Efun CompanyのiOS/Android向けタクティカルバトルRPG「イリュージョンコネクト」をレビュー。夢と悪夢をテーマにしたRPGの内容を詳しく紹介する。

目次
  1. 「夢」と「悪夢」をテーマにした物語
  2. 爽快感と攻略のメリハリ!タクティカルバトル
  3. 育成要素は「コネクター」強化と拠点拡張
  4. シミュレーションゲームファンよりRPGファンにオススメな作品

「イリュージョンコネクト」は、悪夢と戦う存在「コネクター」達が活躍するタクティカルバトルRPG。現実の他に存在する、人間の夢や精神を反映した世界「イリュージョン」には、人の「欲」を喰い、人類を破滅においやる悪夢…「ナイトメア」が存在した。この「ナイトメア」と戦う者たちこそ、「コネクター」。「レンズ」の力によって、織田信長やカール大帝、フリードリヒ2世など歴史上の英雄の力を身につけた存在だ。プレイヤーは「コネクター」を率いるリーダーとして、「ナイトメア」との戦いを繰り広げることになる。

「夢」と「悪夢」をテーマにした物語

「夢」というと、夜眠る時に見るあの「夢」をイメージするが、「将来叶えたいもの」といった意味を持った言葉でもある。「叶えたい」という強い希望という意味で、「夢」は「欲」とも言い換えられるだろう。つまり、人間が生きていく上で抱く「夢」と「ナイトメア」は表裏一体の存在。本作のストーリーでも、この「夢」と「悪夢」をめぐる物語が描かれていく。

「夢を叶えたい」というと非常にポジティブな印象だが、実際に「夢を叶える」ための行動は泥臭く、厳しいものだ。努力がすべて報われるわけじゃない。自分の力不足に落胆し、挫折することだってあるだろう。さらには、自分の夢を話しただけで否定されたり、笑われることだってある。こうしたことが重なれば、絶望のどん底に突き落とされるのも無理はない。まさに悪夢。本作で描かれる「夢」の「悪夢」は、こうした関係性だ。

「夢」というほど大きなものでなくとも、「将来こうしたい、こうなったらいい」という思いを抱えたことは誰しもあるだろう。だからこそ、本作のストーリーは誰の胸にも響くものになっている。筆者も、自分がゲームクリエイターを目指していた過去を思い出して、思わずグッと来てしまった。

一方で、専門用語が詳しく説明されないまま次々登場する序盤の展開は、若干残念に感じた。スムーズな感情移入が妨げられてしまうからだ。特徴的な専門用語を出し、プレイヤーにその背景を想像させることで世界観を深めるという手法かもしれない。個人的には、もう少し主人公の状況に感情移入してから設定や専門用語を出してほしかった印象だ。「夢」と「悪夢」を巡るエモーショナルな部分が上手く演出されているだけに、まず感情移入させてほしかったという思いが強い。

爽快感と攻略のメリハリ!タクティカルバトル

本作のゲーム的な流れは、一般的なスマホRPGを踏襲している。ステージ一覧から挑戦するステージを選択。ステージによって、ムービーや会話によって物語を楽しむステージと、タクティカルバトルを行うステージが分けられている。

タクティカルバトルは、3×3のフィールドに「コネクター」を召喚していくというもの。敵リーダーとして設定されている「コネクター」を倒せば勝利。逆にこちらのリーダー…つまり、プレイヤーが倒されてしまうと敗北だ。召喚には「コスト」が必要で、「コスト」は時間経過とともに蓄積。ただし、敵はリアルタイムで攻撃をしかけてくるため、蓄積を待てば待つほど被ダメージが増えることになる。「コネクター」によって攻撃範囲が異なるほか、防御力を高めるなどの特殊効果を持っているため、誰をどこにいつ召喚するか、スピーディーな判断が重要となる。

この「誰をどこにいつ召喚するか」がシビアであればあるほど戦術が問われるわけだが、多くのステージでは、それほどシビアではない。「コスト」が貯まったら一番レベルの高い「コネクター」を召喚するというカンタンな立ち回りでも十分クリア可能だ。なので、ストーリーをサクサク進めることができる。

ただし、ボスバトルではそうはいかない。ボスバトルで登場するボスキャラクターは、回復要員を定期的に召喚するだとか、広範囲の連続攻撃を放ってくるだとか、非常に強力。このため、ボスに対し有利な特性を持った「コネクター」を編成し、しっかりとレベルを上げ、かつ「誰をどこにいつ召喚するか」戦術を練る必要がある。このボスバトルとそれ以外のバトルとののメリハリがいい。爽快感と攻略性、どちらもほどよい刺激として楽しめる。

育成要素は「コネクター」強化と拠点拡張

ステージをクリアすることで経験値が手に入り、「コネクター」たちはレベルアップしていく。さらに経験値アップアイテムを消費することでもレベルアップ可能だ。このため、手に入れたばかりの低レベルキャラクターを即座にレベルアップして実戦投入できる。本作は自分好みのキャラクターを愛でるキャラゲーとしての側面を持っているため、この機能は重要だ。

キャラゲーとして本作を見た時、魅力となるのがアニメーションだろう。本作のキャラクターは2Dイラストレーションとして作られているが、スケルタルアニメーションによってとてもよく動く。一枚絵としても非常に美麗だが、3DCGのように動くため、キャラクターが「そこにいる」という実感が強く味わえるだろう。

また、拠点を通じてキャラクター達と触れ合うこともできる。拠点「フライドラップ」には「コネクター」を入居させて交流することが可能。また、拠点に家具を増やすことで、バトルの編成人員が増えたり、育成に必要なリソースの獲得量が増えたりといったゲーム的なメリットも存在している。

シミュレーションゲームファンよりRPGファンにオススメな作品

本作はキャラクター育成系のスマホRPGとしてとてもよくできた作品だ。愛でる対象であるキャラクターもよくできているし、「夢」と「悪夢」をめぐるストーリーは心を打つ。テンポのいいバトルも十分満足できる出来だ。ただ、タクティカルバトルの戦術性については、ボスバトルでは味わえるもののそこまで強く押し出されていないため、シミュレーションゲーム的な戦術性を求める人には向かないだろう。あくまでRPGとしてプレイするべきだと感じた。キャラクター育成系のRPGが好きな人にオススメしたい。

イリュージョンコネクト

Efun Company

iOSアプリiOS

  • 配信日:2020年11月25日
  • 価格:基本無料

    イリュージョンコネクト

    Efun Company

    AndroidアプリAndroid

    • 配信日:2020年11月25日
    • 価格:基本無料

      ※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

      コメントを投稿する

      この記事に関する意見や疑問などコメントを投稿してください。コメントポリシー

      イリュージョンコネクトサービス終了
      関連ワード
    • アプリレビュー