ドワンゴは、2020年8月9日より実施した「ニコニコネット超会議2020夏」について、8月9日・12日・14日・16日に行われたボーカロイド曲のオンラインフェス「神出鬼没!超ボカニコ supported by 東武トップツアーズ」のイベントレポートを公開した。
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「神出鬼没!超ボカニコ supported by 東武トップツアーズ」は、2020年4月開催の「ニコニコネット超会議2020」で行われる予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言発令のため中止となっていた企画。
通常DJは外音を出して行うのが一般的だが、今回のようにオンライン開催の場合は外音を出さずに配信ができるため、静寂な図書館や、美術館、遺跡などでやるのは面白いのではないかと企画されたという。
また、客のいないテーマパークや観光地など、コロナ禍で行きたくてもいけない場所でDJをすることにより、ユーザーに旅行気分を味わってもらいたいという、企画者の思いも込められているとのこと。今回は、この趣旨に賛同した4人のボカロPDJがオンライン生ライブを行った。
8月9日(日):YASUHIRO(康寛)が水上DJ
本企画トップバッターは、YASUHIRO。「音絵本」シリーズなどのオリジナル楽曲をはじめ、「東方」などのアレンジ曲やカバー曲を手掛けています。楽曲中の転調・転拍子が特徴で、その完成度の高さに定評のあるボカロPのひとりです。
放送開始とともに、画面には東京湾の広大な景色が映ります。そして船に乗ったYASUHIROが登場!事前に“水上”と発表されていたものの、これにはユーザーも驚き。「マジで水上じゃん」「水上って地名かと思っていた」「前代未聞だw」「涼しげでいいね」「気持ちよさそう」など、ユーザーからたくさんのコメントが届きます。
YASUHIRO自身も「僕も随分前から聞かされていたが、まさかこんな絵図になるとは想像もしていなかった。晴れたから良かったが、雨降っていたらどうしていたのだろう?」と初めての水上DJに少々驚いている様子でした。
MCを終え、さっそく1曲目がスタート!と思いきや、船上という初めての試みということもあり、テンポがずれてしまったり、マイクが入っていなかったりと予期せぬトラブルが発生!これにはユーザーも「wwwwwwww」と画面が一杯になるものの、「仕方ない」「大丈夫」と温かい雰囲気で再スタートしました。
1曲目は「ねぇ、どろどろさん」、さっそく弾幕職人も気合が入ります。画面にはコメントとともにカラフルな弾幕が曲に花を添え、1曲目からアクセル全開の盛り上がりに。早くも2曲目の「奇跡さえも」でユーザーの盛り上がりが爆発します。人気の曲ということもあり、イントロに入るやいなや、画面は大量のコメントと弾幕で溢れます。コメントでは、「神曲」「えもい」「選曲に土下座」などとYASUHIROの選曲に絶賛の嵐でした。
曲が進むにつれ、徐々に日が暮れていきます。すると、夕焼けのグラデーションを背景に音楽が重なって情緒あふれる雰囲気に。それに合わせてYASUHIROも選曲やアレンジを変えていきます。特に「FANTASTIC」の選曲から、会場の空気ががらりと変わり、大人っぽいムーディーな雰囲気に。
そして、最後は「ストロボナイツ」で締めくくります。最後の曲ということもあって、ユーザーからはYASUHIROや運営、他ユーザーに向けて、「最高の時間をありがとう」「また幕張で集合な」「なんだこの最高な企画」「来年は現地に行きたいな」「コロナ禍の今だからこそ響いた」など、たくさんの温かいコメントが寄せられました。
最後のMCでYASUHIROは「横揺れ、縦揺れでめちゃくちゃ難しかった。」とコメントしましたが、ユーザーからは選曲やアレンジなどはもちろん、水上という新しい挑戦に賛称の声が多く届きました。家に居ながら、まるで水上に浮かんでいるような、美しくて儚いエモーショナルな放送でした。
