エレクトロニック・アーツは、12月11日オーストラリア・シドニー「Luxe Hall」において、新作展示会「EA Asia Pacific Showcase 2012」を開催、PS3/Xbox 360/PC「Crysis 3」の開発を手がけるCrytek社プロデューサー「Michael Elliot Read」氏にインタビューを実施した。
「Crysis 3」とは
本作にはドイツのゲームスタジオ・Crytek社が独自に開発した「CryENGINE」が採用され、他に類を見ないビジュアルとダイナミックなシューティングプレイを実現することで、シリーズとして画期的な進化を遂げている。
ニューヨーク・シティに建つリバティドームには木々が生い茂り、深い湿地が広がり、荒れ狂う川が流れ、街は熱帯雨林へと変貌している。リバティドーム内部は“七不思議”と呼ばれる7つのエリアに分かれ、この新しい危険な世界では、最先端の武器と戦術が求められる。
プレイヤーは、強力なコンポジット・ボウ、強化されたナノスーツ、圧倒的な威力のエイリアン兵器を駆使して、地球上で最も危険で怒れるハンターとして復讐を遂げなければならない。プロフェットの報復はすべての者がターゲットとなる。
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開発を手がけるCrytek社プロデューサーにインタビュー
12月12日、シドニーのEA Officeにおいて、本作の開発を手がけるCrytek社プロデューサー「Michael Elliot Read」氏に「Crysis 3」についていろいろなお話を聞くことができたので紹介していこう。
――Q:本作の主人公となる「プロフェット」はなぜ復活したのですか?
Michael Read氏:理由としてはたくさんあり、お話できない部分も多いのですが、「Crysis 2」のゲーム内で「ナノスーツの行方」や人物「アルカトラズ」に関連するたくさんヒントが散りばめられているのでもう一度チェックするのもいいかも知れません。
――Q:他にはどのようなキャラクターが登場しますか?
Michael Read氏:今のところ公開しているのは「サイコ」ですね。彼は「E3 2012」のデモムービーで声だけ出演しており、それを見た人達から「彼はいったいどうなったんだ」といった質問が多く寄せられました。サイコは「Crysis」「Crysis Warhead」に登場しており、本作でなぜナノスーツを着ていないのか、謎は深まりますね。また、新たなキャラクターとして「クレア」という女性が登場し、反乱軍を指揮し、サイコと組んでナノドームの中で活動します。「Crysis 3」の冒頭では監禁状態だったプロフェットをサイコが救い出すという場面があり、彼も反乱軍の一員として活動していきます。サイコの目的はC.E.L.L.(CryNet Enforcement&Local Logistics)を壊滅させるということです。彼らが専有しているナノドームの地下のエネルギー源、そしてそれに関連するらしき侵略者「セフ」など、物語は複雑にからみ合っていきます。
――Q:侵略者「セフ」も物語に大きく関わってくるんですね?
Michael Read氏:セフは物語の中でかなり重要なキャラクターになります。
――Q:グラフィックに関して前作よりどのように変化していますか?またCryENGINE自体も進化していますか?
Michael Read氏:当時「Crysis 2」の目標の一つとしては、「Crysis」のコンソール版を開発することでした。「CryENGINE 3」をコンソール向けに開発することがCrytek社には初めての試みでしたので、技術上の障害もたくさんありました。「Crysis 2」を発売後もまだまだできなかったことも後悔することも多く、たくさんのプレイヤーに知ってもらったことなど、良いことも悪いこともフィードバックを受けました。本作では前作までの失敗などを取り入れ、「Crysis 3」は現在のPCのハードウェアを活用した作品に仕上がったと思っています。
グラフィックに関しては、光と影の表現や草のペイントなどについて、デザイナーに前もってツールを渡し、細かい作業をあまりしなくてもいいように時間を削減できるように考慮しました。本作では「Crysis 2」で発生したような問題はありませんでしたので、現代のPCハードウェアでどこまで行けるか、といったことに注力できるようにしました。
――Q:コンポジットボウを導入した経緯を教えてください。
Michael Read氏:プリプロダクションの段階で、「Crysis」で登場したジャングルの舞台に戻りたいと思ったこともあり、ハンターが狩られるといったシチュエーションや、姿を消した際に装備しているボウがイメージにピッタリだったんです。デザイナー側ではボウのデザインなどはさまざまな苦労があったみたいです。
――Q:既存の武器の調整はなされていますか?
Michael Read氏:前作までに登場した武器も使えます。これらの武器は自由にカスタマイズすることができ、バレルやスコープ、スピードを落としてパワーを上げたり、バレットに特殊な属性をつけることもできます。もちろん最強の武器はナノスーツですね。アップグレードキットを拾得すると、スーツのアビリティを解除することができ、持久力や力などを上げることも可能になります。「VISOR」の新しい能力「ハッキング」では、設置されているタレットをハッキング(ゲージを合わせるミニゲームのようなアクションを成功させることが必要)すると自由に操作できたり、特別な武器が入っているボックスを空けることも可能です。この機能をマップ中を探索・発見することも楽しみの1つになると思います。
――Q:「THE 7 WONDERS」について教えてください。
Michael Read氏:「THE 7 WONDERS」とは、もともと「ナノドームの中を7つの区域に分けた」というコンセプトそのものだったんですが、その後ゲームを紹介するようなシリーズを作ろうということで、ハリウッドの映画監督アルバート・ヒューズ氏に参加してもらって制作しました。
――Q:本作で完結となりますが、次回作や今後の「Crysis」について教えてください。
Michael Read氏:はっきりとした回答はできませんが、もともと2007年に「Crysis」を発売した際に三部作にしようと考えていましたし、フランチャイズとしても成功例になりました。これから進むべき選択肢も広がり、これまでの経験も生かしつつ将来を考えていきたいですね。また何か決まりましたら発表しますね。
――ありがとうございました。
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