Nintendo Switchパッケージ版「CROSS†CHANNEL ~For all people~」が2025年12月4日に発売されることを記念し、作品のファンである編集者とライターの座談会をお届けする。

※作品のネタバレを含む箇所がございますので、ご注意ください。
メディア展開はしていないが誰もが知る名作だった「CROSS†CHANNEL」
カワチ:本日の司会を務めます。ライターのカワチです。自分は「かまいたちの夜」からアドベンチャーゲームのトリコになり、その後に「月姫」や「Air」「SenseOff」といったPCの美少女ゲームの魅力を知っていき、「CROSS†CHANNEL」もプレイしたという流れです。

SIGH:ゲームライターのSIGHと申します。私もアドベンチャーゲームが好きでいろいろとプレイしておりまして、ジャンル自体の入門としては「ひぐらしのなく頃に」です。中学校のころにアニメ化もされて流行っていて、原作もやってみようと思ってプレイしました。「CROSS†CHANNEL」は大学1年生のときに、美少女ゲームが好きな同級生がいて、おもしろいと教えてくれたのでプレイしました。
TOKEN:Gamer編集部のTOKENです。自分は中高生ぐらいのときにコンシューマーで触れることができる美少女ゲームをプレイしていました。当時のKIDさんなどオリジナルのアドベンチャーを発売するメーカーさんも多かったですし、恋愛系だけではなく伝奇系などもたくさん発売されていた時代でした。そんななかで、自分は葉鍵と言われるLeafとKeyの作品を中心にいろいろとプレイしていましたね。「CROSS†CHANNEL」に関してはオリジナルに触れる機会は無かったのですが、2014年に発売されたPS3版とPS Vita版を仕事で触れることになり、このときにはじめてプレイしました。ウワサにたがわない素晴らしい作品だなと思いましたね。

カワチ:「CROSS†CHANNEL」と同じ時期に発売された美少女ゲームだと「Fate/stay night」や「マヴラブ」はIPを活用したメディア展開で今でも盛り上がっていますが、この「CROSS†CHANNEL」は「オトギフロンティア」などのブラウザゲームでのコラボはあるものの、基本は当時を知る人のみが推している作品になりつつあるかもしれません。どうしてこんなに好きな人がいるのか、この座談会で掘り下げていければいいかと。
SIGH:カワチさんと自分は10年ぐらい年代が違うのですが、それでも“美少女ゲームに興味があるなら「CROSS†CHANNEL」は知っているよね”という存在でした。メディア展開しているわけでもないのにすごいですよね。
TOKEN:美少女ゲームというジャンルを語る流れのときに、必ず含まれる作品のひとつという印象はありますね。
カワチ:「CROSS†CHANNEL」は奈須きのこさんが日記で“越えられない壁”として表現したことが衝撃でしたね。そのことで知名度を上げた印象があります。また、「CROSS†CHANNEL」は2003年発売ですが、この時期は美少女ゲームが大きく盛り上がりましたよね。LeafやKey、TYPE-MOONといった読ませる系のゲームも流行していましたし、他方で泣きゲーとは正反対のジャンルであるアトリエかぐやがデビューしたのもこの時期でした。
TOKEN:メディアミックスの流れが生まれてきたことも大きいかなと思います。年齢的に触れられないものがコンシューマの移植だったりアニメ化やコミカライズによって接点が生まれ、知ることができるようになったのかなと。自分は成人していなかったので、電撃G's magazineを読んで興味を持ったタイトルでも年齢的にやれなかった作品も結構あり、歯がゆい思いもしましたね。後にコンシューマ移植もされましたが、橋本タカシさんが原画を手がける「ホワイトブレス ~with faint hope~」は、イラストがすごい好きだったのに年齢的にやれなくて悲しかったです(笑)。
カワチ:成人していた自分は美少女ゲームのコンシューマ版というものの魅力がイマイチ分かっていなかったのですが、これはこれでしっかり需要があったんですね(笑)。
TOKEN:むしろバリバリありましたよ!(笑) 自分はコンシューマ版で多くの美少女ゲームをプレイしていたので当時のKIDさんやアルケミストさん、NECインターチャネルさんなどにはお世話になりました。SIGHさんはいかがですか?
SIGH:自分は後追いです。テン年代前後からゼロ年代の作品を追い始めて、そのなかでニトロプラスやライアーソフト、ねこねこソフトなどのメーカーに出会いました。当時は大学生でめちゃくちゃヒマだったのでアドベンチャーゲームをやりまくっていました。今はもうそんなことはできないですが、当時は朝起きてパソコンを起動してずっとプレイして、ご飯を食べている間もオートプレイで進めて、また、寝るまでプレイするということをよくやっていました。自分自身は移植版というよりは全年齢版のアドベンチャーゲームに「ひぐらしのなく頃に」から触れていって、大学生ぐらいのときに18禁のアダルトゲームをプレイする機会が増えていった形です。そのため移植版のゲームはあまり触れていないですね。
TOKEN:自分は18歳以上になっても移植を中心にプレイしていました。ただ、どうしても表現的に移植できないものとか、移植をすることで表現を損なう作品もありました。minoriさんの「ef - a fairy tale of the two.」などはそういう理由からオリジナル版をプレイしました。やはり時代的なものによって、それぞれ作品との接点も違うんだなということを感じますね。
SIGH:自分の場合は大学から自分のパソコンを持ったというところも大きいかもしれないです。住んでいたのは田舎だったのですが、それでも往年の名作はショップに売られていました。
TOKEN:当時はダウンロードがあまり無くてパッケージが主流の時代でしたね。美少女ゲーム売り場に行くのは少し抵抗があったので、移植を探していました(笑)。
カワチ:あまり変わらないような気もしますが、やっぱり違うんですね(笑)。
TOKEN:アダルトが恥ずかしいというよりはセクシャルな表現全般が苦手だったんです。そのため、移植があるなら移植でプレイするというスタンスでした。表現の違いをどう捉えるのかという部分は難しいところではあるのですが、自分は万人に受けるものを好む傾向があるので、そういう意味でも全年齢版をプレイしていましたね。

