日本一ソフトウェアが2022年4月21日に発売を予定しているPS4/Nintendo Switch用ソフト「夜廻三」の体験版プレイレポートをお届けする。
「夜廻」は、誰もが幼い頃に経験し、やがて忘れていった“闇夜の恐ろしさ”にスポットを当てた夜道探索アクションゲーム。これまでに「夜廻」、「深夜廻」が発売されており、「夜廻三」は同シリーズの最新作となる。
発売に先駆けて、本日4月14日から配信される体験版を先行プレイする機会を得た。ここでは、過去作の雰囲気を受け継ぎながらも進化を遂げた、本作の魅力を紹介していこう。
ゲームを開始すると、まずはキャラクター作成を行う。これまでのシリーズでは、基本的に固定の見た目のキャラクターが主人公という形式だったが、本作では主人公の髪型や服、アクセサリーや鞄などを自由に組み合わせ、自分だけの主人公を作成することが可能になった。もちろん名前も任意のものが設定でき、深い没入感をもって物語が楽しめる。
本作は見下ろし視点のアクションアドベンチャーとなっており、アナログスティックか十字キーでステージを移動しながら夜の町を探索していく。ゲーム冒頭では、2人の友人と合流し、怪奇現象の噂を確かめるため、夜の学校に忍び込むことに。ここでは本作の主な操作を順番に体験できる、チュートリアル的な役割も兼ね備えており、本作から初めて「夜廻」を遊ぶという人も安心してプレイできる。
ちなみにここまでは触りということで怪異などは発生しないのだが、それでも本作が持つ独特の雰囲気には恐怖を覚えた。特に“音”に関する演出は非常に秀逸だ。
本作では基本的にBGMなどは無く、環境音のみが再生されている。夜に虫が鳴く音と、自分の足音だけがこだまする夜の町。そんな環境で、ふと不審な音が聞こえたらどうだろうか? 筆者は思わず一度コントローラーを置いてしまった。本作を遊ぶ際は、ぜひ落ち着いた環境で、ヘッドホンやイヤホンを使用してプレイしてほしい。
また、こちらもシリーズの特徴である「懐中電灯」も良い味を出している。真っ暗闇の中、懐中電灯の明かりだけを頼りに、一歩一歩進んで行く様はまさに子供の頃に感じたあの感覚だ。ノスタルジックな感覚と恐怖が合わさり、怖いだけではない、何とも言えない気持ちにさせられる。「夜廻」シリーズのDNAは、本作にもしっかりと受け継がれていた。
本作には様々なロケーションが登場するようだが、今回の体験版では学校内の探索がメインとなっていた。この学校の雰囲気作りも非常に良く、「理科室の椅子ってたしかにこんな感じだったな」とか、「夜の消火栓のぼんやりとした赤いランプ、そういえば怖かったな」ということを思い出す。
2人の友人たちと怪奇現象の噂を確かめて回るも、大きな異変などは見つからない。やはり噂は噂でしかなかったのだろうか。そんな折、主人公は学校内に迷い込んでしまった愛猫のムギを探すために友人たちとはぐれてしまい、そこで“お化け”と呼ばれるものたちに遭遇する。
主人公はお化けに対抗する手段を持っておらず、お化けに触れてしまうと画面が真っ赤に染まりゲームオーバーになる。お化けは主人公を見つけると襲い掛かってくるので、基本的には逃げるしか道は残されていない。
従来のシリーズでは、隠れるというアクションを駆使して身を守ることができたが、本作では新しく「目を閉じる」というアクションが追加。目を閉じている間はお化けに気付かれなくなるので、このアクションを使いながら探索を進めていこう。
目を閉じている間は、当たり前だが周囲は暗闇に包まれ、お化けは赤い靄状の“気配”として認識されるように。視覚情報を失ってしまうことで、音が生み出す恐怖はより倍増する。お化けが近づくにつれて心音が大きく鳴るので、ここでも音を頼りに危機を乗り越えていこう。
主人公が遭遇することになるお化けは体験版だけでもかなりの数が確認できた。楽し気な音楽を鳴らしながら一定のエリアを周回しているもの、どこかに逃げ込むまでひたすらに追跡してくるもの、主人公をめがけて勢いよく突進してくるものなど、その種類は様々。お化けの種類によって、一定の法則があるので、死を繰り返しながらトライ&エラーで窮地を切り抜けていこう。
一般的なホラーゲームで体験できる恐怖とは異なる、ノスタルジックな恐怖体験が味わえる本作。大人になり、夜道を歩くことを何とも思わなくなった、そんな人にこそプレイしてもらいたい作品だ。
また、今回の体験版では残されている謎も多く、呪いを解くために忘れてしまった「思い出」を集める、という部分には触れることができなかったので、製品版ではストーリーを含めた物語体験にも期待したいところ。ともあれ、本作が気になる人は、まず配信中の体験版をプレイしてみてはいかがだろうか。