セガが2014年11月13日に発売するPS3/PS Vita用ソフト「電撃文庫 FIGHTING CLIMAX(電撃FC)」。本稿では発売前特集の後編と題し、新規参戦キャラクター「アキラ」「セルベリア」を含む計7名のキャラクター紹介をお届け!
目次
先日の前編に引き続き、発売前特集後編となる本日は、家庭用版からの新規参戦キャラクターたちを特集していく。
いずれも個性際立つキャラクターたちとなっているので、興味がある人はプレイ前にチェックし、使用感のイメージを高めておこう。
20周年記念は「二十年早いんだよ!」―セガの刺客・アキラを紹介!
CV:三木眞一郎
アーケード版ではボスキャラクターとしてプレイヤーの前に立ちはだかっていたアキラだが、家庭用版では満を持してプレイヤーキャラクターとして参戦を果たした。
アキラこと結城 晶は、言わずと知れたセガが作り上げた3D対戦格闘ゲームの金字塔「バーチャファイター」の主人公であり、八極拳を武器にした格闘家である。
「白虎双掌打(ビャッコ ソウショウダ)」「鉄山靠(テツザンコウ)」など多彩な必殺技を用いて、さまざまな年代のゲーマーたちに八極拳の極意を伝えてくれた古強者の一人だ。近年では違うタイトルの格闘ゲームに参戦するなど意欲的に活動している彼だが、原作シリーズでは意外なことに上級者向けキャラクターであった。
2D格闘ゲームにおける、いわゆる鉢巻きキャラクターとは一線を画したその性能の数々は、コマンド入力から技の振り方にコンボパターンまで、考えて戦うことの大切さを教えてくれるかのようなキャラクターとして存在していたため、大抵の初心者をジャッキーやリオンに鞍替えさせたとかしてないとか…。
そんなこんなもありつつ今回2D格ゲー界に舞い降りたアキラは、「電撃FC」のフォーマットに乗っ取り、シンプルに強く、しなやかに対応、アキラならではの多彩性をそのままに、誰でも気軽に使えるようなキャラクターに仕上げられている。
本作のプレイヤーキャラクターたちは、必殺技入力時にA・B・Cのどのボタンを押すかで性能が各々変化するが、アキラの場合は発動する技そのものが違うなど、かなりの独自路線を走っている。一打一打は強力で、発生の速いものから遅いものまで揃えられており、サポートのフォローも含めて近接に持ち込めば、バーチャよろしくの崩しや差し込みの持ち味を発揮してくれるだろう。
また、攻撃の特徴として挙げられるのはまず、その吹き飛ばし性能だろう。空中に浮かせてのコンボはもちろん、殆どの必殺技で横吹き飛ばしが発生するため、攻撃の終わりを必殺技で締める際は、一回の攻防での仕切り直しが起きやすい。良し悪しはありつつだが、サポート次第で遠近、攻め/固めパターンなどが多彩な形式で組み立てやすくなるので、プレイヤー毎に「何」を重きに置くかで、スタイルに違いが現れそうだ。
なお、ダッシュ入力も参戦キャラの中で唯一「ステップ」となっているため、「電撃FC」慣れしている人ほど、最初の内は操作に多少の違和感を覚えるかもしれない。ただし、ステップ中に前入力+Bで出せる「裡門頂肘・二式」の差し込み性能は光るものがあるので、出す使う側も出される側も、まずはその独特な距離を覚えることが先決だ。
※ゲーム中では特定条件を達成することで使用可能となる。
↓/←+A+B:「揚炮」
前方に素早く踏み込み、沈み込んだ身体からアッパーのような角度で拳を撃ち出す必殺技。
A+C:「鉄山靠」
前に踏み込みながら背中を当てる、アキラの代名詞とも呼べる技の1つ。移動距離が長く、中間距離からも差し込める上、大ダメージが期待できる。また、切り札ゆえにしゃがみガード不能となっているので、中下段崩しのアプローチとしても活用可能だ。
←/↓\→+B+C:「崩撃雲身双虎掌」(クライマックスゲージ2以上)
左右に手を広げる「崩撃」、そこから裏に回って背中を当てる「雲身」、とどめに両手掌底「双虎掌」から衝撃波を飛ばし、相手を画面端まで突き飛ばすクライマックスアーツの1つ。初段がヒットすれば必ず最後までフルヒットする、いわゆるロック系の必殺技だ。「バーチャ」シリーズではその入力難度の高さでプレイヤーを震え上がらせていたのだが、あれから10年たった今なら、筆者の功夫もそろそろ足りているのかもしれない。
「戦場のヴァルキュリア」より蒼の魔女「セルベリア」が参戦!