8月12日(水):八王子Pがあのキャラクター達とDJ
2日目を担当するDJは八王子P。確たるベースラインを基調とした、骨太のテクノを得意とするボカロPで、近年は有名なアーティストにも楽曲提供をしています。
中継がスタートすると、最初にカメラがとらえたのは、壁に飾られたハローキティの絵。これにはユーザーも「マジで!?」「サンリオ!!」「ピューロランド!?」と興奮気味。サンリオピューロランドとニコニコの異色のコラボにユーザーは期待を膨らませます。そして八王子Pの「半年ぶりのDJよろしく!」と気合の入った掛け声で、1曲目の「ラッキー☆オーブ」がスタート。
曲が始まると、さっそくユーザーは「( ゜∀゜)o彡 ゜ハイ!( ゜∀゜)o彡 ゜ハイ!( ゜∀゜)o彡 ゜ハイ!( ゜∀゜)o彡 ゜ハイ!( ゜∀゜)o彡 ゜ハイ!」と絵文字でコールを送ります。星や音符などのカラフルで可愛いコメントもたくさん届き、サンリオピューロランドの可愛らしい雰囲気にマッチしていました。
曲が進むと、八王子Pは「皆座って見ていると思うんですけど、皆が立ち上がったら僕の勝ち!」と番組を盛り上げようとユーザーを煽ります。するとユーザーは「もう立ってる」「負けました」「むしろ最初から立ってた」とコメント。序盤からそれぞれの場所で八王子Pと一体となって楽しんでいることがわかります。
また、放送中は曲に合わせて、リアルタイムで映像にカラーエッジ加工やカラーグレーティングが施され、それに合わせてユーザーもコメントや弾幕の色を使い分けていました。例えば、「Blue Star」の演奏中には、皆一斉にコメントを青にするなど、現場の演出に呼応するようにユーザーも積極的に番組を盛り上げていきます。
後半に突入すると、八王子Pのお友達として、ハローキティとシナモロールが登場します!これにはユーザーも大興奮で、「かわいい!」「キター」「待ってました」など、歓迎のコメントで画面がいっぱいに。ハローキティとシナモロールの2人も曲のリズムに合わせてダンスをしてくれました。サンリオキャラクターがボカロ曲でノリノリという、前代未聞のとても貴重な映像となりました。
そして最後は「Tell Your World」で締めます。CMにも起用された初音ミクの代表曲のひとつで、まさにラストに相応しいナンバー。ユーザーからは「たくさんの感動をありがとう」「最高の時間だった」「来年は幕張でな」とコメントが届きます。
八王子Pもユーザーに向けて「こんな時代だけど、僕にできることは音楽を作ることしかないので、僕の音楽でちょっとでも楽しく、気を紛らわせてくれたらと思っている。」とコメントしました。1日目の水上でのエモーショナルな雰囲気とは打って変わって、サンリオキャラクター達に囲まれて盛り上がった、可愛くポップな2日目でした。
8月14日(金):ATOLSがあんな個室でDJ
ネット超会議夏も後半戦に突入した、ボカニコ3日目。この日を担当するDJはATOLS。電子音楽プロデューサーとして、多くの作詞、作曲を手掛けています。また、音楽のみならず映像・デザイン・企画・プロデュース等も多岐にわたり熟す総合アーティストです。
放送が始まるやいなや、まず映し出されたのはスモークのかかった怪しげな空間に佇む個室トイレ。壁は透明になっており、外から中が見えます。後にわかりますが、ここは千葉県の市原市にある、世界で一番広いトイレ。そのトイレに防護服とフェイスシールドを付けたATOLSが突如姿を現します。これにはユーザーも驚きと戸惑いを隠せず、「こんな所でDJ!?」「待って心が着いていかないw」「絶対落ち着かない」「最先端過ぎる」と続々とコメントが書き込まれます。
まさかのトイレでDJという前代未聞の状況にユーザーが戸惑っている中、さっそく1曲目「ノア」がスタート。DJプレイをする手元をカメラがアップで映すと、そのすぐ横にトイレットペーパーが映り込み、これにはコメントでも笑いが起こります。
