セガから配信予定の「404 GAME RE:SET -エラーゲームリセット-」を先行レビュー。名作ゲームとともにセガと戦うという興味を引く本作。リリースにさきがけその魅力の片鱗を紹介する。
目次
「404 GAME RE:SET -エラーゲームリセット-」は、2023年春にセガからリリース予定の新作スマートフォンRPG。本作のストーリーを手掛けるのは、あのヨコオタロウ氏。これだけでも興味津々だが、現在発表されている情報によると、舞台はなんと「セガ」によって歪められた世界であり、プレイヤーが戦う相手も「セガ」! そして、プレイヤーとともに戦いに身を投じるのは、美少女化した名作ゲームたちだという。
もうこの時点で、ヨコオタロウ氏のファンやセガファンならずとも、一体どんな作品に仕上がるのか気にならないわけがない。今回、幸運にもそんな本作をリリースにさきがけてプレイすることができたので、その内容をお届けしたい。
破壊の爽快感と回避のスリル!シューティングゲーム的なバトルシステム
本作の基本的なゲームの流れは、一般的なスマートフォンRPGと同様、ホーム画面からクエストを選んでバトルに挑むというもの。プレイヤーは名作ゲームが美少女化した「キャスト」と呼ばれる存在を編成し、バトルへと臨むことになる。
バトルは、シューティングゲーム的なリアルタイムアクション。敵弾を回避しつつ、ショットで敵を倒していく。ショットは自動的に敵を狙って発射されるので、プレイヤーは敵弾を回避するための移動に専念できる。
バトルをプレイしてまず感じたのが、敵弾が多いこと! 画面を埋め尽くさんとばかりに大量の敵弾が出現する様子は、まるで弾幕シューティングゲームのようだ。ただ、弾幕シューティングゲームほど難易度が高いかというと、そんなことはない。
というのも、一部の敵は本体を破壊すると敵弾が消滅してくれる。また、そもそも弾幕シューティングゲームと違って本作は体力ゲージ制が採用されている。このため、敵弾に一発当たったら終わりというわけではない。また被弾の際にどれだけダメージをくらうかも、防御力によって左右される。きっちり育成してあればたとえ避けるのが苦手でも攻略可能。つまり、本作のバトルはちゃんとRPGのバトルとして仕上げられている。
一方で、爽快感はシューティングゲームゆずり。敵や敵弾を自分のショットで破壊する感覚は、とても気持ちイイ。でも、それだけではない。この気持ちよさに、電脳空間を疾走するかのような背景ビジュアルと、デジタルミュージックのグルーヴ感とが融合。ビジュアルと音に飲み込まれていく、音ゲーのような気持ちよさを感じさせてくれる。
そして、爽快感とキャストの魅力の2つに関わっているのが「スキル」だろう。「スキル」は、ゲージ満タンで発動できる必殺技的なキャスト固有アクション。必殺技と書いた通り威力が強さが魅力なのだが、それ以上にセガゲームを知る人間にとっては演出が魅力となっている。
たとえば、キャストの一人である「バーチャファイター(アノード)」のスキルは、「裡門頂肘(りもんちょうちゅう)」だ。この名前は、セガの3D格闘ゲーム「バーチャファイター」シリーズのファンならご存知の通り、結城晶の技と同名。もちろん、名前だけ同じではない。スキルが発動すると、キャストの「バーチャファイター(アノード)」が実際に「裡門頂肘」のモーションで攻撃を行う! そして、この時「バーチャファイター(アノード)」の横には初代「バーチャファイター」の結城晶の姿が…。
正直、これはヤバい。懐かしさとアレンジの格好良さで興奮が抑えられなくなってしまった。基本的にどのキャストのスキルも原作となった名作ゲームの要素が取り入れられているかたちなので、全部のキャストを集めて、全部のスキルを見たくなってしまう。
往年のセガファンの琴線に触れまくる! キャスト&フィギュア
キャストのスキルだけでもめちゃくちゃ魅力的なのだが、キャストの魅力はそれだけに留まらない。まず、ホーム画面ではキャストの3Dモデルと、触れ合うことが可能だ。
キャラクターデザインを手掛けたゆーげん氏のイラストが忠実に3D化されたキャストたちはいずれも魅力的。たとえ原作となったゲームを知らずとも、新たなキャラクターとして親しめるはずだ。ちなみに、原作となったゲームの好き嫌いを度外視で考えると、筆者は「アウトラン(アノード)」に惹かれた。
そして、キャストには「フィギュア」を装備することが可能。「フィギュア」とは読んで字の如く、名作ゲームなどのキャラクターがフィギュア化された存在。一般的なRPGの武器や防具のように装備することができ、またコレクション画面に飾ることも可能。この「フィギュア」、ある意味キャスト以上に「ヤバい」と感じた。
何がヤバいかって、「フィギュア」はキャストのように美少女化するのではなく、極力原作に忠実なかたちで3D化されている。原作が2Dゲームならば、3D化した時点でアレンジになってしまうが、モデリングは原作を忠実に再現。思わずオリジナル版を確認したくなってしまった。
また、「アウトラン」に背景として登場する「ヤシの木」など、キャスト化できないようなちょっとしたオブジェクトまで用意されていることも「フィギュア」の魅力だろう。「フィギュア」によって、アレンジされたキャストのデザインとスキル演出だけではカバーできない、原作プレイ当時の細部の思い出が補強される。この懐かしさはあまりにも強烈! 「ヤバい」以外に言葉が見当たらないレベルだ。
筆者のように、少年時代をセガのゲームとともに過ごし、大人になってからメガドライブミニやメガドライブミニ2まで買ってしまうようなセガファンからすると、この「フィギュア」集めだけでも十分一本のコンテンツとして成立しているのではないかと感じてしまう。リリース前だが、今から既に「フィギュア」を集めたい欲求に襲われている状況だ。
セガファンでなくても楽しめるがセガファンにとっては天国!?リリースが待ち遠しい一作
今回の先行プレイでは、リリース前ということもあり触れたのはバトルとフィギュアのコレクションを中心。ただ、シューティングライクなバトルの爽快感と、魅力的なキャストたちとの触れ合いだけでも十分すぎるほど楽しめた。リリース時にはここに、ヨコオタロウ氏のストーリーが加わってくるので、往年のセガゲームに触れていないという人でも楽しめる一作となるに違いない。
一方、往年のセガゲームに触れたことがある人…特にセガファンにとっては、天国といえるような作品になるのではないかと思う。もちろん、ストーリーがヨコオタロウ氏、しかも敵が「セガ」という前情報からすると、ある意味地獄が待っている可能性もゼロではないが…。天国だろうと地獄だろうと、いずれにせよ現世を忘れるレベルで圧倒的に楽しめる一作になるだろう。今回の先行プレイで筆者はそんな手ごたえを感じた。今からリリースが待ち遠しい一作だ。
(C) SEGA
※画面は開発中のものです。
コメントを投稿する
この記事に関する意見や疑問などコメントを投稿してください。コメントポリシー