アニメCGを短時間で制作可能!モーションキャプチャーも可能なNext Media Animation台湾スタジオをレポート

発表会・イベント取材
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Next Media Animationは5月31日、台湾の同社スタジオでメディアツアーを行った。CGアニメ制作現場やモーションキャプチャースタジオの様子をレポートしよう。

Next MediaグループでアニメCG制作を担当するNext Media Animationの台湾スタジオを取材することができた。

日本市場での展開を加速

Kith Ng氏
Kith Ng氏

ツアーの冒頭、Next Media Animation 執行長 Kith Ng氏が解説した。

Next Mediaは、香港と台湾で新聞「蘋果日報(Apple Daily)」を発行する企業。香港では、人口700万人に対し40万部を販売している。台湾版は2003年に創刊され、カラー写真やイラストを多用した紙面が特徴だ。台湾での創刊当初、「台湾と香港のメディア文化が異なり、台湾市場に合わないのではないか」と言われたそうだが、今では台湾でトップシェアを獲得している。

今回取材したNext Media Animationは、Next MediaグループでCGコンテンツ制作を担当する企業だ。アニメCGを使ってニュースを解説する「TomoNews」を中心に、新感覚のコミック「TomoToon!」、オリジナルアニメ「TomoAnime」、ゲームコンテンツ「TomoGames」をnxTomo事業として行なっている。

TomoNewsでは、アニメCGを用いてニュースをわかりやすく解説する。既存メディアではレポーターが事件発生後の現場からレポートをするのに対し、アニメCGでは事件発生前や発生時の状況をわかりやすく報道することが可能だ。

1本のニュースに対し30秒から1分程度のアニメCGを制作。ゲーム開発などで用いられるモーションキャプチャー技術を使い、90分の製作時間で30秒のアニメCGを制作することができる。現在では、通信社Reutersといった海外メディアへアニメCG動画のOEM供給も行なっている。

TomoAnimeは、オリジナルコンテンツのアニメを制作。マルチクリエイター・広井王子氏を日本法人のCCOに迎え、東京デザインスタジオを開設している。すでに10名以上のクリエイターが在籍しており、モバイル環境での視聴を想定したアニメーションを中心に制作を進めているという。

TomoToonは、漫画とアニメを組み合わせた動く漫画で、配信中の「ダブル・ハード」に続き、7月からは「クロカン」の配信も開始される予定だ。香港・台湾での視聴数は毎日10万以上を記録している。TomoToonの開始前、アニメや漫画ファンにリサーチを行ったところ、肯定的な意見と否定的な意見に大きく別れたという。その結果、ライト層に受け入れられると分析、日本でのリリースも予定しているそうだ。

TomoGamesでは、スマートフォン向けアプリなどのサービスを行なっており、日本国内でiOS「ふわふわフラッフィ」やiOS「犯罪人生ライフイズクライム」を配信している。

徹底した分業化と効率化によりスピーディーなアニメCG制作を可能にしたTomoNewsスタジオツアー

今回のスタジオツアーでは、TomoNewsのアニメCGが完成するまでの制作フローと、同社のモーションキャプチャースタジオの紹介が行われた。

同社は、制作スピードを重視しており、アニメCG1本を、シナリオやモーションキャプチャーを含め90分程度で制作可能な仕組みを構築している。

各部署が分業し、成果物をパズルのように組み合わせることでスピードを実現したほか、デジタル化によって変化するニュースに合わせた修正作業も短時間で行うことが可能だ。

制作に必要とされる素材は、社内のデータベースに保存されており、ニュース内容にあわせて、モデルを選択・修正することができる。このシステムは、任天堂Miiのキャラクター作成からヒントを得たという。

人の動きのデータ化にはモーションキャプチャー技術を採用。モーションキャプチャーを用いることモーションを短時間でデータ化することが可能となっている。また、レンダリングにもゲーム技術を応用しており高速化を図っている。

