BXDが2018年春からのサービスを予定しているHTML5を活用したスマートフォン向けブラウザゲームプラットフォーム「enza」。同プラットフォーム上でサービス予定の3タイトル(配信元:バンダイナムコエンターテインメント)のプレイインプレッションと、今後の展望を聞いたショートインタビューをお届けする。

先日2月20日に行われたBXDタイトル体験会。第一部の模様はすでにお伝えした通りだが、第二部では各タイトルを試遊することができた。Gamerでも全てのタイトルを一足先に体験してきたので、それぞれ筆者の目線から紹介していこう。

アイドルマスター シャイニーカラーズ

「アイドルマスター」の新たなシリーズタイトルとして発表された「アイドルマスター シャイニーカラーズ」。ジャンルに「アイドル育成&ライブ対戦」とある通り、ゲームも主に2つの要素で構成されている。

まずはアイドルたちのプロデュースを行う「アイドル育成」パートに触れていこう。ここでは1シーズンの限られた期間(週)に自身がプロデュースするアイドルを成長させ、オーディションに挑んでいくことになる。

プロデュースではオーディションのほか、仕事やレッスンを選択可能。ここでアイドルたちのステータスを上げたり、ファンの数を獲得できる。シーズンの目的はオーディションに合格することではなく、決められたファン人数を獲得すること。ボーカル(Vo)、ダンス(Da)、ビジュアル(Vi)の3つのステータスを、そのトレンドを合わせて伸ばしていくことが、基本的なスタイルになっていく。

ただし、プロデュースをし続けると体力が下がってしまいプロデュースの効率が下がってしまう。時折休んでおくことが、より良いアイドルプロデュースに導いてくれることだろう。またプロデュースを通じて手に入れたスキルポイントを使い、「振り返り」のページからライブに役立つスキルも得ることができる。1つのシーズンが終わると次のシーズンへと移っていき、最後までプロデュースを終えることで成長したアイドルが自身のもとにやってくるという流れだ。

そうして育てたアイドルたちでオリジナルユニットを組んで、全国のプロデューサーたちとオーディションによる対戦を楽しむのが「ライブ対戦」パート。ここでは、Vo、Da、Viそれぞれの審査員に向けてアピールを行い、誰がよりアピールできたかを競い合う。

オーディション中は画面下にスキルのアイコンが表示されるので、どのスキルを選んでどの審査員にアピールするかを選んでいく。アピールの際は左から右に流れていくゲージの流れに合わせてタップ、その時に止まった位置によってアピールの結果が変わる。

なお、アピールの順位は獲得したスターの数により表示されるのだが、オーディションごとの流行によって1回のアピールで獲得できるスターが変わったり、その審査員に対して最後にアピールしたアイドルはボーナスが入ったりと、分かりやすくも駆け引きも求められるゲーム性に仕上がっている。

基本的なゲームの進行はこの通りなのだが、ところどころで楽しむことのできるアイドルたちとのやり取りも本作の魅力。登場するアイドルは2Dベースの滑らかなアニメーションとともに、フルボイスで語りかけてくれる。また、メインとなるアイドル以外に仕事やレッスンでサポートしてくれるアイドルも設定することができ、本作の特徴でもあるユニット間のエピソードも楽しめるのは嬉しいところ。

アイドルたちとの交流はもちろんのこと、プロデューサー同士の対戦要素も加わった、まさにプレイを通じてお互いのプロデュースを競い合えるゲームになっているのではないだろうか。

ドラゴンボールZ ブッチギリマッチ

幅広い世代に人気を集める「ドラゴンボール」から生まれたスマートフォン向けブラウザゲーム「ドラゴンボールZ ブッチギリマッチ」。そのユーザー層の広さに合わせるように、本作は気軽に友だちと遊べる分かりやすさが魅力のゲームだ。

その最大の特徴はリアルタイム対戦が楽しめるということ。二次元バーコードやURLのシェアだけでなく、まだプレイしていないユーザーを招待できる機能を用意しているなど、スマートフォンを持っていれば環境を選ばずに誰でもプレイできる。

ゲームシステムはアタックランクが1~8で構成されたキャラクターで組んだデッキを用いて、ターン毎にお互いのキャラクターを1人ずつ出して競い合うルール。基本的にはより大きなランクを出したほうが勝ちとなるのだが、それだけではシンプルすぎるため、駆け引きや戦略性を楽しめる要素が盛り込まれている。

