コーエーテクモゲームスが2023年9月28日に発売予定のPS5/PS4/Nintendo Switch/PC(Steam)用ソフト「Fate/Samurai Remnant」(Steam版は9月29日発売予定)。本記事ではプレビュー版のプレイレポートをお届けする。
今回プレイしたプレビュー版では、物語の冒頭から一章の途中までを体験できた。ストーリーや新たに登場したマスターとサーヴァントについてはもちろん、前回のデモ版では伝えきれなかった一部の戦闘・ゲームシステムについても紹介していく。
なお、今回のプレイの模様は動画にも収めているので、あわせてチェックしてほしい。
伊織とセイバーの出会いから武蔵との再開後も描かれたストーリーを紹介
物語の舞台は慶安四年の江戸・浅草。冒頭から何者かに追われる主人公・宮本伊織が描かれ、町を駆けながら各個撃退していく。次々と現れる刺客たちを倒し、一息つこうかと思ったのもつかの間、そこには先ほどまで戦っていた者たちとは格が違う、黒鎧に身を包んだ武者が現れた。
為す術もなく、絶体絶命のピンチとなった伊織の前に現れたのは、武者の主である由井正雪だった。正雪の手によって切り捨てられようとしたその刹那、「俺は…まだ…死ぬわけには…いかない!」という伊織の言葉に反応するかのように、左手にあった痕が赤い光を上げ、令呪が顕現した。
OPを挟み、場面は先ほどの数刻前。伊織は、義妹である小笠原カヤとの何気ない会話を済ませた後、銭を稼ぐため町へ出ることに。仕事を終え、家で就寝している最中、突如何者かからの襲撃を受け、作品冒頭のシーンへとつながるのだった。
伊織の令呪が顕現した後、そこに現れたのは古風な装いを纏い、波打つ剣を持つ者だった。「Fate」シリーズではおなじみのセイバー召喚シーンを思わせるアングル、そして「察するに、きみが、私の喚び人か」というセリフが発せられた時には、もうプレイしていた筆者のテンションも最高潮となっていた。
セイバーとともに黒鎧の武者・ライダーに挑む伊織。そこへ突如、ランサー陣営のマスターとサーヴァントが登場。3陣営による乱戦が始まる。
この場を切り抜けようと、切り札である宝具を使用とするセイバー。その強大な力を感じ取ったのか、このままでは浅草に住む人々に被害が出てしまうと悟った伊織は、「やめろ!セイバー!」と叫ぶ。そして、その声に応えるように令呪が反応。セイバーは苦悶の表情を浮かべるも、完全停止まではいかなかったのか、強力な技をランサーに放った。
その結果、浅草の町の家屋が何棟も崩壊。「人目を憚るべきだ」というランサーの言葉を受け、それぞれの陣営は退却することとなった。
崩壊した家屋を見た伊織は、二度とその技を使用するなとセイバーに忠告する。終始納得のいかないセイバーだったが、最終的には伊織の言葉に納得した様子。しかし、それならば“盈月の儀”を生き残ることはできないという言葉を伊織に投げかける。
ここまで流れに身を任せて進んできた伊織だったが、改めて“盈月の儀”に関する説明を受けることに。“盈月の儀”の基本となる部分の説明パートとなるわけだが、立ち止まる伊織を中心にセイバーは円を描くように回り始めた。アニメ「Fate/Zero」を見た人ならば想像できると思うが、言峰綺礼を中心に遠坂時臣と言峰璃正が周りをぐるぐると回り始めた、例のシーンを彷彿とさせるものがあった。
“盈月の儀”、そして今いる江戸についての見聞を深めた二人は、伊織の家がある長屋へ戻ることになった。
翌日、カヤに加え、伊織にとっての魔術の師である西洋魔術書・紅玉の書と挨拶を交わした二人は、浅草での用を済ませた後、銭を稼ぐため吉原へと向かうことに。吉原での物語に関しては、前回のデモバージョンのプレイレポートで紹介しているので、こちらを確認してほしい。
伊織の師匠である宮本武蔵との出会いの後、場所を移したのか伊織、セイバー、武蔵、高尾太夫による話し合いの場へ。伊織の師匠は男の宮本武蔵であったが、目の前にいるのは女性。しかし、その太刀筋から宮本武蔵であることは断言できるが、そもそもなぜ死んだはずの師がこの場にいるのかと終始混乱気味。
