イチオシのギャルゲーを大ボリュームで紹介する連載企画「ギャルゲー一本釣り!!」。第1回はアルケミストより7月28日に発売されるPSP用ソフト「さかあがりハリケーン Portable」の魅力をお届け!
目次
今月からスタートした月イチ連載「ギャルゲー一本釣り!!」。こちらでは、三度の飯よりギャルゲーが大好きな私が己の煩悩の赴くまま今月のイチオシのゲームを紹介していきますよ!
今回紹介するのは、アルケミストさんより7月28日に発売される「さかあがりハリケーン Portable」(以下、「さかハリ」)。周囲を巻き込んで状況を変えていく行動力から「台風(ハリケーン)」と呼ばれる主人公・皆川巧と、ヒロインたちとの学園生活が描かれる「さかハリ」の魅力を、(おもいっきり私欲の入った視点で)がっつりボリュームでお届け!
まずは本作のあらすじをチェック!
…だったら、楽しくするしかないでしょっ
その行動力で、周囲を巻き込んで状況を一変させる事から、「台風」と呼ばれる問題児、主人公・皆川巧。
彼は数々の問題行動から、山奥にある神道学科の学校を追放され、地元の武月学園に、幼なじみのゆかりの監視付きで編入することになった。そして彼は、下見に行った放課後の教室で、ひとりの女生徒と出会う。
後日、正式に学園へと編入した巧。そこで待っていたのは、ありがちな例の彼女との再会と、「クラス委員長」というおおよそ巧には相応しくない役職、そして生徒の意見や要望を聞き入れる、クラスの目安箱の管理だった。
誰も手を付けなかったその目安箱を、持ち前の行動力と面白がりの性格で次々とこなし、徐々に周囲に変化を与えていく巧。そんな彼を待っていたのは、漠然とした、でも彼の好奇心をくすぐる、目安箱に新たに入れられた、ある一つの「お願い」だった。
それを機に、退屈だった学園生活は、少しずつ変化へ向けて動き出していく――。
一癖も二癖もあるヒロインたちを紹介!
続いて、どんなヒロインたちが登場するのかは気になるところ。ということで、かわいいヒロインたちをはじめとした登場人物をチェック!
メインヒロイン
綾瀬 奈都希(CV:伊野美由紀)
「…皆川巧、覚悟してなさいっ」
年齢:同級生(学園2年生)
副委員長で、クラスを仕切っている勝気で対抗心の強い女の子。巧とは委員長、副委員長の対立ですぐに噛み付いてくることになる。
とにかく巧に対してやたらと突っかかってくる。が、基本的に早とちりな上に頭があまりよろしくないので、気が付けばボケに転じ、取り巻きのクラスメイトに突っ込まれている事も。
上記の通り、成績は全般的にあまりよろしくない。その癖負けん気だけは強いので、無理な詰め込み勉強をした挙げ句、勝手に体調を崩して結局いい点が取れなかったりする。
守永 ゆかり(CV:風音)
「今日という、今日は!絶対に!あんたの性根を!叩き直すわっ!」
年齢:上級生(学園3年生)
巧とは幼なじみの関係。ここ数年は学校も離れ、疎遠になっていた。3月の早生まれで4月生まれである巧とは学年差があり何かと年上ぶるが、実際には2週間程度の差であり、巧は特に上級生と見ていない。
性格は真面目で姉御肌。生徒会長も務めている。ちょっと堅い部分が目立ってしまうが、後輩やクラスメイトからの信頼度は非常に高い。
成績優秀でスポーツ万能。特に格闘技が得意で、かつてはイタズラや我がままで言うことを聞かない巧に対し、しばしば常備しているプラスチックバットで教育的指導をしていた。これを巧は「ゆかり教育」と呼び、恐れている。
深咲 涼(CV:遠山枝里子)
「…よろしくできない、って言ったはず」
年齢:同級生(学園2年生)
転入当初の巧が、一番気にする人物。
周囲に対して壁を作っており、簡単には気を許さない。常に教室では窓の外を眺めており、人に話しかけることもない。ただ、無視をしているというわけではなく、話しかけると相応の返事はしてくる。
