「これぞ!」という女性向けコンテンツについて語っていく連載企画「おとめげ!」。第1回ではPS Vita用ソフト「Code:Realize ~祝福の未来~」についてお届けします。

目次
  1. 「Code:Realize ~祝福の未来~」ここがポイント!
  2. 「Code:Realize」シリーズとは?
  3. 運命を乗り越えた先に待っていた、祝福の未来
  4. 新キャラクターが登場する2つのルートとギャング編
  5. 美しいグラフィックやサウンドなど、ストーリー以外にも見どころはたくさん!

「おとめげ!」は、イケメンと可愛い女の子をこよなく愛するライターが、さまざまな乙女コンテンツをご紹介する連載企画です。今回はアイディアファクトリーの女性向けゲームブランド「オトメイト」から2016年11月24日に発売された「Code:Realize ~祝福の未来~」についてお届けします!

「Code:Realize ~祝福の未来~」ここがポイント!

  • 恋愛と同じくらい「ルパン一味」という関係性を大切に描いたアフターストーリー
  • 本編では見ることができなかった、よりキャラクターを掘り下げられる新ルートが追加に
  • 物語を彩る魅力的な登場人物たち、美しいグラフィックやこだわりのSEにも注目

「Code:Realize」シリーズとは?

2014年11月27日に「Code:Realize ~創世の姫君~」、2016年11月24日にファンディスクとなる「Code:Realize ~祝福の未来~」が発売。ディレクターは一(にのまえ)ジョー氏、原画はmiko氏が担当し、メインテーマのアーティストはmao(まお)さん、BGMはPeak A Soul+が手掛ける。2015年8月に開催された「オトメイトパーティー2015」にてアニメ化が発表され、2017年4月23日には初の単独イベント「Code:Realize Fantastic Party!」が開催される予定。

舞台は19世紀ごろ、スチームパンクの世界観を彷彿とさせる架空の都市「機鋼都市ロンドン」。全身に猛毒を宿し、怪物と呼ばれた少女「カルディア」が、世間を騒がせる大泥棒「アルセーヌ・ルパン(CV:前野智昭)」、人間兵器とも呼ばれる最強の吸血鬼狩り「エイブラハム・ヴァン・ヘルシング(CV:諏訪部順一)」、指名手配犯として追われる研究者「ヴィクター・フランケンシュタイン(CV:柿原徹也)」、明るくお調子者の技術者「インピー・バービケーン(CV:森久保祥太郎)」、不思議な雰囲気をもつ貴族「サン・ジェルマン(CV:平川大輔)」をはじめとしたさまざまな人物と出会い、自身に秘められた謎に迫っていく。

ファンディスクでは、攻略対象キャラクターである5人とのその後を描いたアフタールート、前作に登場したエルロック・ショルメ(CV:村上和也)の攻略とフィーニス(CV:梶裕貴)の救済を描いたルート、新たなキャラクターが登場する事件を描いたギャング編のほか、オマケ要素が含まれている。

運命を乗り越えた先に待っていた、祝福の未来

本編・ファンディスク共に「Code:Realize」シリーズの醍醐味ともいえるのが、攻略キャラクターだけでなく「仲間との絆」を丁寧に描いたストーリー。立場、目的、背負った過去も大きく異なるルパンたちですが、本編ではカルディア、そして大切な仲間のために命をかけて運命に立ち向かいます。

主人公と攻略キャラクターとの心の触れ合いが主軸ではありますが、その周囲には常に心強い仲間の存在がありました。ロンドンのみならず、世界を揺るがしかねない幾多の困難を乗り越えられたのは、最愛の人と最高の仲間たちがいたからこそ。この「ルパン一味」として綴られる物語が、たまらなく愛しいんです。

ファンディスクでも、こうした部分は健在。大事件を乗り越え、深い愛情で結ばれた幸せいっぱいの2人のとことん甘いやりとりが覗ける一方、たくさんの人たちに見守られているんだなという雰囲気もありありと描かれていて、本編の結末以上に幸せな気持ちで満たされました。次の目的のために新しい一歩を踏み出し、離れ離れになったはずの仲間もなんだかんだと側にいてくれるのも、やっぱり嬉しいものです。それでは、アフタールートの見どころについてご紹介しましょう!

