5pb.は本日7月3日、東京・ベルサール秋葉原にて開催されたアドベンチャーゲームの祭典「5pb.祭り2016」にて、「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」のステージイベントを実施した。

「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」は、1996年にエルフからPC-98向けに発売されたアドベンチャーゲーム。シナリオヒロインを攻略するためにシナリオを何度も繰り返しプレイする、美少女ゲーム独特の構造を、ゲームシステム面にも組み込んだ菅野ひろゆき氏によるシナリオは今もなお傑作と名高く、いわゆる「ループ物」のルーツとして後の美少女ゲームにも多大な影響を与えたと言われる伝説的な作品だ。本作はオリジナル版のシナリオをそのままに、ビジュアルや音楽面を一新させたリメイクにあたる。

今回のステージでは、司会を担当するお笑いユニット・アメリカザリガニの柳原哲也さんと、本作の主題歌を担当する佐々木恵梨さんが登場。上映された本作のオープニングムービーと共に、オープニングテーマ「Recalling」を熱唱し、大盛り上がりのライブによってイベントはスタート。

その後のステージには、本作のプロデューサーの浅田誠氏、そして声優の林勇さん(有馬たくや役)と江口拓也さん(豊富秀夫役)の3人が登壇。ステージ上では作中にも登場するジオ・テクニクス社のオフィスが簡易的に再現される中、江口さんの指示を受けた林さんがオフィス内を探索し、その中に隠された本作にまつわるキーワードを見つけることができれば、そのキーワードについて浅田氏に解説してもらえるという形式でイベントは進行していく。

とはいえステージの中には探せる場所はそれほど多くなく、すぐに全部を見つけてしまいそうな雰囲気に、困惑気味の2人。いきなり簡単にみつけてしまっても味気がないと、意外性のある場所から探索を進めていくと、おそらくもっとも難しい場所として設定されていたであろう、机の裏に隠されたキーワード「ゲーム音楽」を最初に発見。

元々PC-98向けにリリースされていた本作の楽曲はFM音源で作られているのだが、今回はその実機から特殊な機材を使って吸い出し、ハイレゾ音源として現代に蘇らせるという非常に特殊な手法によって制作されているのだという。当時のノスタルジックな雰囲気をより楽しめるようになっており、会場では実際にヘッドホンを使ってMP3とハイレゾのBGMの聞き比べを体験した江口さんと林さんの2人は、明確に表現された音の違いにかなり驚いていた様子だった。

さらに、本作には新たに現代のクオリティで作られたアレンジ版と、オリジナルであるPC-98版のBGMの2種類が収録され、その両方をいつでも切り替えられることも判明。実際にシステムメニューで音楽を即座に切り替えるプレイ映像も公開され、当時の思い出が蘇るノスタルジーな雰囲気に、年季の長いファン達を大喜びさせていた。

次に二人が発見したのはノートパソコンの裏に隠されていた「追加素材1」というキーワードで、しばらく寸劇(?)が繰り広げられた後、なんと江口さんのポケットから2つのキーワードが書かれたカードが出現。

まず江口さん演じるキャラクター「豊富秀夫」の名前が書かれたカードでは、秀夫に関するキャラクター説明が行われ、実際に作中に登場した際のゲーム画面も初公開となった。秀夫は本作の中でも一癖も二癖もあるキャラクターのようで、プレイヤーに強いインパクトを与える「とんでもない」シーンも用意されているという。

もう一つのキーワード「押し相撲」では、林さんと江口さんが押し相撲で対決することに。江口さんが勝てばとムービーが1本、林さんが勝てば2本のムービーが公開されるという、江口さんにとって非常にメリットが少ない条件の中、空気を読んだ江口さんは一瞬で敗北。その結果、ゲームのプロローグにあたるヒロイン「島津澪」と「朝倉香織」の2人の登場シーンのゲーム映像が初めて公開されることになり、見事客席からの期待に答えて、会場を沸かせていた。

続いて封筒の中から発見したのは「宝玉」というキーワードで、こちらでは浅田氏の口から本作の根幹を成す重要なシステム「A.D.M.S(アダムス)」についての解説が行われることに。

簡潔に説明すると、アダムスとは人生における分岐点を線で表したもの。選択肢を間違えたと思った場合、普通のアドベンチャーゲームでは選択肢でのセーブ・ロードを行うことで遡ることになる。ところが本作ではその分岐点で「宝玉」と呼ばれるアイテムを使用することで、初めて選択肢を遡ることができるようになる仕組みとなっており、キーワードにも登場した「宝玉」が、非常に重要な役割を果たすことになるのだという。

その後には、小澤亜李さん(ユーノ役)と小林ゆうさん(武田絵里子役)からの動画でのメッセージが上映され、収録現場の思い出やキャラクターを演じての感想などが語られた後、本作のPRを目的としたニコニコ生放送特番「この世の果てで調査団 YOU KNOW?」が月1回のペースで配信されることが発表。

番組内容としてはパーソナリティを務める小林さんと小澤さんが知らない、本作にまつわるさまざまな情報を教えてくれるというものになるそうで、本ステージで司会を務めたアメリカザリガニの柳原さんの出演も急遽決定。なお今回公開されたのはほんの数分程度の内容だったのだが、実際に収録された動画は40分というかなりの長時間に及んでいたことも明かされ、会場の度肝を抜いていた。

そしてステージの最後には、1996年に発売されたオリジナル版の発売から2016年12月26日で20周年を迎えることを記念し、デジタルコンテンツとしてオリジナル版の「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」が配信されることも決定。PS4/PS Vita版「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」の初回購入特典としてそれぞれに封入され、20周年を迎える時期には配信予定とのことだ。

もう1度プレイしたいと思っていた発売当時からの根強いファンはもちろん、現在ではなかなかプレイすることが難しくなっていたタイトルだけに、興味はあっても原点に触れたことがなかったプレイヤーにとっては、非常に嬉しいサプライズ発表となった。

なお、こちらの記事では、より本作の現状が分かるプロデューサーの浅田氏からのコメントを掲載しているので、是非ご一読を。

この世の果てで恋を唄う少女YU-NO

5pb.

PS4パッケージ

  • 発売日:2017年3月16日
  • 17歳以上対象
この世の果てで恋を唄う少女YU-NO

この世の果てで恋を唄う少女YU-NO

5pb.

PS4ダウンロード

  • 発売日:2017年3月16日
  • 17歳以上対象

この世の果てで恋を唄う少女YU-NO

5pb.

PSVitaダウンロード

  • 発売日:2017年3月16日
  • 17歳以上対象

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