「マギア:カルマサーガ」をレビュー。本作はsuperacidから配信された2D横スクロールアクションRPG。美麗グラフィックと、爽快なゲーム性から配信後に高評価を獲得。本記事でその魅力に迫る。
「マギア:カルマサーガ」は、superacidから配信された2D横スクロールアクションRPGだ。ボタン連打でコンボアクションを繰り出し敵を倒していく、ベルトスクロールタイプの本作。ノーマークだったという人も多いだろうが、ゲーム性、グラフィックともにクオリティが高く、配信後に高い人気を博している。そんな本作について、詳しく紹介したい。
スマホナイズされたベルトスクロール・アクションRPG
パッと見、ヴァニラウェアのアクションRPG「ドラゴンズクラウン」を連想した人も多いだろう。実際、ベルトスクロールタイプのアクションRPGなので、ゲーム性は「ドラゴンズクラウン」に近い。またグラフィックにも、「ドラゴンズクラウン」をイメージさせる部分がある。
本作の基本的なゲームの流れは、「ドラゴンズクラウン」同様、クエストを受注してステージへ挑戦。メインクエストの多くはステージ内のボスを倒せばクエスト達成…というもの。クエストを達成することで、ストーリーも進んでいく。
操作は、画面左側に配置されたで仮想パッドで移動。画面右側に配置された通常攻撃ボタン、スキルボタン、ジャンプボタン、回避ボタンを使って、それぞれのアクションを行う。通常攻撃は連打することでコンボとなるほか、仮想パッドの入力と組み合わせることでも技が変化する。上方向+通常攻撃ボタンによる上昇攻撃を利用することで、エアリアルコンボも可能。
ゲームが進むとスキルの数が増え、それにともないコンボのバリエーションも増えていく。ボタン連打によってド派手な連続攻撃をガンガン繰り出せる爽快感は、本作のようなベルトスクロールアクションの醍醐味。適当に連打しているだけでも気持ちイイし、華麗なコンボを狙って成功させた時の達成感はたまらないものがある。
ベルトスクロールアクションの基本は押さえた上で、スマホに最適化されているなと感じたのが「奥行き」の要素とステージの長さ。ベルトスクロールアクションの多くは「奥行き」の要素を持っており、画面手前/奥方向への移動が可能だが、本作は「奥行き」を採用しておらず、移動は左右方向のみだ。このため、奥行き方向を使った立ち回りを意識する必要がなく、ややシンプルなバトルに仕上がっている。
また、ステージの長さは、1ステージにつき3回の敵集団と戦う程度のボリュームに抑えられており、短時間でサクッとプレイできる。このため、スマートフォンでも楽しみやすい。
ただちょっと残念なのが、物理ゲームパッドに対応していないところ。ここまで書いてきたた通り、ベルトスクロールアクションは、連続攻撃の気持ちよさにフォーカスされたゲームジャンルなので、物理的な感覚があった方が何倍も気持ちイイ。できれば今後のアップデートなどで対応されると嬉しい。
4人の冒険者がカルマを浄化する物語
タイトルにある「マギア」というのは、神の力。この「マギア」が黒く変質すると「カルマ」となり、世界に災いをもたらす。この「カルマ」の浄化を目指す…というのが本作の背景ストーリー。
主人公となるのは、魔法剣士のエデル、精霊魔法使いのロコア、守護騎士のメルトア、バトルメイジのガブマニエル…という4人。4人がひとつのパーティーを組むというのではなく、4人の中から1人を選ぶ…というスタイル。主人公を選んだ後も他の主人公でプレイすることは可能。ただ、その場合、ストーリーを最初からプレイすることになる。
選んだ主人公によってアクションは大きく変化。エデルは剣で戦う接近戦タイプで、ベルトスクロールアクションとしては最もスタンダードなタイプだろう。ロコアは魔法主体の中遠距離戦タイプ。ガブリエルも魔法攻撃が主体だが、接近戦を得意とする。メルトアは縦による防御を得意とするキャラクター。立ち回りに若干癖があるため、操作には慣れが必要だろう。
4人のうちプレイしやすいのは、エデルかガブリエルだろう。接近攻撃メインで戦えるため、一般的なベルトスクロールアクションの感覚でプレイできる。正統派の主人公が好みならエデル。セクシーキャラが好きならガブリエルがオススメ。ガブリエルは、「ドラゴンズクラウン」のソーサレスを思わせる胸がインパクトでかい…!
ちなみに、グラフィックは非常に丁寧に作られており、美麗といっていいレベルだが、「ドラゴンズクラウン」をイメージすると、やや小さくまとまっている印象を受けた。…といっても、「ドラゴンズクラウン」は1枚1枚手塗りで、かつレイヤー分けをしないという狂気的な手法で作成された超重厚グラフィックが特徴。なので、そもそも比べるのが間違っているように思う。ただ、それにしては本作、「ドラゴンズクラウン」をイメージさせる部分が少なくないように感じるんだよね…。
翻訳の拙さが玉に瑕!早急なアップデートを希望
最後に、本作の持つ欠点にも触れておきたい。本作は細かい部分まで丁寧に作られた作品で、ゲーム性、操作性、グラフィックとも非常に秀逸な作品…なのだが、ただ一点、翻訳のクオリティが低い。てにをはの間違いはもちろん、音声と文章とでキャラクター名が異なっているなど、多くの問題を抱えている。
テキストに問題を抱える一方で本作は、ストーリーの運び方が上手い。なので、「この先どんな展開になるんだろう?」と物語に没入させる力は弱くない。だからこそ翻訳の問題が痛い!せっかくの没入感が醒めてしまうのだ。できればこの点は、まっ先にアップデートで修正して欲しい。
問題は抱えるが有料レベルのクオリティを持つ作品!
テキスト翻訳という問題は抱えているものの、全体的に見て本作は、クオリティの高い作品だ。アイテム課金型の無料ゲームとして提供されているが、課金要素をまったく利用せずとも楽しめる。有料ゲームとして提供されても全くおかしくない。なので、ベルトスクロールアクションRPGとしてプレイする分には、十分すぎるほど楽しめるハズ。ベルトスクロールアクション好き、アクションRPG好きはぜひ一度プレイしてみてほしい。