SIGH:なるほど。自分は今はカードショップになってしまったゲームショップの奥のほうにあったフロアでいろんな美少女ゲームを買った思い出があります。原作至上主義みたいなところがあるので、PCがあるならPCでやりたいという思いがありました。実家住みではあったのですが、そこはとくには気にしていなかったです(笑)。
TOKEN:自分はPCでも全年齢のものは買っていましたね。日本ファルコムさんのRPGなどのほか、アドベンチャーゲームも多かったです。工画堂スタジオさんの「シンフォニック=レイン」は自分のベストに近い作品ですね。こういった作品は普通に買っていたので、どれだけアダルトの美少女ゲームを買うのを恥ずかしがっていたんだという話になるのですが……(苦笑)。
SIGH:全年齢のPCゲームは同人ゲームをめちゃくちゃプレイしましたが、それは別の話になっちゃいそうなので今回は止めておきます(笑)。
TOKEN:(笑)。現在のアドベンチャーゲームは別の方向で活発になっていますが、美少女ゲームという観点で考えると、2003年はものすごい活発な時代でしたね。
SIGH:そうですね。めちゃめちゃ勢いがあったなと思います。
カワチ:ゼロ年代のコンテンツが好きな人を“ゼロ年代の亡霊”なんて揶揄したりもしますが、亡霊になっちゃう気持ちも分かりますよ!(笑) 本当に濃い作品だらけです。
TOKEN:ひとつひとつの作品が本当に素晴らしかったですね。今と比較してという話ではないですが、すごくいい作品ばかりでした。
カワチ:確かに。
TOKEN:RPGだと20年前のゲームをプレイすると古いなと感じてしまうことも多いですが、ノベルゲームはテキストが主体で古びないので、いつやっても楽しめるというものも長く愛されている理由なのかなと思います。時代が早かった表現や前衛的な作品が再評価されている流れもあるのかなと。
SIGH:確かに。「ピエタ 幸せの青い鳥」や「さよならを教えて ~comment te dire adieu~」といった作品も近年ふたたび話題になっていますね。
TOKEN:「CROSS†CHANNEL」もリバイバル的なポジションになると思うのですが、こうやって昔の作品に触れる機会が増えることはすごくいいことだと感じています。20年ぐらい絶つと接点が無くなってしまうので。
SIGH:昔の作品のダウンロード版が増えてきたなという印象です。最近はパソコンにディスクドライブが標準搭載されていないこともあり、ダウンロード版で買えるものは買い直した作品も多いです。
進路に影響を与えるまでに至った作品
カワチ:では、ここからは「CROSS†CHANNEL」の魅力について話していければと考えています。おふたりがプレイしたときの印象を聞かせてください。思い入れのあるシーンなどがあればぜひ。
SIGH:自分は最後の太一の放送シーンですね。
カワチ:いきなり最大級のネタバレ!
SIGH:すいません(笑)。
カワチ:まぁ、具体的にどういう放送だったのか言わなければ大丈夫……かな。
SIGH:自分は「CROSS†CHANNEL」をプレイしていたときは思春期ということもあって生きづらさを抱えて生きていました。正直な話、とても希死念慮が強かったんです。“なんでこんなに自分は人より劣っているんだろう”考えることが多かった。ただ、「CROSS†CHANNEL」の太一に生きてくださいと言われて、生きるしかねぇなと思いました。
カワチ:なるほど。ええ話や。
SIGH:大学は福祉系に行ったのですが、「CROSS†CHANNEL」の影響で心理学を専攻して卒論はパーソナリティ障害について書きました。このとき冬子が境界性パーソナリティ障害なのではないかと考えることができ、各キャラクターの理解を深めることができましたね。

