ファルコムの歴史を彩った、数々の名曲が最新アレンジで蘇る！「ファルコムjdkバンド ニューイヤーライブ2018」レポート

恒例の歴代人気インスト曲のラッシュからライブはスタート

歴代の日本ファルコム作品のバンドアレンジを、何度も代替わりしながら演奏し続けてきた長い歴史をもつ「ファルコムjdkバンド」。

2018年に入ってから初めて行われる今回のライブは、「TO MAKE THE END OF BATTLE」（イースII）よりスタート。さらにそこから流れるように「The Fate of the Fairies」（英雄伝説 空の軌跡 SC）へと繋がっていく。

「イース」と「軌跡」、ファルコムを代表する2つのシリーズを象徴する人気インスト曲のメドレー、激しくかき鳴らされるギターとヴァイオリンが奏でるハーモニーという合わせ技で、客席のテンションは早くも最高潮に。

続いて、jdkのボーカルを担当する佐坂めぐみさんが登壇すると、2017年9月28日に発売されたことでも記憶に新しい、ホットな楽曲である「英雄伝説 閃の軌跡III」のオープニング主題歌「行き着く先」を熱唱。会場のサイリウムが鮮やかな赤一色へと染まる中、「I miss you」（英雄伝説 閃の軌跡）、「閃光の行方」（英雄伝説 閃の軌跡II）と、アップテンポな激しい曲調である「閃の軌跡」のボーカル曲を、堂々としたパフォーマンスで見事に歌い上げていく。

佐坂さんは「閃の軌跡III」でのトールズ士官学院 第II分校の制服をイメージした衣装に 身を包んでの登場で、ファンを喜ばせた。

「all is a lie」（東亰ザナドゥ eX+）では、そこから雰囲気が一変。ライブハウスのおしゃれな雰囲気にもピッタリな、シックでムーディな楽曲に客席もウットリ。続く「銀の意志 金の翼」（英雄伝説 空の軌跡 SC）では、ベースがその存在感を力強くアピールする一方、ヴァイオリンのソロパートで美しい音色が奏でられるなど、聴きどころ満載の構成となっていた。

jdkの歌姫として圧倒的な歌唱力で客席を魅了する佐坂さんは、MCでもライブを盛り上げる。今年はついに20歳となり、つい先日成人式に参加したことを報告、客席からの祝福を受ける一幕もあったが、これまでのライブでもベテランアーティストのような貫禄すら感じさせる、軽快なトークやパフォーマンスを披露してきていただけに、改めてその若さに驚いたファンも少なくなかったのではないだろうか。

2018年を迎えてから初のライブということで、メンバーの正月事情も紹介された。 昨年の正月は風邪でダウンしていたというヴァイオリンを担当する水谷さんは、 今年は元気にカニを食べて過ごすことができたのだとか。

ライブの中盤では「剣戟怒涛」「ストッパー」といった、戦闘時やここぞというシーンで流れる熱いBGMが次々と演奏される。中でも、ファルコムファンなら誰もが知っているであろう「空の軌跡」の人気曲をこれでもかと詰め込んだ「Sophisticated Fight～ピンチ!!～撃破!!メドレー」では、サックスを中心に、次から次へパートの主役となる楽器が入れ替わり、Wギターが交互にそれぞれのテクニックを披露するパートはまさに圧巻。ライブならではの激しいアレンジが施された仕上がりに、一際大きな歓声があがっていたほどだ。

後半からは、二人の歌姫が入り混じりな、互いの美声を響かせる

その後にはJdkのもう一人の歌姫となる末廣優里さんが登壇し、再びのボーカルナンバーとなる「Maybe it was fated」（英雄伝説 空の軌跡）を熱唱。現在のメンバーとなってから「Maybe it was fated」が披露されるのは今回が初だったこともあり、客席も大いに盛り上がる。

そんな歌姫達が勢ぞろいしたところで、いよいよライブはクライマックスへ。まず「碧き願い」（英雄伝説 碧の軌跡 Evolution）で、会場が一面青の世界と化した後には、本日初のバラード曲となる「I pray for you -アオイキセキ-」（英雄伝説 碧の軌跡 Evolution）を末廣さんが切なく、情感豊かに歌い上げ、その美声を響き渡らせていく。

そこから「I'll remember you」（英雄伝説 閃の軌跡II） 、「嘆きのリフレイン」（英雄伝説 閃の軌跡III） といった、静かさと猛々しさが入り混じったナンバーが連続すると、会場の雰囲気はさらに一変。鮮やかなサイリウムが会場を染め上げる熱狂の渦の中、最後はエンディングにピッタリな名曲「星の在り処」（英雄伝説 空の軌跡 FC）を、客席も一体となり歌い上げた。

そうしてライブの幕は閉じたかに思われたのだが、力強い「jdk」コールは終幕後も鳴りやまない。それに答える形で、「I swear…」（英雄伝説 空の軌跡 SC）と共に、日本ファルコムのマスコットである「みっしぃ」Tシャツに身を包んだメンバーも再びステージに。

ギターを担当する関口さんは最近ゲームを遊び始めたらしく、 PS Vitaで「イース セルセタの樹海」に熱中していることを明かし、会場の拍手喝采を集めていた。

沸き起こる歓声の中行われたアンコールでは、ファルコムを代表するナンバーの一つである「英雄伝説 閃の軌跡」のOP主題歌・「明日への鼓動」で大盛り上がりした後、ニューイヤーライブのラストを飾る形で、「GO FIGHT!」が満を辞して演奏される。

ファルコムファンには言わずもがな、伝説的なショートアニメとして人気を博した「みんな集まれ! ファルコム学園」のオープニングにも採用された、屈指の人気ナンバーを、「GO！」「FIGHT！」の大合唱で会場全体が一つとなって作り上げる。誰もが力の限りに声を張り上げ、そのボルテージも最高潮へ達する凄まじい熱気の中、2018年のjdkのスタートを飾るに相応しいライブは締めくくられた。

歴代ファルコム作品のBGM・ボーカル曲を、あますことなく堪能することができた今回のライブ。jdkのどのライブにも言えることだが、ライブハウスの独特の空気感、ゲーム以上に激しいロックアレンジ、アンプから起こる振動を直に感じることのできる距離感で行われる迫力満点の演奏など、ライブでしか感じることのできない魅力が満載の内容となっている。ファルコムのファンであるなら、是非とも一度ライブ足を運びその音を耳にして欲しい。