3gooは、PS4/Nintendo Switch用ソフト「リマザード:トーメンテッド ファーザーズ」について、制作陣のオフィシャルインタビューを公開した。
今回のインタビューには、「リマザード」シリーズを手掛けるイタリアのStormind Games CEO アントニオ・カンナータと、本作のゲームディレクターであり著者のクリス・ダリルが登場。Switch版のリマスター化に至ったいきさつに始まり、日本文化への愛や好きなゲームクリエイターの話のほか、日本のファンに向けたメッセージが語られている。
「リマザード:トーメンテッド ファーザーズ」スタジオインタビュー
――「リマザード:トーメンテッド ファーザーズ」はリマスタリングを施してのリリースとなりました。リマスターに踏み切った理由は?
アントニオ・カンナータ(以下アントニオ):コンソール版、PC版ともに非常に高い水準で仕上げることができたため、すでに発売していたSwitch版の販売を中止して、同様のバージョンへの移植に踏み切りました。
結果的に満足のいくレベルに到達でき、プレイヤーのみなさんに本作の真の魅力を堪能いただけるようになったと思います。PS4版、Switch版ともに私たちの素晴らしい仕事を楽しんでいただきたいです。
――リマスタリングにあたって注意したのはどのような点でしたか?また満足度は?
アントニオ:すべては社内のスタッフとユーザーの皆さんからのフィードバックから始まりました。なぜならリマスターの一番の目的は、彼らを満足させるためだからです。我々は、ユーザーの意見を常に追い、彼らがゲームに抱いている問題を解決することで、本来的なゲームの魅力を提供できると考えています。
ですからゲームに大きく貢献する変更は、開発者のために行われる小さな変更よりも優先されました。そうしないと、ゲーム自体が高品質の小道具が並べられたセットのようになってしまい、ただ最適化されていないモデルがあるだけになってしまいますから。
そんなゲーム、誰も遊びたくないですよね。また、バグ対応にもとことん取り組みました。ユーザーのゲームのプレイ時間や習熟度に関係なく、何かが見落とされた場合、新しいバグが引き起こされる可能性があります。
これを回避するために時間をかけてテストを重ねました。おそらくスタッフの中に、「リマザード」のプレイ時間世界最長記録保持者がいるかもしれません(笑)。
――リマスターにはどの程度満足していますか?
アントニオ:コンソールへの移植を始めた初期の頃を振り返ると、最初のビルドの段階から仕上がりとしては素晴らしいものだったと思います。ですが、私たちはもっと良いことをしたかったのです。リマスターによって、「リマザード:トーメンテッド ファーザーズ」の究極バージョンができたと言っていいと思います。
――リマスターの主な改善点は何ですか?
アントニオ:グラフィックス、パフォーマンス、安定性という3つの主要なポイントに焦点を当てました。グラフィックについては、テクスチャの品質を改善するために取り組み、新しいライティングシステムを実装しました。それは今作で非常に顕著です。
パフォーマンスではフレームレートの最適化を実現しましたし、安定性に関しては、ゲームの没入感を損なういくつかの小さな問題を解決するために、大量のデバッグを行いました。以前のバージョンで、プレイヤーはグリッチを使ってゲームをいじめるのが好きだったのを知っています。アレは楽しかったんですけどね…もう起こりません!
――日本のゲームファンについてどう思いますか?
クリス・ダリル(以下クリス):私は日本の文化とゲーマーが大好きなんです。彼らの作品を称賛するアプローチや収集力が、強力なファンベースを生み出していると思います。我々ゲームデザイナーに最高の栄誉を与えてくださる存在であるとも思っています。
――好きな日本のゲームクリエイターはいますか?
クリス:お気に入りのゲームクリエイターやアイドル、レジェンドはたくさん存在します。そして素晴らしい友達もいます。
外山圭一郎さん(サイレントヒル、SIREN、GRAVITY DAZE)、SWERY(スエリー)さん(Deadly Premonition、The MISSING - J.J.マクフィールドと追憶島 -、D4)とは、昨年の夏にシチリアで開催されたコミックフェスティバル「エトナコミックス」で素晴らしい10日間を共に過ごしました。
映画、ビデオゲーム、アニメに漫画、音楽…要は何でも語り合ったということなんですが(笑)。非常に楽しく、正直で、信じられないほど謙虚な方々です。彼らが「リマザード」のファンでいてくださるという事実は、私の誇りでもあります。
――もし日本に行く機会があればどうしますか?会いたい人は?
クリス:正直なところ、片道切符を買って日本に留まりたい思いです。私は常々日本のみなさんと彼らの文化、食べ物、超高度なテクノロジーと古典的な衣装とのコントラストを愛してきました。
ビル・マーレーとスカーレット・ヨハンソンによる美しい映画「ロスト・イン・トランスレーション」では、その場に居合わせたいと思ったほど、彼らをうらやましく思いましたし。日本に行ったとしたら、必ず主要な都市をツアーして、すべての美術館を訪れ、おそらく胃が爆発するまで食べるでしょうね。
それから、愛する外山さん、SWERYさんと再会して、ふたたび魔法の夜を共有したいです。彼らは私が日本で会いたいと思う最初の人ですから。
――日本のファンにメッセージをお願いします。
クリス:オハヨウゴザイマス!ローズマリーにふりかかる災難、不気味なフェルトン博士、超恐ろしい赤い修道女、そしてホラー映画やオールドスタイルのサバイバルホラーに対するオマージュ…日本のみなさんに、「リマザード:トーメンテッド ファーザーズ」の真価を認めていただけるものと期待しています。
「サバイバルホラー」というジャンルが産声を上げた国・日本への私からの心ばかりのラブレターだと思っていただけたら嬉しいです。そして続編の「リマザード:ブロークン ポーセリン」にもご期待ください。あなたに眠れない夜をお約束するとともに、あなたの心に長くとどまる…つまりはトラウマ級の恐怖をお届けできるものと確信しています。