マクロミルとセンタンが共同で提供するニューロリサーチサービスが、PS4/Xbox One/PC用ソフト「バイオハザード RE:3」のゲームコンセプト開発に採用されたことが明らかになった。
カプコンは従来、開発時に実施するコンセプト受容調査にインタビューを用いていたが、これに加えデータドリブンなアプローチを用いて、より正確なユーザーインサイトをコンセプト開発に活用したいという要望があったという。これを受けマクロミルは、テストプレイ中の被験者から取得した生体データを分析。プレイ中の心理状態を明らかにするニューロリサーチを、新ゲームのコンセプト受容調査として提供した。
同調査では、「バイオハザード RE:3」のコアコンセプト(サバイバルとホラー)がプレイヤーにどのように受容されたかを把握するため、興奮や警戒など生体の覚醒度を読み取れる、心拍数と皮膚電気反応を測定。プレイ中における心拍数の変化からは興奮・ストレス・リラックスなど、皮膚電気反応の変化からは緊張・驚き・ストレスなどをそれぞれ読み取ることが可能だ。
これら2つの測定値からプレイ中の心理状態を分析した結果※、プレイヤーがゲーム中にどのチャプターで、恐怖や警戒心など本ゲームならではの感情の高まりを体験したのかが明らかになった一方で、多数のゾンビに追いかけられるという演出が、意図していたチャプターにおいて十分な恐怖感を生み出せていなかったことも分かったという。また、「恐怖心を強く感じた後にプレイヤーの警戒心は高まる」ことも結果から読み取ることができたとのこと。
これらのインサイトを通じカプコンは、非常に重要な原点である「ホラーとは何なのか」というコンセプトの再考を実施。「バイオハザード RE:3」開発における表現や演出に反映した。
※文京学院大学の長野准教授(生理心理学)の助言をうけつつ,生理心理学的反応モデルをベースに、プレイ中の各種反応の解釈を実施。長野祐一郎、所属:文京学院大学人間学部、参考文献:長野祐一郎(2017).11章1節 対人要因と心臓血管反応 堀忠雄・尾崎久(監)片山順一・鈴木直人(編)生理心理学と精神生理学第II巻応用(pp.109-118)北大路書房
本事例詳細について
当事例の背景、および、調査過程や調査結果の詳細は、以下よりご覧いただけます
https://www.macromill.com/case-stories/capcom.html
ニューロリサーチについて
ニューロリサーチ(ニューロマーケティング)は、アンケートやインタビューによる主観評価に加え、消費者が商品を見ている時の脳波・心拍・視線の動きなどの生体反応をリアルタイムに計測する実験を行い、その変化からターゲットが自分では意識していない領域まで含む深いインサイトを浮き彫りにすることができる調査手法です。
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