KONAMIが2012年11月8日に発売した「サイレントヒル ダウンプア」は、同社を代表するホラーアドベンチャーゲームの最新作であり、日本国内ではシリーズ初となるPS3用タイトルだ。ここでは、本作のプレイインプレッションを紹介する。
「サイレントヒル ダウンプア」は、KONAMIを代表するホラーアドベンチャーゲームであり、日本のみならず、海外にも多くのファンを持つ「サイレントヒル」シリーズの最新作。
日本国内では初のPS3用タイトルとなった本作は、UNREAL3(アンリアルスリー)エンジンを駆使した圧倒的美麗なグラフィックにより、街、キャラクター、クリーチャー、裏世界を鮮やか且つ壮大に描きシリーズ最高の恐怖へと引きずり込む。
また、シリーズ初となるオープンワールドで作り込まれた街・SILENT HILLも大きな特徴のひとつ。プレイヤーは、いつ、どこからクリーチャーが襲ってくるか分からない恐怖心と戦いながら、広大な街を探索することになる。
今回筆者は、じわじわと迫ってくる「サイレントヒル」特有の恐怖に苦しめられながらも本作をプレイ。雨と霧に包まれ、不気味な雰囲気を醸し出すフィールドやグロテスクなクリーチャー、一筋縄ではいかない謎解きの数々など、本作の魅力を存分に堪能したので、そのインプレッションを紹介しよう。
ストーリー
凶悪犯罪者用の刑務所へ移送されることになった、囚人のマーフィー・ペンドルトン。
その途中、移送バスが横転。大破したバスから投げ出され自由の身となったマーフィーは、引きこまれるようにサイレントヒルへと入って行く。それが、終わりのない悲劇のはじまりとも知らずに。
陰鬱で不可解な物語に潜む、多くの謎。進むほどに狂気は加速し、DOWNPOUR(土砂降りの雨)がすべてを奪っていく―。
暗闇、静寂、異形の生物―ジリジリと襲いかかる恐怖を表現したホラーアドベンチャー
「サイレントヒル」の魅力は前述したような、いつ、どこから訪れるか分からない、じわじわと迫りくる恐怖だと筆者は考えている。本作でもこの魅力は健在で、霧の中にうっすらと見える影や不気味な物音など、クリーチャー以外の何気ない部分も、恐怖としてプレイヤーに襲いかかってくる。実際には、影の正体は木や街灯だったり、物音はプレイヤー(ペンドルトン)の足音だったりするのだが、あらゆる物事が恐怖心を煽ってくる仕掛けと演出は、ホラーゲームファンとしてはたまらない要素だ。
そして、本作の雰囲気にも慣れはじめ「どうせ来ないだろう…」と安心したところへ、突然背後からクリーチャーが襲いかかってくる。普段からよくホラーゲームをプレイする筆者としても、クリーチャーの出現するタイミングや位置はなかなか予想できず、怯えながらゆっくりと歩みを進めていくしかなかった。
本作に登場するクリーチャーは実に多彩で、金切り声をあげプレイヤーを立ち止まらせる「スクリーマー」や、天井を徘徊し不意打ちを仕掛けてくる「ウィ―ピングバット」などが存在する。
個人的には、仄暗い図書館や古びた洋館など、いかにも何かが出そうな場所に出現する「ドール」が特に厄介に感じた。ドールは普段はマネキンのようにまったく動かないが、長く見ていると突然“ガタガタッ”と動き出す。すると、ドールの周囲に透明の敵が無数に現れ、プレイヤーを攻撃してくるのだ。
ちなみに武器は、木の切れ端から防災斧、ショットガンなど多岐にわたり、道中に存在するあらゆる物が武器として活用できる。しかし、武器にはそれぞれ耐久値があり、長く使っていると壊れて役に立たなくなってしまう。また、銃器は強力だが、銃弾はあまり手に入らないため過信は禁物。クリーチャーに囲まれた際に攻撃手段を失うことは死を意味するので、充分に注意したい。
オープンワールドの街中にもさまざまな仕掛けが