「戦場のヴァルキュリア」は、セガが展開している同シリーズの第1作目を飾ったシミュレーションRPG。
SLG+TPSアクションを掛け合わせた新機軸のバトルシステム「BLiTZ」をはじめ、PS3の次世代機らしさをユーザーたちに伝えてくれた水彩画タッチの鮮やかな風景、戦記物とそれ関わる人物たちを真正面から描いた王道を行くストーリー、後にTVアニメ化も成されるなど、現在でも高い評価を受けている名作の一つだ。
そして今回、「戦ヴァル」からプレイヤーキャラクターとして参戦することとなったセルベリア・ブレスは、ゲーム中では敵国の東ヨーロッパ帝国連合の指揮官の一人として登場するボスキャラクターである。銃弾・砲弾が飛び交う戦場を、古代ヴァルキュリア人の血脈たる超常的な力で制圧するその姿は、まさに誰が呼んだか“蒼の魔女”。
事実、その能力は比喩ではなく、初登場のセルベリアと相対した原作プレイヤーたちは、盛られ過ぎた「???」表記のHPと戦闘力を前に、「ああ、強制負けイベントか」と感じ、その後のゲームオーバーの画面でおっかなびっくり、エーデルワイス号にこれでもかというほど頑張ってもらい、勝機を見出したことであろう。個人的には同時出現の巨大戦車「ゲルビル」の方に詰んだ気持ちでしたが。
話を戻して、本作のセルベリアはヴァルキュリア状態のまま、槍と盾を持ったお馴染みのスタイルで登場。原作ゲームでは槍から放つ光線で障害を焼き払い、TVアニメではヴァルキュリア化したアリシアとの剣劇を見せてくれたが、「電撃FC」ではそれらのモチーフを活かしつつ、ボス感を感じさせるプレイアブルキャラといった性能に仕上げられている。
地上通常技はいずれも「もうちょっとだけ槍をぶん回してくれたら…!」という絶妙な加減に仕上がっているが、射撃必殺技「連光線」の強力過ぎる使い勝手を見れば、その発言も取り消せることだろう。さらに、姿を消しながら移動、ボタンによって追加攻撃も放てる必殺技「残影(空中可)」が、コンボに空中制動のアクセントにとキャラクターの根幹を支えている。中距離以遠で立ち回りたい性能だが、雪菜ともまた違った中距離タイプとして操作できるのが魅力といえるだろう。
ちなみに、セルベリアはアーケードモードで特定条件を満たすことで、アキラの代わりにボスキャラクターとして出現する。格闘ゲームならではの隠しボス形式となるので、思い思いの方法でCPU戦を試してみることをオススメする。
↓+A+B:「迫撃」
アスナの切り札のようなアッパーモーションで盾攻撃をし、カカト落としを決めて相手を地面に叩きつける二段攻撃。対空手段として心強い、麗しい打撃。
A+C:「専用特殊銃『Ruhm』」
規格外のマシンガン「Ruhm」で相手を射撃する切り札。弾速がすさまじく、一瞬で画面端に打ち込めるため遠距離からの奇襲技として有用。なお、原作では追加DLCのクリア特典として入手できた武器だが、こちらでも味方突撃兵がボスキャラ相当になれるほど強力な銃器であった。
←/↓\→+B+C:「閃光線」(クライマックスゲージ2以上)
前方に踏み込み、盾で相手を打ち上げ、相手を叩きつけた後に膨大な閃光線で追撃するクライマックスアーツ。地面が割れる大迫力の演出が、必殺技の威力を現しているかのようだ。
新規参戦サポートキャラクターを紹介!
