8月27日に発売予定のPS4用ソフト「Stellaris」日本語版を、4Xストラテジー初心者のライターが先行プレイ。そこで感じたことをお伝えしよう。

目次
  1. やっぱり4Xグランドストラテジーは難しかった!
  2. ヒューマノイド、爬虫類人、菌類などなど……どんな種族で宇宙を開拓する?
  3. “探検”、“拡張”で銀河の全貌を明らかにしょう
  4. 十字キーに対応した上下左右のインターフェース
  5. “開発”で帝国を発展させ、来る“殲滅”戦に備えよう
  6. 古代文明の痕跡に、社会不安……多岐にわたるイベント
  7. たけき者もついには滅びぬ……諸行無常の国家情勢

EXNOAが8月27日に発売するPS4用ソフト「Stellaris」日本語版。ひとつの惑星を母星とする帝国を操り、宇宙船で未知の銀河系を開拓。ほかの帝国との外交や戦争を繰り広げながら、最高の国家を目指す、壮大なスケールと奥深いシステムが魅力のゲームだ。

本作は“4Xグランドストラテジー”と呼ばれるジャンルのゲームとなっている。4Xとは“探検(explore)”、“拡張(expand)”、“開発(exploit)”、“殲滅(exterminate)”という4つの単語に含まれる“X”を表し、これらの要素がシステムに組み込まれているのが同ジャンルの特徴だ。

このジャンル名を聞いて、「なんか難しそう……」と感じる方は多いのではないだろうか? 筆者もそう感じていたうちのひとりで、この手のジャンルのゲームはずっと避けてきた。今回はそんな「Stellaris」日本語版を、発売前にプレイする機会をいただいたので、ジャンル初心者の偽らざる所感をお伝えしていく。

あなたが未知の世界への航海をはじめるときの、参考になれば幸いだ。

なお、今回プレイしたのは開発中のバージョンだ。日本語のフォントが少々読みづらく、ほんのわずかだが誤字も見受けられたが、これらはリリース日に適用されるアップデートで修正される予定とのこと。また、この記事では一部のスクリーンショットは視認性を重視して、トリミングしたり、補足を入れた上で掲載している。これらの点はご留意いただきたい。

やっぱり4Xグランドストラテジーは難しかった!

はじめてプレイする4Xグランドストラテジーは、「やってみたら意外と簡単!」とは言えない、イメージ通りの一筋縄ではいかないジャンルだった。

とにかく要素の数が膨大にあり、最初のうちはどこに何があって、それが何を意味しているのかもよく分からず、大いに困惑してしまった。本作にはプレイしながら各要素を説明してくれるチュートリアル機能があるのだが、チュートリアルで出された指示を実行するための項目へたどり着く方法すら分からないことも。

だが、こういった戸惑いの声は国内での販売を担当するEXNOAも予見していたのだろう。PS4日本語版をリリースするにあたって、本作の魅力と共に、基本的な遊び方を紹介する公式動画が、YouTubeで公開されている。

この動画を視聴しながらプレイすることで、ゲーム序盤の戸惑いは多くが解消された。動画は全3回が公開されているので、本作を楽しめるか不安な方は、プレイ前に視聴しておくと良いだろう。

また、この動画の終盤でも紹介されているが、パッケージ版には初回生産特典として、初心者のつまづきやすいポイントの解説などが記載されたスペシャルガイドブックが同梱される。こちらを読めば、ゲームの魅力をよりスムーズに味わうことができるかもしれない。

ヒューマノイド、爬虫類人、菌類などなど……どんな種族で宇宙を開拓する?

最初にプレイをはじめたデータは戸惑いのうちに多くの時間を浪費してしまったので、ここからの記述は2回目のプレイでの体験をベースに進めていこう。

「Stellaris」では、まず最初に自身が指揮する帝国、それからゲームルールの設定を行う。

帝国はデフォルトで用意されたものから選べるほか、種族の外見やその能力特性、母星の風景や、国としての志向(平和主義、軍国主義、権威主義、平等主義など)まで、膨大な項目をプレイヤー自らが組み合わせることも可能だ。地球を代表する人類種になることもできるし、爬虫類人、鳥人、菌類、虫人など、異形の存在が統治する帝国をロールプレイできるのも本作ならではの楽しみ方だろう。

ゲームルールもさまざまな項目を調整することができるが、“銀河サイズ”を“小(恒星の数200)、“中(恒星の数400)”、“大(恒星の数600)”から選んだ段階で、ほかの項目も自動的に適当なバランスに調整される。こだわりのない方は、自動調整に任せてしまえば大丈夫だ。