TOKEN:「CROSS†CHANNEL」は“人を描いている作品”だなと思います。主人公の太一がメインになっていますが、それぞれのキャラクターのパーソナリティもしっかり描いている作品です。いい意味でおもしろさに波が無い作りになっていて、芯となるものを描き続けていると感じるんです。自分が最初にプレイしたときは記事を書くためでしたが、とにかく先を読みたいという気持ちで進めていました。こんな風に思える作品はなかなか出会えないので、やはりすごいなと。
カワチ:確かに。自分は物語のテーマやキャラクターにも感動しましたがギャグが面白いところも評価しています。美少女ゲームのなかには日常パートが退屈に感じてしまう作品もあるなかで「CROSS†CHANNEL」はセンスがすごくいいなと感じました。
SIGH:そうですね。そこはとても重要だと思います。

カワチ:みなさんはループものとしての印象はいかがですか? 自分はまだあまりループものに触れたことがなかったこともあり、この仕掛けが明かされたときはとても驚きました。
SIGH:自分は先ほども述べたように「ひぐらしのなく頃に」から入ったので戸惑うことは無かったです。ただ、構造の描き方がうまいなとは思いました。本作はギャルゲーのフォーマットを皮肉ったというか、アンチテーゼの構造になっているのがおもしろいなと。キャラクターの設定もツンデレや委員長といったテンプレを解体しているのが痛快でした。

TOKEN:ループものについて考えたとき、純粋なループではないですが、ゲームのサイクルと相性がいいなと感じたのは「CLANNAD」です。恋愛対象のいるゲームは構造自体がループのようなサイクルになると思うのですが、「CLANNAD」の設定はそのゲームサイクルとの相性の良さを感じましたね。あと、ゲームではなくアニメになりますが「ゼーガペイン」は好きでしたね。
SIGH:自分はアニメをあまり観ないほうですが「ゼーガペイン」は大好きです。
TOKEN:ループという仕掛け以外にも叙述的なトリックを使ったゲームも当時は多かったなと思います。書いてあることが正しいとは限らなかったりとか、表現に意図的なメタを仕組むという表現で、これは「CROSS†CHANNEL」の冒頭にも使われていましたね。要は同じ時間の流れをひとつ進んでいるように見せかけて、じつは違うんですよと後で答え合わせをする手法ですが、やっぱりジャンル的に相性がいいなと。とくに「車輪の国、向日葵の少女」の仕掛けは本当にうまかったですね。
カワチ:あのシーンは明かし方がすごくよかったです。
TOKEN:序盤の展開についても公式サイトでメインキャラクターのように紹介されていた人物がすぐに命を落とすなど、ユーザーを驚かせる仕掛けがうまかったです。そういった作品内の外も含めた仕掛けを用意する作品が増えてきた時期だったのかなと思います。「CROSS†CHANNEL」も表面的に出ている情報と作中で描かれる情報が相当違う作品だったので、そういったところも評価されるポイントだったのではないかと思います。

カワチ:キャラクターを閉じ込めるループという構造に関しても、精神的な檻と、学園という檻、そして時間という檻の3重構造になっていて凝っていましたね。ただのループじゃなかった。
TOKEN:ええ、そうですね。ほかの類似作品と比べても完成度の高い作品です。今の時代にプレイしても普通に楽しめると思います。
カワチ:いちおうループの謎に関しては曜子ちゃん(支倉曜子)が量子論で説明をしてくれますが、正解はないんですよね。

