カヤックが運営するゲーム音楽交響楽団JAGMOは、7月11日・12日に東京・文京シビックホールでフルオーケストラプロジェクト公演「JAGMO - 伝説の戦闘組曲 -」を開催した。歴代名作ゲームタイトルの戦闘曲を中心に選曲した今回の公演の、11日夜公演の模様をお届けする。
オープニングは「ロマンシング・サガ3」から、そして「聖剣伝説2」へ!
まずは「ロマンシング・サガ3」から、「オープニングタイトル」、「四魔貴族バトル1」「四魔貴族バトル2」、「玄城バトル」、「ラストバトル」の五曲が演奏された。
「バトル曲といえば伊藤賢治氏」というほどバトル曲への評価が高いシリーズだけに、オープニングからの熱い演奏に会場内は一気に沸き立った。ピアノの低音が唸るような編曲で始まった「玄城バトル」が、特に際立つアレンジ。どの曲もオーケストラアレンジよりもバンドアレンジの印象が強いが、オーケストラで聴くとまた違った雰囲気を持つ。
二曲目は「聖剣伝説2」から、「天使の怖れ」、「危機」、「子午線の祀り」の三曲がメドレーに。こちらはファン投票で”演奏してほしい作品”として選ばれたシリーズとなっており、それだけに会場は奏でられる美しい音色に聞き入っていた。
「危機」では金管楽器を中心とした重みのあるアレンジになっていて、「子午線の祀り」では、難易度の高い旋律を弦楽器が見事に奏でるワンシーンも。生のオーケストラは、音だけでなく目でも楽しむものなのだと感じさせる見事な演奏となっていた。
「クロノ・クロス」から「クロノ・トリガー」へと続く光田氏ワールドへ
続いて「クロノ・クロス」より「疾風」、「時の傷痕」、「死線」の三曲が演奏された。まずはノーマルバトルの「疾風」だが、こちらはピアノのソロによる静かな出だしから始まり、徐々に弦楽器や金管楽器が加わっていくアレンジがなされていて、会場のファンの気持ちを上手く引き上げていくアレンジだった。また、途中ジャズっぽいアレンジが混ざったり、ソロヴァイオリンが旋律を奏でるシーンではフラメンコを彷彿させるようなスペインチックなアレンジもあり、メドレー内の一曲とは思えないほど非常にバラエティ豊かになっていた。
「時の傷痕」は原曲の切ないメロディを活かしたアレンジになっており、ファンも納得の忠実なオーケストラバージョンだったと言えるだろう。「死線」では、その途中に「時の傷痕」の旋律を混ぜ込むなど、これまた変わった編曲がされており、非常に楽しい曲と仕上がっていた。
続く「クロノ・トリガー」では、ゲストヴァイオリニストとして三浦文彰氏がステージに登場した。三浦氏は、2009年世界最難関とも言われるハノーファー国際コンクールにおいて、史上最年少の16歳で優勝。国際的に大きな話題となり、現在最も将来が嘱望されるヴァイオリニストと言われている。
「クロノ・トリガー」はこの三浦氏のヴァイオリンを活かす編曲となっており、「クロノ・トリガー」、「風の憧憬」、「戦い」、「ボス・バトル1」、「ボス・バトル2」、「カエルのテーマ」、「魔王決戦」、「世界変革の時」、「ラストバトル」と、なんと9曲もで構成される大長編メドレーとなった。
「風の憧憬」ではピチカート(指で弦を弾く奏法)で魅せたり、「カエルのテーマ」ではビブラートをきかせたりと、三浦氏が持つありとあらゆるヴァイオリンの演奏テクニックを活かしたアレンジがされており、まさに”ここでしか聴けない貴重なメドレー”だった。
メドレーが終わったあと、会場からはあちらこちらから「ブラボー!」と称賛の声が飛び交い、惜しみない拍手が三浦氏へ贈られた。
後半は「レベルアップ交響曲」から「チェインクロニクル」、そして「MOTHER」が。
休憩をはさんだあとは、「レベルアップ交響曲」からスタート。さまざまなゲームタイトルの「レベルアップ音」をクラシック音楽にあわせて挟み込むという面白い手法で演奏された一曲。自分の知っているゲームのレベルアップ音は果たしてその中に入っているかという楽しみ方と、このレベルアップ音はどのゲームのものだろうとその答えを探る二種類の方法で楽しめる曲だ。
そしてこのあとは、「チェインクロニクル(以下チェンクロ)」メドレー。JAGMOでは初のスマートフォン向けゲーム楽曲の演奏となった。「Beginning Of The Chain」はタイトル画面で流れる曲、「March Of The Braves II」は第二部のマップ画面の曲、「Battle For Justice II」は第二部の通常バトル曲、そして「Beat The Master」は第一部の通常ボスバトル曲と、これら四曲が演奏された。
元々楽曲への評価が高い「チェンクロ」だけに、実際にプレイしている人はもちろんのこと、未プレイの人も楽曲からゲームに興味がわいたという人もいるのではないだろうか。「March Of The Braves II」は特に”マーチ”らしい力強さを感じるアレンジとなっていた。