冒頭でも軽く触れたとおり、本作の舞台となる街はオープンワールドで作り込まれており、プレイヤーはその街中を、漠然としたヒントだけを頼りに進行していく。ここでも本作独特の恐怖を体験でき、風の音や点滅する街灯の明かり、さらにはペンドルトンの影にもいちいち驚きながらさ迷い歩くことになる(筆者としては、静かな街道の中で突如として鳴り響くパトカーのサイレンには、全身に鳥肌が立つほど驚かされた)。
フィールド上で特に注意したいのが、時折訪れる土砂降りの雨だ。雨が降り始めるとクリーチャーは凶暴になり、遠く離れていても積極的に襲ってくるようになる。雨が降りはじめたら屋内に逃げ込み、雨宿りしよう。
また、街中にはいたるところにサブクエストが用意されている。メインストーリーでは味わえない恐怖が待っているクエストから、便利な武器や、ショートカットが利用可能となるクエストなど、さまざまな種類が存在する。少々見つけにくい場所に存在したり、広大な街を往復しなければクリアできないものもあるが、本作をより楽しむためには欠かせない要素となっているので、ぜひ挑戦してほしい。
シリーズでおなじみの謎解き要素も登場
「サイレントヒル」シリーズの特徴である、随所に仕掛けられた謎解きは本作でも登場する。金庫のダイヤルを合わせる簡単なものから、提示されたアイテムを各所から集めるもの、順番通りに仕掛けを動かして道を切り開くものなど、あらゆるパターンでプレイヤーを待ちかまえている。
一見すると高難度に思える謎解きでも、周辺に落ちている紙やペンドルトンの何気ないつぶやきがヒントになっているので、それらをよく観察していけば決して難しくはない。また、謎解きの中には武器が手に入るだけで、メインストーリーには関係ないものも含まれている。謎解きに頭を悩ませたら、別の道を探してみるのもありだ。
なお、本作ではゲーム開始時に、謎の難度をEasy・Normal・Hardの3種類から選択できる。どの難易度を選択してもストーリーの展開に影響はないので、謎解きやパズルが苦手な人はEasyを選択するといいだろう。
ストーリーの要所で現れる「裏世界」
ストーリーを進めていくと、要所となるポイントでフィールド全体が赤く染まる「裏世界」に迷い込む。ここでは触れるだけでダメージを受けていく謎のクリーチャーが出現し、プレイヤーは物体からひたすら逃げることになる。
逃げる最中には崩れ落ちる床や落下物、落ちたら即ゲームオーバーの細い通路など、さまざまな罠が存在する。また、フィールド全体が迷路のように入り組んでいる場所もある。筆者としてはこの迷路が特に難関で、迷っているうちに謎のクリーチャーに追いつかれ、みるみる体力を削られてしまった。
ところどころに配置された障害物を倒すことで、クリーチャーの進行をわずかではあるが食い止められるので、そのうちに活路を見出していこう。
武器を手に取り、恐怖に立ち向かえ
前作に当たるPS2/PSP/Wii「サイレントヒル シャッタードメモリーズ」は、プレイヤーは武器を持てず、クリーチャーから逃げることしかできない異色のタイトルだった。
しかし、今回はさまざまな武器が存在し、クリーチャーに立ち向かうことが再び許されている。不気味な恐怖を体験できるホラーアドベンチャーとしても、得体のしれないクリーチャーを倒していくバイオレンスアクションとしても充分に楽しめる作品だ。
出現するクリーチャーはどれも体力が高く、慣れるまでは1体倒すのも一苦労だが、クリーチャーごとの攻撃パターンを把握すればすぐに対応できるはず。
ちなみに、筆者は12時間ほどかけて1周目をクリアした。もちろんプレイスタイルによってクリアタイムは前後すると思うが、2周目以降をプレイするのも苦にならない、程よいボリュームといえるだろう。
果たしてペンドルトンの行く末に何が待ち受けているのか、そして絶望の街・SILENT HILLから抜け出すことはできるのか、ストーリーの結末はぜひ、プレイヤー自身の目で確かめてほしい。
(C)Konami Digital Entertainment
※画面は開発中のものです。
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