となるニンテンドー3DS用ソフト「ドラゴンクエストモンスターズ2 イルとルカの不思議なふしぎな鍵」の公式大会「Great Masters’GP」の模様をレポートする。
「Great Masters’GP」は「ドラゴンクエストモンスターズ2 イルとルカの不思議なふしぎな鍵」の対戦モードを使用した公式の大会だ。今回のイベントでは東京、大阪、名古屋の各地区で行われた予選と、「Wi-Fiランキングバトル」を使用したメンバーズ予選を勝ち抜いた総勢8名の選手がトーナメントで対戦。決勝に勝利した選手が「最強のモンスターマスター」の称号を得ることとなる。
大会のルールについても簡単に説明しておこう。準々決勝は5ラウンド、準決勝と決勝は10ラウンド以内に敵を全滅させれば勝利。決着がつかなかった場合は本作から導入されたジャッジポイントで勝敗を決する。そのほかのルールは以下の画像のとおりだ。
大会の進行と実況・解説を務めたのは声優の安元洋貴さん、岡本信彦さんとスクェア・エニックスの犬塚太一プロデューサー。安元さんは過去の大会でもゲスト解説として参加するなど「ドラゴンクエストモンスターズ」シリーズのヘビーなファンとして有名だが、岡本さんも同シリーズをかなりやり込んでいるとのことだ。
接戦あり大逆転劇ありのスリリングな対戦の連続
準々決勝第1試合:psyche選手VS タピオカこぶん選手
どちらも防御重視の慎重な戦術を採っていたため、互いに決定打を与えられない一進一退の攻防となったが、psyche選手は守り合いとなるのを見越していたのか巧みにジャッジポイントを稼いでいき、第2ラウンドが終了した時点で大きくポイントをリード。最終ラウンドも「アストロン」を使ってタピオカこぶん選手の一発逆転を防ぐなど、堅実な戦いぶりで準決勝にコマを進めた。
準々決勝第2試合:みっちゃん♪選手 VS ダビド選手
「いてつく波動」や「作戦ふうじの息」を効果的なタイミングで決めるなど、ダビド選手が優勢に試合を進め、みっちゃん♪選手に1万ポイント以上の差をつけて最終ラウンドに突入。このまま逃げ切るかと思われたが、みっちゃん♪選手が「諸刃切り」や「天使のきまぐれ」を決め、相手モンスターに大ダメージを与えることに成功。ポイント差をひっくり返し、逆転で勝利をおさめた。
準々決勝第3試合:いぶさん選手 VS Gen選手
Gen選手が4枠モンスターの名もなき闇の王で出撃。テンションを上げたり「バイキルト」を使ったりと、めいいっぱい攻撃力を上げた状態で攻撃を仕掛け、ジャッジポイントを大量に稼ぐことに成功する。最終ラウンドでも「マダンテ」を決めるなど、最後まで攻撃の手をゆるめなかったGen選手が圧勝で準決勝進出を果たした。
準々決勝第4試合:にせ選手 VS ホイミソ選手
第4試合は双方が互いの手を読み合う渋い展開となった。ホイミソ選手は回復役のシドーが狙われると踏み、あらかじめ「だいぼうぎょ」をかけてダメージを最小限に抑えるなどしてリードを奪う。ところが、にせ選手は最終ラウンドで狙いを切り替え、ダークドレアムに攻撃を集中して一気に撃破。ここでポイントを稼いだ、にせ選手がわずかな差で勝利する結果となった。
準決勝第1試合:psyche選手 VS みっちゃん♪選手
準決勝第1試合は互いに防御力を上げたり魔法を封じたりと、どちらも防御を重視した手堅い立ち上がりとなった。決定打が出ないだけに、両者ともジャッジポイント稼ぐことを重視。psyche選手がポイントでリードを取ったら、みっちゃん♪選手もすかさず差を詰めるという手に汗握る展開に、解説陣は「ジャッジポイントはこうやって楽しむものなんだ」、「ボクら相手を殲滅することしか考えてないもんね」と感心することしきりだった。
このまま互角の展開が続くかと思われたが、後半戦はpsyche選手がじわじわとリード。こまめにポイントを稼いでいたメタルキングを会心の一撃で倒されてしまうというアクシデントはあったものの、残り1ラウンドの時点で2万点以上引き離すことに成功する。何とか逆転を狙うみっちゃん♪選手だったが、psyche選手は許さず。そのまま押し切って決勝進出を果たした。