パイ・チェン
CV:高山みなみ
アーケード版ではアキラ専用のサポートとして姿を見せていた「バーチャファイター」のパイ・チェンが、家庭用版ではアキラと共に選択可能キャラクターとなって登場。流派「燕青拳」を使い、父であるラウ・チェンを倒すため、数々のトーナメントに参加してきたシリーズを代表する女性キャラクターの一人であり、また「あなたには功夫(クンフー)が足りないわ」という彼女の言はあまりにも有名な台詞であろう。
サポートの能力は「突進系ラッシュ」「高速接近→打ち上げ打撃」。相手に長時間拘束を押し付けられるラッシュと、奇襲&コンボ用途に向いた蹴り攻撃で、立ち回りにアクセントをもたらしてくれる。
手数で押し切る+一発火力を備えている点は、原作のバトルスタイルがしっかりと受け継がれている証拠だろう。
S
素早い動きで左手と右手の突きを連続で繰り出し、トドメに回し蹴りをお見舞い。トドメの回し蹴りは画面端の壁バウンドを誘発するため、追撃できればダメージも美味しそう。
←or→+S
高速で近づき、飛び上がりつつ相手を空中に打ち上げる蹴り技。ヒット時は相手を高く打ち上げることができる。
アリシア
CV:井上麻里奈
「戦場のヴァルキュリア」のメインヒロインであるアリシアは、パン職人になるのが夢の女の子。徴兵により義勇軍第7小隊に配属され、祖国ガリアを守るため、主人公・ウェルキンらと共に、兵士として戦場に出撃する。しかし、アリシアは「セルベリア」と同じく古代ヴァルキュリア人の血を引いていることが判明。ひとたび覚醒するとおぼろげな意識で、戦場を圧倒するほどの強大な力が行使できるようになってしまう…。
一時期はその「人の命を奪う力」に苦悩することもあったが、愛するものを守るために力を奮うことを決意し、ガリア戦役を勝利に導くこととなった。ちなみに、原作シリーズの続編タイトルではしっかりパン職人になっているのでご安心を。
サポートの能力は「相手をサーチする飛び道具」「奇襲技」。使い勝手に癖がないので、誰とでも合わせられる万能タイプと言えるだろう。
S
手榴弾を相手の位置に向かって投げつける。手榴弾は相手との相対距離に関係なく、相手位置をサーチして飛んでいく。地面に落ちると爆発し、ヒット時には相手を空中に高く浮かせられるので追撃も可能だ。爆発時は原作演出の煙が巻き起こるのがファンには嬉しいところ。原作では偵察猟兵のライフルグレネードと同じく、お世話になったプレイヤーが多いことだろう。
←or→+S
プレイヤーキャラクターの前方にアリシアが登場し、ヴァルキュリアに覚醒。ヴァルキュリア化までは多少の時間がかかるものの、成功すれば相手をサーチして瞬間移動、背面から多段攻撃を繰り出してくれる。ヴァルキュリア化したアリシアにオーダーを重ね掛ける行為は、原作プレイヤーなら誰しもが通った道であろう、強い。なお、槍&盾のデザインがセルベリアと違っている点も注目どころだ。
ドクロちゃん
CV:千葉紗子
電撃文庫「撲殺天使ドクロちゃん」より、ヒロイン・ドクロちゃんが参戦。ドクロちゃんは将来の天才博士・草壁桜くんを“バカ”にするため、未来からやってきた「ぴぴるぴ~」を口癖に好き放題を行う天使だ。
スポーツマンシップの欠片もない「撲殺バット エスカリボルグ」を手に、気持ちが昂るとつい桜くんのことを血みどろに撲殺してしまう、天然と呼ぶには語弊がありすぎる、バイオレンス萌えヒロインの先駆けともいえるキャラクターといえるだろう。
約11年前の電撃文庫の看板といえば、このドクロちゃんであったことが記憶に新しい、と思っていたら11年前ということに自身の年月を感じずにはいられない…。切られても殴られても嬲られても愛だから仕方ないよねと思える人にオススメのキャラクター(作品)だ。
サポートの能力は「落下攻撃」「飛び道具」。なお、「ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ~♪」の台詞を聞くことができる、実にらしい荒業も備えているようなので、プレイ時には色々試してみて欲しい。
S
