千葉・幕張メッセにて9月20日より開催された東京ゲームショウ2018。DMM GAMESブースで9月22日に行われた、PC/iOS/Android向けRPG「甲鉄城のカバネリ -乱- 始まる軌跡」(以下、「カバネリ乱」)と劇場作品「甲鉄城のカバネリ ~海門決戦~」の合同発表会をレポートする。
ステージには開発陣を代表して、DMM GAMESからマーケティングプランナーの松本航氏、プロデューサーの草葉隆和氏、そしてアニメとゲームの両方でクリエイティブディレクターを務める笠岡淳平氏、「甲鉄城のカバネリ」(以下「カバネリ」)本編の監督・荒木哲郎氏が登壇。荒木氏は「カバネリ」Tシャツを着用しての登壇となった。
冒頭では「カバネリ」の作品概要について、笠岡氏と荒木氏から語られていった。スタッフの得意分野が活きるのはどういった作品かという点から考えて、ファンタジーよりも時代劇に近く、一見古く見えるものの実は新しいものになったとのこと。ほかではやっていなさそうなことを意識的に逆張りして作っていった結果、現在のような形の作品に仕上がったそうだ。
また笠岡氏は荒木氏のやりたいことを表に出していくために、設定から助けていけないかと思案していたとのこと。荒木氏が着用する「カバネリ」Tシャツにも書かれている、作中で掛け声として登場する「六根清浄」という言葉も、笠岡氏が提供したアイデアのひとつだそう。
続いて「カバネリ乱」の紹介へ。笠岡氏はゲームを作るにあたって、アニメ本編がきっちり終わっているために、ここから物語を広げていくためにはどうしたらいいのかという点や、ソーシャルゲームとはどういうものかという点から考えていったそう。中でも一番最初に考えたのは、キャラクターをどこまで増やすかとのこと。「カバネリ」はカバネというゾンビのような敵と戦うことが主題ではなく、その極限的な状況の中で登場人物がどのように生き抜くかを描いているため、ゲームでもそこを重視しているそうだ。
また笠岡氏による物語紹介によると、「カバネリ乱」はTVアニメから約3ヶ月後の時間軸で、中ノ国が舞台となって物語が展開。アニメ本編にも登場した蒸気機関車“甲鉄城”の面々だけでなく、新たな登場人物たちも加わることになる。なおサブタイトルである「始まりの軌跡」はシーズンタイトルにあたるもので、物語の進行に合わせてこちらは変わっていくことも明かされた。
ここでスペシャルゲストとして、「カバネリ乱」で主人公格にあたる3名を演じる小松昌平さん(要役)、黒沢ともよさん(葉矢役)、梅原裕一郎さん(千尋役)と、アニメ本編のヒロインで「カバネリ乱」にも登場する無名を演じている千本木彩花さんが駆けつけてくれた。
全員が揃ったところで、早速「カバネリ乱」のオープニングムービー完成版が初公開。こちらのムービーの冒頭で、要がアニメの主人公・生駒に対して「俺は俺だ!」と返すシーンは、アニメ本編のオープニングで生駒が「俺はカバネリだ!」と放つ前口上に通ずるものであると同時に、要というキャラクターを表すものになっている。生駒は逃げることを諭そうとしているだけに要の返しは的外れにも感じるが、そういった疑問を感じて「なんだこいつは?」と興味を持たせることが狙いで、ストーリーを進めていく中で少しずつキャラクターが掘り下げられていく仕組みになっていると、笠岡氏から語られた。
なおオープニングムービーだけでなく、ゲーム内のアニメーションカット、イベントで挿入される一枚絵などもアニメ本編を手がけたWIT STUDIOが制作・監修を行っており、そのクオリティは荒木氏からも「200万点」というお墨付きだ。
このあとゲーム画面が公開。アドベンチャーパートのメインストーリーはフルボイス仕様で、脚本は笠岡氏が制作したものをゲーム用にアレンジしている。システム面では多くのソーシャルゲームにある主な要素は、ほぼ搭載されているとのこと。素材を集めての装備作成のようなやりこみ要素があるほか、ガチャで手に入るキャラクターにはレアリティこそあるものの、どのキャラクターも最高レアリティまで育成できることも発表された。続いて公開されたバトルパートには“スパイン”という2Dアニメーション技術が採用されており、キャラクターがアクションを起こす際は原作アニメさながらに滑らかに動いていた。
「カバネリ乱」は2018年秋にリリース予定で、この日から事前登録が開始されることも発表された。するとここで、生駒役の畠中祐さんからのビデオメッセージが上映。畠中さんからは、「カバネリ」の公式Webラジオ番組「カバネリツアーズ」が再開されることがサプライズ発表された。千本木さん曰く、「カバネリ乱」で「カバネリ」を知った人は覚悟して聞いてほしいとのことだ。
最後に監督から、「甲鉄城のカバネリ ~海門決戦~」についての最新情報が公開された。公開時期は2019年春で、物語の時間軸は「カバネリ乱」の3ヶ月後、アニメ本編からは約半年後にあたる。海門という場所にカバネの巣があり、そこを新たに登場する“北陸連合軍”と協力して攻略する内容とのこと。また物語の主軸となるキャラクターは、無名になるそうだ。
荒木氏曰く、「カバネリ」の開始から現在までの、千本木さん自身のパーソナリティや成長も反映されているとのこと。荒木氏と千本木さん、畠中さんによる入念なディスカッションも行ってきたそうだ。
またここで、「カバネリ乱」からの応援企画として、映画の特製ムビチケカードに「カバネリ乱で」“甲鉄城”の5人の面々のいずれかがランダムで当たるシリアルコードが特典として付属することも発表された。作中で最強クラスの能力を誇る無名も手に入る確率が高く、「カバネリ乱」をプレイする人にとっては非常に嬉しい特典といえる。なおこの特製ムビチケカードの発売日は、無名の誕生日である10月20日だ。さらに、無名の誕生日を祝うために「甲鉄城のカバネリ ~海門決戦~」の新たなキービジュアルが制作中ということも荒木氏から明かされた。
ステージのフィナーレでは登壇者から「カバネリ乱」や「甲鉄城のカバネリ ~海門決戦~」など、今後の作品展開への意気込みや想いが語られていき閉幕となった。