2020年3月3日発売予定のPS4用ソフト「ファイナルファンタジーVII リメイク」(以下、「FF7R」)の日本語版の試遊が、2019年9月12日より幕張メッセにで行われる東京ゲームショウ2019にて解禁される。それに先駆けて試遊版をプレイできたので、そこからわかったさまざまな内容をお届けしよう。

日本語版ならではのセリフのやり取りなどに注目!

バトルの試遊については、既に6月に開催されたE3などでも情報が多く出ているため後述とし、ここではまず“日本語版ならではの要素”に注目したい。

今回の試遊ではクラウドがジェシーと話したあと、バレットと二人で壱番魔晄炉の奥に爆弾を仕掛け、そしてガードスコーピオンと戦闘するところまでを遊ぶことが出来る。その道中でのクラウドとバレットのセリフは、今回確認できる限りでは全て新規書き下ろしとなっていた。

筆者は「FF7R」の報が流れた後、嬉しさのあまりPS4版の「FF7」を再プレイしたのだが、その際に「このセリフ、文字で読んでいる分には問題ないけれど、声に出して読むと多分違和感がありそう」と感じたセリフは、意外と多かった。具体的に、今回試遊できた部分の原作の流れはこうだ。

バレット:「魔晄炉のせいで、この星の命は毎日けずられていく。そしていつの日か…ゼロだ」

クラウド:「悪いけど、興味がないな」

バレット:「星が死んじまうんだぞ。えっ、クラウドさんよ!」

クラウド:「俺が考えてるのは、さっさと仕事を終わらせたいってことだけだ。警備兵やガードロボットが来ないうちにな」

バレット:「ここもブッ壊しちまえば、ただのガラクタだぜ。クラウドさんよ、この爆弾をセットしてくれ」

クラウド:「あんたがやったほうがいいんじゃないのか?」

バレット:「オレ? オレは見張らせてもらう。おまえさんがおかしなマネをしないようにな」

クラウド:「…好きにしてくれ」

謎の声:「目をさませ! ここはただの発電所じゃない!」

文字として読んでも、違和感はないだろう。しかし、文章だけで読ませる前提で書かれたセリフは、そのまま口にすると空々しく感じる部分がある。とはいえど、ここはバレットとクラウドの関係性やそれぞれの性格も一瞬でわかる、重要な序盤のシーンだ。だからこそ、精々語尾などを少し変えてきたりする程度の整え方に留まるのではないかと思っていたのだが、セリフをここまで変更してきたことは完全に想定外だった。

魔晄炉の上部から施設を見渡して震えるバレットに、淡白に答えるクラウド。

もちろん、これらのセリフの変更は、話の本筋に影響するものではないので、安心してほしい。セリフは全く違うのに、きちんと「FF7」らしさを感じる。リメイクでありながら新作を遊んでいるようでいて、なのに懐かしさに涙する。最高に不思議な体験だ。

例えばクラウドは、「FF7」でもこの時点ではバレットから全く信用されていない。それは「FF7R」でもバレットのセリフの端々から感じ取れるし、刺々しい声音にも表れている。短気な部分も、声が入ることでより一層深みを増した。

そんなバレットにやれやれと言った風で付き合うクラウドは、この時点ではあくまで”ただの傭兵”だ。雇われた以上やるべきことはやる、元ソルジャーとして蓄えている知識は分けてやる、という淡々とした序盤のクラウドらしさは、失われていない。

二人の実際のやり取りは、プレイ動画を見てもらうのが一番だろう。原作では二人は数言しか言葉を交わしていないシーンなのに、よくもここまで見事に膨らませてきた、と感嘆の声しか漏れない。

クラウドが壱番魔晄炉でフラッシュバックするシーンは、大きく変更されている。「目を覚ませ!」という声はなくなり、その代わりにクラウドがセフィロスの羽根のような幻影を見るというシンプルな演出だが、クラウドとセフィロスの因縁を表すには実に効果的だった。

ある種、オリジナル版の時よりもわかりやすくなったともいえる変更点だ。

「ファイナルファンタジーXV」(以下、「FF15」)をプレイした人ならば、フィールドを歩きながらシームレスで彼らの会話を楽しむことが出来たのが印象的だったと思うが、今回の「FF7R」でも、そういったシームレスな会話のやり取りを楽しむことが出来る。

基本的には一定の地点を通り過ぎるとキャラクターたちが勝手に喋ってくれるので、ゲームの進行やバトルを妨げない。魔晄炉を進みながら、クラウドとバレットがリアルタイムに交わしている会話を眺めている、といった風だ。

また、稀にバトル後に特別な会話なども発生するようだ。今回、試遊版を4周プレイさせてもらったが、その中でたった1回だけバトル終了後にバレットが「勝利のファンファーレ」を歌う場面を見ることが出来た。その貴重なシーンも前述のプレイ動画の中に入っているので、ぜひ実際に見てみてほしい。

