カプコンは、「モンスターハンター×堺 -いにしえの技にせまる」特別展内覧会を、7月8日にさかい利晶の杜にて実施した。
細部に渡る職人のこだわりによって生み出された再現太刀「狐刀カカルクモナキ」
7月9日~9月4日にかけて開催される「モンスターハンター」シリーズと大阪府堺市とのコラボレーションイベント「モンスターハンター×堺 -いにしえの技にせまる」。さかい利晶の杜では、歴代「モンスターハンター」シリーズに登場する装備を再現したものや、堺市博物館が所蔵する刀や火縄銃が展示される特別展が開催される。
特別展内覧会の前に行われた発表会見では、堺市市長の永藤英機氏、「モンスターハンター」シリーズプロデューサーの辻本良三氏に加えて、特別展で展示される原寸大の再現太刀「狐刀カカルクモナキ」の製作を行った水野鍛錬所の水野淳氏、木彫前田工房の前田暁彦氏、プロモデラーの山口雅和氏が登壇。
永藤氏によると、今回の企画は堺市側から提案されたものなのだそう。永藤氏は、快く協力してくれたカプコンへの感謝を述べつつ、実は高校生の頃から「ストリートファイター」シリーズをプレイしていたというカプコンのファンであることを明かす。最近は「モンスターハンター」シリーズも少しずつプレイしているという。
一方辻本氏は、本イベントのために作られた再現太刀について、「ゲーム中に登場する太刀そのままで、本当に拘って作っていただいた」と、その再現度の高さを絶賛。「モンスターハンターと堺市のすばらしさを共に感じとってもらえたら」とメッセージも送っていた。
再現太刀の製作にあたっては、まずその太刀の大きさに驚いたことを明かす水野氏。通常の日本刀の刃渡りは約72センチ程なのに対して、今回の再現太刀は刃渡り2.2m、全長3.1m、総重量は150kgという途轍もないスケールになっているそうで、どのように製作を進めるべきか悩みに悩み抜いたという。納品までの期日が迫る中、旧知の仲でもあった前田氏と山口氏に助けを求めることを決断。最終的には、前田氏に鞘・鍔・柄・ハバキといった部材の製作、山口氏にはすべてのパーツの色彩を担当してもらう形で完成させることができたそうで、水野氏は2人に頭が上がらなくなっているのだとか。
また特別展内覧会の会場では、再現太刀「狐刀カカルクモナキ」の製作に関わった3人への囲み取材も実施され、より詳細な製作エピソードも明かされた。
水野氏によると、刀身部分の加工は重量が重すぎるため、先に鉄工所でレーザーカットを行って形を整えてから工房へと移動させ、クレーンで取り付けた滑車で太刀を持ち上げながらやすり掛けなどの手作業を行っていく、通常の刀鍛冶とはまったく異なる方法を取らざるを得なかったのだという。
加えて、150kgという重量は塗装面にも影響しており、設置していると重さで塗装が抉れていってしまうため、剥げにくい硬い塗料を採用する形となった。その一方で「狐刀カカルクモナキ」のモチーフであるタマミツネの「水属性」を感じられるような、滑りのある表現も同時に演出するために、「硬い塗料を使いながら、いかにぬめり感を出すか」という部分には、かなり山口氏も頭を悩ませたそうだ。
また前田氏のこだわりのポイントとして、太刀の柄の部分が伸縮するゲーム内と同じギミックも盛り込まれている。しかもただ伸縮するだけではなく、持ち手部分にぶつからないような工夫も施されており、再現のためにかなりの研究を重ねたのだとか。展示品に触れることはできないため、伸縮ギミックを実際にお客さんが見られる機会というのはそうそうないかとは思われるのだが、そうした普段は見えない部分にまで至る職人のこだわりによって、「狐刀カカルクモナキ」は生み出されたようだ。
全長3mに及ぶスケール感はまさに圧巻で、担ぐのはおろか柄を握ることすらも難しそうだと思えるほど。「こんなでかい武器を使いこなすハンターってすげぇ……」と、改めてハンターの人間離れした身体能力を実感するのと同時に、筆者は「ライズ」では太刀をメイン武器として使っていたこともあり、愛用する武器の大きさを実際に目にできた喜びも味わうことができた。
シリーズお馴染みの防具や「サンブレイク」の設定資料の展示も
なお今回の展示会には、「狐刀カカルクモナキ」以外にも非常に多くの展示物が用意されている。その一部を紹介していこう。
とくに目を引くのは、歴代「モンスターハンター」シリーズに登場した防具を再現したもの。原寸大の「狐刀カカルクモナキ」のすぐそばに展示されており、武器と防具の両方のスケール感が分かるようになったことで、「モンスターハンター」シリーズの世界観をより想像しやすくなった。
「モンスターハンターライズ:サンブレイク」の設定資料も多数展示。「サンブレイク」が初登場となるNPCキャラクターや、マスターランク以降生産できるようになる新たな武器や防具のデザイン画が公開されているのも嬉しい。実際に肉を回すことができるシリーズお馴染みの肉焼きセットのフォトスポットも存在していた。
また「モンスターハンター」だけではなく、かつて鉄砲の主要な生産地でもあった堺の火縄銃や、市が所蔵する堺製の刀剣「泉州刀」といった歴史的な展示物も見ることができる。現実かゲーム内かという違いこそあるものの、同じ武器や鎧といったカテゴリの展示であり、「モンスターハンター」シリーズの装備に魅力を感じられる人なら、興奮すること間違いなしだ。
特別展が開催される「さかい利晶の杜」内にある「立札茶席」では、堺の抹茶と和菓子を楽しめる。和菓子はアイルーの肉球を模した形となっており、オリジナルコラボアイルーがデザインされた懐紙もプレゼントされる(和菓子と懐紙はお持ち帰りも可能)。
また今回のコラボは「さかい利晶の杜」内だけではなく、堺市内にある様々なスポットを巡ってクエストを達成し、本コラボオリジナルのポストカードやノートがもらえるフォトラリー「ワクワク納品依頼」に加え、複数個所のショップで販売されるオリジナルコラボグッズに、堺市内を走る阪堺電車がコラボラッピング仕様になるなど盛りだくさんの内容だ。「モンスターハンター」シリーズファンなら、是非とも開催期間中に堺市を訪れてみて欲しい。
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