しかし、曲が始まるとATOLSの音楽とスモークやライトなどの演出により、ここがトイレだということを忘れてしまうくらい幻想的な空間へと変貌します。ユーザーからは「なんでかっこよく見えるんだよこれ...」「音も映像も最高にかっこいい」「マッシュアップめちゃ上手い」「耳が幸せ」などのコメントが次々と届き、皆がATOLSの世界観に引き込まれていきます。
中盤になると、ATOLS本人も立ち上がって手を叩いたり、リズムに乗る場面も増えていきます。「アワオドリ」と「万象突破」のマッシュアップに入ると、曲調や空気ががらりと変わり、ユーザーも激しく盛り上がります。「アワオドリ」が祭りを題材にしている曲ということもあり、コメントは「ドッコイ」「ヨイヨイ」「ワッショイ」などの祭りの掛け声が飛び交い、まるで祭り会場のような盛り上がりを見せました。
また、複数のカメラを1画面にレイアウトするワイプ演出が入るなど、生放送とは思えないクオリティの映像に「かっこいい!」「すげぇ」「MVみたい」とユーザーも絶賛のコメントを送りました。
そして終盤に入ると、ATOLSが手掛けて2012年に大ヒットした曲「マカロン」が選曲されます。これにはユーザーも「きたああああ」「神曲」「実家のような安心感」「崇めよ」「マカロン教」と盛り上がりを爆発させます。この曲の後にも、「マカロン (ATOLS Remix)」や「マカロン (ATOLS Rock Remix)」などRemixバージョンが続き、ATOLSファンにはたまらない時間となりました。
曲のラストは「アストラル」で締めくくります。曲の最後に、ATOLSからユーザーに向けて「皆さんありがとう、愛しています。」とメッセージを送りました。ユーザーからも「最高でした」「ありがとう」「愛してる」「時空を旅行しているようでした」とコメントが届くと、約1時間にわたる生放送はお開きとなりました。
おそらく史上初となるトイレからお送りするDJ。最初は異空間のように思えたものの、ATOLSの織り成す音楽と演出で、会場がトイレだということを忘れさせるほど、幻想的で神秘的な世界観でした。
8月16日(日):DJシーザーが絶景高所でDJ
ボカニコ最終日を締めくくるのはDJシーザー。アニソンDJとして日本だけではなく、海外のイベントでも活躍しており、2019年には機動戦士ガンダム40周年記念CD「機動戦士ガンダム 40th Anniversary BEST ANIME MIX」をプロデュースし、オリコンアニメウィークリー初登場1位を獲得。今なお、アニソンDJのパイオニアとしてシーンや文化を牽引し続けています。
この日は放送が始まるやいなや、ドローン空撮で広大な高原が映し出されます。まさかのドローン空撮にユーザーも驚きを隠せず、「!?」というコメントで画面がいっぱいに。中には「前前前世?」というコメントも。そう、実はこの高原こそが、映画「君の名は。」の聖地のひとつ、長野県塩尻の高ボッチ高原でした。今回は、この美しい景色を存分にお届けするために、通常のカメラに加えてドローンも使用した放送となりました。
ユーザーがこの景色に釘付けになっている間に、さっそく1曲目がスタートします。1曲目はDJシーザーの「結婚おめでとうございます!!」との掛け声から、オーイシマサヨシ カバーバージョンの「ルカルカ★ナイトフィーバー」でスタート!さっそくユーザーもお決まりの合いの手コメント「( ゜∀゜)o彡 ゜ハイ!( ゜∀゜)o彡 ゜ハイ!( ゜∀゜)o彡 ゜ハイ!( ゜∀゜)o彡 ゜ハイ!( ゜∀゜)o彡 ゜ハイ!」で盛り上げます。プレイ中に、DJシーザーが塩尻の名産である100%葡萄ジュースで乾杯する場面も。ユーザーもコメントで「kp」と打ち、一緒に乾杯をして、放送の幕が切って落とされます。
そして2曲目は「R.Y.U.S.E.I.」がかかり、まさかのJ-popの選曲にユーザーも驚きます。DJシーザーからは「J-popもボカロもアニソンもガンガン行くぞ~!」と掛け声がかかります。その後も音楽のジャンルを問わず、皆が楽しめるような曲を積極的に選ぶDJシーザー。
