2025年8月7日に発売予定の「グラディウス オリジン コレクション」より、「グラディウス」(北米プロト版)、「グラディウスIII 伝説から神話へ」(日本AMショー版)のプレイレポートをお届けする。
目次
日本を代表するシューティングゲームのひとつである「グラディウス」が、今年の5月で稼働開始から40周年を迎える。それを記念して、コナミデジタルエンタテインメントより8月7日に発売されるのが、PS5/Nintendo Switch/Xbox Series X|S/Steam向けゲーム「グラディウス オリジン コレクション」だ。本作には、1作目の「グラディウス」から17年ぶりのシリーズ最新作である「沙羅曼蛇III」を含む、全7タイトル18バージョンが収録されている。

本作の発表後、とくにファンの間で大きな話題を呼んだのが「グラディウス」の「北米プロト版(NEMESIS)」と「グラディウスIII 伝説から神話へ」の「日本AMショー版」の2本だ。リリースに先駆けて、この2本をひと足お先にプレイする機会がもらえた。
「グラディウス」シリーズに関しては、今さら細々紹介するよりも皆さんの方が遥かに詳しいと思うが、今回はこの2本をプレイしてみて、おもに通常版とどこが異なっているのかという点に注目してみた。また、マニア向けというだけではなく初心者でも安心して楽しめるような機能が今回の「グラディウス オリジン コレクション」には多数盛り込まれていたので、そちらも合わせてご紹介していく。

全バージョンの中で最も難易度が高い「北米プロト版(NEMESIS)」
今回1作目の「グラディウス」として収録されているバージョンは、「日本ROM版」と「日本バブルシステム版」、「北米版」と「欧州版」、そしてもっとも注目度の高い「北米プロト版」の5種類だ。この「北米プロト版」は、ゲーム内の説明で書かれている以上に詳しい情報はないのだが、こちらはいわゆる「北米版」の開発途中のバージョンとなっている。
その最大の特徴は、5種類収録されている「グラディウス」のバージョンのなかで、もっとも難易度が高いところだ。「グラディウス」では、敵を倒したときにこちらに向けて弾を撃ってくることを「打ち返し弾」と呼んでいるが、それが1周目から発生するのである。そのため、サクッと敵を倒したかと思いきや、気が付けば大量の弾に狙われてしまったなんてこともあった。


細かいところを挙げると、起動時の画面も「北米版」とは異なる仕様になっている。ゲームを選ぶとアーケードゲームらしくROMチェック画面から起動するという一連の流れになっているのだが、「北米版」や「欧州版」ではその後美麗なキービジュアルが表示された後、「NEMESIS」のロゴが被さるように現れる。だが、「北米プロト版」はどちらかというと「日本ROM版」に近く、ロゴが「グラディウス」から「NEMESIS」に変わった程度のシンプルな表示になっている。
ちなみに、このROMチェック画面は基本的に演出として入れられているものなので、煩わしく感じるときはスキップすることも可能だ。バージョンによって画面の表示も異なっているので、それぞれ1度は見ておいても損はないかもしれない。


今回この「北米プロト版」を、ステージ7のラスボスであるマザーコンピューター撃破までプレイしてみたのだが、たしかに難易度は高く感じたもののゲーム性自体が大きく異なるという印象はなかった。もちろん、普段「グラディウス」をやり込んでいるプレイヤーならば、さらに細かい違いがいろいろと発見できるかもしれない。

まったくの初心者でも「グラディウス」をやり込める機能が満載!
そもそも「グラディウス」というゲームをあまりよく知らないという人のために、「北米プロト版」をベースに少しだけゲームの内容にも触れていこう。本作の大まかなストーリーは、亜時空星団バクテリアンの侵略から惑星グラディウスを救うべく、超時空戦闘機ビックバイパーを操り敵要塞ゼロスを目指すというもの。
そのため、ゲームに登場するステージも、火山や口からイオンリングを吐いて攻撃をしてくるモアイがいるエリア、触手や細胞が襲い掛かってくるなど、多種多彩だ。各ステージの最後にはボスが登場し、それを破壊することで次にステージに進むことができるというのも非常にわかりやすい特徴となっている。ストーリーは別にして、自機をパワーアップしながら敵を倒してボスを倒していくといった流れは、基本的にどのシリーズ作品にも共通した部分だ。



もうひとつ、自機ビックバイパーを自分好みにパワーアップしていくことができるというのも「グラディウス」の特徴のひとつである。赤い色の敵または、特定の敵編隊を全滅させることでパワーカプセルが出現する。そちらを取得した数によりパワーアップ可能な項目が変化し、スピードアップやななめ下方向へのミサイル攻撃、メインショットを斜め上と前方のダブル攻撃にしたり、あるいは強力なレーザーに変更したりするなど、6種類のパワーアップ項目を任意で選んでいくことができるのである。これらを駆使しながら、敵の猛攻撃をかわしていきステージクリアを目指すのだ。

ちなみに、筆者自体は普段「グラディウス」自体にそれほど詳しいわけでもなく、シューティングゲーム自体もそれほどやり込んではいない。そのため、プレイヤーとしてはどちらかというとビギナーに分類される。それでも、とりあえずエンディングまでたどり着くことができたのは、ゲーム自体のプレイをサポートする機能が充実していたからだ。
まずゲームモードだが、こちらは通常のプレイを楽しむ「オリジナルモード」に加えて、自機弾のアタリ判定が小さい「イージーモード」やまったく死なない「無敵モード」が用意されている。この「北米プロト版」にはないが、他のバージョンでは「トレーニングモード」と呼ばれるモードも用意されており、自分が設定したステージや復活ポイント、装備などを選んで何度も練習することができるといったものも用意されている。それとは別に、ゲーム設定でプレイヤー数の変更や難易度を4段階で変更することも可能だ。


