千葉・幕張メッセにて9月20日より開催中の「東京ゲームショウ2018」。それに合わせて20日に開催された「ライアン・マークス リベンジミッション」セッションの模様をレポートする。
「ライアン・マークス リベンジミッション」は、ソニー・インタラクティブエンタテイメントより発売予定のPlayStation VR用シューティングアクション。プレイヤーはエリート特殊部隊員ライアン・マークスとなり、ロンドンに巣食う犯罪組織と戦う、迫力の銃撃戦をVRで体験できる作品だ。
セッションには、本作の開発を担当したSIE ロンドンスタジオでデザインディレクターを務めるイアン・ライト氏と、QAマネージャーのポール・マックギルブレー氏が登壇。ゲームデザインや、本作の魅力となる要素を紹介した。
「ロンドンハイスト」の要素を引き継ぎながら、ガンアクションの魅力を強化
まず本作の開発を務めたSIEロンドンスタジオは、「EyeToy」や「PSVR WORLDS」などの、体験型のゲームを多数手がけたスタジオ。本作「ライアン・マークス リベンジミッション」は、「PSVR WORLDS」の中でもっともユーザーからの反応が好評だったガンアクションゲーム「ロンドンハイスト」の流れを受けた作品となっている。
本作の最大のウリは、VRの没入感を最大限に生かした、自身がアクションヒーローになりきって映画の中に入り込むような体験ができること。ガン・フーアクション、息を飲むアクションシーン、次々と襲いかかるピンチなど、さまざまな映画的な要素が盛り込まれている。そうしたシーン作りには「ジェームズ・ボンド」や「ダイ・ハード」、ジャッキー・チェン作品といったアクション映画からインスピレーションを受けたという。
世界観に没入するためのストーリー部分も重視されており、「ロンドンハイスト」で好評だった、イギリスのギャング映画のテイストを盛り込みつつ、主人公のライアン・マークスは家族を守るために犯罪組織と激突していくことになる。「ロンドンハイスト」で好評だった、VRならではの演出を生かしたインタラクティブな演出も用意される。
またロンドンを舞台と設定したのには、きらびやかなロンドンの表の顔と、ダークな裏の顔という2面性をゲームの中で表現することに魅力を感じたからで、実際にそうしたロンドンの様々な場所が、ゲーム中のロケーションとして登場するという。
本作は一見普通のFPSスタイルのガンシューティングだが、「ホルスターから銃を抜いてトリガーを引き、弾が切れたら予備弾倉をポケットから抜いて銃に差し込む」という一連の動作を、全て自分の手で行うのが特徴。
ゲーム中には拳銃からアサルトライフル、ショットガンなど様々な武器が登場し個性づけがされているが、アサルトライフルなどのバレルの長い武器は、そのまま使用すると反動で銃身が大きくブレて狙いが定まりにくい。実はこれらの武器は、両手で使用することを想定した設定となっており、トリガーを引く方の腕に加えて、もう片方の手でバレルを支えるような姿勢をとることで命中精度を高められる。一方で精度は下がるが、両手に異なる武器をもって同時に使用することもできるなど、現実さながらの自由度の高い銃撃戦を体験できる。
セッションではポール氏による実機デモプレイも行われ、「拳銃を指に引っ掛けて高速で回転させる」「テーブルの上に置かれている弾倉に銃を接触させ、直に給弾」「スローモード(一定時間の間自分以外のものが全てスローになって見える)を使って、空中に投げた弾倉をリロード」「片手が塞がった状態で、口で手榴弾のピンを抜く」など、リアルなだけではない、アクション映画ばりのトリッキーなプレイの数々が披露されていた。
なお銃にはレーザーサイトやサイレンサーなどのカスタマイズも可能で、そのカスタマイズの際にも、自らの手でパーツを着脱させるという体験ができるのも特徴となっている。
本作のプレイボリュームは、一周5~7時間ほどで、クリアしたあとももう一度最初からプレイしたくなるような仕掛けやチャレンジモード、コレクションアイテムなどのやりこみ要素も用意されるとのことだ。
セッションが行われる前に、筆者自身も本作をプレイしたのだが、ゲーム冒頭でプレイすることができたチュートリアルは、やや内容が薄く、ゲーム中にでてきたギミックの対処方法がわからずに戸惑うこともあった。加えて、今回ポール氏が披露していたトリッキーなプレイも、デモプレイを見て初めて知ることばかりで、「そんなこともできるのか!」とかなり驚かされた。
これは、今回試遊することができた「フリーソン・エステート」はゲームの中盤あたりに該当するシーンで、本来ゲーム中では順序立てて説明されるチュートリアルが省略されていたため。また今回用意されていたチュートリアルは仮のもので、製品版では違った形になる可能性もあるという。
ただし、いくつかの高度なガンアクションに関しては、あえて説明を行わず、プレイヤー自身に様々なことを試して発見してもらいたいという狙いも存在しているという。
まさにVRならではの、リアルでありながらハッタリの効いた、様々なガンアクション体験が可能となっている本作。TGS2018では、PS VRコーナーにて本作の試遊も可能となっているので、お越しの際には是非ともVRの新しい可能性の一端を体験してみて欲しい。