ユービーアイソフトが3月20日より発売するPS5/Xbox Series X|S/PC用ソフト「アサシン クリード シャドウズ」のレビューをお届けする。

目次
  1. 2人の主人公を軸に歴史の裏を描いた物語
  2. 日常の細部に至るまで再現したマップ
  3. 豊富なクエストやRPGシステムなどやりこみ要素も満載
  4. 2人の異なるアクションと爽快感と難しさを兼ね備えた剣術バトル
  5. 日本の歴史と戦国時代の魅力を活かした「アサシン クリード」

本作は、ユービーアイソフトの代表作「アサシン クリード」シリーズの最新作。歴史を題材としたオープンワールド型のステルスゲームで、数々の歴史的事件の裏で暗躍するアサシンたちの物語を描いてきたシリーズだ。

2人の主人公を軸に歴史の裏を描いた物語

今回の舞台は戦国時代の日本。織田信長による天下統一が進む中、忍者の奈緒江と異国からやってきた侍・弥助の2人を主人公に据えたストーリーが展開される。

「アサシン クリード シャドウズ」レビュー:戦国時代を駆ける忍者と侍のW主人公を描いたオープンワールドアクションRPGの画像

物語は、織田信長の軍勢が伊賀の忍びの里を襲撃するシーンから始まる。生き延びた奈緒江は、父の頼みで古墳に隠されていた謎の“箱”を持ち出そうとするが、百鬼衆を名乗る集団に奪われてしまう。彼らの一人は「この箱には歴史を変える力がある」と口にする。

奈緒江は箱を取り戻すため、弥助ら仲間たちと共に百鬼衆に立ち向かう。奈緒江と弥助が共闘する過程は伏せるが、日本史に詳しい人なら驚くような展開が待っているので、ぜひ自身の目で確認してほしい。

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日常の細部に至るまで再現したマップ

シリーズの特徴でもある、時代を忠実に再現したマップも本作の魅力の一つだ。これまでエジプトやギリシャなどを舞台にしてきたが、戦国時代の空気感も見事に再現されている。生活感あふれる町並みや自然豊かな山間の風景は、まるで当時の日本を旅しているかのような感覚を味わえる。

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街を歩けば、火縄銃を作る職人や人形劇を披露する人など、住民たちがそれぞれの生活を送っている様子が細かく描写されている。当時の文化や日常を垣間見られる点も、本作ならではの魅力だ。

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ゲームの舞台は近畿地方が中心。京、大阪、大和といった地域が登場し、大阪城や清水寺などの有名なロケーションも再現されている。建物を間近で見たり内部を探索できるほか、登ることも可能だ。清水寺の舞台から飛び降りたり、大阪城のてっぺんまで登ったりと、自由に探索できる点が大きな魅力となっている。

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「アサシン クリード シャドウズ」レビュー:戦国時代を駆ける忍者と侍のW主人公を描いたオープンワールドアクションRPGの画像

また、各ロケーションにはアイテム集めや神社へのお参りといった目標が設定されており、達成することでスキルアップに必要な知識ランクを獲得できる。これにより、探索のモチベーションが自然と高まる仕組みになっている。

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豊富なクエストやRPGシステムなどやりこみ要素も満載

本作には百鬼衆を追うメインクエストのほか、キャラクターを深掘りするサブクエストやマップ上のアクティビティも豊富に用意されている。メインクエストは奈緒江と弥助のどちらでも進行可能だが、一部のサブクエストはキャラクターごとに専用のものが存在する。

クエストの進行に関しては、「〇〇の地域、〇〇の南、橋の上」といった大まかな位置情報がプレイヤーに提示され、そこから目標を探す形式になっている。これにより、単なるマーカー頼りのプレイではなく、自分で探索しながら進める楽しみが生まれている。また、指定した範囲にクエスト目標があるかを確認できる“密偵”機能も用意されており、活用することでスムーズにクエストを進行できる。

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隠れ家のアップグレード要素も本作の特徴の一つ。各地で入手できる素材を使って、キャラクターの成長に必要な施設を建設できる。建物の配置は自由に決められるため、自分好みの隠れ家を作る楽しみもある。

