サイバーコネクトツーは4月6日、音楽ユニット「LieN-リアン-」の10周年記念ライブ「.hack//追奏」を東京・日本橋三井ホールにて開催した。

目次
  1. 「.hack」シリーズの歴史を彩ってきた名曲の数々を熱唱
  2. 「.hack//G.U. Last Recode」スペシャルステージでは、キャスト陣によるパロディーモード生朗読も
  3. 第2部のフィナーレでは感動の演出も

「.hack」シリーズの歴史を彩ってきた名曲の数々を熱唱

「LieN-リアン-」は、サイバーコネクトツーがプロデュースする、三谷朋世さん(ボーカル)と福田考代さん(作詞・作曲・編曲)による音楽ユニット。「.hack」シリーズをはじめ、「アスラズ ラース」や「Solatorobo それからCODAへ」など、同社がリリースしてきた様々なタイトルのボーカル曲を担当しており、今回のライブはその結成10周年を記念する形で開催された。

ライブパートの第一部では、「.hack」シリーズの象徴とも言える「アウラのテーマ」からスタート。「The World」の女神ともいうべき存在であるAI・アウラに扮したダンサーも登場する神々しい雰囲気の中、三谷さんがその美しい歌声を高らかに響き渡らせる。

その後には「やさしい両手」(「.hack//G.U.」)「星をかぞえて」(「ギルティドラゴン 罪竜と八つの呪い」)と、サイバーコネクトツー作品を代表する楽曲郡が続き、奏でられる心地よいメロディに客席の誰もが身を任せていく。

さらに「Liar's Smile」(「.hack//G.U. TRILOGY 」)は、LieNが結成されてから最初の楽曲ということもあり、その思い入れの強さを感じさせるかのように、情感たっぷりに歌い上げる。最後はシリーズ最新作「.hack//G.U. Last Recode」の追加エピソードであるVol.4の新曲「Come back to The World」で、集まった観客をThe Worldの世界へと再び誘う形で、第一部は締めくくられた。

「.hack//G.U. Last Recode」スペシャルステージでは、キャスト陣によるパロディーモード生朗読も

そんなライブの余韻も残る中行われたのが、「.hack//G.U. Last Recode」スペシャルステージ。川澄綾子さん(アトリ役)、小林沙苗さん(パイ役)、斎賀みつきさん(エンデュランス役) 山崎たくみさん(八咫 役)、榎本温子さん(アイナ役)と、「.hack//G.U.」に出演した5人のキャストが登壇し、シリーズ恒例のお楽しみであるパロディーモード(ゲーム内のシーンを、本編とは異なるコメディ調の台詞で吹き替えたモード)を生朗読するコーナーが実施された。

会場で公開されたのは、今回のために作られた14本の脚本の中から選び抜かれた8本で、ハセヲ役の櫻井孝宏さんを始め、今回会場に来られなかったキャストも事前に収録に参加。自身が騙されやすい体質であることをオーヴァンに相談するも、結局そのオーヴァンからも騙されるハセヲや、“パイ”という名前が気になって仕方ない思春期のハセヲが、実はニシンのパイが由来となっているという衝撃の事実が知らされるなど、バリエーション豊かなシーンが披露される。

また山崎さんが、自身が演じる「八咫」のアクセントが当時の収録から変わっているというツッコミを入れると、今回のMCを担当していたサイバーコネクトツー代表取締役社長・松山洋氏が自ら「私のディレクションミスです!」と公開謝罪する一幕も。他にも東地宏樹さんが熱演する、マゾに目覚め、妹のアイナに罵られて満足気に昇天するオーヴァンなど、キャラ崩壊一歩手前(?)のユニークなシーンの数々に幾度となく爆笑が沸き起こり、誰もがやりたい放題のシナリオを心から楽しんでいた様子だった。

その後のコーナーでは、本編のクリア後の時系列となる、The Wolrd R:2の運営最終日に集まった5人のエピソードを描いた書き下ろしドラマ「Resurrection」を生朗読。5thフォームの露出の高さについてツッコミを入れたり、ハセヲとのユニゾンスケィスをアトリとエンデュランスが自分だったら……と妄想するなど、キャラクター同士のコミカルな交流が描かれる一方、ラストにはThe Worldでの最後の思い出として全員で集合写真を撮るという、感動的なエピソードが描かれていた(最後を締めくくった「俺たちは、ここにいた」というハセヲの台詞に「でも櫻井さんはここにいないよね」と榎本さんが鋭いツッコミをいれ、客席が爆笑するという一幕も)。

