「シティダンク:フリースタイル」は、アメコミタッチのビジュアルが特徴の3on3チーム対戦バスケゲーム。対戦ゲームとして完成度の高い本作の魅力について、詳しく紹介したい。
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「シティダンク:フリースタイル」は、JOYTEAが3月15日にリリースしたiOS/Android向け3on3チーム対戦バスケゲーム。トゥーンシェーディングを活かしたアメコミタッチのビジュアル、BGMとして流れるヒップホップミュージックと、ストリートバスケの世界観が特徴だ。
本作はリリース前から大きな話題を呼んでいたというワケではないが、バスケゲームとしてよくできていることから、リリース後、ユーザーから好評をもって迎えられている。筆者もプレイしてみたところ、対戦ゲームとして良作だと感じた。普段バスケゲームはあまりプレイしないという人でも、対戦ゲームが好きなら興奮できるのではないかと思う。そこで今回は、「シティダンク:フリースタイル」の魅力について紹介したい。
ボールもゴールもたったひとつ!ストリートバスケとは?
まずは本作で扱っているストリートバスケから説明したい。ストリートバスケは、バスケットボールを簡略化したスポーツだ。ストリートバスケといっても様々なルールのものが存在しているが、本作で採用しているルールは日本で一般的な、通常のコートの半分を使って競うもの。コートが半分なので、当然ゴールはひとつしかない。このため、攻守の入れ替わりが独特。防御側が攻撃側からボールを奪った後、ボールを一旦3ポイントシュートのライン外まで出すことで攻守が入れ替わるというルールだ。
ようするに、攻撃側はフツーのバスケと同様、ゴールにボールをシュートすればOK。シュートのルールもフツーのバスケと同様だ。もちろん3ポイントシュートもある。一方防御側は、攻撃側からボールを奪い、3ポイントシュートのライン外まで出して攻撃権を奪うことが当面の目的になる。
ちなみに、ストリートバスケ=1チーム3人で戦う3on3かというとそんなことはない。本作でも1on1や2on2といったルールが用意されている。
状況に応じて切り替わるアクションを活用し選手を自在に動かす
続いて本作のゲームシステムを紹介しよう。といっても、基本的にはここまで書いたストリートバスケのルールがそのままゲームシステムに落とし込まれている。
操作は仮想パッドとボタンで行う。選手を仮想パッドで移動し、シュートやパスといったアクションはボタンタップ。ボタンの数は3種類あり、試合中の状況によって内容が切り替わる。たとえば攻撃時で自分がボールを持っていればシュートやパスといった攻撃に関するアクションが表示される。
一方、攻撃時でも自分がボールを持っていない場合、リバウンドやパスを求むボタンに切り替わる。さらに防御時には、リバウンドやスティールといった防御に関するアクションが表示されるといった形だ。
試合の状況はめまぐるしく変わるので、最初にプレイした時は今どんなアクションができるのか、戸惑うかもしれない。少なくとも筆者は戸惑った。しかし、いくつか試合をこなす内に気にならなくなり、これは慣れの問題だろう。慣れると、状況に応じて自在にキャラを動かせるようになる。こうなると面白い!
「攻撃時でも自分を持っていない場合」があると書いたのでお分かりのことと思うが、プレイヤーが担当できるのはチーム内の1キャラクターのみ。ゲームによってはボールを保有しているキャラクターやボールを持った敵の側にいるキャラクターへ操作担当が切り替わるものがある。
しかし本作はそうではないので、プレイしていると、自分がアシストしかできないという試合も出てくる。ただ、プレイしていてこの点が気になることはなかった。というのも、そもそもチーム内の人数が少ない(最大でも3人)ので、自分のキャラクターがボールを獲得できないということの方が珍しいからだ。
スキルを使った戦略性と連携の爽快感に興奮!
いよいよ本作の楽しさの根幹を紹介したい。本作の楽しさの根幹に関わってくるもののひとつが、スキルだ。キャラクターは「巧みなレイアップ」や、「バックダンク」といったスキルを装備することができる。
「巧みなレイアップ」は、装備後、ゴール下へ向かって走っている際にパッドの左右どちらか+シュートボタンで繰り出すことができ、発動するとブロックされる率を軽減できる。
「バックダンク」は、装備後、ゴールに向かってドリブル中にダンクレンジ内でシュートボタンで繰り出すことができ、発動するとブロックショットを防ぐためのターンを行い、ゴール下に移動してダンクを行ってくれる。
こうしたスキルを装備することによって、ダンクに強いだとか、リバウンドに強い、パスに強いといった特徴をキャラクターに持たせることが可能になる。もちろん、キャラクターの特徴を活かした戦い方ができればより有利に戦うことが可能だ。ダンクに強いキャラクターなら、ダンクレンジまでボールを持ち込めさせすれば高確率で得点できるし、リバウンドに強ければリバウンドから得点へ繋げる戦術次第で得点チャンスを拡大できる。自分の戦い方に合わせてスキルを編成する戦略性は、TCGのデッキ編成のような楽しさを持っている。
本作の楽しさの根幹を構成しているふたつめの要素が、チームメンバーと連携する爽快感。自分が操作するキャラクター以外はAIが担当している、いわばNPCだ。このNPCとの連携が決まると、絶妙な気持ちよさが味わえる。
たとえば、味方キャラクターがリバウンドをゲットしたとしよう。しかし、そのキャラクターの周辺にはマークがついている。こんな時、即座に自分がマークを外し、パスを要求。味方からパスを受けてノーマークで瞬時にシュート!ゴール!非常にテンポの早いスポーツであるバスケットボールらしい、スピーディーな連携。こうした連携が決まると、気持ちよくてたまらない。
しかも、シュートが絶妙な決まり方をすると、アップになって特別な演出が入る。こうなるともう、「よし!」と声が出てしまうほど興奮する。対戦プレイともなると、とりわけ興奮は格別だ。これぞ対戦ゲームの醍醐味!
ストーリーは控えめ!ソロより対戦メイン
本作は対戦バスケゲームなので、他プレイヤーとの対戦プレイがメインだ。ただ、ソロプレイ用のストーリーモードも用意されている。
ストーリーモードは、コートを巡って対立するチーム同士の試合を描いていくというモードだ。対戦格闘ゲームのアーケードモードをイメージすると近い。ストーリーの見せ方も対戦格闘ゲームのアーケードモードに近く、試合前にちょっとしたセリフのやりとりがあるくらいで、物語の起伏で感動を呼ぶというタイプのものではない。なので、基本的には対戦に備えての練習用モードと考えた方がいいだろう。
ただ、対戦メインと考えていてもストーリーモードはプレイする価値がある。というのも、育成に必要な素材アイテムが手に入るからだ。本作のキャラクターやスキルにはレベルが設定されており、育成によってパラメーターを伸ばすことができる。これは対戦プレイ時にも有効なので、対戦メインでも育成のためにストーリーモードをプレイした方がいいのだ。
ビジュアルクオリティも高く、ストリートバスケゲームとしてよくできている本作。しかし本記事で触れたように、そもそも対戦ゲームとしてよくできた作品だ。これまでバスケはおろか、バスケゲームすらプレイしたことがないという人でも対戦ゲームとして興奮することができるだろう。
ガイド機能がよくできていて、リバウンドやスティールといったアクションを繰り出すタイミングが早いか、遅いかまで教えてくれるので初心者でもプレイの勘所を掴みやすい点も魅力だ。もし新しい対戦ゲームを探しているのであれば、是非一度プレイしてみて欲しい。もちろん、バスケ好きには無条件でオススメできる。