SIGH:その部分に関してはあまり語らないのが好きです。主題ではないですし、SF的な仕掛けを使ってなにを描くかという話なので、答え合わせはなくてもいいかなと思いました。
太一の過去が明らかになってから一気に引き込まれる
カワチ:おふたりの好きなキャラクターは誰でしょうか? ラバ(桜庭浩)はみんな好きだと思いますが(笑)。
SIGH:好きというか共感したキャラクターは佐倉霧です。彼女は物事を白か黒かでしか考えないところがありますが、当時の自分もかなり極端だったので自分に似ていると感じていました。

カワチ:霧というと、人の悪意に敏感すぎるようなところですかね。
SIGH:そうです。ただ、各キャラクターは誇張されているとはいえ、グラデーションとしては誰もが持っているものだと考えています。「CROSS†CHANNEL」に登場するキャラクターの誰にも共感できない人はいないんじゃないかなと思います。
カワチ:確かに人間なら内面に誰しもが持っているであろう答えの出ない悩みを描いている印象があります。
SIGH:黒須太一に関しても最初は下ネタばかり言っているよくわからない主人公だなと思うのですが、ゲームを進めていううちに彼の過去や悩みが明らかになっていきますよね。ひとりひとりのキャラクターと向き合うということをしなければいけない作品なので、そのなかでそれぞれのキャラクターのことも分かっていき、彼らの悩みをプレイヤーである自分自身にも照らし合わせていく……という仕組みのゲームになっていると思います。

TOKEN:自分はキャラクター造形が普通の人のほうが好きになりやすいので「CROSS†CHANNEL」だと美希が好きですね。節々から人間らしいところを如実に感じるキャラクターでした。
カワチ:彼女の“自分は死にたくない”という行動原理は霧の“人の悪意に敏感”と同じぐらい感情移入しやすかったです。

TOKEN:自己愛もあの空間によって増幅されただけであって本質的には普通の女の子なのかなと思います。適応係数的な問題で行動が過剰になってしまい、人を犠牲にして傷をつけてしまうこともあると思うのですが、ベースとしては人間誰しもが持ちうるものだと思っています。
カワチ:リセットされたときの美希が本来の彼女であることは分かりますね。
TOKEN:そうですね。人が気を張ったときの姿だったのかなと思うし、自分を保つためにやった行動の結果として、ああいうことになったのかなと。そういう意味で自分は美希に感情移入しましたね。

カワチ:自分も美希が好きですが、今回の座談会のために久しぶりにプレイしたら冬子がいいなと(笑)。全力でツッコミをしてくれるのもおもしろいし、太一が手を貸さなかった場合は高確率で餓死を選ぶのが尊いなと。
SIGH:めっちゃ不器用だなと思います。
カワチ:ジャガイモをもらって美味しそうに食べるところもかわいい(笑)。あとは、男キャラクターたちがやっぱりいいですね。声優さんも大御所さんだらけで。桜庭に関しては自分はどうしてもオリジナルの十文字隼人さんの芝居が浮かんでしまいますが、家庭用版以降はずっと山崎たくみさんなので今からプレイする人は違和感ないのかな~と。十文字さんがオーバーな演技をする一方で山崎さんは抑えた芝居なので、ギャグシーンなどはけっこうニュアンスも違うのですが、どちらの桜庭もいいと思います。

SIGH:新川豊を演じる堀川りょうさんの芝居もいいですよね。
カワチ:今はベテランならではのどっしりとした演技が多いので、「CROSS†CHANNEL」の演技は今聴くと新鮮だと思います。
SIGH:爽やかな青年といった雰囲気ですもんね。

カワチ:自分は太一が豊に「なぜ今すぐ飛び降りないんだ?」と伝えるシーンがとても印象に残っています。このシーンの前にも不穏な雰囲気はありましたが、おちゃらけていた太一の恐ろしい一面が明かされるので一気に引き込まれました。
SIGH:太一の適応係数が高い理由が分かります。
カワチ:太一の屋敷での生活が明かされてからは読むのが止まらずに最後まで一気にプレイしてしまいましたね。このゲームはヤバいぞと。
TOKEN:入口はヤバそうな匂いがしないので中盤からのギャップに驚きますね。
SIGH:序盤は学園の放送部が頑張るというストーリーに思えますよね。
TOKEN:ゲームの2周目から不穏なところが見え始めて、それがどんどん増していって……という感じでギアが上がっていきますね。
SIGH:いちばん驚いたのは冬子が腹を切って部屋にやってくるシーンですね。ここでこのゲームはヤバいかもと思いました。
TOKEN:もとの作品が年齢制限のあるゲームだからというのもあると思うのですが、普通のゲームでは考えられないシーンも多いですし、中盤以降はどんどん人が死んでいきます。しかも描写もエグいんですよ。「なんか死んでた」みたいな淡々とした軽い描かれ方をしていて。異常性が顔を見せはじめるんですよね。