成績は優秀そのもので、全教科満点に近い成績を取っている。運動系においても実に優秀な結果を残している。だが、基本的に他に対して無関心で無口なため、人気者になっているというわけではない。
放課後に一人、ナンバープレースを解いているのが日課。
大澤 柚(CV:涼宮琉那)
「えと、生徒手帳生徒手帳…あ、わたし、2年E組の大澤ゆじゅでじゅ」
年齢:同級生(学園2年生)
少々内気で恥ずかしがりだが、基本的には頑張り屋。
天然気味だったり、テンパってすぐ言葉や舌を噛んだりする。ひどい時は携帯のメールさえ噛んでいる(打ち間違えている)。ぷくっと頬を膨らませたり、全体的に子供っぽい反応が多い。
いつもどこかあと一歩を引いてしまう遠慮がちな面もある。成績は悪くないのだが、頭が悪いというより板書に一生懸命で先生の説明を聞けてなかったりする。
楠 ハル(CV:花坂紅葉)
「会いたかった、会いたかったよぉダーリーン!」
年齢:同級生(学園2年生) ただし別クラス
前の学園で知り合った巧を追って学園にやってきた女の子。
とにかく明るく開けっぴろげな性格で、ノリも軽く、巧に対しての好意を隠そうとしない。ムードメーカー兼トラブルメーカー
遠くで見ている分には楽しいが、近くにいると持てあますタイプ。それでも持ち前の愛嬌のせいなのか、不思議と憎めないヤツ。
成績は意外にかなり優秀で、かつ運動神経も良いのだが、それ以上にそそっかしさが勝るので優等生の印象は薄い。
綺羅 凛(CV:加藤英美里)
「私としては大変不本意ではありますが泰徳の妹というのは事実です」
年齢:下級生(学園1年生)
学園祭実行準備委員会を敵視している女の子。
その正体はヤスの妹。幼い頃からヤスの恥ずかしい言動に悩まされ、意識的に距離を取っていたが、その兄がよりにもよって武月学園に転校してきたため、自分にまで火の粉が飛んでくるのでは、と心配する日々が続いている。
兄や父というダメな見本を見てきたからか、自分だけは、そんなことにならないようにと心がけている。頭が良く、しっかりとした性格(…のようだが、詰めが甘く失敗してしまうことも多々)。周囲に対して、常に礼儀正しい言動で振る舞う。
ただし、例外として嫌っている兄と父、そして同類と見なす巧には、割と情け容赦ない毒舌を発揮してくる。
サブキャラクター
神楽 富美(CV:戸沼ゆず)
奈都希とは一年からの付き合いで、ずっと同じクラス。生徒会役員。
奈都希のドジさに呆れ半分で対応しながらも、内面の弱さ、優しさを知っている為、影の部分でフォローをしている。
榎本 めぐる(CV:水無月ふたご)
ポヤポヤしていてのんびり喋るがそこそこに有能。富美と同じく、奈都希とは一年からの付き合い。生徒会役員。
行動派の奈都希に敬意を持っている。優しさでフォローしてくれるので、奈都希も「わかってくれるのはグリだけよ」と冗談めかして言ったりする。
綺羅 泰徳(通称ヤス)(CV:星光明)
巧の悪友。アホでエロい。寺の息子の癖に煩悩爆発。巧と境遇が似ていて、地元の寺を出て他所で修行中に不純異性交遊が原因で叩き出されることになる。その後、地元の学園へ編入という流れに。
突っ走る巧と一緒にバカをするのが常だが、実は結構理性で動けるタイプであり、巧が暴走しすぎるとストッパーとしての役割も担ってくれる。が、場合によっては巧以上にダメなこともある。
ゆかりとは巧と共にずっと顔見知りで、エロ小話を耳元で囁いては半死半生の目に遭わされている。
みんなそれぞれに特徴があり、楽しい登場人物ばかりですよね!こんなメンバーが集まって繰り広げられる学園生活こそが「さかハリ」の魅力であり、まさしく“ハリケーンラブコメディ”といえるのではないでしょうか?
そして私も各ヒロインについて語りたい!…ということで、次のページでは、私の視点からヒロインの魅力に迫っていきますよ!
各ヒロインの見どころはココ!
「さかハリ」のヒロインは6人。それぞれのヒロインの魅力を、僭越ながらact.1(共通ルート)をプレイした私がお伝えしていきます!
