トイロジックとSkybound Gamesより、2023年5月23日に発売されるPS4/Nintendo Switch/Steam向け4人協力アクションシューティングゲーム「グリッチバスターズ:スタックオンユー」(以下、グリッチバスターズ)の最新バージョンが体験できるイベントが、メディアなどを招待して行われた。
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昨年7月に行われたメディア向けのハンズオン体験会と、9月に行われた「東京ゲームショウ2022」での試遊会に続き、発売直前のタイミングで行われた本体験イベント。そこからわかったゲームの魅力や特徴に加えて、本作のディレクターを務める落合勇介氏のインタビューをお届けする。
AIがコンテンツを生み出す未来の世界にウィルスが蔓延!?
ここ最近会話型AIの「ChatGPT」などが話題になっているが、この「グリッチバスターズ」は、未来の話でAIが動画やイラスト、テキストなどを生み出し、人々はそれを楽しんでいるような世界観だ。ある日、そこにウィルスが登場して世界が汚染されてしまう。そこでプレイヤーたちは、グリッチバスターズと呼ばれる4人のチームを結成し、アンチウィルス部隊としてウィルスを駆除していくというのが主なストーリーだ。ゲームのジャンルとしては、PvEで仲間たちと協力して敵を倒していくアクションシューターといった感じである。
設定だけ聞くと若干ハードSF風ゲームのようにも感じるが、ビジュアルはアメコミ風のかなりコミカルな雰囲気の作品になっている。本作でデザインしたのが、イラストレーターのしりもと氏だ。そうしたこともあり、ゲーム内にはカワイイキャラクターたちが多数登場するというのも本作の特徴となっている。
ゲームは最大4人まで協力プレイで遊べるのだが、ひとりで遊ぶ場合は残りのキャラクターはAIが操作を担当することになる。ちなみに今回の体験会では4人参加者がいたため、全員プレイヤーで協力してゲームを遊ぶことができた。
本作に登場するプレイヤーキャラクターの特徴のひとつが、足の部分が磁石のような形になっているところだ。これは見た目だけではなく、磁石をキーワードにしたさまざまなアクション要素が盛り込まれている。たとえば、味方と離れてしまった場合は磁力を利用してダッシュして近づくことができるといった感じだ。さらに、プレイヤーキャラクター同士が縦に連なって合体し、ステージ内のギミックをクリアしていくといった感じの要素も盛り込まれている。
例をあげると、先に進めないと思ったような場所には、ふたつスイッチのようなものが設置されていることがある。そこで、それぞれに別のプレイヤーが同時に上に乗って押すことで先に進むための道が開けるといった感じだ。また、高台にあるスイッチを押すために協力してプレイヤーを押し上げるといったこともできる。
ゲームの操作自体もシンプルで、コントローラーで遊ぶ場合は左スティックで移動、右スティックでカメラを操作。右トリガーで弾を撃ち、左トリガーで味方にダッシュしながら駆けつけてくっつくことができる。それ以外は、Aボタンでジャンプするなど、比較的分かりやすいボタン配置になっている。
本作では最大4人のプレイヤーと一緒に遊ぶことができるのだが、キャラクターの見た目が被らないようにステージに移動する前にカスタマイズすることも可能だ。こちらでは、顔の色や表情、体の色などを好みのものに変更することができるので、他のプレイヤーと被らないようにしておくといいだろう。
SNSをモチーフにしたステージ「ソーシャルフォレスト」に挑戦!
今回のハンズオン体験会では、以前のステージとは異なるふたつのステージに挑戦することができた。最初にプレイしたのは、ソーシャルメディアの森をモチーフにした「ソーシャルフォレスト」だ。「SNSを荒らす影」という、不吉なタイトルが付けられたステージだが、こちらにはつぶやいている鳥がいたりタイムラインの滝があったりするなど、SNS的な要素があちらこちらに散りばめられていた。
ゲームではお互いの磁力を利用して、ダッシュした入り合体できるといったメリットがあるのだが、それだけではなく、時にはデメリットになってしまうこともある。たとえば、下にいるプレイヤーがステージ外に落ちてしまうと両方同時に落ちてしまうのだ。
また、それぞれのプレイヤーキャラクターにはライフが設定されている。これがなくなるとゲーム終了というわけではなく、ダウン状態になってしまうのだ。ダウン状態のときはキャラクターを動かすことはできるものの、戦闘に参加することはできない。ほかのプレイヤーに起こしてもらうことで、ふたたび戦いに参加することができるのである。
ゲームプレイその物は昨年1度遊んだことがあったため概ね把握しているつもりだったのだが、今回のプレイで新たに発見したのがステージ上にロボットのような乗り物が設置されていたところだった。こちらはプレイヤーが自由に乗り込んで戦うことができるほか、なんと他のプレイヤーが操るロボット同士が縦に繋がり協力しながら戦うこともできるようになっている。
移動は一番下のプレイヤーが担当するのだが、その上に乗ったプレイヤーたちは、かなり強力な攻撃であるホーミング弾のようなものを撃つことが出来るのだ。
ステージクリア後プレイヤーの表彰が行われるが、これも単純に敵を倒すといったものだけの指標で評価されるだけではなく、ほかのプレイヤーをサポートするなど、さまざまな活躍の場面が評価されるようになっている。最後に総合的に優れたプレイヤーがMVPとして選ばれるのである。
たまたま今回のボス戦では、中段にいた筆者が弾を敵に撃ちまくっていたことから得点を荒稼ぎでき、このステージではMVPを獲得することができた。
巨大なボス「LANキング」と激アツバトルを体験!
