アルケミストは、PSP用ソフト「デッドエンド Orchestral Manoeuvres in the Dead End」を2011年夏に発売することを発表した。

目次
  1. 往年のアナログスタイルを取り込んだゲームスタイル
  2. 運と知恵、時にはズルで切り抜ける自由度
  3. プロローグ
  4. 世界観
  5. ゲームシステム
  6. キャラクター紹介

往年のアナログスタイルを取り込んだゲームスタイル

本作は、80年代に流行したゲームブックが持つアナログスタイルのプレイ感触をコンピュータ上で継承・再構築したアドベンチャーゲーム。「セカンドノベル~彼女の夏、15分の記憶~」を手がけたテクスト。(ウィザードソフト)が開発を担当している。

プレイヤーは物語や主人公の運命をも左右する【デジタルダイス】を片手に、段落ごとにランダム配置された【パラグラフ】を読み進め、時には自身の判断で、また時にはダイス運に身を委ねて物語世界を探索する。

運と知恵、時にはズルで切り抜ける自由度

本作ではアナログのゲームブック同様、好きな場所を"読み飛ばす"自由度がプレイヤーに与えられる。運と知恵を駆使して正面からプレイすることはもちろん、起こった結果を曲げたり、振ったダイスの目さえ無視して"ズル"で切り抜けることも可能。

1度や2度のプレイでは見えてこない謎と物語世界の全貌、または隠されたヒントやアイテム収集を求めて 自由にページをめくる楽しみもまた、ゲームブックスタイルならではの醍醐味だ。

プロローグ

東亰府[とうけいふ]に住む高校生、符御是人[ふみ ぜくと]はある晩、携帯電話を取りに侵入した校舎で二組の奇妙な少女と少年に遭遇し──蒼い髪の少女とそれに付き従う眼帯の少年に心臓を刺し貫かれてしまう。

数日後──自室で目覚めたゼクトの目の前に現れたのは、学校で自分を護るために戦ってくれたもう一組の少年少女。

ゼクトは彼らから、学校で遭遇した少女の正体が“吸血鬼”であること。自分たちはそれに対抗する組織であること。そして彼らは東亰府環境局廃棄物対策部、特殊廃忌物対策課、第二班。いわば、吹き溜まり[デッドエンド]のメンバーであることを知らされ──そして半ば強引に、ゼクトはその[デッドエンド]のメンバーに組み入れられてしまった。

科せられたのは、先の戦いで膝を負傷し車椅子の身となった小林少年とパートナーを組み、それをサポートすること。

小林少年は陰陽の力を使った強力な“方程式”、いわゆる魔法のような技を使うことができるが、それには詠唱の時間が必要になる。平時は車を押す係、戦闘時にあっては少年が詠唱を完成するまで間、足止め程度に闘える人間が必要というのだ。

「無茶すぎる」と頭を抱えつつも、なし崩しにパートナーとなるゼクトだった──。

世界観

廃棄物対策部

吸血鬼に対峙する組織としては唯一地方自治体が持つ組織。各省庁の綱引きのなかで補助組織として誕生したもので故に基本、攻撃を主眼とされていない。

本来は、他の組織が戦闘行為を行ったあと、その痕跡を速やかに消去するなどサポート組織としての運用が想定されていた。……が、なんだかんだと戦闘行為も発生、対応しているのが現状。

方程式

この世界で使用される"魔術"といった類の総称。発動手順は術者によって様々だが、鋼一郎の場合は指先にトランプ大、カード様の紙片を物質化し、それを触媒として使うことで様々な現象を起こすことができる(見てくれとしては陰陽道における“式”のようなもの)。強力な吸血鬼の中には、複雑な手順も触媒も要さずに行使できる者もいるらしい。

吸血鬼との主従関係

吸血鬼の“抱擁”を受けた(=噛まれた)者が純白である場合、対象者はその吸血鬼の意志に関わらず後天性の吸血鬼となり、それ以外の者が吸血鬼に“抱擁”を受けると喰屍鬼と堕す。

吸血鬼は自由意志を持つが、喰屍鬼は主の奴隷と化す。喰屍鬼は本来人間だった形質を失いやすく、時間と共に異形化したり、知能も退化することが多い。またある程度の知能・意志を残したとしても、主に対する肉体的・精神的依存を強く植え付けられるため、それに逆らうことは難しいとされている。

ゲームシステム

本作は「ゲームブック」と呼ばれる、小説形式のアドベンチャーゲーム。細かく区切られた各章には番号が振られており、それを選択肢として読み進める。これらの章は「パラグラフ」と呼称され、オープニングからエンディングに至るまでの全てのパラグラフに三桁の数字が付与されている。

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この場合、3つの選択肢のいずれかを選ぶことで続きを読むことができる。

ジョウント

また、本作では「ジョウント」と呼ばれるスロットを使い、選択肢以外のパラグラフを選んで進むこともできる。うまくロックの解除されている番号を選べば、意外な隠し要素を発見できるかも!?