綾瀬 奈都希
生徒会副会長、かつクラス副委員長の奈都希は、肩書きが示すとおり、真面目で常に一生懸命な女の子ですが、行動が空回り気味に作用してしまい、結局は失敗を繰り返すなど、ゲーム内では少々ドジなところも見受けられます。ただ、そういった自分の短所もしっかり受け止めていて、反省することを忘れないのが魅力のひとつではないかなと思います。
また、巧とは、出会ったあとすぐに対立関係となりますが(でも奈都希から一方的)、とある出来事から巧に対する印象が変化し、多少ながらも態度を軟化させていきます。しかし、「楽しくするために学園祭をやりたい」という巧の信念を認めながらも自身の自身の信念は変えないなど、とても芯の強い女の子です。巧との日常会話は素直になれない意地っ張りが全面に出ていて非常に微笑ましいですが(笑)。
そして、奈都希のことを気にかけ、フォローしてくれるグリ(榎本 めぐる)とグラ(神楽 富美)もいて、それがまた“みんなのため”に行動する彼女の人柄を表していると思います。
守永 ゆかり
生徒会会長にして、巧の幼なじみであるゆかりは、匠たちの一学年上であり、お姉さん(やや肝っ玉かあさんぽいかも…)としての振る舞いを見せます。しかし、巧とヤスの入学後、トラブルを起こす面々に振り回され、苦労の絶えない日々を送ることになります。
ゲーム内では、学園内での規律を重視した“大人としての”立ち位置が目立ちますが、お手伝いをしている武月神社での姿や、普段巧たちに接する態度には年相応な一面も多々見せ、こちらが本来の彼女の姿なんだろうと感じさせてくれます。
学園祭の開催にはかなり強硬な態度で反対することになりますが、それでも巧たちを心配する様子を見せるなど、裏側にある優しさが感じられるのが非常に印象に残ります。
深咲 涼
いかにもクールそうに見える涼ですが、実際はかなり茶目っ気のある女の子です。普段はあまり自発的には喋りませんが、巧やヤスにときおり吐く毒舌や面白そうなことにはさりげなくついて来るなど、彼女の態度が変化していくのを見るのも楽しい部分です。
また、彼女のもうひとつの魅力として挙げられるのは、意外(?)と広い視野で他人を気遣っているところです。巧への助言はもちろんのこと、他の学園祭実行準備委員会の子に対するフォローもさりげなくいれているなど、作中でのその気配りがとても印象的でした。
そして、巧たち学園祭実行準備委員会が窮地に陥ったときには、いつでも的確な(ちょっと意地悪なところもありますが(笑))アドバイスを投げかけてくれる、その頭脳も彼女の特長です。しかも、それを開けっぴろげに披露するわけではなく、必要な場面で発言してくれるから心憎い!
ココが萌えポイント!
巧が学園祭実行準備委員会を設立するきっかけとなった目安箱のエピソードは、涼の天邪鬼っぷりとその裏に見え隠れする楽しいことへの渇望が感じられ、素の彼女を感じられてグッド!
また、巧に書いてある内容を見られまいとするささやかな抵抗が微笑ましかったです。
大澤 柚
巧との出会いから他のヒロインとは違い、おっちょこちょいで恥ずかしがり屋な一面を臨かせる柚は、小動物系の印象を与える可愛らしい女の子です。しかし、本人は何事にも一生懸命で、拙いながらも一番最初に巧を助けてくれます。
さらに、テンパッてしまうと噛み噛みになってしまったり、食パンが大好きであったりと、ゲーム内でも彼女の楽しいエピソードは盛りだくさん。それらを天然でやっているあたりがまた、彼女ならではの魅力を表していると思います。
そして、柚を語る上で欠かせないのが、恋のライバルであり、また、親友となるハルとの友情。仲の良い掛け合いはもちろん、互いに信頼しあい、それぞれ支えあう関係には思わず感動した場面もありました。
ココが萌えポイント!
