「リトルナイトメア3」先行プレイレポート：ホラーゲームが苦手な人でも大丈夫、隣に相棒がいるから！マルチプレイで恐ろしい住人から逃げよう

ホラーゲーム、というのは意外とプレイしたことが無い人が多いのではないだろうか。かくいう筆者も、幼少期に遊んだホラーゲームがあんまりに怖かったので、長らくプレイしていなかったジャンルであるが、久々にプレイするのが有名なサスペンスアドベンチャー「リトルナイトメア」シリーズということで、身構えながら試遊に挑んでみた。すると、意外にも冒険心や謎解きを解くワクワク感が味わえるゲームだったのである。

本作は独特で不気味な世界を舞台に小さな少年/少女が冒険を繰り広げる「リトルナイトメア」シリーズの最新作だ。

これまでのシリーズは1人プレイ専用のゲームだったが、本作ではロゥとアローンという二人組の主人公になっており、マルチプレイも可能だ。それぞれで出来ることが異なっているので、相棒と協力しながら恐ろしい住人たちに立ち向かっていく、という新機軸が加わっている。

本レポートでは、初対面の別メディアの方とマルチプレイをした筆者が、プレイを通して感じた魅力をお届けしていこうと思う。

相談から生まれる閃きでギミックを突破！協力プレイの醍醐味を堪能

先述した通り、「リトルナイトメア3」は協力プレイを主軸にしたゲーム体験が魅力の作品なのだが、この協力プレイと本作のゲームジャンルとの相性が意外に良いという印象を受けた。

そもそも、「リトルナイトメア」はギミックを重要視したシリーズであり、住人たちを殴る蹴るの暴行で退けるわけではなく、上手くやり過ごしたり隠れたり、時には一目散に逃げることが大切なシリーズだ。

彼らを突破するには「このギミックを有効活用するのではないか？」というような閃きが重要となってくる。そんな時、3人寄れば文殊の知恵という言葉があるように、多人数で「ああでもないこうでもない」と議論をするのが非常に面白かった。

今回のプレイでは、腕が多い巨大な女性・老婆を相手にしたのだが、「この落ちている紙屑で注意を引くんですよ！」と自信満々に豪語していたところ実際は全く関係なく、机の下を転々と渡り歩くのが正解だった。相方の人、本当に申し訳ない。

だが、作戦会議を経て、上手く彼女から逃げ切ったときは、ほかのジャンルと比べてもそん色ない“やってやった感”が味わえる。「この壁登れそうじゃないですか？」とか、「今振り向いたタイミングで駆け抜けましょう！」と相談し、彼女に立ち向かう刹那の瞬間は本作の魅力の一つだろう。

また、ロゥとアローンはそれぞれ異なる武器をもっており、ロゥは弓を、アローンはスパナを装備している。手のひらサイズの彼らが恐ろしい住人たちを倒すには不十分だが、ちょっとした鎖を切断して足場を解放したり、遠くのスイッチを射抜いて仕掛けを作動させたりといった使い方が可能だ。

実際にプレイしている中では、「そこのスイッチ、弓で撃てませんか？」「この鎖、スパナで切っちゃってください」といった声かけが生まれる要因となっており、チームで仕掛けを突破している感覚をプレイヤーが実感できる仕組みになっている。仲がいい人と遊べば楽しいのはもちろん、関係値の浅い人同士でもプレイを通じて仲良くなれそうな、そんなゲームだと感じた。実際、名も知らぬ初対面の人とでも楽しくゲームできたのだから間違いない。

一緒にプレイする仲間がいるというのは何とも心強いもので、ホラゲーが苦手な筆者でも怖がらずに遊べた。ホラージャンルをやってみたいけど、怖くてできない。そんな人にオススメしたいタイトルとなっている。

冒険心をくすぐる世界観も魅力的。作りこまれた背景やステージの変化にも注目

本作はそもそも、いわゆるジャンプスケアと呼ばれるビックリ演出はそこまで多くないシリーズであり、ホラージャンルが初めての人にもプレイしやすいタイトルだと思う。

プレイヤーに恐怖と冒険のスリルを与えてくれるのはもちろんだが、実際に今回筆者がやってみたところ、どちらかというと冒険のワクワク感の方を強く感じた。

そもそも世界観がプレイヤーを惹き込む作りになっており、プレイヤーが主に操作する平面上はもちろん、操作しない画面奥側の背景までかなり緻密に描き込まれている。設定の考察が好きな人などに刺さるデザインだ。

今回プレイしたのはキャンディ工場らしき場所だったのだが、人をつるして機械を操作させていたり、大量の廃棄キャンディがドバドバ上から落ちてきたりと、じっくり眺めたくなるような不思議で不気味なステージが印象的だった。なんであんなに大量のキャンディを作っていたのだろうか。謎だ……。

そのほかにも、プレイできてはいないが広大な荒地のステージなどもあるようで、こちらでは洞窟的なところも探索できるそう。基本的に室内探索がメインだった前シリーズより色々なステージが楽しめそうだ。

ステージごとに異なるギミックや敵が出てくるであろうし、同じゲームのなかでも違ったゲーム体験が味わえるのではなかろうか。

本作は“協力して怖いものに立ち向かう”というゲーム体験がフィーチャーされており、ホラージャンル初心者、もしくは苦手という人でもすんなり遊べるのはこれまでお伝えしてきた通り。

少なくとも筆者は、恐ろしい住人たちに立ち向かうドキドキ感と仕掛けを突破してステージを進む冒険感を程よいバランスで楽しめた。

主人公二人は何を目的に冒険を繰り広げるのか、どういったエンディングを迎えるのか。ストーリー面でも評価が高いシリーズなので、お話にも興味が湧いてくる。

今後の続報でそのあたりの情報も明かされていくと思うので、注目していきたいところである。

あみだ
フリーライター

格闘ゲーム好きなフリーライター。ファミコンからPS5まで、幅広くゲームを遊んでいます。思い出深いゲームは「ペルソナ4」や「サクラ大戦2」、「GUILTY GEAR Xrd REV 2」「戦場のヴァルキュリア」です。ゲームをプレイするときは、グラフィックなどより、ゲームの独自性や“ならでは”の部分、やりこみ要素などに注目しがちです。コンボができるゲームは無条件で面白いと思ってます。

Little Nightmares(TM)III & (C)Bandai Namco Europe S.A.S

※画面は開発中のPC版で撮影したものです。