上空より出現し、急降下しながら多段落下攻撃を繰り出す。攻撃までの発生が非常に早く、奇襲・対空としても使えそうだ。
←or→+S
エスカリボルグを斜め前方に投げつける。発生も速度も非常優れた飛び道具のため、プレイヤーキャラクターの中~遠距離のカバーに打ってつけ。サバトちゃんに当てたらどうなることか、おそらくイメージしている通りになるに違いない。
一方通行(アクセラレーター)
CV:岡本信彦
電撃文庫「とある魔術の禁書目録(インデックス)」の登場人物・一方通行は、学園都市に七人しかいないとされる「超能力者(レベル5)」の序列第一位であり、身体に触れたモノを対象に発動する「ベクトル操作」の能力により、あらゆる運動エネルギーの向きを自在に操ることができる。
敵のいかなる攻撃をも反射する、作中でも最強の人物と謳われる存在だ。本作では木原数多戦以降に発現した「黒い翼」状態での攻撃も見せつけてくれる。
サポートの能力は「当身系」と「地上飛び道具」となっており、攻守共にバランスが良い。
S
プレイヤーキャラクターの前方にラストオーダー(打ち止め)が出現し、長時間画面上に留まり続ける。相手の攻撃がラストオーダーに当たると、黒い翼状態の一方通行が高威力の反撃を繰り出す当身系サポートだ。ヒット時は相手を遠くまで吹き飛ばしてくれる。
←or→+S
プレイヤーキャラクターの前方に一方通行が出現し、地面を這う鋭い衝撃波を放つ。かなりの速度で画面端まで届くほか、ヒットした相手が地面→空中→地面とスーパーボールの様にバウンドする。アニメ版でのベクトル操作が印象付いている人には想像がつきやすいかもしれない。
折原臨也
CV:神谷浩史
電撃文庫「デュラララ!!」にて、狂言回しの立ち位置にいる情報屋・折原臨也。情報屋としての腕は確かなものの、“全人類を愛する”という人間性にかな~りの難があり、情報を武器に、他人の心理や行動を誘導して、さまざまな事件を巻き起こしてきた。
プレイヤーキャラクターで参戦している平和島静雄とは学生時代から犬猿の仲であり、双方なりの事情で強烈に嫌悪し合っている。
サポートの能力は「当身系」「打撃拘束」。一風変わった性質の出しておける当身&サポート絡みのコンボに打ってつけな発生の速い打撃が魅力である。バタフライナイフで切り刻む残忍性と、相手の上でピョンピョン飛び跳ねる煽りパワーが、臨也というキャラクターを象徴しているかのようだ。
S
プレイヤーキャラクターの前方に、両手を上げた降参ポーズで出現。相手がポーズ中の臨也に攻撃すると、臨也は一瞬で後ろへと回りこみ、ナイフを使った多段攻撃で相手を浮かせる。起き攻めからの押せ押せで出せれば心強そうだが、それゆえに相手のリバーサルにも注意を置きたい。
←or→+S
相手にダウン攻撃を仕掛け、ダウン中の相手の上で4回飛び跳ねて、最後にオマケの蹴りを加える、実に腹立たしいアクション。踏みつけている最中に、プレイヤーキャラクターがクライマックスアーツまたは切り札を発動させることで、臨也の踏みつけは終了してしまう。しかしその際、ダウン中の相手を蹴りで空中に浮かせてくれるため、技を選ばず追撃できるのが嬉しいところ。落ち着いてコンボダメージを伸ばしていこう。
特集は以上!あとは遊んで戦って練習して楽しむだけ!
これで本作の発売前特集はおしまい。明日の発売には備えられただろうか? なお、新キャラ含む使用キャラクターの多さに目がくらんでしまった人は、大丈夫、全部使ってみよう。本作はもちろん格ゲーであるため、各々のキャラクターの特徴や癖を掴まなければ思うように戦えないだろうが、いずれのキャラクターの基本操作・基本コンボなどに殆ど差異は無いので、他の格闘ゲームタイトルよりもキャラ替え時に負担はかからない。
なので、気になっているキャラクターや、むしろ現状では気になっていないキャラクターこそ触ってみるのがオススメだ。ちなみに本作はPS Vitaで遊ぶこともできるので、手軽に持ち運べる対戦コミュニケーションツールとして活用するのもいいだろう。自身の環境にあわせて、修練を重ねていこう!