角川ゲームスが2017年4月13日に発売を予定しているPS4/PS Vita用ソフト「GOD WARS ~時をこえて~」。発売に先駆け、2月9日より配信を開始した第2弾体験版「THE Beginning体験版」のプレイインプレッションをお届けする。
日本神話とお伽話を融合させた、独特の和風ファンタジー世界を舞台に、本格的なタクティクスRPG(シミュレーションRPG)を楽しめる「GOD WARS ~時をこえて~」。当初2月23日に発売を予定していたが、2016年9月に期間限定で配信していた第1弾体験版のユーザーからの意見を経て、さまざまな意見を反映するために発売を2017年春まで変更し、改善に取り組んできた。
そして先日、2017年4月に発売することが告知されると同時に、PS4専用の体験版第2弾となる「THE Beginning体験版」が、2月9日よりPlayStation Storeにて配信される。本体験版ではゲーム冒頭をプレイでき、製品版への引き継ぎや、クリア段階に応じた特典が用意されているなど、発売に向け、ユーザーがゲーム内容を確認できるものとなっている。
今回は配信に合わせ、同体験版を一足先にプレイ。筆者が感じたいくつかのポイントを紹介していこう。
多彩なストーリー表現に注目!
冒頭にも紹介した通り、本作では日本最古の歴史書である古事記をモチーフにした日本神話と、古来より人々の間で語り継がれてきたお伽話を融合した物語が展開する。物語の舞台となるのは瑞穂国(みずほのくに)。富士国・出雲国・日向国の三国を中心に構成されている、八百万の神々が住まう、祖霊を敬い自然と共生する人々が豊かに暮らす国だ。
だが、文明の進化とともに人々の間に争いが起こると、各地で洪水や地震、噴火などの天変地異が発生。そして世界の破滅をもたらす大噴火を防ぐため、富士国女王のツクヨミは娘のサクヤを生贄として火口に捧げ、その妹である主人公のカグヤを竹の結界に幽閉すると、そのままどこかへと姿を消してしまう。
そして本作の物語は、13年の時を経て成長したカグヤを、幼馴染みであるキンタロウが救い出すところから始まる。そして、姿を消したツクヨミの真意を知るために、瑞穂国の国をめぐる冒険の旅が描かれるのだ。
こうした壮大なスケール感のあるストーリーを描いていく本作では、マップ上での会話にとどまらず、多彩な演出が施されている。随所に挿入されるアニメーションは、映像を通してキャラクターの表情や作中の背景などを表現。また、コマ割りのようなカットインも、キャラクターの会話のやり取りにテンポ感を持たせており、物語への没入を深めている。
今回プレイできるのは物語の導入にあたる部分のみではあるが、これまでの情報からイメージしていた以上に物語の作り込みが意識されているように感じた。旅を通して描かれる人々との出会いや、カグヤたちの背景に見え隠れする陰謀など、冒頭から気になる要素が満載なので、まずは物語に注目してみるといいだろう。
独自の要素を加えつつ、オーソドックスに作り込まれたタクティクスRPG
第1弾体験版をプレイした人にはすでにお分かりの通り、本作はクォータービューの3Dマップ上で敵味方に分かれて戦いを繰り広げる、ターン制のシミュレーションRPGとなっている。相手の後ろに回り込むなどの位置取りや高低差などのオーソドックスなシステムながら、本作独自の要素がいくつか用意されている。
まずは「けがれ」というパラメーターを紹介しよう。これは敵を攻撃したり、味方を回復したりすることで上昇するパラメーターとなっており、けがれが強ければ強いほど敵に狙われやすくなる、いわゆる“ヘイト”と呼ばれるものだ。あえてけがれを上昇させることで敵の攻撃を引きつけたり、逆にけがれを下げるスキルを使って敵から身を隠すといった、状況に応じた判断が楽しめる。
また、高低差がもたらす影響も本作をプレイする上では忘れてはいけない要素。特に弓などの遠距離武器は上から下へ放つ時により遠くを狙うことができる。実際、体験版で最後に挑むステージは、敵側に高所を取られる状況でスタートするため、考えなしに飛び込むと弓兵から攻撃を受けてHPを削られたりと、苦戦を強いられるケースも。
コマンドは通常攻撃のほか、MPを消費する特殊能力であるスキルが用意されている。キャラクターには、それぞれ主職業、副職業を自由に設定することができ、その職業に基づいたスキルをスキルツリーより習得できる。加えて、キャラクター毎に、変更することができない固有の職業(ex. カグヤ:望月姫、キンタロウ:森人)も設定されており、そちらではキャラクターの個性に合ったスキルを習得できるようになっている。また、キャラクターレベルはもちろん、職業ごとのレベルも用意されており、スキルツリーも別個に存在するため、どのキャラクターがどの役割を担うかもしっかりと考えてからスキルを習得することも、戦略の重要な要素となるだろう。
ゲーム冒頭であることは踏まえつつも、第1弾体験版と比較してみるとゲーム内の各要素がより分かりやすく説明されているように感じた。また、移動速度の調整による戦闘のテンポアップやコマンド全般の調整など、第1弾体験版からのフィードバックを受けての改善も直に確認することができた。スキルツリーのでの成長システムも含めてプレイヤー側の裁量もあるものの、序盤をプレイする限りは肩肘張らずとも十分に楽しめる内容となっている。
冒険を助ける要素などこまかいところに配慮も
最後に、冒険を進める中で活用していく2つの施設について紹介しよう。
まずはさまざまな道具や装備を購入できる「よろず屋」。ここでは、パラメータの変動にもダイレクトに影響する装備を試着することができるほか、パーティ内の役割に応じて装備を選んでくれる「お任せ購入」などの機能が用意されている。こちらは体験版でもすぐに利用できるようになるため、ひとまず試してみるといいだろう。
そして、ゲームに慣れてきたところで新たに登場するのが、土地の民が神に感謝し、お祈りをする参拝場所「やしろ」だ。やしろでは、指定された戦闘をクリアして報酬がもらえる「依頼」と、供物を奉納することでパーティ全体の能力がアップする「参拝」の2つの機能が用意されている。依頼にチャレンジすることでキャラクターの経験値を得ることもできるためストーリーのステージクリアに役立つほか、奉納額によってやしろのLvを上げ、参拝の効果を上昇させるなど、ゲームを進める上で役立つ効果も確認することができた。
重ねてになるが、本体験版では製品版への引き継ぎや、クリア段階に応じた特典が用意されている。「GOD WARS ~時をこえて~」が気になっている人は、この機会にぜひプレイしてみてはいかがだろうか。