タイトーが、スペースインベーダー40周年を記念して、2月13日にSteamにて配信を開始した「スペースインベーダーエクストリーム」のプレイレポートをお届けする。
「スペースインベーダーエクストリーム」は、“スペースインベーダーの正統進化形”タイトルとして、シリーズ30周年を記念して制作されたシューティングゲームだ。
本作は、ニンテンドーDSやPSPで発売され好評を博し、シリーズ40周年という節目にあたりSteamで配信されることになった。
ここでは、“クラシック”なシリーズの伝統を踏襲しながらも、BGMとショット音を連動させる「BGM一体型効果音」や、スタイリッシュなビジュアルなどにより古臭さを感じずプレイできる本作の魅力を紹介していく。
レトロさを残しながらパワーアップを果たした「スペースインベーダ」
前述した通り、本作はクラシックゲームの王道「スペースインベーダー」の基盤となるシステムはそのままに、爽快なプレイが可能になっている。では、「一体何がその要素をたらしめているのか?」と聞かれた時に、真っ先にアピールしたいのが本作の特徴の1つである「BGM一体型効果音」だ。
この聞き慣れないシステムは、文字通り“効果音とBGMをリンクさせる”というもので、プレイヤーはシューティングゲームをプレイしていると、自然に曲を演奏しているという不思議な体験をすることになる。
踏み込んだ話をすると、ゲームのバックに流れているBGMのパートの一部が、プレイヤーの操作によって発生した効果音で賄われるというのが、このシステムのミソだ。さらに、ショットを撃った時に発生する効果音のタイミングが、BGMに合うよう自動で補正される。
これにより、プレイヤーは特に意図せず好き勝手に弾幕をバラまいているだけなのに、リズムゲームを遊んでいるような感覚でプレイすることになり、それがゲームへの没入感へと繋がる。やっている事は昔と何一つ変わらないのに、これほどの効果を生むこのシステムはぜひ一度体験してみて欲しいところだ。
また、バックで流れているBGMにも工夫が凝らされている。これは「インタラクティブサウンド」と呼ばれているもので、ゲームの状況によって楽曲の盛り上がりが変化しプレイヤーのテンションを加速させるというもの。アイテムを取得した時、フィーバータイムに突入した時などにBGMがシームレスに変化していくので、気づけばノリノリで侵略者たちを撃ち倒していることもしばしば。
ここまで大きな特徴であるサウンドをピックアップして紹介してきたが、ビジュアル面の進化も見逃せない。ゲーム内の状況に応じて背景が変化していく様などは、まるでジェットコースターに乗っているかのよう。また、本作はSteam版ということもあり、過去の携帯機とは一味違う大画面でのダイナミックな体験が可能だ。
また、大本のゲームシステムはシリーズを踏襲しているが、細かなところでオリジナリティが光る。例えば、同色のインベーダーを4体連続で倒すとパワーアップアイテムが出現するシステムがある。このアイテムを取得すると、敵を貫通するレーザーを放てたりと、かなり強力なのだが、それ故に“同色のインベーダーを4体連続で倒す”というところに拘り過ぎて、思わぬ結果になることも。ハイスコアを狙うと自然とゲームの難易度が上がり、それがやりこみ要素になるのだ。
登場するインベーダーもシールドを持っていたり、“タテ”になったりと、多彩な姿を見せてくれる。それぞれに対して正確なギミック処理を行うことができれば、より良いスコアを獲得できるだろう。
本作は、「スペースインベーダー」というクラシックなゲームなので、一見するとレトロな印象を持ってしまうかもしれない。しかし、ゲームの根底を覆さずに新しい楽しみをもたらす数々の要素により、過去の思い出にある「インベーダー」とはひと味もふた味も違う楽しみ方を提案してくれる。ランキング機能なども用意されているので、オールドゲーマーはアーケードでスコアを競い合う、あの時の感覚に浸るのもいいだろう。
また、過去の携帯機で発売された「スペースインベーダーエクストリーム」と基本的なゲームシステムは同じだが、Steam版には3つの新たな楽曲が追加されている。コアなタイトーファンはこちらにも是非注目して欲しい。
Steam版 追加曲
- Rave Lovers from Outer Space(STAGE5B) /下田 祐 (ZUNTATA)
- Future Extreme 20XX(STAGE5C)/COSIO
- Ending / 土屋昇平(ZUNTATA)