すでに場に出したキャラクターはお互いに見れるのだが(8枚全て場に出るとリセット)、実は左下の気を使用することで、そのランクを上げられる。例えば同じアタックランクのキャラクターがお互いに残っている場合も、気を温存しておけば一気に逆転できる可能性もあるなど、相手の状況を見ての応酬が繰り広げられる。

また、特定の組み合わせによってバトル中にスキルが発動、ステータスが上昇するようなドラゴンボールならではの本編再現のコラボも用意されているという。どういった条件下で発動するものなのかも含めて、あらかじめ戦略を練っておくと有利に進められるのではないだろうか。

ルールは分かりやすく、かつ対戦ゲームならではの駆け引きの応酬が楽しめる本作。お互いに選択したキャラクターによって状況が目まぐるしく変わるなど、実際に触れてみた時にその楽しさを感じられるタイトルに仕上がっていた。

プロ野球 ファミスタ マスターオーナーズ

「プロ野球 ファミスタ マスターオーナーズ」は、ファミスタシリーズ最新作となる球団育成シミュレーションゲーム。プレイヤーは12球団よりお気に入り球団の監督兼オーナーとなり、多彩な技能を持った選手カードを収集、育成して、日本一の球団を目指す。

本作では、個人で楽しむ「ペナントモード」や友達や仲間とリーグを作って対戦できる「フレンドリーグ」が用意されているが、会場に用意されていた体験版では、実際の試合の流れを楽しむことができた。

本作における試合は基本的にオートで進行、ピンチやチャンスなどの試合を左右するような局面でプレイヤーが介入していくことになる。このシーンでは強振打ちやミート打ちなどのアクションを選択できる。もちろんバント、ヒットエンドラン、盗塁といった作戦の指示も可能だ。

実際の対戦結果を左右するのはお互いの持っているスキルの相性だ。選手の持つスキルは各選手の特徴に沿ったものになっており、レアリティ(S~D)とともに力・技・速に分類される。これらはいわゆる3すくみの関係になっており、投手であれば打者、打者であれば投手の持つスキルを確認した上で、より確率の高い選択をしていくと良いだろう。

シンプルながらも遊びやすい仕上がりで、単純な試合展開だけでなく、どのような球団にしていくかまで、幅広い目線で楽しめるゲームシステムになっている。

なお、本作で一番目に入る変化といえばやはり実写カードで選手が登場することだろうが、その上で、画面上の見せ方やBGMはファミスタを意識したものになっている。このあたりのメリハリは往年のファミスタファンから、普段はゲームに触れない野球ファンまで、幅広い層にリーチしていく要素になりそうだ。

enzaを提供するBXDの手塚晃司氏、内藤裕紀氏にインタビュー

同会場にて、enzaのキーマンであるBXDの代表取締役社長 手塚晃司氏、取締役 内藤裕紀氏にわずかな時間ながらお話を伺うことができた。開発・運営への意気込みやポリシーがしっかりと感じられるものになっているので、併せてチェックしてもらえればと思う。

――BXDの設立発表からすでに1年近くが経とうとしていますが、HTML5環境でのゲーム開発やプラットフォーム構築をしていく上で一番苦労された点はどのあたりになりますか?

手塚氏:技術的にできることは分かっていたものの、それを全て盛り込んだ時に本当に挙動が安定して動作するか、お客さんにとってのリッチなゲーム体験になるかどうかの線引きをどこに設定するかが難しかったです。実際、今も負荷テストを重ねてどの端末まで対応していくのかを検討しているところです。

内藤氏:触っていただくと分かると思うのですが、演出をもりもりに入れて、かつ1つのURLで動作させているので、メモリが一気にいっぱいになってブラウザが落ちてしまうといった問題も少し前までは抱えていました。正直、今回の体験会ができているのも不思議なくらいでした(笑)。

現時点では端末も絞っていますが、ここからできる限り多くの端末で遊べるよう、メモリの問題を解決したり、大きくなったファイルサイズを削っていって、通信の負荷がかからないようにしていく段階です。「ドラゴンボールZ ブッチギリマッチ」に関してはリアルタイム対戦になっているのですが、こうしたサービスの事例がほかにないので実際にやってみないと分からないというのは、開発を進めながら感じたことですね。

――タイトルについて順次配信という形式をとられたのも、そうした点の解消が念頭にあるということでしょうか?