もはや芸とまで言えるほどの噛みっぷりがかわいいです。
特にゲーム中で存在する早口言葉を言う場面では、あまりの噛み噛み具合と、そのかわいさに思わずニヤニヤしてしまうほどでした(笑)
楠 ハル
ハルは、とにかく元気いっぱい、好きになった巧を“ダーリン”と呼んで、さらには別の学校から追っかけてくるなど、一直線に行動する女の子です。とにかく思い立ったらすぐ行動するため、周りが被害を受けることも多々あります。
しかし、同時にその思いつきが良い方向に転ぶこともあります。加えて、意外にもいろんな知識を持っており、商店街の人たちに資金を提供するエピソードでは、ハルの機転から思わぬかたちに好転し、巧たちを助けていました。
また、分け隔てなく人と接するので、バイト先でも商店街の人たちから好かれているなど、その明るさが印象的です。ただ、ゲームを進めていくと、彼女はなにやら秘密を抱えている様子が見て取れるようになります。共通パート中で共有しているのは柚のみで、その部分についても気になるところです。
綺羅 凛
PSP版の新規ヒロイン、そしてヤスの妹である凛は、最初はかなり強硬に巧やヤスに対して厳しい態度をとってきますが、巧のとある対応をきっかけとして態度を軟化させ、次第に協力的な姿勢を見せてくれます。
それ以降の彼女は、しっかり者な一面を見せ巧たちの力になってくれますが、当初感じる固めな印象とは違い、涼の指摘に素直に耳を傾けたり、自分の非を詫びたりなど、柔軟にものごとに対応しているのがとても印象的でした。
加えて、学園祭実行準備委員会の面々ともうまく溶けこみ、また、学園祭開催に向けて大きな問題が起きたときには、一緒に悩み、そして一緒に解決に向けて行動してくれるなど、とても真面目ないい子です!
さーて、ヒロインの魅力に迫ったところでいよいよ「さかハリ」のプレイインプレッションをお届けしますよ!
“ハリケーン”なストーリーが展開するプレイインプレッションをお届け!
ここからはやや真面目に(今までもある意味では大真面目です)本作をプレイしてのインプレッションをお届けします。今までから思いっきり方向転換しておりますので、(あくまでも)普通に見ていってくださいね!
まず、本作は共通ルートとなるAct.1と各ヒロインのルートへと分岐するAct.2の2段階でストーリーが展開します。さらに、PSP版の新規ヒロインである凛のルートはAct.1の途中にある選択肢から一本道で展開していくことになります。
なお、選択肢はストーリーの途中で挿入されるのではなく、ストーリーごとの切れ目で各ヒロインとのエピソードを楽しむかたちで挿入されます。そこではメインのストーリーでは見ることのできない、ヒロインたちのさまざまな面を見ることができます。
今回のプレイの範囲は、(時間が足りなかったため)Act.1のみとなってしまいましたが、それだけでも本作の魅力を十分に感じ取ることができました。ここからは、序盤のストーリーを追いつつ、その魅力について紹介していきます。
本作の主人公である巧は、“とにかく楽しく”ということをモットーとして昔から行動し続け、そして、武月学園に編入したあともその信念に基づいて行動していきます。そしてとあるきっかけから思いついたのが学園祭を開催して盛り上がろうというアイデアでした。
ですが、まあ出る杭は叩かれると言いましょうか、幼なじみのゆかりをはじめとした生徒会には反対され、そのほかにも問題は山積みとあって、周りを巻き込みつつ用意周到に動く巧であっても、終始苦戦を強いられます。
そういったピンチを迎えたときにも、その都度仲間たちに助けられ、また一歩、また一歩と実現へ向けていく様は、仲間たちとともに過ごしていく学園生活の醍醐味を感じられ、巧たちと一緒に一喜一憂しながら楽しめました。
また、Act.1の終盤では、学園祭実現への最大の難関に立ち向かうことになりますが、そこでは街全体の人々を巻き込んで展開する熱くて、そしてほんのりと優しいストーリーが楽しめます。その一連の流れは非常によくできており、強く感情移入することができました。プレイの際にはぜひ注目してほしいポイントです!
そしてその困難を乗り越えた先にヒロインたちとの恋のエピソードが待っています。仲間としての強い絆で結ばれたあとだからこそ楽しめる、各ヒロインとのさまざまなやりとりを楽しみましょう!
長々とお届けしました「ギャルゲー一本釣り!!」第1回はいかがだったでしょうか。私も早速続きをプレイしたいので今回はここらで筆を置きたいと思います。次回もまた煩悩と情熱のままにギャルゲーを紹介していきますのでお楽しみに!
…ああ、もう先がプレイしたくて我慢できない!ではまた次回!待っててくれ、なつきぃぃ~~!!!