弟子の言葉にちょっと嬉しそうな表情を見せる武蔵は、伊織の知っている武蔵とは少しズレはあるが、同一人物みたいなものと説明。その後「ここの伊織くんも伊織くんなんだねえ」と、意味深なセリフもつぶやいていた。
武蔵の存在について納得がいったところで、“盈月の儀”に関するさらなる情報を高尾太夫から教わることとなった。この中で気になったポイントが、七人七騎で争うことになる“盈月の儀”では、盈月によって他の英霊も召喚されるという点。これが、マスターを持たない“逸れのサーヴァント”となるのだ。
ここまでプレイした中でもすでに逸れのサーヴァントとは出会っており、高尾太夫が登場した際にそばにいた筋骨隆々の肉体を誇る長髪の闘士こそ逸れのバーサーカーだったのだ。公式サイトでもアルジュナやクー・フーリンといった逸れのサーヴァントに関する情報は出ているので是非チェックしてみてほしい。
高尾太夫の元を後にした二人は、他の陣営に関する情報収集を行うことに。その探索の最中、上野にいた逸れのライダー・タマモアリアに加えて、さらなる驚きの出会いが二人を待っていた。
一度浅草へ戻ることにした二人。町の様子に異常はない…と思われたが、何やら最近できた店の噂を聞き、訪れてみることに。巴比倫弐屋(ばびろにや)と名付けられた問屋から並々ならぬ魔力を感じるも足を踏み入れてみることに。そこにいたのは、しがない縮緬問屋の若旦那を名乗るサーヴァントだった。
人に対して“雑種”というあたりの口調はいつも通りだと思ったが、何となく物腰の柔らかいなという印象を受けた。特に町の子供たちとの会話シーンでは、子供からも好かれている様子がうかがえ、若旦那も時にやさしく時に厳しく接しているシーンが印象的だった。
この場で彼と友誼を結ぶということはなかったが、今後彼の仕事を手伝うことになった。他の逸れのサーヴァントはもちろんだが、若旦那に関しては筆者自身非常に思い入れのあるサーヴァントなので、製品版プレイ時には積極的に交流を深めていきたい。
終盤には、武蔵を操作してのアサシンとのバトルも体験できた。今まで操作していた伊織やセイバーとはまた違った、パワフルかつスピーディーなアクションを繰り広げられるキャラとなっていた。
また、武蔵では宝具“六道五輪・倶利伽羅天象”が解禁。「FGO」「FGO Arcade」とはまた違った宝具演出を見ることができ、「FGO」でも宮本武蔵好きの筆者にとっても非常にうれしいポイントだった。
デモバージョンでは紹介しきれなかった戦闘システム、新たに判明したゲームシステムの情報も
回避から繰り出せるカウンター攻撃“応刀”
敵の攻撃をタイミングよく回避することで、強力なカウンター攻撃の応刀を放てるようになる。応刀が発生するタイミングの回避については、体感的にはジャストのタイミング、もしくは少し早めのタイミングで回避すると、応刀が発生しているのを確認できた。
応刀では、敵の“外殻ゲージ”を削ることができるので、強敵などと対峙した際には狙っていきたい。
強力な必殺技・秘剣と宝具
キャラクターのHPバーの下にあるのが“秘剣ゲージ”と呼ばれるものとなっており、敵にダメージを与えていくことでどんどん溜まっていく。十分に溜まりきった状態になると強力な必殺技“秘剣”を放つことができる。
秘剣は伊織操作時に行えるアクションとなっており、武蔵を操作していた際には名称が“宝具”となっていた。
霊脈を奪い合う“霊地争奪”
ゲームが進行していくと、霊脈を奪い合う“霊地争奪”が開放。マップ上にある霊地を繋げて自分の勢力を拡大していく、陣取りゲームのようなものとなっている。もちろん、プレイヤー以外にも敵が存在し、勢力を拡大しようとマップ上を移動してくる。同じ地点で敵と重なった場合は戦闘が発生し、勝利すれば敵とともにそのキャラが獲得していた霊地もまっさらの状態となる。
