2025年3月9日、両国国技館にて「ストリートファイター6」のeスポーツ大会「ストリートファイターリーグ:ワールドチャンピオンシップ 2024」が開かれた。

本イベントは1年間をかけて世界中で行われた「ストリートファイターリーグ」の決定戦である。
ヨーロッパからはNINJAS IN PYJAMAS、アメリカからはFLYQUEST、日本からはGOOD 8 SQUADというチームが代表として出場している。優勝チームには80000ドルに加え、来年度に開催される世界大会「CAPCOM CUP 12」への出場権を手にすることができるので、非常に重要な試合だ(以下、選手名は敬称略)。


開催に先がけて、篠原涼子さんによるオープニングアクトが行われた。「ストリートファイター6」の日本イメージソング「恋しさと せつなさと 心強さと 2023」を披露。90年代の名曲としてとても馴染み深く、何度聴いても本当に素晴らしい……圧巻のパフォーマンスだった。



さて、改めて大会がスタート。本大会では先鋒戦(10pt)・中堅戦(10pt)・大将戦(20pt)と3試合を立て続けに行い、ポイントの多いチームが勝利する。3チームで総当たり戦を行い、上位2チームが改めて最終戦を行うのだ。

MATCH 1は日本チームのグッパチことGOOD 8 SQUADと、ヨーロッパチームのNIPが激突。
GOOD 8 SQUADは、誰よりもスト6をプレイしている九州男児ガチくんをリーダーとし、迷言を残しまくる多キャラ使いのぷげら、超反応とやりこみで魅せるゴウキ使いのカワノ、熟練のダルシム使いYHC-餅の4人だ。

そしてNIPは、ノルウェーのキックボクサーであるキャミィ/ケン使いのPhenom、ナイスガイなザンギエフ使いVeggey、アラブの強豪道着使いANGRY BIRD、そしてANGRY BIRDの盟友にしてトップクラスのラシード使いBIG BIRDだ。
それでは試合開始。まずは先鋒戦。PHENOMのキャミィをガチくんのラシードがイウサールを畳み掛けて倒した。続いて中堅戦。BIG BIRDのラシードにぷげらのジュリがSA3を叩き込んで勝利。調子の良い立ち上がりだ。
大将戦はANGRY BIRDとカワノのゴウキによるミラーマッチ。フルセットまでもつれこみ、なんとかカワノがもぎ取った。

そしてMATCH 2。アメリカ代表FLYQUESTとGOOD 8 SQUADが戦う。
FLYQUESTは歴戦のキャミィ使いであるPUNKをリーダーに、キンバリー使いのPSYCHOとSHINE、ふーどを苦しめたエド・テリー使いのChrisCCHというかなり変則的な編成だ。
先鋒戦。PSYCOのキンバリーが変幻自在の攻めを見せるが、カワノのゴウキがそれをいなした。中堅戦ではSHINEのキンバリーとYHC-餅のダルシムがぶつかる。島根の仙人の異名を持つYHC-餅だが、SHINEの動きに翻弄された。SHINEの勝利。

ラストはPUNKのキャミィとぷげらのジュリがぶつかる。フィジカルに自信のあるPUNKと、ギリギリの地上戦を行うぷげらだが、最後はPUNKが競り勝った。
次なる試合はNIPvsFLYQUEST……と、その前に、会場内の色々な物販エリアを巡っていこう。
まず来場者が自由に貼れる応援パネルが目に入った。グッパチ宛が多いが、EUやUSのチームを応援するコメントも目立った。

こちらはレッドブルの販売ブース。2杯頼むことで有名選手のシールがランダムで貰えるとのこと。

他には、ストリートファイターリーグの協賛企業である太陽ホールディングスのコラボチョコレートブースもあった。しかし、筆者が来た時点ですでに完売しており、人気の高さが窺えた。

また、「ストリートファイター6」の大会ではお馴染みの周辺機器メーカー「ふもっふのおみせ」も展示していた。春麗仕様のキーボードなどのコラボレーション商品をチェック出来る良い機会だった。

ゲーマー向けの周辺機器メーカー「SteelSeries」の展示ブースもあった。あらゆるタイプのヘッドセットやイヤホンや、コントローラーのスティックの高さを上げるKONTROL FREEKを販売していた。
こちらのブースでは筒の中に入っているKONTROL FREEKの数を当てられたら実物がプレゼントされるというミニゲームも行っていた。なかなか難しそうだ……。

