角川ゲームスは11月6日、文化放送メディアプラスホールにてニンテンドー3DS「メタルマックス4 月光のディーヴァ」発売前夜祭を開催、出演声優やゲームクリエイターを招いてトークショーやアーティストライブを披露した。
ついに2013年11月7日に発売を迎えたシリーズ最新作「メタルマックス4 月光のディーヴァ」発売前夜祭では、文化放送超A&G+にて放送中の「メタルマックスラジオ」リスナーを招いて、出演声優やゲームクリエイターのトークショー、アーティストのライブなど盛りだくさんの内容で開催された。
「メタルマックス4 月光のディーヴァ」
「戦車と犬と人間のRPG」メタルマックス。1991年にファミリーコンピュータで第1作目が発売され、いわゆる“剣と魔法の世界”ではなく、荒廃した近未来を舞台にしたこの作品は、従来のRPGに飽きたユーザーから好評を博している。
それから時を経て、2010年にニンテンドーDSで発売された「メタルマックス3」。この「3」のシステムを大幅に改良・発展させて、2011年にシリーズ屈指の名作「2」を“完全新作”としてリメイクした、「メタルマックス2:リローデッド」。そしてついに、「メタルマックス」シリーズの最新ナンバリングタイトルとなる「メタルマックス4月光のディーヴァ」がニンテンドー3DSで登場!
キャラクター、クルマ、モンスター、ワールドマップに至るまで、シリーズ初となる3Dフルポリゴンで描き、より臨場感を増したグラフィックで「メタルマックス」の世界をニンテンドー3DSで実現している。
ゲームデザイン「宮岡寛(ミヤ王)」氏、サウンド「門倉聡」氏、オリジナルキャラクターデザイン「山本貴嗣」氏といった、第1作目の「メタルマックス」(1991年5月24日ファミリーコンピュータ版)開発に携わったクリエイターが再集結。オリジナルスタッフによる新しい「メタルマックス」がここに誕生する。
たくさんのファンが集まった「メタルマックス4 月光のディーヴァ」発売前夜祭
MCは「BAN BAN BAN」が担当!
往年のファンや出演声優、アーティストのファンも集まった発売前夜祭のメインMCは吉本興業所属のお笑い芸人「BAN BAN BAN」が担当。フリーザやばいきんまんの声を演じる「中尾隆聖」氏のモノマネが得意な山本正剛さんは、自身も「メタルマックス4 月光のディーヴァ」に声優として出演していることを明かし、担当するキャラクター「サソリスタン」のデザイン画と実際のボイスを再現した。
続いて、主人公・ヒナタ役の「下野紘」さん、ズキーヤ役の「白石真梨」さん、サーシャ役の「佐藤奏美」さんが登壇し、演じたキャラクターの印象や、ボイスの収録秘話などをたっぷりと話してくれた。その模様は後日公開予定なのでお楽しみに!
第1作目のクリエイターが集結!苦労が重なった制作秘話とは?
続いて、本作のゲームデザインを手がける「宮岡寛(ミヤ王)」氏、コンポーザー「門倉聡」先生、ディレクター「田内智樹」氏、プランニングディレクター「友野祐介」氏、プロデューサー「久保武史」氏が登壇。第1作目のクリエイターが集結して完成された本作の制作に関するトークを繰り広げた。
本作の制作で特に苦労した点について、宮岡氏は新たなアニメーションムービー導入のためのシナリオを書いて欲しいとのオーダーを受け、ずいぶん苦労して書き上げたと話し、特に台詞まわりを先行して書いたとのこと。制作期間は約1年ほど。サウンドを手がける門倉先生は開発の初期から携わり、宮岡氏がずっと望んでいた「歌」を採用し、ベートーヴェンにもこだわっており、音楽に関してもロックに縛られずに、新しいアレンジの楽曲も導入しているとのこと。「メタルマックス」らしいベースの低音もギリギリまで門倉先生が調整したらしい。
音楽以外何でも制作したという田内氏は、3Dフルポリゴンで描かれた世界や、登場するキャラクターやモンスターだけでも400体近く存在し、個々のアニメーションは約1500パターンを超えると話し、それに付随するカメラワークも膨大な数になり、ノイローゼになるくらいの作業をこなしたとのこと。カメラワークの手作業だけでも丸ヶ月を要したと田内氏は苦笑いしていた。また、戦闘時のスピードに関してプレイヤーが自由に設定できるようになっていることも明かされた。