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画面右下の「ジョウントスロット」を操作することで各パラグラフへの直接移動が可能。

「ジョウント」は単にパラグラフを移動するだけではなく、ゲーム中のイベントとして発生する謎解きでも利用していく。

「ジョウント」を利用したギミックの例

1.ロッカーにかかった鍵の解除を試みたところ、「カード番号から出席番号を引いた数」をパスワードとして入力するよう指示が出る。

2.アイテム欄からIDカードを参照すると「764」というカード番号が記入されており、ジョウントを使いパラグラフ764へ移動。すると出席番号が「16番」であることが判明。

3.得られたヒントを元にジョウントを操作し「764-16=748」へ移動すると、ロッカーの鍵が解除される。

デジタルダイス

本作のゲームブック的な要素として、「デジタルダイス」を使った戦闘システムや分岐の派生がある。

戦闘時には画面上に【生命点】【攻撃力】【防御力】といった戦闘用の各数値入力オブジェクトが設定され、これに対してダイスキャストすることで応戦、彼我に与えられるダメージ応酬によって決着がつくこととなる。


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また奇襲や罠といったアクシデント発生時にも、これを回避するための「運だめし」としてダイスは使用される。発生した状況の難易度によって、成否に必要な判定値やキャストできるダイスの数も変化する。

キャラクター紹介

符御是人[ふみ ぜくと]

本編の主人公。16歳。普段の物腰としては、無干渉無関心が基本的なスタンス。

ふとしたことから東亰府環境局特殊廃“忌”物対策課の面々に命を救われ、そのまま吸血鬼との戦いに巻き込まれることになるごく一般的(?)な高校生。

早くに両親をなくし、母方の祖父母のもとで育てられる。祖父母への負担を考え中学卒業後すぐに働こうとしていたが、紆余曲折の末に進学。一人暮らしとなる。学費以外、生活費は極力自分で稼ぐことを旨としており、また祖母仕込みで料理や掃除が得意など、妙に生活力はある。

小林鋼一郎[こばやし こういちろう]

車いすの少年。生意気盛り、博覧強記、10歳の天才少年。ゼクトを(ついでに)救った戦闘で膝部を骨折、現在はギプスをしている。

指先にトランプ大、カード様の紙片を物質化し、それを触媒として使うことで様々な現象を起こすことができる。見てくれとしては陰陽道における“式”のような非常に強力な方術を使う。術は強力だが、一連の予備動作が必要な技であるため連射も利かず、車いすでは著しく不利であることから、単独戦闘は難しいとみなされる。そのため、ゼクトがサポート役としてあてられることになった。

姉がひとりおり、シスコンの気がある。

手塚酉穂[てつか とりほ]

普段はあまり、表情に感情を出さないタイプ。ゼクトと同学年の16歳。ボンヤリとした、どちらかというと天然ボケ傾向の女の子。ジト目多し。

特殊廃忌物課メンバーのひとり。なりゆきでゼクトの命を救う。またその際にあたってはゼクトに対して輸血をしており、直接の命の恩人でもある。

6年前に吸血鬼が原因の列車事故に遭い、両親を一度に失ったショックからそれ以前の記憶を失っている。ゆえに装甲特殊パッカー車も含め、乗り物全般が苦手。

拝坂御木[はいさか みき]

東亰府環境局廃棄物対策部、特殊廃忌物対策課所属。32歳。第二班リーダーも務める。

かつては第一班[レギュラー]としてバリバリにやっていたが、6年前に妻を失って以降は何を考えているのかわからない所が多くなり、補欠とみなされがちな第二班に落ち着いた。いつもたるそうなオッサン。

阿久津[あくつ]

特殊廃忌物対策課唯一の非戦闘員。本来の特殊廃忌物対策課の役割である、他の組織が吸血鬼と戦ったのちの後始末を行うためのプロ清掃員。普段は主に特殊装甲パッカー車運転担当。

要するにカモフラージュ用に所属している、本来はごく普通の清掃員。府環境局では通常廃棄物処理に関しては業者への業務委託という形をとっているので、普通の清掃員はそもそも少なく、ある意味レア。それ故か、単なる性格か、清掃員としてのプライドと気合いは高い。

本名、阿久津大納宗(あくつだいなそー)。元ヤンキー。拝坂がまだイケイケだった頃を識る人間のひとり。ガラは悪いが、根は気のいいあんちゃん。

コアトル[cóatl]

白を象徴とする、ナイスバディの吸血鬼。吸血鬼としては身体が弱く、戦闘においてあまり前面にでるタイプではない。

頭脳派。それゆえか、グループの中ではリーダー的な役割を担うことが多い。実際、策謀を巡らせることは好きなようだが、単純なウツロとは対立することも?

グレーテ[Grete]

コアトルの従者。いつも醒めた目で携帯をめるめるしており、情報機器依存症の気がある?主にネットやゲームをしている模様。

分銅のついた縄状の武器、流星錘[りゅうせいすい]「リコリス」を武器とし、中距離からの重たい一撃離脱戦法を得意とする。従者、ヘンゼルとは兄妹である模様。

また、本作のシナリオライターである大槻涼樹(おおつき すずき)氏と原画のvanilla氏からメッセージが寄せられたので紹介しよう。

シナリオライター 大槻涼樹(おおつき すずき)氏のメッセージ

こんにちは!「デッドエンド」はゲーム内の全てのシーンに番号が割り当てられ、その数字を自在に移動することで冒険を進めるゲームブックというスタイルの、ブックじゃないけどゲームです。

昔はブックだったんです。元々は本で、番号の書かれたページをめくって移動するゲームだったのですね。
右に進むなら002へ。
左に進むなら003へ。
コマンドでも移動できますが、自分ですきな場所に移動することもできます。
いきなりオープニングムービーに飛んでみたり。
あえて004に進んでみたり……?
よろしければ、プレイステーション・ポータブルのお供に是非!

原画 vanilla氏のメッセージイラスト

デッドエンド Orchestral Manoeuvres in the Dead End 限定版

アルケミスト

PSPパッケージ

  • 発売日:2011年9月29日
  • 15歳以上対象
  • ファンブック(設定資料集)同梱
デッドエンド Orchestral Manoeuvres in the Dead End 限定版

「デッドエンド Orchestral Manoeuvres in the Dead End」公式サイト
http://products.alchemist-net.co.jp/products/deadend/psp/

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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