もうひとつ体験したのが、相撲取りのような風貌をした巨大なボスキャラ「LANキング」との対戦だ。こちらはただ巨大なだけではなく、波を打つような強力な攻撃も仕掛けてくる。それをよけ損ねてダメージを食らうとハートが減っていき、ダウン状態になってしまうのだ。
「LANキング」は、足の関節辺りが光っており、そこに攻撃を加えていく頭上に攻撃が出来るチャンスが訪れる。そのときに仲間と協力して合体し、一番上にいるプレイヤーがダメージを与えていくとひとつのターンが終了するといった感じだ。全部で3つのターンを乗り越えながら、最後はなんとかボスを撃破することができた。
こちらはさすがにボス戦ということもあり、通常のステージとは大きく異なり、かなり激しいバトルであった。その分、プレイヤー同士の連携も必要になってくる。また、ギリギリの対戦感もあり、かなり緊迫したプレイが楽しめるようになっていた。
ちなみに本作はアンロック方式になっており、ひとつのステージをクリアすると新しいステージが遊べるようになる。このボスに挑戦出来る頃には、一緒に戦っている仲間との連携も取れるようになっているはずなので、もしかしたら、もっと楽に戦うことができるのかもしれない。
先ほども少し触れたが、今回は4人で一緒にオフラインの協力プレイでゲームに挑戦することができた。この体験は、昔ひとつのテレビ画面を見ながらゲームを遊んでいたときのような感覚に近く、お互いにわいわいいいながらプレイするためかなり盛り上がった印象だ。また、テーマ的にもゲーム配信との相性が良さそうなので、リリース後はあちらこちらでゲームを遊んでいる様子が見られそうである。
「グリッチバスターズ」ディレクター 落合勇介氏インタビュー
ハンズオン体験後、「グリッチバスターズ」のディレクターを務めた落合勇介氏にインタビューを行うことができた。
――当初2022年中にリリース予定でしたが、そちらが伸びた理由を教えていただけますか?
落合氏:端的にいうと、各プラットフォームでの対応がいろいろありました。2022年中に発売することも可能でしたが、せっかく面白いゲームになっているのでスケジュールを守ることよりもクォリティを高くするほうがいいという判断で伸ばしています。たとえばゲームをクリアした後に街が浄化されていく映像が流れますが、そちらは昨年の段階では入っていませんでした。プレイした人がわかりやすく楽しめるという改善を入れた結果、2023年5月23日に発売が決定しています。
――プレイ中の絵が派手で、変化に富んだ印象です。今回のクォリティアップで、最も力を入れたところはどこでしょうか?
落合氏:グラフィックスの部分です。たとえば敵を倒したときにスローになるなど、時間を頂いた分細かい調整を行っています。あとは攻撃のバリエーションも増やしています。
――昨年の体験会や「東京ゲームショウ」での試遊などからアップデートされた差分には、どんなものが含まれているのでしょうか?
落合氏:どのステージでもブラッシュアップをかけています。たとえば敵の撃破やバリエーションは時間を掛けさせていただきました。また、Steam版の入力回りの制御などを拡張してユーザビリティを上げています。明確にこのステージを追加したとか、この敵が追加されたという部分はあまりなく、全体的なブラッシュアップといった感じです。
今回の体験会でもふたり同時にスイッチを押すところが出てきましたが、元々は4人が合体してスイッチを押すだけでした。より協力感を出すために、いろいろと随所に追加しています。
――量を増やすというよりも、質を上げていったという感じですね!
落合氏:そうです。あまり難しい難易度の作品にしたくはなかったので、できるだけわかる範囲で探索する部分を増やしています。
――ちなみに本作はどれぐらいの年齢層のユーザーをターゲットにしているのでしょうか?
落合氏:小学校の中~高学年あたりから遊びやすいものにしてあります。マルチプレイが好きな大学生の方や、ストリーマーの影響でインディゲームなどをプレイされている方など、なるべく広く遊べるようにしています。そういう意味では、ストーリーモードは、できるだけみなさんが楽しんですぐにクリア出来るようにしています。
自分で難易度を決めることができるモードについては、難易度を上げると歯ごたえがあり、仲間内で「挑戦してみようか」となるようなものにしています。
――キャラクターの中で好きなデザインはございますか?
