1月16日より配信されたiOS/Android用アプリ「ミニ四駆 超速グランプリ」をレビュー。大人が本気で楽しめる、ミニ四駆へのこだわりが凝縮された一本です。

目次
  1. 自分のマシンでコースに出られるうれしさ
  2. 勝敗をわける“カチャカチャ”
  3. 随所にこだわりを感じさせる一作

ミニ四駆、ハイパーヨーヨー、ビーダマン……筆者と同じく1980年代生まれの男性は、これらとともに小学生時代を過ごしたのではないでしょうか。ツールボックスにお気に入りのマシンと工具を揃えたり、できないトリックを練習して頭にヨーヨーをぶつけたり、家中にビー玉を撒き散らしたり……もちろん、傍らにはコロコロコミックがありましたよね。

そんな中でも、筆者は特にミニ四駆に夢中になりました。当時は漫画「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」の全盛期です。初めて買ってもらったミニ四駆は、強力なダウンフォースと「壁走り」で星馬烈・星馬豪を苦しめたトライダガーX。原作で空いていた通気口がキットでは空いておらず、幼心にショックだったのを覚えています。

きっと、同世代の皆さんにも似たような思い出があるのではないでしょうか。そんな小さなミニ四レーサーだった我々のノスタルジーを強烈に刺激するアプリゲームが「ミニ四駆 超速グランプリ」です。

自分のマシンでコースに出られるうれしさ

漫画やアニメで夢中になった「レッツ&ゴー!!」のフルカウルミニ四駆から始まり、「ダッシュ!四駆郎」世代のマシンも組んでみるなど、お気に入りのマシンにさまざまなパーツを組み込んで仕上げる楽しさは、少年ながらに感じていました。

しかし、いざコースを走らせるとなると、途端にハードルが上がります。

小学生という身分では、大会に出るためには親の理解と協力が必要です。大会でなくとも、近くにコースのあるおもちゃ屋さんだったり、あるいは家にコースがあったりしなければ、せっかく組んだマシンもツールボックスの中で眠るだけ……筆者はダンボールでコースを作ろうとして、失敗したこともありました。

それが、この「超速GP」なら思う存分コースを走らせることができる。これだけでも、レーサーにとってはとてもうれしいことです。

マップを順番に攻略していくソロプレイ用モード「ミニ四ワールド」では、「四駆郎」「レッツ&ゴー!!」に登場するキャラクターたちが相手に。懐かしい顔、そしてマシンとのレースが楽しめます。

リアルと同じく、レース中は愛車の走りを見ているのみですが、それだけでも楽しいもの。またレース前にはスイッチをオンにするシークエンスがあったり、シグナルに合わせてスタートさせたりと、本物さながらの挙動が味わえます。

一度勝った相手にも再度挑戦することが可能。このとき、相手のレベルが段階的に上がっていき、それに伴って相手のマシンも速くなります。レースに勝利したり、特定のレベルの相手に勝ったりすることでアイテムが手に入りますよ。

とはいえ、CPUだとあなどるなかれ。このミニ四ワールド、マップを進行するにしろ、レベルの高いレーサーを相手にするにしろ、思った以上にすぐ頭打ちになる――つまり、先に進めなくなります。

そこで重要になるのが、パーツのセッティングと改造。実はこの“パーツいじり”が、「超速GP」のキモと言っても過言ではないのです。

勝敗をわける“カチャカチャ”

リアルのミニ四駆にさまざまなパーツをつけたり外したりして遊んた方も多いと思いますが、本作でももちろん同様のことが可能。1台につき最大29ものカスタマイズ箇所が用意されており、こだわりのパーツでマシンをセッティングすることができます。

そして、各パーツは「改造」して性能を上げることも可能です。同じパーツでもレアリティが高いほど改造できる回数が増えます。これがレースに勝つために重要なポイントで、たとえ★1のパーツでも、セットする以上は改造を施すことをおすすめします。