筆者は、ヒューマノイドの中でも皮膚が青白い、クールな外見の種族、志向は平和的、惑星サイズは“小”に設定。これらを決めたらいよいよゲームがスタートした。

“探検”、“拡張”で銀河の全貌を明らかにしょう

本作の銀河は、新たにゲームをはじめるたびに自動生成されるため、同じ銀河が生まれることは二度とない。後述するほかの帝国や、イベントの出現タイミングなどもまったくのランダムとなっている。遊ぶたびに思わぬ展開が訪れるから何度でも楽しめ、奥深いゲームデザインと相まって、やみつきになってしまうプレイヤーが後を立たない要因のひとつなのだろう。

まずは自分の帝国の母星がある星系と隣り合う星系へと、調査船を飛ばして星々を調査しよう。調査が完了した星系は、その見た目や特徴が解明され、さらにもうひとつ離れた星系へと調査に繰り出せるようになる。

これを繰り返していけば、銀河の全貌が徐々に明らかになっていく。これが4Xのうちのひとつ目のX、“探検(explore)”にあたると思われる。

調査が完了した星系には、建設船によって“星系基地”を建てることができ、これで自国の領土が広がっていく。領土には“採掘ステーション”や“研究ステーション”を建設し、資源の生成や技術水準の向上に役立てることもできる。

調査と建設をより効率よく進めたくなったら、造船基地で新たな調査船と建設船を製造し、複数の宇宙船で同時に調査・建設を進めよう。銀河の調査が進むと、入植する環境の整った惑星が見つかることもある。入植するには、入植船の製造が必要だ。

基地を建設し、領土を広げ、入植可能な惑星を増やしていく。なるほど、これらがふたつ目のX、“拡張(expand)”ということなのだろう。

自由に移動できる空間が少しずつ広がっていくのは、マス目を塗りつぶしていくようなシンプルな達成感がある。しかしこれは、本作の奥深いシステムのほんの入口に過ぎない。

十字キーに対応した上下左右のインターフェース

このあたりで、画面内のインターフェースの使い方が分かってきた。本作では画面の上下左右にひとつずつ、合わせて4つのパレットのようなものが表示されており、これらが十字キーに対応している。

星々の調査でよく使うのは右にある“アウトライナー”。あらゆる種類の宇宙船に指示を与え、母星やほかの入植した惑星を発展させたいときもここからアクセスできる。

チュートリアル含め、現在達成するべき目標やタスクは左にある“帝国管理メニュー”の上から三番目、“シチュエーションレポート”で確認しよう。ほかの項目も、徐々に使用する頻度が増えていくはずだ。

画面上部で確認できるのは“資源”。エネルギーや物質、それから影響力や統合力といった数値にいたるまで、自国で生まれている総量および月々の増減を確認できる。供給がマイナスになっている項目は、テコ入れを図ったほうが良いだろう。

そしてシステム音声と共に画面下部にアイコンが表示される機能が“アラート”。アラートには至急確認、または対処したほうが良い事柄が表示され、普段は帝国管理メニュー、アウトライナー、資源から選んでいる項目にショートカットしてアクセスできる。慣れるまでは、ここに表示されるものは気づいたら随時すべてチェックしていくことをおすすめする。

なお、リアルタイムで進行していく本作だが、△ボタンで時間の流れを一時停止することができる。時間を止めたまま各種指示を行うこともできるので、初心者はこれを使って落ち着いた判断をしていこう。△ボタン長押しで、時間が流れる速度の切り替えも可能だ。

“開発”で帝国を発展させ、来る“殲滅”戦に備えよう

母星、植民地共に、住民(POP)が増えるのに併せて施設を増やし、産業や文化を発展させることができる。これらを駆使し、住民に快適な生活と労働環境を提供しながら、資源の供給量も増やしていくことが銀河系の開拓には不可欠だ。

また、帝国管理メニューにある“テクノロジー”で、研究者たちにさまざまな分野の研究を行ってもらえば、より高度な技術がアンロックでき、それに伴い建てられる施設や、宇宙船・戦艦の装備もハイテクなものを製造できるようになっていく。

これらの要素や、前述した宇宙船、艦隊の製造・アップグレードなどが、3つ目のX、“開発(exploit)”にあたるようだ。

さらに調査が進むと、別の母星を拠点としたほかの帝国とのファーストコンタクトがあった。ここで好戦的な態度を取るか、和平的に接するか、選べる選択肢は最初に選んだ自国の志向に左右される。