落合氏:主人公の黄色い丸い子がいますが、誰でも描ける親近感があり、いいところに落ち着いたかなと思っています。今回登場するボスのキャラクターはみんな気に入っていて、ちょっとヘンテコなキャラクターとして個性が出ています(笑)。
――20ステージぐらいあるとお聞きしましたが、各ステージにボスが登場するのでしょうか?
落合氏:各ステージにボスがいるというわけではありません。だいたい6体ほど大きなボスが登場します。
――ロボットは以前プレイしたときにはなかったと思いますが、あちらは追加されたというわけではなく、今回たまたま登場したものでしょうか?
落合氏:前回の体験会のときも仕様上はありましたが、そのときはまだ完成していませんでした。特定のステージに出てくるものですが、前回はチューブシティの一番基本のステージだったので登場しません。逆に前回は出てこなかったので、今回はそれが体験ステージを選びました。
――ロボットのような乗り物は何種類登場しますか?
落合氏:種類でいうと、ドリルとホバーとロボットの3つです。ちなみに、この3つを組み合わせることができるステージも登場します。
――どんな風に登場するのかも楽しみですね! リリース後にアップデートされる予定などはございますか?
落合氏:一応、カスタマイズなどを追加する予定はあります。
――キャラクターを変更できるようなものでしょうか?
落合氏:そうですね。まずは発売日までもう少しブラッシュアップしていき、そこが完成したらDLCのようなものもやりたいなと考えています。
――先ほどアメリカのパブリッシャーのお子さんが作ったオリジナルグッズを見せていただきましたが、グッズなどを作られる予定はございますか?
落合氏:グッズは作りたいのですが……まずはゲームが(笑)。元々トイロジックとしてはIPとして育てていきたいところなので、ゲームを出して終わりではありません。売上げ次第ではありますが、続編やグッズの展開、アニメ化などもやりたいなということは考えています。
――昨年の「東京ゲームショウ」で、参会者からどんな反応があり、どのようなフィードバックが行われているのでしょうか?
落合氏:その時点である程度は分かっていましたが、迷ってしまったり分かりづらい部分があったりしました。でも、協力したり話したりできるマルチプレイのワクワク感は褒めていただきました。そうしたところを伸ばしつつ、わかりづらいところを解消するために、カメラワークなどにも気を使ってブラッシュアップを行っています。
――コミュニケーション機能は用意されていますか?
落合氏:いわゆるチャットなどの機能はサポートしていません。ピンをさすことができるほか、「集まれ」などのエモートなどな用意しています。なんとなくお互いが要求し合うようなアクションの下地のようなものを作ったつもりです。ある程度そこでやってほしいことを、お互いがお互いで示し合いながらできるぐらいにはしてあります。私としては、友達同士で話しながら遊んでほしいですね。良い意味で、お友達にもイラっとくるようなシチュエーションを楽しんでほしいです(笑)。それが解消できたときの嬉しさが感じられるように出来ていると思います。
ゲームはオンラインで4人でもできますが、Nintendo Switchを持ち寄って遊べるほか、ひとつのモニターを4分割して遊ぶこともできます。同じ場所で4人がいて、ひとつの画面を見ながら遊べるところにも力を入れています。最近そういうゲームあまりありませんが、みんなでわいわいやっていただきたいという思いから、そうした機能も付けています。
――4分割というのは、Nintendo Switchの携帯モードでもできるのでしょうか?
落合氏:動きはしますが……パフォーマンス的には(笑)。DOCKのほうはアドホックで通信ができますので、そちらで遊んでいただければいいかなと思います。
――こちらは海外でも同時発売ということですが、マッチングも海外の人とできるのでしょうか?
落合氏:できます。ただ、あまり離れているとラグが多くなるのでフィルタリングはしています。しかし、部屋を立て招待してマッチングして遊ぶことは可能です。アメリカの人とも遊びましたが、ゲームに支障が出るといったこともなく、わりと快適に遊ぶことができました。
――最後に本作の発売を楽しみにしているファンにメッセージをお願いします!
落合氏:より良く出来る時間を頂いたかなと思いますし、プレイしていただいたフィードバックもありました。お待ちしてくださる方々には、お見せできていないカワイイキャラクターもたくさんいます。引き続き楽しみにしていただけると嬉しいです。
西井良哉氏(プロデューサー):この「グリッチバスターズ」というゲームは、家族や友達、オンラインもそうですが、一緒に遊べるようになっています。カワイイキャラもたくさんでてくるので、家族や友達の仲を深めるツールとしても使っていただければと思っています。
――本日はありがとうございました!