Humble Bundleからリリースされたローグライク×デッキ構築型カードRPG「Slay the Spire」をレビュー。作品の魅力と、iOS版ならではの魅力に迫る。

「Slay the Spire」は、Humble Bundleからリリースされたローグライク×デッキ構築型カードRPG。PC(Steam)やNintendo Switch向けに配信されていた同作が、今回、iOSでも配信された。そこで、その内容を紹介したい。

デッキ作りがゲームのメイン!デッキ構築型カードゲームとは

本作の紹介をする前に、本作が取り入れている「デッキ構築型カードゲーム」について触れたい。「デッキ構築型カードゲーム」とは、「マジック:ザ・ギャザリング(MTG)」や「遊戯王」、「ハースストーン」や「シャドウバース」といったトレーディングカードゲーム(TCG)をベースにしながら、ゲームのメイン要素にデッキ構築を据えたゲームだ。TCGではあらかじめデッキ構築を行ってから対戦に臨むが、「デッキ構築型カードゲーム」では、デッキ構築=ゲームそのもの。ターン毎に場からカードを獲得し、デッキを作っていく。このジャンルの代表的な作品は、アナログゲームの「ドミニオン(Dominion)」だ。

本作…「Slay the Spire」は、このデッキ構築の要素をそのまま取り入れるのではなく、ローグライクと絡めて取り入れている。マップを移動して敵との戦闘を繰り返すことで報酬として強力なカードを獲得。デッキを構築していく…というわけだ。マップはすごろくのようにポイントからポイントへと移動するタイプ。ポイントには敵との戦闘以外にも回復ポイントである休憩や、何が起きるかわからない「?」ポイントなどが用意されている。自分の残り体力を管理しつつ、理想のデッキを作るためには、どの道を進むのべきか…?悩ましくもあり、楽しくもある部分だ。

マップで戦闘ポイントに入ると、戦闘シーンへ。戦闘シーンでは、カードを使って敵と戦う。この部分も、ベースは「デッキ構築型カードゲーム」だ。毎ターン、デッキから手札がドローされ、エナジーを消費して手札からカードをプレイする。それってTCGと何が違うの?と思うかもしれないが、大きな違いは、毎ターン手札がそっくり入れ替わるという点。本作では、毎ターンデッキから基本5枚の手札をドローし、その中からエナジー分のカードをプレイする。そして、プレイしなかったカードはターンの終わりに捨て札となり、次のターンまた新たに手札をドローするのだ。

TCGに慣れていると、毎ターン5枚もドローしていたら、すぐにデッキがなくなっちゃうんじゃないかと感じるかもしれないが、本作のような「デッキ構築型カードゲーム」において、デッキが枯渇することはない。デッキがなくなったら、捨て札をシャッフルしてデッキに戻すからだ。これは、デッキに編成できるカード枚数が概ね40枚前後で固定されているTCGと違い、「デッキ構築型カードゲーム」ではデッキ内のカード枚数が変動するからだろう。ゲーム中、カードを獲得することでデッキ内のカード枚数は増えていくのだ。

「デッキ内のカード枚数が変動する」ということは、カードの母数が変化するということ。これは、戦略に大きな影響を与える。TCGでも「デッキ構築型カードゲーム」でも本作でも、勝敗を左右するのは「コンボ」。複数のカードの効果を上手に連携させ、より大きな効果を得ることだ。

この「コンボ」が出せるかどうかを左右するのが、「カードを引く確率」。もうおわかりだろう。カードの母数を変化させることができるということは、「カードを引く確率」に大きな影響を与える。デッキ内のカード枚数が固定されているTCGでは、デッキ内に同じカードを複数編成することで「カードを引く確率」をコントロールするが、本作のような「デッキ構築型カードゲーム」の場合、さらにデッキのカードの母数を変化させることで、「カードを引く確率」をより極端にコントロールできるのだ。極端な話、デッキ内のカード枚数が5枚なら、毎ターン常に同じ5枚のカードをドローできる。

ショップや休憩を上手に活用してデッキ構築!

