モバイルコンテンツ業界の最新動向やマーケットをテーマとしたカンファレンス「GMIC TOKYO 2015」が、本日7月10日に東京ミッドタウンにて開催された。ここでは、世界のモバイルゲームアプリ市場について語られた2つの基調講演をレポートする。

目次
  1. ビッグデータから見た日中のモバイル市場の発展環境
  2. モバイルアプリの最新市場動向

ビッグデータから見た日中のモバイル市場の発展環境

DataEye VP Song Chang氏によって行われた基調講演「ビッグデータから見た日中のモバイル市場の発展環境」では、日本と中国のモバイル市場の発展と、今後の動向が紹介された。DataEyeは2013年に設立された企業で、モバイルゲームや市場のデータ分析を行い、さまざまなサービスを提供している。

世界のモバイルユーザーは1995年の8,000万人から52億人に拡大しており、人口の73%を占めるまでになっている。そして、その40%がスマートフォンを利用してる。インターネットユーザーは3,500万人だったのが、28億人にまで増加した。このような環境の中、モバイルゲーム市場も拡大している。

タブレットやスマートフォンの利用者は、2013年から2018年にかけて更に増加することが見込まれており、2018年には3人に1人がスマートフォンを所持するという。

モバイルゲーム市場の売上規模は、2013年ではゲーム市場の売上が755億ドルのうちモバイルが176億ドル、2018年になるとゲーム市場が114.9億ドル、モバイルが44.2億ドルにまで拡大する。

世界各地域や各国のモバイルゲーム市場。日本は60億ドルで成長率18%、アメリカは52億ドルで成長率48%、中国は42.5億ドルで成長率86%、韓国は16億ドルで成長率1.6%という結果となり、現在は日本が最大の市場規模となっているものの、アメリカと中国の高い成長率が目立った。

アメリカ市場でのOS分布はiOSとAndroidに二分されている。アジアのSNSプラットフォームは、日本のLINEや韓国のカカオトーク、中国の微信などが存在し、ゲームのプラットフォームとしても機能している。

日本と中国の市場やモバイルゲームユーザーを比較すると、市場規模は日本のほうが大きいが、中国市場の爆発的な伸びがみてとれる。スマートフォンの普及率は、日本が60.2%で7,500万人、中国では46.9%で6億4,000万人。プレイヤーが課金する割合は、日本が42.6%、中国が24%となり、日本市場での課金率の高さが明らかとなった。

続いてはプレイするゲームのジャンル。両国でRPGが最も人気だが、日本ではパズル、シミュレーション、アクション、カードと続くのに対し、中国ではアクション、パズル、ストラテジー、シミュレーションという結果に。アクションゲームの人気の高さが中国の特徴のようだ。

ARPUは日本が22.1ドル、中国が3.1ドルとなり、日本人の課金額の高さが明らかとなった。

DataEyeでは、365日24時間体制でアプリ・HTML5・テレビといったプラットフォームで展開するゲームに関するデータ分析を行っており、そこから改善点を発見・提案しているという。

モバイルアプリの最新市場動向

App annieではアプリの分析や市場データなどのサービスを提供する企業。自社アプリの各種推移や競合アプリの動向などを調査することができる。トップ100パブリッシャーの94%をはじめ、世界で40万社に利用されているという。

会場では、App annie カントリーディレクター 滝澤琢人氏により、日本をはじめとする各国のゲームアプリ市場について紹介が行われた。

アプリ収益のトレンドとして、広告、フリーミアム(無料で配信し追加課金するもの)、ペイド(ダウンロード課金)、ペイドミアム(ダウンロード課金し追加課金もあるもの)を紹介。グラフは2013年の数値を100とし2014年と比較したもので、広告とフリーミアムは70%程度の大きな伸びとなっている。

続いて、ゲームと非ゲーム系アプリの収益比較。ほぼすべての国で70%程度の収益をゲームが占める結果となり、日本と韓国は90%近くと非常に高い割合となっている。

さらに、アプリの使用時間を見ると、多くの国で通信とソーシャルネットワークが半分近く占めているのだが、日本と韓国はゲームに時間を費やす比率が高くなっている。アプリの起動回数は時間と比べて、ゲームの割合がさらに減少している。日本と韓国、特に日本の特殊な市場環境がみてとれた。

セッションの最後では、日本市場の各ジャンルの代表的なアプリや、2015年5月から6月にかけて急成長しているアプリが紹介された。

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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