「MOTHER」は、こちらもファンの投票により演奏が決定したタイトル。「愛のテーマ」、「ポリアンナ」、「摩天楼に抱かれて」、「Bein' Friends」、「and goes on」、「SMILES snd TEARS」の6曲が演奏された。「愛のテーマ」はピアノでしっとりと聴かせつつ、「ポリアンナ」では原曲の可愛らしい雰囲気を活かしたアレンジになっていたりと、これまたファンならば必聴のメドレーとなっていた。
「キングダム・ハーツ」、「ファイナルファンタジーIV」「ファイナルファンタジーIX」と怒涛の終局へ
このあとは、「キングダム・ハーツ」から「Dearly Beloved」、「Roxas」、「Tension Rising」、「The 13th struggle」と、主に「キングダム・ハーツ2」から構成されたメドレーが披露された。
「Dearly Beloved」のあの楽曲特有の切なさは見事に生演奏でも再現され、思わず涙がこぼれそうになった。「Tension Rising」や「The 13th struggle」は金管楽器が熱いアレンジになっており、また「The 13th struggle」では途中に「Dearly Beloved」のフレーズを挟み込むなど、これまたイキな趣向が施されていた。
「ファイナルファンタジーIV」からは「ゴルベーザ四天王のバトル」のみが上演プログラムに掲載されていたが、演奏中に不意に「ファイナルファンタジーIV」の「バトル2」に切り替わり、またそこから違和感なく「ゴルベーザ四天王のバトル」へ戻るというようなアレンジには、筆者も大変驚いた。
トリを飾ったのは「ファイナルファンタジーIX」。こちらからは「いつか帰るところ」、「ハンターチャンス」、「守るべきもの」の三曲がメドレーになった。
「いつか帰るところ」では民族音楽調のアレンジが盛り込まれたり、「ハンターチャンス」ではティンパニや低音を活かす重々しいアレンジ、そして「守るべきもの」ではアイリッシュのようなアレンジから更にスペイン民謡を彷彿させるようなアレンジまでされており、初めて聴く人はもちろんのこと、他のコンサートでこの曲を聴いたことがあるという人でもとても楽しめる内容だった。
アンコールはあの曲!
アンコールはプログラムに表示されていないため、恐らくこのコンサートにくるようなファンならば誰もが知っている一曲になるだろうと予想をしていたが、その期待通り最後は「ファイナルファンタジー」シリーズから「メインテーマ」が演奏された。
しかもなんと「ファイナルファンタジー」の楽曲の中に「キングダム・ハーツ」の「Dearly Beloved」のフレーズを加えるという、これぞひとつのゲーム楽曲だけをテーマにしたゲーム音楽コンサートではない垣根を超えたコンサートだからこそ出来る一曲に、会場からは最後まで拍手と「ブラボー」の声が鳴り止まなかった。
最近は多様なゲーム音楽コンサートが開催されるようになったが、”JAGMOのコンサートならでは”という新しい色を、このコンサートで感じることが出来た。筆者もJAGMOのゲーム音楽コンサートには初めて足を運んだが、「オーケストラコンサートはどれも同じ」というような固定観念を捨てて、ぜひ一度聴きに行ってみてほしい。
セットリスト
7月11日夜の部 前半
ロマンシングサ・ガ3
- オープニングタイトル
- 四魔貴族バトル1
- 四魔貴族バトル2
- 玄城バトル
- ラストバトル
聖剣伝説2
- 天使の怖れ
- 危機
- 子午線の祀り
クロノ・クロス
- 疾風
- 時の傷痕
- 死線
クロノ・トリガー
- クロノ・トリガー
- 風の憧憬
- 戦い
- ボス・バトル1
- ボス・バトル2
- カエルのテーマ
- 魔王決戦
- 世界変革の時
- ラストバトル
7月11日夜の部 後半
レベルアップ交響曲
チェインクロニクル
- Beginning Of The Chain
- March Of The Braves II
- Battle For Justice II
- Beat The Master
MOTHER
- 愛のテーマ
- ポリアンナ
- 摩天楼に抱かれて
- Bein' Friends
- and goes on
- SMILES and TEARS
キングダムハーツ
- Dearly Beloved
- Roxas
- Tension Rising
- The 13th struggle
ファイナルファンタジーIV
- ゴルベーザ四天王とのバトル
ファイナルファンタジーIX
- いつか帰るところ
- ハンターチャンス
- 守るべきもの
7月11日夜の部 アンコール
ファイナルファンタジー
- メインテーマ
公演概要
公演名
JAGMO - 伝説の戦闘組曲 -
日時
2015年7月11日(土)
昼公演 開場/12:30 開演/13:00第一幕:「時空を超える勇者たちへ」
夜公演 開場/16:30 開演/17:00第二幕:「燃え滾る光と闇の闘争」
2015年7月12日(日)
昼公演 開場/12:30 開演/13:00第三幕:「伝説の戦闘組曲」
公演ページ
http://battle.jagmo.jp
※画面は開発中のものです。
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