ここまで偉そうに書いておいて大変申し訳ないのだが、筆者は本作を初プレイした際、カードの母数なんてことはまるで気にしていなかった。フツーのローグライクRPGをプレイする感覚で、気になったカードは次々ゲットしてデッキへ編成!この結果、上手に「コンボ」を起こすことができず、第1章ボスで敗北…。

「コンボ」の重要性に気づいた2回目のプレイでは、獲得するカードの持つ効果に注意を払ってプレイ。しかし、とにかくカードを獲得しようと躍起になって戦闘を繰り返したため、第1章ボス到達時点でHPが残り少なくなっており、これまた敗北…。

さらに3回、4回…とプレイを重ねるものの、いずれも第1章ボスで敗北してしまい、「こいつは難易度が高いぜ…!」なんて思っていた。しかし、ある時ようやく、本作が「デッキ構築型カードゲーム」をベースとしていることに気付いたのだ。「デッキ構築型カードゲーム」がベースなら、カードをただ集めるのではなく、「コンボ」の発生率を高めるため、デッキ内のカード枚数を最適化する必要がある。

この、「カード枚数の最適化」を行う上で重要なポイントとなるのが、マップにあるショップポイントや休憩ポイントだ。ショップポイントでは、ゴールドを商品して任意のカードを購入できる。まさしくショップなのだが、重要なのは、カードの除去もできるということ。デッキ内からいらないカードを減らすことで母数を減らせば、その分、「コンボ」の発生率がアップする。

また、休憩ポイントは、文字通り休憩することでHPが回復できるのだが、「鍛冶」によってカードのアップグレードも行える。アップグレードすることで、「コンボ」の威力をより高めることが可能だ。

このことに気づき、戦闘によるカード入手、ショップを使った「コンボ」発生率の調整、「鍛冶」による「コンボ」の増強…という3点を意識してマップを進むようにした。するとどうだろう。あんなに苦戦した第1章ボスが、楽に倒せるじゃないか!ヤバい!これおもしろい。

あーでもない、こーでもないと悩みつつデッキを編成し、その強さをバトルで確認する…という楽しさは、TCGの醍醐味。本作の場合、それがゲームに取り込まれ、これまた中毒性の高いローグライク風味に味付けされている。なので、おもしろくないわけがない。当然中毒性が高く、あっという間に数時間過ぎていた…。

iOS版は買い?UIに欠点はあれどプレイのしやすさに魅力

本作のゲーム内容は、疑いようもないほど面白い。ただ、本作はPC(Steam)版、Nintendo Switch版、iOS版と様々なプラットフォームでリリースされている。そんな中で、iOS版は「買い」に値するのだろうか?

まず、iOS版の欠点といえる部分に触れよう。筆者がプレイした上で感じた欠点は、UIが小さいこと。特に、タイトル画面の「プレイ」ボタンは、画面左隅に小さく配置されており、押しにくい上、視認性もよくない。もう少し大きなボタンにして欲しかった…。

また、カードに書かれた文章が読みにくい。カードをタッチすると拡大表示され文章が読めるのだが、文章の一番下が画面下に見切れてしまっている。それならとカードをスワイプで移動すると、指に隠れて文章が見えない…。

こうしたiOSに合わせたUI周りにはまだまだ課題が残っているように思う。とはいえ、こうした課題は致命的なものとはいえない。今後アップデートで解決される可能性もあるだろう。

一方、iOS版の長所と言える部分。ひとつめは、いつでもどこでも携帯するスマホだから、いつでもどこでもプレイできる気軽さだろう。もちろん、この点は据え置き機と携帯機の融合したNintendo Switchも同様だ。

ただ、外出時にNintendo Switchを忘れることはあっても、スマホを忘れることはないだろう。そして、Nintendo Switch本体よりスマホの方が小さい。スマホなら混みあっている電車内でつり革片手のプレイでも余裕だ。

なので、気軽さで分があるのは圧倒的にiOS版。いつでもどこでもやりたい時に速攻プレイできるというのは、本作のような中毒性の高いゲームにとって強烈な魅力といえる。また、全バージョン中、iOS版が最も安い。安さも気軽さを後押しする要素だ。

結論として、iOS版「Slay the Spire」は「買い」。マジで「買い」。時間泥棒なので、バスや電車の中でプレイしたなら、気づくと目的地へ着いていることだろう。リアル時短コンテンツだ。もちろん、乗り過ごしには十分注意して欲しい。

Slay the Spire

Humble Bundle

MobileアプリiOS

  • 配信日:2020年6月14日
  • 価格:1,220円(税込)

    (C) 2020 MegaCrit, LLC.

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