2KとGearboxが2019年9月13日に発売を予定しているPS4/Xbox One/PC用ソフト「ボーダーランズ3」について、メディア向けの先行体験会が行われた。本稿ではそのインプレッションをお届けする。
「ボーダーランズ3」は、プレイヤーがヴォルト(トレジャー)・ハンターとなってキャラ育成を楽しみながら物語を進めていく「ボーダーランズ」シリーズの最新作。FPSであると同時にRPGの要素が加わり、“シューティングRPG”というジャンルを不動のものとした作品として有名だ。
ナンバリングとしては3作目となる本作だが、実は2012年以来7年ぶりという久しぶりのタイトルでもある。当然、PS4やXbox Oneといった、いわゆる現世代機でリリースされるのははじめてのこと。今回はプレイフィールはもちろんのこと、ビジュアルという点でもわかりやすい進化を遂げていると言えるだろう。
本作の基本的なシステムは過去の作品と大きく変わらない。広大なフィールドを探索しながらクエストに挑戦することでストーリーが進行。その中でキャラクターのレベルを上げ、必殺技“アクションスキル”を習得していく。グラフィックもフォトリアルとは一線を画したアニメーションになっており、その魅力は今回も健在だ。また移動や射撃、近接攻撃などの操作面も大幅な変化はない。そういう意味では、過去の作品をプレイした人ならすぐに楽しめるはずだ。
ではなにが変わったかというと、まずは物語となる舞台の規模感だろう。前作は開拓惑星「パンドラ」が舞台になっていたが、今回は宇宙へ飛び出し、個性豊かな惑星の数々を行き来できる。惑星の中にはこれまでに語られてきたものの実際に見ることのなかったプロメティアも含まれているという。さらに各惑星間を移動する宇宙船サンクチュアリIIIも登場する。宇宙船ではプレイ中に手に入れたアイテムを飾ったり、あるいは取り忘れたアイテムを回収する機能も備わっている。プレイヤーにとっての拠点として機能してくれそうだ。
そしてプレイヤーが操作できるヴォルト・ハンターは全部で4人。“ガンナー”のモズ、“セイレーン”のアマーラ、“ビーストマスター”のFL4K、“オペレーティブ”のゼインとなっている。今回の体験会で確認できたのはアマーラとゼインの2人で、アマーラは巨大な拳を出現させ、敵を数秒間固定させる「フェーズグラスプ」など個性的なスキルを持つ。一方ゼインは自分自身のクローンを出現させて注意を引きつける「デジクローン」、敵の射撃を防ぐ「バリア」など、こちらも個性的かつ実用的なスキルが揃う。
キャラクターの育成といえばスキルツリーだが、最新作ではそのバリエーションも豊富。スキルポイントもサクサク集まる印象だったが、どこから習得していくか、嬉しい悩みを抱える機会も多そうだ。
ここからは体験会を通して感じた本作の印象をお伝えしていく。本作はすべてのエリアがシームレスでつながっている、いわゆるオープンワールドではないが、ひとつひとつのエリアはかなり広大で複雑に入り組んでいる。どこへ行くべきか迷う人も多いと思うが、新しく訪れた場所であれば、まずはメインミッションをクリアして地形を把握しておくのもいいだろう。
その道中では多数の敵と戦うことになり、倒すとランダムでアイテムや武器を落とす。これもまた本作の醍醐味で、敵が落とす武器は実に多彩。前作でもおなじみのメーカーに加えて、今回は新たに2社が追加され、全10種のメーカーが登場する。ポピュラーなマシンガンやハンドガン、マグナムだけでなく、光の弾を放ったり、防弾シールドがついていたりとユニークな武器も多い。これだけでなく敵を自動で追いかけ回す銃、炎や氷の銃弾も存在する。氷の銃弾で攻撃すると相手は氷結し、一時的に動きを止めることだってできる。
これだけのバリエーションがゲームの序盤から次々に手に入るのだから、プレイヤーはどれを使うか常に悩むことになるだろう。ちなみに本作で同時に所持できる武器は3種類。戦う敵や戦況によって使い分けができるように、特徴の異なる3つを揃えておきたいところ。なお、今回のプレイでは確認できなかったものの、モード切り替え可能な武器というのも多数追加されているという。持てる武器のバリエーションをさらに増やすという意味でも重宝しそうだ。
戦闘の場面が多い分、弾薬も多く使うことになるが、敵を倒せばドロップするし、道中に置かれたボックスを調べれば簡単に入手できる。さらに本作では各地に自動販売機が設置されており、ボタンひとつで弾薬を補充できる。自動販売機はこのほかにも投擲武器を購入できるものもあり、見つけたらチェックしておくとよさそうだ。
ビークルを始めとした乗り物ももちろん健在。各地で敵が自由に乗り回しているのを奪い取ることもできるし、自分でカスタマイズすることだってできる。フィールドはかなりの規模なので、乗り物に助けられる場面も多々あるはずだ。
広大な世界の探索、そして膨大な武器を選別するハック&スラッシュとしての面白さ。「ボーダーランズ」を象徴する要素は質量ともにグレードアップし、まさに正当進化の名に恥じない出来となっている。決して奇をてらうことなく、ファンが求めるものを忠実に表現した作品と言えるだろう。