霊地争奪では、プレイヤー側の行動回数が決められているので、相手の行動を予測しつつ、いかに効率よく目的地へ到達できるかが重要となる。
また霊地争奪で力を貸してくれる逸れのサーヴァントが存在し、タマモアリアがその1騎。今回プレイした範囲では、タマモアリアのいる地点へ行けば、プレイヤー側の行動回数が増えるという効果をもたらしてくれた。
町ごとに定められた試練やゆかりのある人から受けられる稼業。逸れのサーヴァントにまつわる物語が見られる異傳
町にはそれぞれの場所で定められた試練が存在する場所も。“敵を倒す”や“犬や猫と触れ合う”など内容は様々。新しい町に足を踏み入れた際には、まず高札をチェックして町の試練を確認するのが良いだろう。
また、伊織とゆかりのある人物からは稼業を請け負うことも可能。試練、稼業ともに達成すれば様々な報酬を獲得できるので、積極的にこなしていきたい。
その他にも、特定の町に訪れたり、人物に話しかけたりすると、逸れのサーヴァントや他陣営にまつわる物語“異傳”が始まることもある。異傳が始まる場所には、マップ上にアイコンで表示されるので、まずはその場所へ向かってみるのが良いかもしれない。
とはいえ、今回のプレビュー版で体験できた逸れのバーサーカーの異傳では、バーサーカー陣営の拠点である吉原に足を踏み入れた途端、戦闘が発生。一発一発が非常に強力で、たまに使用してくる投げ技に至っては一撃でHPが0になるという恐ろしさ。
圧倒的な強さに呆然としつつも、「絶対に倒してやる」という筆者のやる気スイッチが入ってしまい、何度もリトライ。5~6回のゲームオーバーののちに何とかクリアでき、今後の異傳に関わるであろうアイテムを入手することができた。
屋台などでのアイテムを売買
町の至る所にある屋台では、戦闘中に使用してHPなどを回復できるアイテムの購入、道中で入手したアイテムの売却ができる。また、その場で食事をとってHPを回復させることも可能。商品購入時にはセイバーの無邪気なセリフの数々を聞くことができるので注目してほしい。
金や素材を集めて魔術工房を強化。刀の手入れも忘れずに
伊織とセイバーたちの拠点となる長屋の魔術工房では、金や素材を消費して特別なスキルを獲得できる。スキルは、戦闘や町の探索など、様々な場面で効果を発揮するものとなっているので、積極的に獲得していきたい。
長屋では、伊織の刀を手入れする“御刀手入”も可能。専用のアイテムを消費して行うことができ、出来栄えによっては戦闘で得られる経験値が一定回数上昇するなどの効果を得ることも。
自分好みの刀へ
強敵を倒した後や稼業の達成報酬などで入手できる、“魔術拵”は刀を強化することができるアイテム。鞘、鐔、柄巻、目貫の全4種類があり、それぞれで強化される能力や付与されるスキルが異なる。
パラメーターなどはもちろん、付け替えることによって刀の見た目も変化する。ぜひ、お気に入りの一刀を自分の手で作り出してほしい。
新たな魔術や共鳴絶技を習得できるスキルツリー
レベルアップ時などで得られるスキルポイントは、それぞれのスキルツリーで消費し、新たなスキルを獲得することができる。スキルの中には、能力の上昇はもちろん、新たな魔術や共鳴絶技を習得できるものも存在する。
ちなみに、セイバーのスキルツリーを進めていた時に、新たな共鳴絶技を入手した場面があった。どんな技なのかウキウキで敵のいる地点に赴き、使用してみたが、敵味方問わずダメージを与えるという恐ろしい技となっていた。
今回のプレビュー版では、プレイしていく中で何度も驚かされるポイントがあった。若旦那の登場はもちろんだが、他の「Fate」シリーズを彷彿とさせる演出には驚きとともに、ファンとしては思わずニヤリとしてしまった。今回そういった演出を確認できたことにより、もしかしたら他にも用意されているのではないかという新たな注目ポイントができた。
なので、「Fate」シリーズファンの人がプレイする際は、そういった点にも注目してプレイを楽しんでいただけたらと思う。