ルパン

「ルパン一味」という名の通り、本編の他のルートでも中心的存在となっていたルパン。時にはカルディアを守るだけでなく、そっと背中を押すことも。常に自信に溢れ、大胆不敵にピンチを乗り越えていく様には惚れ惚れしてしまいます。

ファンディスクでは、そんな完璧とも思えるルパンを「ずるい」と感じたカルディアが、ちょっとした行動に出ます。それに協力する仲間たちの楽しそうな姿をはじめ、ルパンへの愛情をしっかり言葉にしようとするカルディアには自然と頬がゆるんでしまいました。また、そんな彼女の可愛らしい行動にヤキモチを焼くルパンにも非常に微笑ましい気分になれます。

そして、本編でカルディアも世界も丸ごと救いきったルパンだからこそ寄り添ってあげられたカルディアの「家族」への想い。ここからまた新たな一歩を踏み出すんだなと、まさに「祝福の未来」を体現したかのようなエンディングでした。やっぱりルパンはずるい!

ヴァン

本編では人間離れした戦闘力でたびたび窮地を救ってくれる頼もしい仲間でありつつ、奪われた悲しみ、奪ってしまった痛みが常に重く圧し掛かっていたヴァン。カルディアと向かい合う時は激しい感情が渦巻くことも多かった彼ですが、すべてに決着をつけたファンディスクではとても穏やかで温かな愛情をカルディアへ向けます。これまでの落差がある分、その熱烈ぶりにはとても驚かされました。

しかし、こうした変化を嬉しく思えたのも束の間。お互いを想い合うからこそ、遠く感じてしまうすれ違いには見ていて本当にもどかしい気持ちに。当然、そんな2人を仲間たちが放っておくわけがないので、そこは安心できました。カルディアとヴァン、壮絶な運命を乗り越えた2人だからこそ、気付いてほしい、言ってほしい、思わず「もっと願ってもいいんだよ」と伝えたくなるような想いをはっきりと口にしてくれた瞬間は、涙なしには見られませんでした。

フラン

自身の研究が、結果として多くの悲劇を生み出してしまったことに苦しんでいたフラン。本編ではより多くの犠牲を生み出してしまう計画を阻止し、カルディアの無毒化にも成功。ファンディスクでは、猛毒のない当たり前に日常にやや戸惑いながらも、幸せいっぱいの未来を歩み出した2人の新生活にニヤニヤが止まらないやら羨ましいやら…いえ、率直に言ってとても羨ましかったです。

そんな中、絶対的な存在たちから突きつけられたのは、遠い未来に訪れるどうしようもない現実。選ぶための時間はとても短く、残された道は2人にとって残酷なものだけ。しかし相手を想えばこその選択といえど、それがそのまま相手の幸せに繋がっているとは限りません。仲間の後押しでちゃんと気付くことのできたフランなら、厳しい状況でも希望を見失わずに最高の未来を掴めるだろうと信じられました。

インピー

持ち前の明るさで、ルパン一味のムードメーカーとなっているインピー。時にはカルディアにすらスルーされ気味ですが、本編で明らかとなった複雑な過去を背負いながらも夢を諦めない強さ、科学に対する情熱は素晴らしく、惚れ込むのも気持ちはわかります。どうしても素直に認めるのが悔しくなりますが、インピーには他のキャラクターとは一味違った優しさと包容力、格好よさがありますね。ストレートに称賛したくなくなるもの彼ならではということで。

さて、2人の「月へ行く」という目的のために必要となったのは、身も蓋もなく「先立つもの」。最高のパトロンを味方につけるため、天才技師としてその腕を見せつけることとなりますが、しみじみ「インピーって実は、物凄く、本当に、天才なんだよな…」と思わされました。ファンディスクでは、そんな彼の「実はとってもカッコイイ!」という部分が凝縮されたルートとなっています。とくにカルディアちゃんの太陽のような弾ける笑顔は、きっとインピーが隣にいてこそなんだろうなと感じました。

サン

人知れず、歴史を管理していた秘密組織「イデア」の一員であるサン。常にスマートかつ穏やかで、どこか諦めにも似た雰囲気をまとっていた彼ですが、カルディアや仲間との出会いで大きく変わりました。ファンディスクではカルディアの毒を消すため世界中を旅し、そんな中でイデアに選ばれた時の遙か昔の出来事、かつて友と呼べた存在がいたことなど、謎に包まれていたサンの過去が明らかとなっていきます。

本編では世界を脅かす存在であるカルディアを守るため、泥臭く必死になる姿には胸を打たれましたが、ここではさらに人間らしい感情を垣間見せてくれます。それは決してキレイなものとは呼べませんが、個人的にはカルディアがどんどん普通の女の子になっていくのと同時に、サンもまた失ってしまった人としての時間を取り戻していくように思えました。大切だからこそ絶対に失いたくないというサンの気持ち、サンに負けないくらいカルディアを大切に思う仲間の気持ちも深く感じられるルートです。

