12月10日、東京ビッグサイトで開催中の第42回東京モーターショーにて、トヨタ自動車が来春発売を予定している話題の新世代スポーツカー「86(ハチロク)」と、人気ドライビングシミュレーター「グランツーリスモ5」によるコラボイベント「FT-86 GRAND PRIX」が開催された。

このイベントは「グランツーリスモ5」に収録されている「FT-86 concept」を使用して、実際にレースを行うというものだ。今回のイベントに先立ってオンラインで行われた予選タイムトライアルには、なんと45000人ものユーザーが参加。さらに、イベント当日にも上位36名による最終予選が実施され、サムライ選手、hosodasr選手、kh選手、ヤム選手、えるだー選手、RB選手の6名がファイナル進出をはたした。

イベントでは決勝の前に、司会を務めたDJのピストン西沢さんと、スペシャルゲストのカーレーサー・脇坂寿一さんによる特別レースが開催。序盤はゲームの操作に慣れている西沢さんが先行したが、じょじょに脇坂さんが本領を発揮し、抜きつ抜かれつ……というか互いにぶつけ合う危ない展開に。なんとかリードを守る西沢さんだったが、最終コーナーの立ち上がりで脇坂さんが西沢さんのマシンの背後に付き、スリップストリームを利用してきれいにパス。最後はプロのレーサーならでは余裕のレース運びで勝利をおさめた。

車好きとして知られる西沢さんとプロドライバーの脇坂さんによる軽妙なやり取りがイベントを盛り上げた。

土壇場で抜き去られ、「ヒドい~」と悔しがる西沢さん。一方、見事なステアリングさばきを見せた脇坂さんは、かなり実車のイメージに近かったのか「うまくできているね~」と語るなど、マシンの挙動や操作感に感心しているもようだった。

決勝レースだが、コースは「86(ハチロク)」が初公開された富士スピードウェイサーキット、周回数は4ラップで争われることとなった。イベントにはハンドルコントローラータイプのマシンが6台用意されていたが、一部の選手は自前のコントローラーを使用。「そのほうが速いの?」と西沢さん、脇坂さんを驚かせていた。

レースはエキシビションと同じく、最終コーナーの立ち上がりをめぐる攻防が勝負のポイントになった。まず、2週目の最終コーナーで、予選トップ通過のRB選手が本領を発揮。スリップからの加速で一気に前の3台をごぼう抜きしてトップに立った。そのままリードを奪いにかかるRB選手だったが、後続のマシンもしっかりと食らいついていて離れない。さらに、一瞬のスキを突いて今度はkh選手が先頭を奪取するなど、順位が目まぐるしく変わる激しい展開。ダンロップコーナーを6台がほぼ一列に連なって抜けていった場面では、「レベルが高い者同士ならこうなる。スーパーGPと同じ」と脇坂さんを唸らせるなど、非常にハイレベルな攻防が繰り広げられた。

全員がダンゴ状態のまま、いよいよ勝負は最終コーナー。先頭で突入したkh選手がインを守りつつ立ち上がり、後続をうまくおさえたかに見えた。だが、ここで3位につけていた、えるだー選手がスリップストリームを利用してアウトから一気に加速。コントロールラインぎりぎりでkh選手のマシンを抜き去るという鮮やかな逆転劇で勝利をおさめた。

解説役を務めた脇坂さんは、優勝したえるだー選手を絶賛。「彼にはぜひ実車の86(ハチロク)にも乗って、自由に操ってもらいたい」と語るなど、選手たちのドライビングに感心することしきりだった。最後に司会の西沢さんが「86(ハチロク)は自分の操作がダイレクトに返ってくる面白い車なので、“グランツーリスモ”でも日常でも使って楽しんでみて下さい」とコメント。大盛況のままイベントは終了となった。

優勝したえるだー選手には記念のトロフィーとトヨタ製の自転車が送られた。
普段プレイしている感覚に近づけるためか、靴を脱いでアクセル、ブレーキを操作する者も。

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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