ボカロ曲では「ロキ」「千本桜」など、ボカロにあまり詳しくない人でも一度は耳にしたことがあるような有名なナンバーが多く選曲されていました。人気ボカロ曲である「千本桜」の際には、映像が少しピンクがかり、それに合わせてコメントも桜の絵文字でいっぱいになりました。
また、アニソンでは人気アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」から「恋になりたいAQUARIUM」や、「アイドリッシュセブン」から「NATSU☆しようぜ! 」など、男女それぞれが楽しめるように選曲がされており、DJシーザーのユーザーへの気遣いが感じられました。
ところが、中盤の放送が盛り上がっていたところで、突然映像が止まるトラブルが発生します。普通であれば放送事故となり、重い空気が流れるものですが、コメント欄では「俺たちでつなげ!」「運営頑張れ」「休憩だ、疲れただろ」「生って感じで好きよ」「こんな所でやっているし仕方ないよ」など、ユーザー同士がポジティブなコメントで間をつないでいました。
また、弾幕職人たちはさまざまな弾幕を作って他のユーザーを楽しませるなど、柔軟で粋な対応はニコニコユーザーならでは。まもなく映像が再開すると、DJシーザーは「ジョジョの奇妙な冒険」のキャラクターに扮して「スタープラチナ・ザ・ワールド解除!」と言い放ち、再スタートを切ります。これにはユーザーも「wwwwwwww」とコメントで笑いが起こります。「俺のスタンドが時を止めて申し訳ない!今解除したぞ!そして時は動き出す!」とアニソンDJのとして完璧なトラブル対処で、放送を立て直しました。
終盤に差し掛かると、DJシーザーからユーザーに「皆に協力してほしいことがあります。この美しい夕焼けに皆で花火を咲かせたいです!」とお願いが。するとユーザーは「もちろん!」「いくぞおおお」「いええええい」と言うと、画面が見えなくなるほど大量の花火の絵文字をDJシーザーに送ります。夕焼けバックの高ボッチ高原の美しい景色に、たくさんの色とりどりのコメントが写る様は、まるで本物の花火のような美しい映像でした。
そして最後のナンバーがDJシーザーの「来年の夏も元気で会えるように。」という掛け声で始まります。ユーザーからは「終わっちゃう...」「最後か」「泣いてしまうがな!」「最高の思い出をありがとう」などとコメントが届きました。
そして最後にDJシーザーから「ネット超会議は終わるけど、夏はまだまだ続くし、皆元気でね。またリアルイベントでね。それまで身体大事に過ごしてください。」とユーザーを気遣う言葉で幕を閉じました。4日目は、雄大な自然をバックに壮観な景色を仰ぎながらの、まさにトリに相応しい舞台でのDJパフォーマンスでした。
4日間にわたって行われた「神出鬼没!超ボカニコ supported by 東武トップツアーズ@ニコニコネット超会議2020夏」。東京湾、サンリオピューロランド、世界一広いトイレ、高ボッチ高原と、想像を超えた場所に突如現れてのDJプレイは、まさに神出鬼没な企画で、かつてない生放送となりました。
コロナ禍で旅行になかなか行けない今、この放送で旅行気分を味わえた人や、音楽で元気や勇気をもらえた人も多いのではないのでしょうか。オフラインからオンラインへ、DJイベントの新しいフォーマットを作り出した、大成功の4日間でした。
なお、この放送はそれぞれ1か月間タイムシフト視聴が可能ですので、まだ見ていない方は是非ご覧ください。
視聴URL
8月9日(日) YASUHIRO(康寛)が水上DJ
https://live.nicovideo.jp/watch/lv327053446
8月12日(水) 八王子Pがあのキャラクター達とDJ
https://live.nicovideo.jp/watch/lv327125200
8月14日(金) ATOLSがあんな個室でDJ
https://live.nicovideo.jp/watch/lv327125257
8月16日(日) DJシーザーが絶景高所でDJ
https://live.nicovideo.jp/watch/lv327125312