「イージーモード」や「無敵モード」だけでも、初心者がゲームの練習をする分には十分過ぎる機能なのだが、それ加えて、本作では途中で倒されてしまった場合であっても「巻き戻し」機能を使うことで、やられる前までプレイを巻き戻してやり直すことができる。これらを活用することで、基本的には誰でもステージの最後までたどり着くことは可能だ。
また、「クイックセーブ」と「クイックロード」を使って、途中でゲームを中断するということもできる。ただし、こうした「無敵モード」や「巻き戻し」、「クイックロード」をした場合は、「オンラインランキング」には反映されない。ここはあくまでも実力で得点を競う場となっているのだ。

この「オンラインランキング」の面白いところは、単純にランキングが表示されるというだけではなく、そこにランクインしている人のリプレイ映像も見られるようになっているところだ。うまい人のプレイがどんな感じなのか参考にしたいときなどにも役に立ちそうである。

もうひとつ、これはオマケ的な要素だが、ゲーム画面以外の部分には壁紙が表示できるほか、ガジェットの表示ができる。こちらはプレイ中のゲームモードを表示する「ゲームモードガジェット」や到達ステージとゲームランクを表す「ステージ&ランクガジェット」など、9種類いくつかののガジェットを選んで表示させることが可能だ。たとえば、「コントローラーガジェット」を選んでおけば、今なんのボタンを押したのかも表示されるため、ゲーム配信などに向いているかもしれない。

話題の「グラディウスIII 伝説から神話へ」の「日本AMショー版」はややコンパクトな内容だった!?
今回の記事のもうひとつのメインが、「グラディウスIII 伝説から神話へ」の「日本AMショー版」だ。「グラディウスIII 伝説から神話へ」が初めて世間に披露されたのは、1989年の秋に開催された「アミューズメントマシンショー」(AMショー)だった。その後正式にリリースされるバージョンとは、かなり異なる内容となっていたのである。
このAMショー自体には2日間しか出展されていなかったということもあり、実際にこのバージョンをプレイした人は少ない。それに加えて、あくまでもこのときだけのバージョンであったということもあり、情報もいまひとつ曖昧だ。言わば幻のバージョンともいえるのだが、なんとそれを今回の「グラディウス オリジン コレクション」で遊ぶことができるのである。

オリジナルの「グラディウスIII 伝説から神話へ」は、全10面のステージ構成になっており、ゲーム自体もかなり長く遊べるという印象だった。だが、この「日本AMショー版」は、そちらと比較すると全7面というかなりコンパクトな内容になっていた。ここでは、それぞれのステージごとに気が付いた範囲内で「日本AMショー版」のポイントをご紹介していこう。
まずは1面から目に付いた特徴をご紹介していこう。一見するとオリジナル版とあまり違いが感じられないが、背景のグラフィックが大幅に強化されている。たとえば砂丘が流れるようにアニメーションしているほか、背景の星空の部分に天の川のようなグラフィックが表示される。さらに、この1面のボスとしてオリジナルでは7面に登場したワイバーンがいきなり登場する。このように、のっけからかなり異なる印象を受けるような作りになっていたのである。



2面は途中まではオリジナル版とほぼ同じ泡のステージになっている。若干異なっているのが、ボスの手前にデモスやエニグマが出現するところだ。その分、ステージ自体も少し長めになっているような印象だ。こちらのボスは、オリジナル版と同じバブルアイだった。




3面は、オリジナル版では8面に登場した植物のステージだ。しかし、ステージの色合いが若干ダークな雰囲気になっており、H・R・ギーガーが描いたかのような背景画広がっているように見えるのが特徴である。こちらに登場するボスも、オリジナルでは8面に出現したブロッティング・ウィードだ。



4面はオリジナル版では3面に登場した火山のステージに近い。しかし、こちらもグラフィックの色合いが少し異なっており、若干淡い見た目になっているのが特徴だ。こちらに登場するボスも、ステージに合わせてオリジナル版では3面に登場したビッグコアMk-IIIが出現する。5面はオリジナル版では4面に登場した高速ステージだ。




6面はいわゆるボスオンパレードと呼ばれるステージのはずだが……こちらで出現するのはリザードコアとデリンジャーコアの2体のみであった。ちなみにリザードコアは、オリジナル版では9面に登場したボスで、デリンジャーコアはオリジナル版では10面のボスオンパレードの最後に出現したボスである。


最後の7面に登場するステージは、ここでは伏せておくので、ご自身の目で確かめていただきたい。
ということでざっくりとご紹介してきたのだが、十分過ぎるほどマニア向けなのはあたり前として、なによりも驚かされたのは、やはり初心者を意識した作りになっていたというところであった。たとえば、「グラディウス」というゲームは知っていて憧れはあるものの、当時それほど遊んでいなかったためうまいわけではないという人にとっても、今回はかなりとっつきやすい内容になっている。
このゲームでは、様々な方法でゲームの状態に繋がるような要素が盛り込まれているところも嬉しいポイントだ。なにはともあれ、1本で大量のゲームが遊べるのは間違いないので、少しでも興味を持ったならばぜひ挑戦してみてほしい1本である。
(C)Konami Digital Entertainment
※画面は開発中のものです。
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