プランニングディレクターの友野氏は、3D空間で自由自在に動けることにより、すべての街のすべての場所に的確なカメラを設定しなくてはならず、膨大なデータを取り扱う本作でかなり調整は大変だったようだ。生ポリゴンのイベントシーン制作にはボイスなどをあわせる頃には、開発中に見えなかったことも再現されることが嬉しかったと話した。
あまりこういった発表会などには登壇しないという、プロデュースを担当するエンターブレインの久保氏は、開発当初は宮岡氏や門倉先生、スタッフなどが制作したものを最後の最後の段階で確認した際、問題が発生し、一番ヒヤッとした時期だと話す。本作のシナリオのボリュームは、DS「メタルマックス2:リローデッド」よりも多くなっているとのこと。
本作のメインキャラクター制作のこだわりについて、シナリオを担当する宮岡氏によると台詞の量が一番多いのがサーシャになったと語られた。当日残念ながら登壇できなかったキャラクターデザインの山本貴嗣氏より、今回特別に貴重な設定資料が公開。
開発初期のコンセプトワークでは、主要なキャラクターの初期デザインが描かれており、サーシャは初期段階からあまり変化はなく、月光のメンバーであるズキーヤはかなりセクシーな印象。残念ながら容量の問題でボツとなってしまった「仮面の麗人」は謎っぽくてクールな姿をしている。
初期のヒナタはブーツを履いており、その後サンダルの方がいいのでは、とのことでだんだんと現在の姿に変わっていく。ヒロインであるズキーヤの初期デザインはちょっとケバケバしく、髪型も派手なセミロング。髪型の変更はかなりあったようで髪飾りを決めて、髪をしばって決定稿となっている。
主人公のヒナタを守るアンドロイドのサーシャは、髪の毛を使った攻撃や自己修復機能の設定も細かくデザインされ、衝撃のサーシャバイクの第一稿も公開。また、大きくデザインが変更されたのが初期に「武士ライダー」と名付けられたキャラクター。実はイケメンライダーの「ウキョウ」なのだ。当初は武士らしい装備とヒゲとちょんまげでゴツいデザインだったとは、驚き。
150人ものキャラクターが登場する本作のアフレコの収録現場での印象として、宮岡氏は収録の際に1週間くらい参加すれば大丈夫と思ったところ、実際には約2ヶ月間びっしりと参加したと明かし、田内氏は声優陣のものすごいテクニックに驚いたと話し、開発陣が出すオーダーに細かい調整をしてくれる釘宮理恵さんには特に驚かされたと話している。
久保氏はアニメーションムービー部分の収録の際、文字情報とちょっとした絵コンテのみの「字コンテ」での収録なのにタイミングなども素晴らしく、本作に新たな生命を吹き込んでくれたと話す。ちなみに宮岡氏がボイスを担当したキャラクターも登場するとのことなので、ぜひゲーム内で探してもらいたい。
楽曲を担当する門倉先生からは、心がほっとするようなどこか懐かしい楽曲「明日のうた」について、わらべうたのようなずっと語り継がれているような曲にしてほしいと宮岡氏よりオーダーを受けて苦労して作ったと明かす。シナリオに関して宮岡氏はこの楽曲を使うシーンを、一番最初に決めたらしい。
また、ゲーム開始1時間くらいは楽曲はまったく「メタルマックス」していないらしく、その後思いっきり「メタルマックス」するとのことなので新旧のファンも楽しそうだ。ゲーム内でズキーヤがゲーム内でも弾くピアノ楽曲は実際に門倉先生が弾いているもの。
戦闘時の楽曲とメインテーマはシリーズ通して、基本の形を変えずにアレンジを重ねてきており、これ以上変えられないので次回作は違う曲にしようと門倉先生からの提案も。
ライブステージ
本イベントの最後には、オープニングテーマや挿入歌などをライブステージで披露。まずはアニソン・ヴォーカル・アイドルユニット「i☆Ris」から澁谷梓希さんが本作のオープニングテーマ「EDGE OF HEAVEN」を熱唱。
続いて、早着替えで澁谷梓希さんが合流した「i☆Ris」のメンバー「山北早紀」さん、「芹澤優」さん、「茜屋日海夏」さん、「若井友希」さん、「久保田未夢」さんが登壇。歌を披露する前にゲーム内のメモリーセンターに登場するキャラクターが公開。なんとi☆Risの全メンバーが再現されており、なんと彼女たちと結婚することも可能(ゲーム内で)!「幻想曲WONDERLAND」を元気いっぱいに歌いあげてくれた。
そして最後を飾るのは、ズキーヤの声を演じる白石真梨さんが挿入歌「明日のうた」を門倉先生の演奏とともにしっとりと熱唱。リハーサルでこの曲を聞いて感動しまくったBAN BAN BANの鮫島博己さんは、本番でも舞台袖で感動していたとのことだ。