一度の改造で大幅に性能が上がるわけではありませんが、複数のパースを少しずつチューンナップしていくと、いつの間にかマシンの性能がグッと上がっていることも多々。改造を繰り返しているうちに、勝てなかった相手にもすんなり勝てるようになりますよ。なお、アイテムが揃えばパーツを「進化」させて、レアリティを上げることも可能です。

ちなみに、個人的なおすすめ改造パーツはモーターです。昔はトルクチューンモーター派が多かったと記憶していますが、このゲームではレブチューンモーター強し。兎にも角にも、まずは速さが必要ということですね。

もうひとつ、レースに勝つために重要なのが、コースに合わせたセッティングです。

ガシガシ改造したレアリティの高いパーツを揃えれば勝てる、というわけではありません。出走するコースにストレートが多ければ速度の出るパーツを、コーナーが多ければコーナリング性能や安定性が高まるパーツを揃えるのが勝利への近道。所持できるマシンが増えたら、各マシンに役割を与えても良いかもしれません。

各パーツには、ストレートに強いものなら「St」、登り坂に強いものなら「U」などのアイコンがついており、ひと目で“得意分野”が把握できるようになっています。どんなマシンを作りたいのか、完成形を思い描きながらセッティングしていきましょう。

ちょっと曲者なのが「総合評価」という項目。基本的に総合評価はパーツをつけるほど上がります。ただ、マシンの総合評価が「相手の強さ」を上回っているからといって勝てるわけではないのです。むしろ、パーツを外したら勝てた、なんてことも。

つまり、アプリ側から正解が提示されるタイプのゲームではないということです。どうすれば勝てるのか、どうしたら速くなるのか? パーツを付け替えるたびに鳴る「カチャカチャ」という音を聞きながら、試行錯誤していきましょう。これこそ「ミニ四駆」という遊びの醍醐味なのかもしれません。

改造の仕方で伸びるパラメータが異なったり、
パーツごとにスキルが設定されていたり、
チューニングのやりこみ要素は高め。

ちなみに「ショップ」に行くと改造に使うアイテムだけでなく、基本的なパーツも手に入ります。レアリティが低いとあなどるなかれ、ガチャで手に入れたパーツでは足りない箇所をここで補い、しっかりと改造することで、マシンはちゃんと速くなってくれます。ラインナップは日替わりなので、毎日覗いてみましょう。

また、みんな大好き「肉抜き」も可能です。肉抜きをすると当然ながら軽量化とスピードアップにつながります。他にもカラーリングを変えてマシンに個性をもたせたりするなど、かなり多くのカスタマイズポイントがありますので、あの頃のように愛車をあれやこれやといじくり回してみてください。

パーツと言えば、昔は「フロントローラーをリアローラーより大きくすると速く曲がる」「フロントホイールを小径、リアホイールを大径にすると速くなる」というTipsがありましたね。こうしたセッティングもゲーム内で試してみるとおもしろいかもしれません。

随所にこだわりを感じさせる一作

こうしてトライアンドエラーを重ねて速くなったマシンは、ミニ四ワールドのみならず「超速グランプリ」モードでも走らせることができます。こちらはエントリーしておけば、自動でレースを行ってくれるPvPコンテンツ。ミニ四ワールドよりもさらに本格的なコースを走らせてくれますよ。

あのころ夢中になったこと、あのころ叶わなかった夢を思い出させてくれる「ミニ四駆 超速グランプリ」。ただノスタルジーを感じさせるだけでなく、ミニ四駆という遊びへのこだわりを随所に盛り込んだ作品となっています。ミニ四駆とともに少年時代を過ごした方、ぜひ遊んでみてください。

ミニ四駆 超速グランプリ

バンダイナムコエンターテインメント

iOSアプリiOS

  • 配信日:2020年1月15日
  • 価格:基本無料

    ミニ四駆 超速グランプリ

    バンダイナムコエンターテインメント

    AndroidアプリAndroid

    • 配信日:2020年1月15日
    • 価格:基本無料

      ※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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