千葉・幕張メッセにて9月12日より開催の「東京ゲームショウ2019」。スクウェア・エニックスブースで9月15日に行われた、「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リマスター」スペシャルLiveステージをレポートする。

2003年にGCにて発売された「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル」(以下、「FFCC」)が、17年ぶりにリマスター版として蘇る。それを記念して実施された今回のステージ。プロデューサーの荒木竜馬氏をはじめ、板鼻利幸氏(キャラクターデザイン)、谷岡久美氏(音楽担当)、Yaeさん(主題歌歌唱)、Lynnさん(フィオナ役)が登壇。MCはエレキコミックの今立進さんが務め、実際にプラットフォームをまたいで協力プレイを行ったほか、主題歌のライブも披露した。

発売日が2020年1月23日に決定した「FFCCリマスター」。昨年のTGS2018では「2019年中に」と言っていたことを指摘され、荒木氏は登壇するや苦笑い。ただ、それもいろいろなものを詰め込んでよりよい内容に仕上げたがゆえだったとのこと。

そして、まずはリマスターの元となる「FFCC」について説明。当時開発に携わっていたのが板鼻氏と谷岡氏。初めて会ったのはハワイだったと振り返りつつ、音楽とデザインはお互いにインスピレーションを受けていることや、2人の好みが近いので安心して任せていることなどを話す。

デザインについては、クリスタルゲージのデザインがとにかく難しかったと板鼻氏。その実物は今回ブースにも飾られており、それを手にしながらこうやって説明できることが感慨深いと笑っていた。

そんな思い出もある「FFCC」のリマスター版として、17年ぶりに復活する本作。その特徴として、PS4、Switch、iOS、Androidの4プラットフォームに対応するほか、グラフィックのHD化などさまざまな新要素が盛り込まれている。

新規要素のひとつが、キャラクターボイスの追加。Lynnさんがフィオナ役に決まったのは、昨年のTGSが縁になっていたそうで、荒木氏の心の中では即決だったらしい。それを初めて聴いたLynnさんは驚きをみせつつも、嬉しそうな表情。自身が演じる快活でおてんばなお姫様であるフィオナをどのように演じているのか、その出演シーンなどの映像が特別に公開された。ボイスがついたことで、物語に深みが出てキャラクターの個性も際立ったと荒木氏は語る。

ほかにも追加要素として高難易度ダンジョン&ボスが実装。ここでは新しい武器の素材やレシピが入手できる。さらに、キャラクターバリエーションも追加で書き起こされ、各種族2人ずつ計8種が追加される。デザインを担当した板鼻氏によると、「FFCC」のキャラクターはぼくとつとした村人感が特徴で、今回もそれを逸脱しないように意識したという。敵役の顔をモチーフにしたお面を被らせたのはやりすぎかな……と考えたことなど、制作秘話も明かしてくれた。

楽曲周りについては、Yaeさんによる主題歌「カゼノネ」「星月夜」やゲーム内ナレーションはすべて新規収録し、BGMもリミックスや新曲を用意。谷岡氏は「新規のマップが出るなら、それに合った新曲を作りたかった」という。同時に、前からあったよねと言ってもらえるような曲にしたかったとも話す。また、効果音チームには小さい頃に「FFCC」を遊んでいた人もいるそうで、そのような情熱溢れるメンバーによって前のめりで作業が行われたとのこと。実際、荒木氏が知らないうちに曲のリミックスが進んでいたこともあったらしい。

マルチプレイについての大きな要素としては、4つのプラットフォームをまたいだクロスプレイに対応していることをアピール。これによって、別のプラットフォームでやっている人とも一緒に遊ぶことができる。さらに、セーブデータはサーバーにアップロードされるため、家ではPS4で遊び、外では同じデータを使ってスマホで遊ぶことも可能とのこと。

そうなると気になるのはスマホの操作感だろう。スマホでは直感で操作できるようにUIの工夫をしている荒木氏は言う。実際にLynnさんも操作してみて、簡単にやれると太鼓判を押していた。しかも、発売までにはさらに触りやすいようになるようなので、期待したいところだ。さらに、キャラクター作成画面も特別に披露。性別を選んだ後は、4種類のボイスから好きなものを選べるので、好きなボイスで遊ぶことができる。

そして、ここからは本作の目玉のひとつであるクロスプレイを実際にやってみることに。PS4が2人、Switchが2人という編成でプレイ。なぜか荒木氏だけなかなか参加できないアクシデントもあったが(途中から無事に参加していた)、プラットフォーム間でなんの違和感もなく協力プレイを行い、ボス戦では有効な魔法も駆使しながら見事に撃破。ちなみに、オンラインプレイ用に定形チャットも用意されているので、コミュニケーションについても心配無用とのこと。

ステージラストはYaeさんによるライブコーナー。オープニング主題歌「カゼノネ」を雰囲気たっぷりに歌い上げると、エンディング主題歌「星月夜」は谷岡氏のピアノ伴奏にのせて心に染み入る歌声を響かせる。観客席の中には涙ぐんでいた人もおり、とても素敵な時間となった。この楽曲とともに、新要素も満載となった本作。発売まであと少し、楽しみにしてもらいたい。

※画面は開発中のものです。

コメントを投稿する

この記事に関する意見や疑問などコメントを投稿してください。コメントポリシー