たった1回だけ飛び出してきた、この「勝利のファンファーレ」。この先の冒険の中でも、何回もやってみることで聞けるセリフもあるのだろう。本心をぶっちゃけると、クラウドが歌う「勝利のファンファーレ」も聴いてみたい(恐らくないと思うが…)。

バトルの間も、ほぼずっとクラウドとバレットとの間でセリフのやり取りがある。ゲームの開始部分ということもあって、その大半が戦い方のチュートリアル的な内容なのだが、チュートリアルも実にチュートリアルらしからぬ内容となっている。

バレットにアドバイスを求められたクラウドは、「メカは雷に弱い」と答える。操作をバレットに切り替えてサンダーを打ってみると、「確かに効くようだぜ」とバレットは少しクラウドの言うことを信じるようになる。

だがバレットがいつまでもサンダーを使わずにいると、クラウドが焦れて「おい、使い方を知らないのか」と、これまたチュートリアルなセリフを口にしたりする。クラウドの操作に夢中になっていたユーザーは、そこで「バレットに操作を切り替えるか、コマンド指示でサンダーを打たせればいいのか」と、わかる。

そしてガードスコーピオンが尻尾を上げるとレーザービームの予兆なのだが、クラウドはそれを見てバレットに「物陰に隠れて避けろ」と告げる。バレットは物語上、まだクラウドを信じていないため、疑ってかかる。そんなバレットにクラウドは「死にたければ勝手にしろ」とぶっきらぼうに告げるが、これらのセリフの流れで、プレイヤーは「尻尾が上がったら隠れなければならない」とすぐにわかる、…という次第だ。

このようにバトル中のクラウドとバレットのやり取りは、ヒントを我々プレイヤーに示しつつ、まるでそれを感じさせない自然な会話となっていて、チュートリアルですら完全に物語の一部分となっている。このガードスコーピオン戦でも、彼らが喋るセリフには様々なパターンがあるので、とにかく色々な戦い方をして、ありとあらゆるセリフを引き出してみてほしい。

BGMにも注目!

今回の試遊版では壱番魔晄炉~ガードスコーピオン戦が体験できるが、主に聴けた曲は「魔晄炉」と、「更に闘う者達」の2曲。どちらも大きくアレンジされており、かなり原曲から変わっている。

ガードスコーピオン戦までは、道中でバトルになっても曲は切り替わらない。「ファイナルファンタジーXIII-2」を遊んだことがある人ならば、曲は同じなのに、敵が近づいてくるとビートが激しくなるAggressive MixにBGMが切り替わるという手法を覚えていると思うが、「FF7R」でも同様の手法でバトルBGMが切り替わる。

だが、他のエリアでも同じような表現手法になるとしたら、「FF7」のノーマルバトル曲だった「闘う者達」は消えてしまうのか? といった不安も残るが、魔晄炉から出たら「ファイナルファンタジーXV」(以下、「FF15」)のように、バトル時は「闘う者達」に切り替わる可能性もある。どこでどういった表現がされているのかを、現時点で色々と予想してみるのも楽しいのではないだろうか。

なおガードスコーピオン戦でかかる「更に闘う者達」は、オーケストラアレンジ風になっており、原曲よりも一層壮大感がにじみ出ている。シリーズの中でも屈指の人気曲とあって、ぜひ前述のプレイ動画でじっくりと聴いてみてほしい。

アクションは下の上レベルの筆者が触った、実際のバトルの感触

バトルはアクション要素が強めな「FF15」や「キングダム ハーツ III」(以下、「KH3」)のような手触りを想像していたのだが、思っていたよりもアクション要素は低めだった。

なお参考までに筆者のアクションレベルを述べておくと、多くのアクションゲームを遊んでいるものの、腕前としては下の上レベルで、基本的に脳筋。ガードなにそれ、というくらいにガードが苦手。「FF15」や「KH3」は、EASYでクリア。…という腕前の筆者が、実際に遊んでみた感触となる。

まず、□ボタンがいわゆる通常攻撃だ。NPCと会話をしたり、宝箱を調べるのは△ボタン、〇ボタンでコマンドを開く、×ボタンが回避、R1がガード、R2がダッシュ(非戦闘時)と、主に使うのはこのボタンになる。L1にもバトルコマンドのショートカットが割り振られており、コマンドメニューを開かなくともバトルコマンドが発動できるようになっているが、とりあえずは基本を覚えておこう。

プレイヤーは主にクラウドを操作することになるが、操作キャラクターは方向キーの上下でも任意で切り替えが出来る。この部分に関しては、プレイ動画のガードスコーピオン戦で、ガードスコーピオンがバリアを張った時にクラウドからバレットへ操作が移行するあたりを見てもらえればわかりやすいだろう。

この動画内では既に筆者は周回プレイで「ここはバレットに切り替える場面」と解っているため、クラウドが話し終わる前にバレットに操作を切り替えてしまっているのだが、「アンタがなんとかしろ」とクラウドが口にすることで、プレイヤーは「バレットに切り替えればいいのか」とわかる。