ライターの執務エリア。日本のテレビ放送が流れていたり、各種雑誌も置かれていた。
カットの呼び方や人物の表現ルールなどのメモも各所に貼られていた。

コンテンツオフィス

随時行われる全体ミーティング
随時行われる全体ミーティング

コンテンツオフィスは、絵コンテを担当する。ライターが書いた原稿を基に絵コンテを起こし、内容を各部署に共有する。

絵コンテでは、1カットを1人が担当。絵コンテの制作データは、描いている絵がリアルタイムで共有され、自身が担当する前後のカットの状況を確認しながら作業を進めることが可能だ。また、絵コンテの段階で順次必要なモデルを発注。人物であれば、年齢・性別・服装など詳細な指示を出していく。

モデル

モデルは、各素材を準備・制作する。人物・服・建物・乗り物・植物といった身の回りの物から、国や惑星まで多彩なモデルがデータベースに保存されている。日本の町並みや有名人などニュースに登場するあらゆるモデルを確認することができた。データベースに存在しないモデルは、新たに作成したり、既存のモデルをカスタマイズして使用するそうだ。

人物の服装などは自由に着せかえが可能で、まるでゲームのキャラクタークリエイト画面のようにも感じられた。

モーションキャプチャー

モーションキャプチャーでは、人物の動きをデータ化。過去に制作したモーションもデータベースに保存されているので、「椅子に座る」といった基本動作は、データベースのモーションを利用できる。

同社は、ニュース専用スタジオとその他の業務に使用するスタジオ、計2つのモーションスタジオを備えている。

このスタジオでは、計8名の俳優が2シフト制で1年中撮影を行なっているそうだ。舞台やテレビでの演技経験者が俳優を努め、1日に600ものモーションを撮影している。俳優は、コンテンツオフィスが描いた絵コンテを見ながら演技、ディレクターが演技と同時にモーションを確認し、その場で修正を加えることで、より短時間での撮影を可能にしている。

ディレクターが俳優に演技を見せながら指示する場面もあった。

実際にスタジオで見ていると、撮影・モーション確認・ディレクターによる修正の流れが次々と繰り返されており、まさにモーションを量産していると感じた。

撮影後、隣の部屋に移るとすでにモーションがアニメCG化されていた。

アニメーション

アニメーションはモデルを動作させる部署。ドアが開く、天体が回るといった物体の動作を担当している。計24人で作業を行い、同時に4本のアニメーション作業が進行する。

音響効果

アニメーションのラフが完成した時点で音響効果にもデータが共有され、効果音や爆発音が制作される。アニメーションと同時にサウンドも完成する流れだ。

編集

最後に編集が全てのデータを組み合わせ、アニメCGが完成となる。現場では次々と作業が進められ、コンテンツオフィスから編集までを最短90分で遂行可能な流れを確認することができた。

新たな技術も開発

同社では、日々新たな技術開発が行われており、その一部を見ることができた。

ひとつは、MicrosoftのKinectを用いて顔の動きをキャプチャーするソフトウェア「FaceShift」と、カメラやライトを組み合わせたもので、顔や物体の3Dモデルを短時間で作成できる。

このマシンには12個のLEDを束ねた331個のライトユニットと6台のスチールカメラが球状に設置されている。起動させるとライトの光の加減が次々に変化し、同時にスチールカメラのシャッターが押され、さまざまな状況で対象物が見せる表情を瞬時に撮影できる。

撮影した画像から3Dモデルを2時間で作成でき、3DモデルとFaceShiftのモーションを組み合わせることで、3Dキャラクターが完成する。

また、頭の上にKinectを載せ、顔の前に鏡を設置し、身体のモーションを撮影しながら、顔の表情もリアルタイムに撮影することもできる試みも紹介された。

もうひとつは、Google Mapsのデータから街の3Dモデリングを構築するソフトウェア。既存のソフトウェアに独自に開発したソフトウェアを組み合わせることで、車や人の数、看板やガードレールの配置など、さまざまなものを任意に変更できる。遠景で使用する街などであれば、どんな街でも数分でデータ化できるそうだ。

※画面は開発中のものです。

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