それでは、NIP対FLYQUEST戦に戻ろう。
先鋒戦。NIPのPhenomはキャミィだが、ChrisCCHがテリーを宣告。もはや10ptすら落とせないNIP、Phenomが圧倒的なパワーでChrisCCHを倒した。続いて中堅戦。BIG BIRDのラシードに対して出てきたのはSHINEのキンバリー。SHINEのキンバリーがここぞというタイミングで中段を叩き込み、BIG BIRDをくだした。ここでNIPは敗退が決まってしまった。
そのまま大将戦に流れていく。消化試合とはいえ、意地のためにも負けられないNIP。それに、ANGRY BIRDのケンと、PUNKのキャミィといえば、EVO覇者同士。これは相当に激アツなマッチアップだ。
試合内容は、2セット取られたPUNKがまさかのキンバリーを投入。しかし、最後にはANGRY BIRDのケンが勝ちをもぎ取った。

さあ、いよいよ最終戦。上位2チームとなったGOOD 8 SQUADとFLYQUESTが雌雄を決する。最終戦のみ、何巡も試合を行い、先に70ptを獲得したほうの勝利だ。
先鋒戦。PSYCHOのキンバリーに対して出てきたのは、カワノのゴウキ。先程の戦いとは打って変わって、PSYCHOのキンバリーが怒涛の攻めを押し付け、勝利した。
続いて中堅戦。ガチくんのラシードがSHINEのキンバリーをドライブインパクトで倒した。

そして大将戦。ぷげらジュリとPUNKキャミィの激闘が再び。またしてもフルセットまでもつれこみ、PUNKが勝利を掴んだ。

ポイントは10-30とGOOD 8 SQUADが劣勢。試合は2巡目へ。
先鋒戦はガチくんラシード対PSYCHOキンバリー。SHINEには勝ったガチくんだがPSYCHOはどうか。PSYCHOが機転を利かせて勝利を得た。続いて中堅戦……ここに来てChrisCCHのエドが登場。ぷげらジュリと当たる。ChristCCHはミスをカバーして戦うものの、ぷげらの動きが上回った。
FLYQUESTのリーチがかかった大将戦。またしてもPUNKが立ちはだかる。出ていくのはカワノのゴウキ。これで決まってしまうのかと思いきや、カワノがとんでもない対空精度を見せて、 ついにPUNKをくだした。

これで30-50で3巡目に突入。まだまだGOOD 8 SQUADには厳しい点差だ。
3巡目の先鋒戦はPSYCHOキンバリーvsぷげらジュリ。ぷげらがここぞという時に差し返し、勝利。そして中堅戦はSHINEキンバリーvsガチくんラシード。まだまだ引き出しのあるSHINEキンバリーをガチくんがなんとか倒した。
さあ、いよいよ大将戦。スコアは50-50。泣いても笑ってもこれがラストだ。
もちろん大将はPUNK、しかも3人目のキンバリーだ。国内ではキャラパワーが足りないとされているキャラクターだが、US勢はまさかの3連ピックである。そこに対して出てくるのはやはりこの男、カワノ。
PUNKによる怒涛のラッシュで2本取られるも、カワノも粘り強く2本取り返す。そして最後はカワノが柔道4連発でキンバリーの体力を0にした。

50-70でGOOD 8 SQUADが勝利し、SFLワールドチャンピオンシップは幕を閉じた。GOOD 8 SQUADは優勝賞金の80000$と、次回CAPCOM CUP 12の出場権を手にしたのだった。

そして、イベント終了後、カプコン 代表取締役社長の辻本春弘氏から、2025年から2027年の3年間、サウジアラビアの「e-sports world cup」との提携が発表された。
そして来年の「esports world cup」の優勝者は、CAPCOM CUP 12の出場権を手にするとのこと。加えて、プレミアポイント制が導入され、より出場しやすくなったことが告げられた。

さらにさらに、もっともビッグな発表がラストに控えていた。来シーズンのCAPCOM CUP 12も、ここ両国国技館での開催が決定! これはあまりにも嬉しすぎる!
大激戦が終わったにも関わらず、もうすでに来年度の熱を感じ始めているプロシーン。これはまだまだ目を離す訳にはいかないだろう。
(C)CAPCOM
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