筆者は平和主義の志向を選んだので、領地の奪い合いもあまり起きず、比較的穏やかなゲームプレイとなった。しかし、積極的な略奪を推奨する志向を選んでいたら、激しい戦いが各所で繰り広げられることになっただろう。

今回のプレイでは最終的に、自分たちの国も含めて4つの帝国が銀河に存在していた。いずれもまったく異なる文化を持った、まったく異なる種族が束ねる帝国だ。けれど友好的な帝国とは同盟を結んだり、親愛の証として贈り物を贈り合ったりできる。平和主義を志向する国家としては、仲良くしておくに越したことはない。

一方で、好戦的な帝国と出会ってしまうこともあった。こちらが和平を望んでいても、領地を奪おうとする相手とは戦うしかない。こういうこともあろうかと軍事艦隊だけは揃えていたこともあり、戦闘になったときはなんとか凌ぐことができた。この戦闘行為が4つ目のX、“殲滅(exterminate)”だ。

カメラを拡大すると、自軍と敵軍が戦闘を繰り広げている様子も視認できる。両者の戦力を表す数値である程度有利不利が分かるとはいえ、重要な局面での勝負の行方には思わず手に汗握ってしまった。

他国とコンタクトしたあとは、シチュエーションレポートの“勝利”タブから、銀河に生まれた帝国の中での自国の総合的な順位が確認できる。平和主義を志向していると、他国の領土を武力で奪うことは難しい。しかし、だからこそほかの国に先んじて銀河を開拓し、領土を奪われないため、抑止のための武力を持つことが不可欠なようだ。

古代文明の痕跡に、社会不安……多岐にわたるイベント

ゲームを進めていると、あらゆる局面でイベントが発生する。前述したほかの帝国とのコンタクトもそのうちのひとつだが、そのバリエーションは多岐にわたる。

“惑星の調査で古代文明のテクノロジーが発掘される”、“かつて栄えていた文明の滅んだ理由が明らかになる”など、銀河の悠久の歴史を感じられるものも。帝国の統治が上手くいっていないと、国民たちが苦しんでいることが窺えるイベントが発生し、身につまされたりもする。

イベントの中には選択肢次第で結末が変わるものもあり、選択によっては、また別のイベントのトリガーになることも。多大な報酬を受け取れることもあれば、自国にとってダメージが少ない選択をしたつもりが、長い目で見ると最悪の結果になるなど、気が抜けない局面も多い。

これらはゲームに緊張感を与えると同時に、“未知の宇宙を開拓している”という本作の設定にリアリティをもらたす、絶妙なフレーバーとなっている。

まったく志向の違う帝国でプレイすれば、発生するイベントも変わってくるはずだ。これも、複数回のプレイが楽しみになる要素のひとつと言えるだろう。

たけき者もついには滅びぬ……諸行無常の国家情勢

これらのゲームサイクルを繰り返し、ゲーム内時間で2200年から2500年の300年にわたる期間が経過したところで、今回のプレイはひと区切りとした。終盤に“エンドゲームイベント”と呼ばれるもうひと波乱があったのだが、プレイの際の驚きを奪いたくないので詳細は伏せる。

我が国の4つの帝国の中での順位は、中盤では1位に躍り出たこともあった。一度は栄華を極めたかに見えた我が帝国。しかし、後半は資源の供給量と消費量のバランスが崩れ、治安が悪化。植民地では暴動も起き、順位は最下位まで転落してしまう。その後は最後まで下位争いを続けることになってしまった。諸行無常である。

敗因としては、やはり最後までシステムへの理解が足りなかったことが挙げられるだろう。星系基地のアップグレードなど、見落としていたシステムもあり、次回以降のプレイへの課題がいくつも残った形となった。

この手のジャンルの経験者なら、問題なく楽しめる移植になっているかと思う。しかし、少なくとも初心者が1度のプレイですべてを把握できるほど甘いゲームでないことは、わきまえた上でプレイに臨んだほうが途中で挫折などをせずに済むだろう。

DLCも複数準備中とのことなので、探究心を持ち、終わることのない試行錯誤をとことん楽しみたいプレイヤーには、うってつけの作品だ。

筆者もさらにプレイを続けて、強い国家づくりを目指していこうと思う。

Stellaris

EXNOA

PS4パッケージ

  • 発売日:2020年8月27日
  • 全年齢対象
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  • 発売日:2020年8月27日
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※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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