準決勝第2試合:Gen選手VS にせ選手
序盤でリードを取ったGen選手だったが、にせ選手は「パーティーチェンジ」を使ってGen選手の名もなき闇の王を強制的に出現させるという思いきった作戦を実行。名もなき闇の王の攻撃をことごとくはね返し、わずか1ラウンドで撃破してしまう。Gen選手はモンスターが残り4体だけとなり、ポイントも大幅にリードされるなど圧倒的不利となった。
しかし、Gen選手はここから驚異的な粘りを見せる。防御を固めつつ、相手のおにこんぼうに「メダパニダンス」を決め、混乱している間にスラ忍シルバーを撃破。さらに、交代で出てきたセバスチャンも混乱させるなど少しずつ差を詰めていき、残り1ラウンドとなったところで、ついにポイント差を五分にしたのだ。
勢いに乗ったGen選手は最終ラウンドでも「しゃくねつ」と「かがやく息」の連発を決めてポイントを大量ゲット。解説の安元さんと岡本さんも感嘆の声を上げるほどの大逆転劇で勝利したのだった。
意外な結末となった決勝戦、そしてシリーズ最新作の情報も
決勝戦:psyche選手 VS Gen選手
psyche選手とGen選手との決勝戦は予想外の展開となった。1ラウンド目は互いに様子を見る静かな展開だったのだが、なんと2ラウンド目でpsyche選手が「パーティチェンジ」を発動し、Gen選手の名もなき闇の王を引っ張りだしたのだ。一気に撃破するべく、カウンターでダメージを与えていくpsyche選手。準決勝では同じような展開でそのまま倒されてしまっただけに、Gen選手にとってイヤな展開になるかに見えた。
ところが、ここで思わぬ事態が起きる。名もなき闇の王の「マダンテ」が、よりにもよってカウンター要員となっていたオルゴ・デミーラに決まってしまったのだ。これで一気に形成が逆転。メンバーを入れ替えて何とかしのごうとするpsyche選手だったが、名もなき闇の王の攻撃の前にモンスターが次々と倒されていき、あっという間にメタルキングを残すのみとなってしまった。
圧倒的な防御力を誇るメタルキングだが1体だけではどうしようもなく、猛攻を受けてあえなく撃破。かくして4ラウンドで勝敗が決するという、まさかのスピード決着でGen選手が見事な勝利をおさめた。
ちなみに、決勝戦のあと犬塚プロデューサーの提案で、優勝者のGen選手とゲスト解説の岡本さんとのエキシビジョンマッチも行われた。岡本さんは4枠モンスターのアスラゾーマで挑んだのだが、Gen選手の名もなき闇の王のほうが行動が早く、わずか2回の攻撃であっという間に倒されてしまう。
それでも「ステルスアタック」を連続で決めて、名もなき闇の王を何とか撃破。ポイントも五分にするが、回復役が残っておらず反撃もここまで。最後は残るメンバーが「メダパニダンス」で混乱させられ、あえなく終了となった。
惨敗した岡本さんだったが、「全力でやってコテンパンにしていただいたので超楽しかったです」と、サバサバとした表情でコメント。犬塚プロデューサーも「岡本さんはホントに負け方が上手(笑)」と、笑いを交えつつ会場を沸かせた岡本さんの健闘をたたえた。
表彰式では「ドラゴンクエスト」シリーズの生みの親である堀井雄二氏より、優勝者のGen選手と準優勝のpsyche選手に賞状とトロフィーが贈呈。さらに、副賞としてGen選手には「超霜降り肉 豪華選りすぐりセット」が、psyche選手には堀井雄二氏のサインが入ったニンテンドー3DS LL「イルとルカの不思議なふしぎな鍵」オリジナルバージョンがそれぞれ贈られた。
表彰式のあと、堀井雄二氏が「すごくパワーアップした“イルとルカ”をすごくたくさんの人にプレイしてもらえて、こんなにうれしいことはありません」と喜びの挨拶。さらに、サプライズとして「シリーズ最新作」の制作が決定したことが正式に発表された。犬塚氏によると、リメイクではなく完全な新作で、すでに開発もスタートしているとのことなので、新たな情報を楽しみに待とう。