そして最も気になるバトルの難易度に関してだが、なんとなく□ボタンを連打していれば基本的には勝てる(あくまで試遊版では、だが)。ただ、□ボタン連打とはいっても、適時〇ボタンでコマンドを開き、ケアルやポーションなどで回復をしていく必要はある。HPが減ってくるとクラウドが随時「回復が必要だな」と呟くので、そのタイミングでケアルを使えば充分だ。

コマンド画面を開いている間は、ゲーム内の時間が極端にゆっくりになる。完全に止まるわけではないが、実質ほぼ停止に近いくらいの速度感だと思ってほしい。なので、アクションゲームが苦手で「FF15」も結構辛かった…という人も安心してほしい。「ガードは一切できません」というレベルの筆者でも、ガードスコーピオンに“勝つだけならば”普通に可能だった。

一番最初にガードスコーピオンと対峙した時、「レーザーがくる、隠れろ」と丁寧にクラウドが解説してくれているにも関わらず、どこに隠れればいいのかわからず、肝心のクラウドがレーザーを素受けした。最大HPの約半分ほどを削られる大ダメージを食らったが、そこまで愚鈍なクラウドでもすぐにケアルで回復すれば問題はなかった。コマンドを開いてケアルを選んでいる間はほぼ時間停止状態なので、安心して回復行動を取れる。

ならばアクション性がまるっきりないのかというと、決してそういうわけではない。脳筋で愚鈍な筆者でも、さすがに4回も同じボスをプレイしていると「ここはガード」というタイミングは、ある程度掴むことが出来る。だが、「この攻撃モーションが見えたらガード」と頭でわかっていながらも止まらないので、モーションが見えていても軽く吹っ飛ばされてしまう(プレイ動画のラスト部分などがまさにそれだ)。

しかし、本作では攻撃モーションのキャンセルができないため、既に攻撃を出してしまっているところに予兆が見えても、もうガードが間に合わないという場面が多かったのだと言い訳をさせてほしい。

このあたりについては、アクション慣れをしている人には少しもどかしさを感じる部分かもしれない。とはいえど筆者はガードにばかり意識がいきすぎていたので、もしかしたらガードスコーピオンから離れるように回避をすることで避けられていたのかもしれない。残念ながらアクションが下手な筆者ではそこまでの確認をすることは出来なかったが、アクションが得意な人はぜひ試してみてほしい。

…ということもあり、基本的にはノーダメージで立ち回るようなバトルではなく、ダメージは受けて当たり前、という作りになっているのだと思われる。よほど攻撃の手をゆるめ、じっくりとガードを固めて向かい合えば受けるダメージ自体はかなり軽減できるだろうが、その分バトルにかかる時間は倍増するので、個人的にはあまりお勧めできない。かっこいいクラウドを極めたいとなると、それは周回やセーブデータからのやり直し等で、同じボスを何度もやらないと難しいだろう。

TGS2019試遊版を遊んで

あえてここまで触れずにきたのだが、美麗なグラフィックスはプレイ動画を見ていただけているのならば、いまさらだろう。もしもまだプレイ動画を見ていない人は、見ていただきたい。そしてクラウドを、バレットを、魔晄炉を、見て、感じてほしい。

どんなに言葉を尽くしてもたった一枚の画に敵わないことがあるという事実を、むしろ我々はライターだからこそ誰よりも理解している。そう、我々の文字は、この感動の前にはなんの意味も成さないのだ。

これらは英語版からの公式画像。

メインストーリーのセリフは新規書き下ろし。やり取りされるセリフは全部、我々が知っている「FF7」のものではない。魔晄炉のマップも、まるで違ったものだ。なのに、クラウドが話している言葉にも、バレットが話している言葉にも、周囲の風景にも、一切の違和感がない。まるで最初からこういう作品だったかのようだ(なお今回遊んだ部分ではセリフは全て新規のものに置き換わっていたが、原作のセリフ回しの雰囲気を重視しているシーンもあるとのこと)。

神羅ビルは大分原作の雰囲気をそのまま感じるマップになっているように見える。

この試遊版は、2019年9月12日~15日(一般日は14~15日)まで幕張メッセで開催される東京ゲームショウ2019にて試遊が可能となっている。ぜひ、機会を得られた人は実際に「FF7R」に触れてみてほしい。

凶斬りは試遊版でも出すことが出来る。よりリアルになった凶斬りなどもぜひ体感してほしい。

「FF7R」の報に沸く一方で、思い入れが深いからこそ、「思い出の中でじっとしていてくれ」と感じたファンも少なからずいるだろう。それくらい、「FF7」という作品は、格別で特別だった。だが今こそ、そのセリフにこう返すのだ。

――「私は、思い出にはならないさ」

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(C) SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
CHARACTER DESIGN: TETSUYA NOMURA/ROBERTO FERRARI
LOGO ILLUSTRATION: (C) 1997 YOSHITAKA AMANO

※ゲーム画像・映像は開発中のものです。
※試遊版は製品版とは仕様が異なります。

TGS2019
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