新キャラクターが登場する2つのルートとギャング編

ファンディスクならではの展開が待っている、新ルートも見どころの1つ。ショルメとフィーニスはカルディアが自身の出生の秘密を知り、ルパンたちの元を離れたところから物語が始まります。

ショルメ

エルロック・ショルメの攻略ルートでは新キャラクターとして彼の相棒だったジョン・H・ワトソン(CV:鳥海浩輔)が加わり、共に切り裂きジャック事件の調査を行うことに。そこから何故ショルメが相棒と別行動を取っていたのか、そこまでして何を追っていたのか、彼にとっての「宿敵」と、ショルメの過去が少しずつ紐解かれてきます。離れていても、ここぞという時にはしっかりカルディアに手を貸してくれるルパン一味とのやりとりにもグッときました。また、ルパンにとっては天敵で、完璧な存在に思えるショルメにも、思わず親しみすら感じてしまう意外な弱点が語られるのも欠かせないポイントでしょう。

そしてもちろん、2人の心が寄り添っていく過程も見どころの一つ。カルディアにとって消すことのできない過去の罪と、ショルメが奪ってしまった大切な人たちの幸せ。孤独だったカルディアと、孤独であることを選んだショルメ。どこか似ている部分のあった2人だからこそ、これから一緒に歩いて行ってほしいなと願わずにはいられません。

フィーニス

フィーニスのルートの見どころは、やはり本編で見ることのできなかった敵勢力の内情でしょう。こんな掛け合いをしていたんだろうなと思わず彼らに苦笑したり同情したり、全体的にシリアスな展開ですがそこだけはクスッとできました。

個人的にはフィーニスのより深い感情だけなく、父・アイザックの想いも理解できた触れられたルートなのが印象的でした。アイザックのフィーニスに対する行動も、こんな悲しい背景があったのかと胸を締め付けられます。新たに登場したイデアの使徒(CV:岡本信彦)は過去の出来事から「姉弟」「家族」という部分に絡みつつ、トキメキ的な意味でドキッとさせられるシーンもありで、もっと活躍が見てみたくなるキャラクターでした。

ギャング編

これは本編の外伝的な位置づけで、ルパン一味とイタリアマフィアが激突する痛快なストーリー。ひょんなことからカルディアはイギリスマフィアのボスの娘・シャーリーと出会い、やがて物語は「バートリの彫像」を巡ったマフィア同士の抗争へと大きく動いていきます。

息ピッタリのルパン一味が巻き起こすド派手な展開、胸が詰まる家族愛や憎悪の行方など見どころはたくさんありますが、個人的にはどうしてもカルディアとシャーリーに注目してしまいます。友達とは無縁で過ごしてきた2人が初めての友達に喜ぶ姿はとても可愛らしくて悶えました。

そして、本編とはがらりと印象の変わるシックな衣装に扮した攻略キャラクターもポイント。黒い正装に身を包み、マフィアと渡り合う姿は本当に格好良いの一言に尽きます。それぞれに最高の見せ場や素敵なスチルが用意されていますし、一本のアクション映画を観終わった時のような爽快感に包まれました。

美しいグラフィックやサウンドなど、ストーリー以外にも見どころはたくさん!

本編・ファンディスクを問わず、攻略キャラクター以外にもたくさんのユニークなキャラクターが多いのも本作の特長。なかでも「Code:Realize」シリーズには、有名な物語のキャラクターや実在の人物と同じ名前のキャラクターが多数登場します。ただ名前だけ同じというわけではなく、それらの背景が上手く本作に取り入れられている部分もあるので、オリジナルについて調べてみるのも面白いですよ。

またファンディスクでは、とある出会いを経てカルディアたちと共に過ごしていたドラクロワ二世(CV:石上美帆)との日常を描いたオマケも用意されています。まだまだ幼く、可愛いといった印象の「ドラちゃん」の、これまた可愛さが天元突破したようなシチュエーションだけでなく「もしかしたら…?」という期待も感じられる素敵な内容となっています。

このほか、スチルはもちろん、背景まで含めた美しいグラフィック、スチームパンクの空気を存分に味わえるサウンド面も魅力。個人的には「MOVIE」の項目で、映写機のようなSEは入るのがとてもこだわりを感じて気に入っています。今回はエンディングテーマにmaoさんだけでなく、織田かおりさん、SHOJIさんが加わり、感動のエンディングをさらに盛り立ててくれていますので、ぜひ本編とファンディスクを併せて遊んでみてください!

Code:Realize ~祝福の未来~

アイディアファクトリー

PSVitaダウンロード

  • 発売日:2016年11月24日
  • 15歳以上対象

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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