カワチ:美希や曜子ちゃんといったキーとなるキャラクターたちがそれぞれの思惑でバランスを保つために裏で動いていたことも明かされていきますね。最初は平和そうに見えますが、群青学園も普通に会話ができる生徒も3分の1程度しかいないという設定ですが、その設定の説得力も増していきますね。

SIGH:適応係数が30%を超えると社会に適応不能と言われていて、群青学園に通うキャラクターは45%前後、そして太一は84%ですね。
カワチ:「CROSS†CHANNEL」のメインキャラクターたちは一見すると普通にコミュニケーションを取れているように見えますが、実際はそうではないんですよね。
SIGH:まともそうに見えるみみみ先輩(宮澄 見里)も適応係数は30を超えていますね。
カワチ:みみみ先輩は自傷癖の持ち主ですが、物語の後半で屋上から飛び降りる彼女を太一が遠くから確認するシーンがゾッとしましたね。直接的な描写じゃないからこそ怖かったし、物語の表で描かれていない部分ではこういうループがたくさんあったと思うととても衝撃でした。2025年の現代だとループものというだけでは驚かないと思うのですが、「CROSS†CHANNEL」はそういうジャンルの枠組を超えて驚きのある作品だと思っています。
SIGH:今はもう「CROSS†CHANNEL」がループであるということはあまり隠さない雰囲気ですし、むしろ1個のジャンルとしてループものが好きだという人にオススメしたいです。
カワチ:ちなみに、おふたりはみみみ先輩の印象はいかがですか? けっこうオフィシャルでも不人気であることをネタにしていましたが(笑)。
TOKEN:そうなんですか? ぜんぜんいいキャラクターだと思いますけどね。
カワチ:太一を作り上げたキャラクターですよね。彼女が部活に誘ったから太一は踏み止まれたわけですから。
SIGH:ですね。みみみ先輩の善性があるからこそ太一の怪物性を抑えることができた。
TOKEN:「CROSS†CHANNEL」の危険な部分を隠してくれていたポジションですね。その分、ちょっとヒロインっぽくないのかもしれないですね。母親みたいなポジションだと思われているかもしれません。
カワチ:確かに。

TOKEN:印象に残ったシーンですが、自分は美希のリセットシーンですね。抱え込んできたものがすべて吹っ飛んだあとの本人の姿が描かれたシーンなのですごく印象が残っています。「CROSS†CHANNEL」はこの空間だからこそ描かれる印象的なシーンがたくさんありますが、そのなかでもこの美希のシーンはとても心に残っています。
SIGH:特定のシーンというわけではないですが、自分はCROSS POINTのルートが印象深いです。冬子が餓死をして太一が暴走して、その後の霧とのやり取りのなかで新川豊との過去が明らかになって……という展開は衝撃でした。
カワチ:これから「CROSS†CHANNEL」をプレイする人はぜひそこに注目してみてくださいということで。さて、そろそろこの座談会も終盤ですが、この機会にNintendo Switch版をプレイする人に向けて伝えておくことってありますかね? 下ネタが多いというところは避けては通れないかなと。
SIGH:今プレイすると「ゼロ年代だな」って感じがしますね(苦笑)。今回はコンシューマの「CROSS†CHANNEL ~To all people~」なのでいろいろ抑えられているとは思いますが、それでも太一の言動や行動が気に食わない人も多いんじゃないかと思います。堂島遊紗との過去のシーンで嫌悪してしまう人もいるかと。

