Paul Alex M Samaniego氏は、PC用(Steam)ソフト「.redruM」について、日本語版ストアページを公開した。
「.redruM」は、写真家となって犯行現場に残された死体や証拠を撮影しながら、事件の謎に迫っていくサイコホラーゲームだ。
本作はイタリアで現代美術家として活動しているPaul Alex M Samaniego氏が開発したアート作品で、舞台となる場所はリミナルスペースや実際の犯行現場から着想を得て制作されている。ゲーム内に登場する絵画は開発者本人が描いており、アートギャラリーに展示された実績もある作品が使用されている。ゲーム自体が言語に依存しない内容となっており、ゲーム内にテキストを用いた表現がないことも特徴になっている。
また、現在開催中のSteam オータムセールによって、期間中は20%オフの464円(税込)で購入できる。
Steam
https://store.steampowered.com/app/3197050
以下、発表情報をもとに掲載しています
「.redruM」Steamストアページ概要
.redruMはリアリズムと視覚的な実験を融合させたサイコホラーゲーム。リミナルスペースやバックルーム、そして実際の犯行現場から着想を得ています。あなたは写真家として恐ろしい殺人の陰にいる人物を明らかにすることになる。.redruMは秘匿された写真が現像される赤い部屋です。
!!!ユーザーへの注意喚起!!!
.redruMはアート作品として生まれ、後にメッセージを伝えることを目的としたウォーキングシミュレーターとなりました。プレイヤーがゲームのメッセージを自身の中に探すため、また冷静に忍耐強くなることを促すため、ゲームのテンポは意図的にスローになっています。
.redruMの体験 : 心理的・映画的なホラー
.redruMはリアリズムと視覚的な実験に焦点を当てた、心理的・映画的なホラー体験です。リミナルスペース、バックルーム、そして実際の犯行現場にインスピレーションを得たこのゲームでプレイヤーは、犯行現場に赴く写真家としていくつもの恐ろしい殺人の裏にあるものを暴く任務を負います。
不安を掻き立てるミニマルなゲームプレイ
ゲームプレイはミニマルに設計されています。歩く、写真を撮る、仕事をする。しかし、このシンプルさの裏には深い不安と内省が隠されています。
短く、私的、そして本質的な物語
1時間程度の短いゲームです。この私的で本質的な物語は一人の個人で開発されました。重大な警告:このゲームには暴力的な表現が含まれており、感受性の強いプレイヤーには適しません。
現代アートと.redruMの誕生
.redruMは私の現代アート観を表現するために生まれました。過去のコンセプトを再解釈し、寄生するという行為以外に創造とは今日どのような意味を持つのでしょうか?.redruMはラブレターであり、挑発であり、現代においてアーティストであることの意味についての宣言です。
それは犠牲者の写真を撮って創作する殺人者であり、記録の殺人者です。それは自身の存在の放棄と夢想家の夢の死を記録する写真家です。夢想家たちが思い描いたより良い世界は、空虚で軸のない机上の空論になってしまいました。
.redruMは誰もが秘めていたいと望む写真が現像される暗い実験室です。
リミナルスペースの美学と現代実存主義
リミナルスペースやバックルームの美学は、現代の実存主義において劇的な感情とカタルシスを高めるうえで不可欠なものです。現実と空想の境界にあるこれらの空間は、本質的に不安をかき立てます。それは変化と放棄の空間であり、慣れ親しんだものが奇妙になる場所です。
その宙ぶらりんで不明瞭な雰囲気は現代の実存の不安を反映したもので、方向感覚の喪失と孤立の感覚を増幅させます。.redruMにおける、これらの環境は不安と絶望を探求する完璧なステージとして、プレイヤーを自身の弱さと孤独に向き合わせます。
レベルデザイン:暴力とカタルシスを通して感情を呼び起こす
.redruMのレベルを作成するにあたり、私は従来のゲームデザインに囚われず、偉大な芸術家の描く最期の瞬間を目指しました。アリストテレスやシェイクスピアにおける暴力は、それ自体が目的なのではなく、カタルシスを達成するための手段です。”catharsis of events”は古代ギリシャに由来する概念で、特にアリストテレスの演劇論と紐づいています。
この概念は、芸術的表現や芸術作品に対する感情的な参加を通じて、感情を浄化したり開放するプロセスを指しています。演劇や映画で描かれるようなドラマチックで悲劇的な出来事を目の当たりにしたとき、私たちはある種の「感情の浄化」を経験し、蓄積された緊張や不安を開放することができます。
暴力を通じたカタルシス:アリストテレスとシェイクスピアとの類似点
アリストテレスは、オイディプス王の悲劇やアガメムノンの暗殺に見られるように、ドラマを通じて感情を浄化することをカタルシスと定義しました。同様にシェイクスピアは「マクベス」や「ジュリアス・シーザー」などの作品で暴力を用いて観客を揺さぶり、人間の本質や彼ら自身の恐怖について考えを及ばせました。
.redruMにおける暴力は、死や喪失といった普遍的なテーマに直接的に関わることで、プレイヤーに感情的なカタルシスを体験させる方法と解釈することができます。それは単なるホラーではなく、古の偉大なドラマのように芸術と内省に至る手段となります。
現実の崩壊:リミナルスペースと壊れた夢たち
リミナルスペースとバックルームの美学はこの体験をさらに強烈にし、全ての場所で何かが根本的におかしいことを暗示する環境を作り出しています。それは崩壊の危機に瀕した現実という、主人公が夢想し望んでいた世界を表しています。
※画面は開発中のものです。
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