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また、近年のシリーズタイトル同様、本作にもRPG要素が導入されている。キャラクターや装備にはレベルの概念があり、マップの地域ごとに適正レベルが設定されている。基本的にはメインクエストを進めるだけでもレベルアップできるため、過度なレベリングが必要になることはない。

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装備集めも本作の大きな魅力の一つ。装備にはレベルやレアリティ、固有スキルが設定されており、自分に合ったものを集める楽しさがある。見た目も大きく変わるため、カスタマイズ性も高い。

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スキルツリーは奈緒江と弥助で異なり、戦闘方法のバリエーションを増やすものから、ステルスアクションの強化、アイテムの強化まで多岐にわたる。レベルアップで獲得するポイントや、ロケーション目標達成による知識ランクの上昇によって、新たなスキルが解放される仕組みだ。

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2人の異なるアクションと爽快感と難しさを兼ね備えた剣術バトル

序盤を終えると、プレイヤーは奈緒江と弥助を自由に切り替えて操作できる。本作の大きな特徴は、忍者である奈緒江と、侍である弥助の異なるアクションを楽しめる点にある。奈緒江はステルスを得意とし、クナイを使った暗殺やイーグルアイによる索敵が可能。

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一方、弥助は正面からの戦闘に特化し、刀や棍棒、弓、火縄銃を駆使して戦う。ステルスプレイを苦手とするものの、草むらに隠れたり、環境を利用した隠密行動を駆使することも一応はできる。ただし、初期のスキルでは敵の暗殺ができないうえ、建物をよじ登るフリーランの速度も奈緒江と比較するとだいぶ遅い。綱渡りの際にはロープがちぎれて落下してしまうほか、イーグルダイブ時のちょっと笑ってしまうような演出は必見だ。

「アサシン クリード シャドウズ」レビュー:戦国時代を駆ける忍者と侍のW主人公を描いたオープンワールドアクションRPGの画像
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戦闘は、弱攻撃・強攻撃・受け流し・回避を駆使するシステムが基本となる。敵の攻撃は白・青・赤の3色で表示され、それぞれ適切な対応が求められる。白の攻撃は受け流しや回避が可能な通常攻撃であり、青の攻撃は連続攻撃のため、すべてを受け流すか回避しなければならない。一方、赤の攻撃は受け流しができず、回避が必須となる強力な攻撃だ。

攻撃の種類を見極めながら戦うことで、爽快感のあるアクションが楽しめるが、敵に囲まれると一気に不利な状況に陥るため、シンプルながらも戦略性が求められる戦闘システムとなっている。

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日本の歴史と戦国時代の魅力を活かした「アサシン クリード」

「アサシン クリード」シリーズらしい歴史の舞台裏を描いた物語は秀逸だ。史実をベースにしつつも、「もしかしたらあの事件の裏ではこんなことが…?」と想像を掻き立てる展開には胸が熱くなる。特に奈緒江と弥助が出会うキッカケとなるシーンは、織田信長の結末を知っている我々なら驚くことは間違いないので、ぜひとも体験してほしい。

当時の細かな日常風景まで再現した広大なマップは探索するだけでも面白く、知っている場所を訪れた際の感動は大きい。まるで観光をしているような気分になるのはもちろん、実際に大阪城で戦ったり登ったりと、知っている場所をゲームとして攻略するというのはなかなかに新鮮な体験だった。

2人のキャラクターで異なるアクションを味わえる点も素晴らしい。奈緒江を操作すれば従来の「アサシン クリード」らしいステルスを楽しめ、弥助に切り替えれば「アサシン クリード オリジンズ」以降のアクションRPGらしい爽快感のある戦闘を味わえる。

本作は「アサシン クリード」シリーズの魅力を凝縮しつつ、日本という舞台をふんだんに活かしたタイトルとなっている。シリーズファンはもちろん、未経験者にもぜひプレイしてほしい一作だ。

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※画面は開発中のものです。

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