手塚氏:人気の3タイトルなので思った以上に人が来てしまうのではないかと思い、まずは安定してお届けするというのを最優先に考えています。

内藤氏:今回はチャットサービスも用意しているのですが、ブラウザ上で自動読み込みしながらのチャットをタイトルと連携しているので、3タイトル同時に進めてしまうとその負荷が一気にまとまってしまうなど、共通基盤のところに負荷がかかってしまう可能性もあるので、バラバラにしたいと。

――今回提供される3タイトルそれぞれについて、期待している部分をお聞かせください。

手塚氏:3タイトルともワイワイみんなで楽しもう、というところは共通していますが、それぞれターゲットが異なっていると思っています。

「ドラゴンボールZ ブッチギリマッチ」に関してはバトルが中心で、相手との駆け引きがあるのでそういったものを楽しんでもらいたいです。

「アイドルマスター シャイニーカラーズ」は本当に女の子がめちゃくちゃ可愛いので、自分の推しの子を育てていく、アイドルとのコミュニケーションを楽しんでもらいたいですし、「この子を一番良くプロデュースできるのは自分なんだ」というところでほかの人の存在を感じてもらえるのかなと思っています。

「プロ野球 ファミスタ マスターオーナーズ」は、プロ野球というものが生活に根ざしているので、ゲームを遊んでいなくてもプロ野球の話をするような、世代的にはもう少し上の方が多くなると思っています。それこそ、新橋の飲み屋さんとかで喋りながら遊ぶようなイメージを作っていければと思っています。

内藤氏:プラットフォームという視点で見ると、フラッグシップタイトルがどれだけの出来栄えかというところで今後参加していただけるサードパーティの方々の印象も変わってくると思うんですよ。「ドラゴンボールZ ブッチギリマッチ」でいえばリアルタイム対戦がブラウザでここまでできるのかと感じてもらえると思いますし、「アイドルマスター シャイニーカラーズ」に関してはここまでぬるぬる綺麗に動くというとことを出していったりと、ひとつひとつのタイトルで限界までチャレンジしていきたいと思っています。

――デベロッパー向けに説明会を実施することにも触れられていましたが、実際に現時点で進行しているものもあるのでしょうか?

手塚氏:他社さんとも現時点でいろいろなお話をさせていただいています。

内藤氏:現在ネイティブアプリもフレームレート60ぐらいで動いているのですが、そのぐらいで動かしてフロントを作る技術は相当大変なので、そこに向けたSDKの準備もしています。基本的に技術はサードパーティさんにご提供して、一緒に作っていきましょうというスタンスです。

手塚氏:今回のゲーム体験が広がっていくと本当にみんなで面白いことができると思っているので、一緒に盛り上げていきたいと考えています。

――決済手段としてバナコインを導入されるということですが、元からあるサービスを使えるという点でメリットは感じていますか?

内藤氏:enzaでのサービスに合わせてバージョンアップもしているので、より簡単に使えるようになっています。決済サービスをゼロから作っていたら本当に大変でした。

手塚氏:その開発をしていたらこれだけの短期間では難しかったと思います。個人情報やお金を管理するというのはセキュリティという点ですごく大変なので。

――enzaのサービス上ではゲームを主体にチャットなどもできるようにされるというお話でしたが、今後の拡張に関してはどのようなビジョンをお持ちでしょうか?

手塚氏:現時点で決まっていることではありませんが、例えばバンダイナムコグループでは映像を作っていたり、物販をしていたりとさまざまなことを行っています。enzaはエンターテインメントのプラットフォーム、ハブになるところにしたいと思っているので、ここだったらこんな面白いことできるのに、というものを全部集めていきたいと考えています。それを各社ともお話しています。

内藤氏:動画の配信なども含めて、広義にエンターテインメントを盛り上げていけるものを全般的に提供していけたらという思いはあります。

――ありがとうございました。

BXDコーポレートサイト
https://bxd.co.jp/

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画像一覧

全ての画像を表示(31枚)

「アイドルマスター シャイニーカラーズ」
(C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

「ドラゴンボールZ ブッチギリマッチ」
(C)バードスタジオ/集英社・フジテレビ・東映アニメーション
(C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

「プロ野球 ファミスタ マスターオーナーズ」
一般社団法人日本野球機構承認
(C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

※画面は開発中のものです。

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