TOKEN:作品のなかで描かれている犯罪のことも考えると危ない部分もあるのですが、逆にその空気感だからこそ生まれ得ないなにかがある作品です。表現をちゃんと調整してマイルドにするという現代の思考もズレてはいないと思うのですが、逆にそういうことをしっかり描くからこそ見えてくるものに意識を向けることも大事かなと思っています。
カワチ:描かれるものが普遍的なテーマでもあるのでいつプレイしても楽しめる作品かなと考えています。
TOKEN:そうですね。当時、自分が書いた記事でも普遍的だと書いた気がします(笑)。でも実際に今プレイしても楽しめるし、実際に普遍的な作品ではあると思います。
SIGH:時代背景が違うところはありますが、それを気にしないでプレイすればスムーズに触れると思います。
カワチ:美希が「ハリーポッター」のハーマイオニーに似ているという当時ならではのネタもありますが、まぁ問題ないかなと(笑)。あとは「CROSS†CHANNEL ~For all people~」なので本編のエンディングを迎えたあとにおまけシナリオをプレイしていくと最後に“トモダチの塔”が出てくるグロくて暗いシナリオをやることになるので注意してもらいたい!(笑)
SIGH:もともとは公式設定資料集で公開された没シナリオですよね。
カワチ:そうそう。おまけで収録されている。本編の謎も明かされたりするので一度はプレイすべきだとは思うけど、最後の余韻のあとにプレイしたくない(苦笑)。まぁ、“トモダチの塔”で嫌な気持ちになった人はもう1回本編をプレイしてもらうということで。
SIGH:そうですね(笑)。自分は「CROSS†CHANNEL」をプレイして自分のことを完全に知ってもらうことは不可能だし、相手のことを完全に知ることも不可能だということが分かり、いい意味で諦めることができて心が軽くなりました。やっぱり思春期に近い世代の人たちにこそ触れてもらった方がいい作品かなと思います。

TOKEN:言語化が難しい作品ではあると思うのですが、各シーンをどう捉えたかという違いをプレイした人のなかでコミュニケーションを取ってもらえれば魅力がブーストされるのではないかと思います。今回の座談会でもそれぞれの捉え方が異なって興味深かったですし、ぜひ語り合ってみて欲しいです。それだけの価値があるゲームだと思います。
カワチ:今回、ジー・モードさんから限定版のサンプルも用意していただきましたが、これもすごくいいですね。若い人たちに遊んで欲しいという話をしましたが、一方で限定版は当時のファンこそうれしいんじゃないかと思いますね。


TOKEN:ファンブックが最大の目玉かなと。初期プロットと原画集が掲載されているんですよね。
カワチ:PS3/PSvita版の限定版特典として付いてきた“特製CROSS†CHANNELブックレット”の再編集ですね。予約特典だった原画集もミックスされており、もう手に入りづらいのでうれしいです。

TOKEN:ゲームのプロットってあまり見ることがないので新鮮です。クリアしたあとに読みたいですね。本編との違いを確認するとおもしろそうです。
SIGH:冬子の名前は初期設定だと違うんですね。プロットにオチが未定と書いてあるのも興味深いです。エンディングは決まっていなかったんですね。
TOKEN:とはいえプロット段階でベースとなる部分はしっかり組み立てられていたんですね。セリフもしっかり書いてあるし丁寧です。原画集も背景原画などもあって見応えあります。

SIGH:各キャラクターの髪型や制服も初期設定だとデザインが違ったりしていておもしろいです。
カワチ:あとはアクリルパネル、タペストリー、アクリルキーホルダーです。
TOKEN:アクリルキーホルダーは定番アイテムだけどうれしいですね。部屋に飾るスペースがあるので一緒に並べたいです。

カワチ:この時代に「CROSS†CHANNEL」のアクリルキーホルダーを部屋に飾れる感動……。(泣)。アクリルチャームもどっしりとした形でいいですね。自分は不注意で小物を壊してしまうことが多いので、このしっかりした作りはありがたいです。

SIGH:タペストリーもB2サイズなので広げてみると大きいですね。最近、引っ越しをしたので新居に部屋に飾りたいなぁ。

カワチ:やっぱり物理的なファンアイテムはいいですね。QOLをあげてくれますもん。こういう限定版は機会を逃すと手に入らなくなってしまうので、ぜひ早めにゲットして欲しいですね。というか自分も買います(笑)。

商品情報
タイトル:CROSS†CHANNEL ~For all people~
プラットホーム:Nintendo Switch
発売日:2025年12月4日(木)
ジャンル:学園青春アドベンチャー
価格:限定版 14,980円(税別)、通常版 7,480円(税別)
プレイ人数:1人
対応言語:日本語
レーティング:CERO D(17歳以上対象)
パブリッシャー:ジー・モード
開発:レジスタ
シナリオ:田中ロミオ
原画:松竜
公式サイト:https://gmodecorp.com/cs/crosschannel
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