東京ゲームショウ2014にてプレイアブル出展されていたUnity Games Japanの「Never Alone」と「Element4l」。シンプルながらパズルゲーム的な奥の深さを持つ、この2作品のプレイインプレッションをお届けする。
「Never Alone」と「Element4l」はUnity Games Japanよりリリース予定のプレイステーション4ソフトで、シンプルな内容と歯応えのあるパズル要素が魅力となっている作品だ。どちらもダウンロード用タイトルで、「Never Alone」は1500円、「Element4l」は1000円で配信される予定。非常にオリジナリティが高く、興味深い内容となっている両作の見どころを紹介していこう。
アラスカの氷の大地を舞台にした「Never Alone」
「Never Alone」はアラスカの民間伝承をベースにしたパズルテイストのアクションアドベンチャーだ。プレイヤーは狩り好きの少女ヌナとホッキョクキツネを操り、さまざまな障害を乗り越えながら北極圏の氷の大地を旅していく。
ゲーム中ではジャンプしたりロープをよじ登ったりして、さまざまな障害を乗り越えていくことになる。いわゆる横スクロール型のアクションゲームで、操作はいたってシンプル。複雑な部分はほとんどないので、誰でも手軽にプレイすることができる。
面白いのは少女とキツネの操作を入れ替えながら進んでいくところ。キツネは身軽さを活かしてガケをよじ登り、そこからロープを降ろしたり、精霊を呼び出して先に進むための道を作ったりすることができる。こうしたキツネの能力を使って先に進めるようにしたら、女の子に操作を切り替えるというわけだ。また、それぞれのキャラクターを別々に操作する協力プレイも可能になっている。
ただし、キツネは体が小さいので、ときどき前方から吹いてくる吹雪を受けると簡単に飛ばされてしまう。キツネと女の子のどちらかが水に落ちたりするとゲームオーバーになるため、身を伏せて吹雪をやりすごしたり、吹雪が止んでいるときを狙って進んだりしなければならない。タイミングがシビアな場所もあるので、シンプルながら意外とやり応えがある。
ゴールまでたどり着くと、村が燃えているのを発見。果たして何が起こったのか……というところで試遊は終了となった。見た目は2Dの横スクロールアクションだが、ステージやキャラクターはいずれも3Dでしっかり描き込まれていて、非常に幻想的かつ美しいビジュアルになっている。女の子とキツネのアクションも大変かわいらしく、絵本を読んでいるようなほのぼのとした雰囲気を楽しめるので、ぜひ触ってみてもらいたいタイトルだ。
見た目はかわいいが中身はシビアな「Element4l(エターナル)」
「Element4l(エターナル)」は空気、氷、火、岩という4つのエレメンタル(元素)が合体した不思議なキャラクターを操作して、さまざまな難関を突破していく横スクロールタイプのアクションゲームだ。スタート時点では空気だけの存在で、ボタンをタイミングよく押してフワフワ浮きながら洞窟のような場所を進んでいくことになる。
何とかゴールするとエレメンタルをゲットし、氷に変身できるようになった。氷の姿になると坂になっているようなところを滑っていくことができる。これで、氷になってスピードをつけ、すかさず空気に変身して難所を超えるといったアクションができるようになる。このように、状況に応じて空気と氷を切り替えながら先に進んでいくというわけだ。
幻想的でヒーリング効果のあるような映像のため、一見すると癒し系のゲームに見えるが、実は途中で壁にぶつかると即ゲームオーバーとなるため、けっこう難しい。わずかなタイミングのミスが命取りになる、「電流イライラ棒」的なシビアな内容になっているのだ。今回の試遊版では3つ目の炎のエレメンタルを取ったところで時間切れとなったため、炎と岩は操作できなかったが、4つのエレメンタルを的確に切り替えながら進んでいくのは、かなり骨が折れそうだ。
実際、筆者は何度もミスをしてやり直しをするハメになったが、それだけに突破できたときの喜びは格別。極めつけの達成感を味わうことができる。また、失敗したら直前からやり直しせる上、なかなか突破できない場合は見本となるアクションも見られるようになっていて意外とストレスはたまらない。ちょっとした空き時間でも楽しめるので、個人的にはPS Vitaでもプレイできるようにしてほしいところだ。
どちらもシンプルながらやり応えはたっぷり。正直言ってまったくノーマークのタイトルだったのだが、思わずハマってしまい、時間いっぱいまでプレイしてしまった。サクっと遊べる手軽さがあり、価格も非常にリーズナブルなので、興味のある人はぜひ体験してみてほしい。