続くトークコーナーでは、キャスト陣の口から約10年ぶりに「.hack//G.U.」のキャラクター達を演じたことへの感想が語られることに。

まずラジオ番組「.hack//G.U.RADIO ハセヲセット」のパーソナリティを櫻井さんと共に務めていた榎本さんは、作品への思い入れは人一倍強いそうで、「.hack」ファンと直接交流できる貴重なイベントに出演できたことが嬉しかったのだとか。同時に、兄妹の役柄であるオーヴァン役・東地宏樹さんと一緒に出演したかったという希望は叶わなかったものの、「.hack//G.U. TRILOGY」のパロディーモードの収録を一緒に行った際には、ノリノリで楽しそうにキャラ崩壊したオーヴァンを演じていたという思い出も明かしていた。

一方、公式人気投票にて、エンデュランスを始めとした自身が演じたキャラクター達が、10位以内に3人もランクインしていたことへの喜びを明かす斎賀さん。古くはTVアニメ「.hack//SIGN」からシリーズに関わっている斎賀さんも、「.hack」への思い入れが強いようで、以前から松山氏に対して何か新しい展開をやって欲しいと催促しており、今回のイベントや「.hack//G.U. Last Recode」は、その一つが叶った形となった。

TVアニメ「.hack//黄昏の腕輪伝説」のほたる役に加え、ラジオ番組「.hack//Radio 綾子・真澄のすみすみナイト」のパーソナリティを、浅野真澄さんと共に務めた川澄さんも、「.hack」との関わりが深いキャストの一人。そんな川澄さんでも、再度アトリを演じるにあたっては、当時の声を出せるのかという不安が大きかったそうで、昔の自身の音声を何度も聴き直したのだとか。「.hack//G.U.」の収録を行っていた当時は、現実でのアトリの境遇に感情移入し、涙ながらに演じていたという裏話を明かしたが、同時に今回の朗読劇で幸せそうな日常を送っているアトリの姿を見ることができ嬉しかったのだとか。

会場では、櫻井孝宏さん、東地宏樹さん、浅野真澄さん、豊口めぐみさん、三木眞一郎さんら、
今回出演が叶わなかったキャスト陣からのボイスメッセージも披露された。

最後の挨拶では、それぞれのキャストから今後のシリーズの新たな展開へ期待が口々に語られ、プレッシャー(?)を掛けられた松山氏がすっかりタジタジとなるなど、誰もが「.hack」を愛していることが伝わってくるステージとなっていた。

第2部のフィナーレでは感動の演出も

イベントのクライマックスを飾るライブの第2部は、壮大なコーラスによるイントロが印象的な「真実の行方」から、「優しくキミは微笑んでいた」へとつなぐ、「.hack//G.U.」の歴代主題歌で幕を開ける。

さらにスマートフォンアプリ「.hack//New World」から「光の雫」、シリーズ初の3DCG映画「ドットハック セカイの向こうに」から「つながるセカイ」と、これまでの「.hack」シリーズの展開の幅広さを実感させるようなナンバーが続いていく。この構成は、シリアスな「光の雫」でキュンと締め付けられた心が、希望に溢れた「つながるセカイ」で一気に開放されるようで、三谷さんにとってもお気に入りなのだという。

続く「桜花月」は、LieNの新アルバムに収録されたばかりの新曲。これまでのLieNのイメージとは一風異なる、「和」の雰囲気をまとった楽曲が紡ぎ出す世界観に、客席中が虜となっていく。

その後には、ファンへの感謝の気持ちが込められた楽曲「心のままに」(.hack//G.U. Last Recode)でライブは締めくくられたかに思われたのだが、終演後も鳴り止まない拍手のアンコールに答える形で、LieNが再びステージへ。スピード感のあるメロディーで、「.hack」ファンからの人気も高い「.hack//Link」の主題歌「時の階段」を力の限りに歌い上げる。

ラストを飾るのは、屈指の人気曲「晴天桜花」(「.hack//Versus」)。客席を埋め尽くす桜色のサイリウムと、シリーズの歴代主人公達がバトンタッチしながら歩いていく、大団円にふさわしい「.hack//Versus」のエンディング映像により、大きな感動に会場全体が包まれる中、「今年の桜を、皆さんと一緒に見ることができて良かった」と感極まった様子の三谷さんからのメッセージが送られ、大盛り上がりのライブの幕は閉じられた。

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