カプコンは12月14日、2013年1月17日に発売を予定しているPS3/Xbox 360「DmC デビル メイ クライ」のプレスプレビューを実施した。ここでは、開発スタッフによるプレゼンテーションと、先行プレイの内容をお届けする。
開発スタッフが語る「DmC デビル メイ クライ」の世界
プレゼンテーションではまず「DmC デビル メイ クライ」のプロデューサー・江城元秀氏が登壇し、本作の主人公・ダンテのイメージコンセプトや、ゲーム内に収録されたデモシーンがいかにして作られたのかが語られた。なお、プレゼンテーション内で公開されたイメージイラストは公開不可のため、本稿では掲載されていないのでご了承いただきたい。
江城氏によると、開発初期のダンテは不良少年のような風貌で、今よりもさらにやんちゃなイメージで制作されていたのだという。
また、当時はタバコが重要なアイテムとして位置づけられていたそうで、公開されたイメージイラストでもタバコを燻らすダンテの姿が多く見受けられた。一方で、髪型に関しては開発途中の段階から「黒髪の短髪でいこう」と決めていたらしく、その点は当時のイメージでも共通していた。
ちなみに、日本版のキービジュアルは服を着込んだマイルドなイメージになっているが、海外版では服を身にまとっていない、過激かつ性的なイメージにしてあるそうだ。
続いて公開されたイラストには、現在発表されているダンテとはイメージがかなり違う衣装もチラホラ…。中には、今後ダウンロードコンテンツとして配信される衣装の元になったものもあるというので、ファンの人は期待して待とう。
また、最終的にダンテが着ることになったコートについても、さまざまな案があったという。例えばフードの部分は、当初はジッパーが付いており、開けると大きな襟になるデザインだったとのこと。
ここからは本作のスーパーバイジングディレクター・伊津野英昭氏が登壇し、さらなる解説が行われた。伊津野氏によると、ロングコートはダンテのイメージであるとともに、アクションゲームの激しい動きを引き立たせるために役立つアイテムでもあると語っていた。また、コートの中に赤い色を用いることで、より「『デビル メイ クライ』らしさ」を生み出したのだという。
伊津野氏は最終的なデザインを見て「『デビル メイ クライ』らしさを残しつつ、ワイルドで、良いバランスのダンテが生まれました」と語っていた。
戦闘の舞台となる「Limbo(リンボ)」、さらにモーションキャプチャー時のエピソードも
続いて、現実世界と魔界の接点であり、戦闘の舞台となるフィールド「Limbo(リンボ)」の話題が展開された。リンボのモチーフは「生きた街」をコンセプトにしているとのことで、木が生えていく姿など、生物の動きを参考にフィールドを作っていったそうだ。
また、生きた街・リンボの中にも機械のように変形していくものがあり、自然物と有機物が融合した街並みになっているという。
これらのイメージは、壁から滴り落ちてくる液体や、不自然な形に潰れるバイクなどを造形する際に役だったという。細かい部分に至るまで作り込まれているので、プレイするときにはぜひチェックしてみよう。
次いで、キャラクター作成時に行ったモーションキャプチャーの話題へ。モーションキャプチャーは映画「アバター」の撮影も行われた、ロサンゼルスの「ジャイアントスタジオ」で実施されたという。撮影期間は約1カ月で、2時間30分ほどのカットシーンを収録。それを編集して、最終的に約1時間のイベントシーンが完成したとのこと。プレゼンテーション映像では、ダンテを演じた役者が、ゲームの冒頭部分を収録する模様が紹介されていた。
そして最後に、本作の開発を務めたNinja Theoryのスタジオ内が紹介された。紹介された映像は、開発を進めてきた3年間を3分にまとめた内容で、初期のCGモデルや戦闘シーンなど、さまざまな場面が登場していた。
「DmC デビル メイ クライ」を先行プレイ!
プレゼンテーションが終わると、いよいよ本作の先行プレイの時間に突入。今回筆者もプレイしてきたので、そのインプレッションを紹介しよう。なお、今回の先行プレイはPS3版が使用されていた。
今回体験できたのは、本作のミッション1からミッション10までとなっており、どのミッションに挑戦するかが選択できる、特別なバージョンとなっていた。ちなみにこれは、本作の中盤に差し掛かったところまでの内容となっている。本編はミッション10以降もまだまだ続くようなので、ボリューム面も期待してよさそうだ。
筆者はまず、ミッション1で基本的な操作方法を覚えることに。攻撃は△ボタンによる通常攻撃と、○ボタンで敵を打ち上げてからの空中攻撃が存在する。通常攻撃のコンボ中に、時折△ボタンを長押しすることで、さらに強力な「ディレイコンボ」も可能となる。
また、ステージによってはさまざまなギミックに敵をぶつけてダメージを与えることもできる。筆者が体験した箇所では、遊園地の乗り物などが登場していた。ギミックを上手く利用することで、さらに派手でスタイリッシュなアクションを楽しめるぞ。
ダンテが扱える攻撃は多彩で、通常攻撃のほかにもスピード重視の「エンジェルモード」、パワー重視の「デーモンモード」が存在する。どちらもL2・R2ボタンで簡単に切り替えることができるぞ。筆者としては素早い動きでたくさんの敵を一網打尽にできるエンジェルモードが特にお気に入り。
ちなみに、「エンジェルモード」「デーモンモード」はステージ上の仕掛けを切り抜けていく際にも活躍する。例えば、通常のジャンプでは届かない場所へは、ワイヤーアクションで渡れる「エンジェルリフト」を使用したり、付近に着地できる場所がないときには「デーモンプル」で遠くにある足場を引き寄せたり…。それぞれのアクションをしっかりマスターすることが攻略のポイントとなりそうだ。
一通りのアクションを覚えた後は、今回の先行プレイの後半部分となるミッション7に挑戦。ミッション7は、天と地が逆さまになった独特のステージとなっており、ダンテは建物のがれきなど、わずかな足場を頼りに進んでいくことになる。ここでは先述の「エンジェルモード」「デーモンモード」のアクションが活躍するのだが、かくいう筆者は大苦戦。次にどの足場へ進めばいいのか分からず、何度も落下してしまった。ステージ上をチェックし、次に進むべき道をしっかり確認していこう。
なお、筆者では到底不可能なスーパープレイの数々を収録した映像も公開されているので、こちらもぜひチェックしてほしい。
「デビル メイ クライ」シリーズ特有の爽快感は健在
1時間30分ほどプレイして、まず「デビル メイ クライ」シリーズ最大の特徴であるアクションの爽快感が本作でも健在であると改めて感じた。簡単にコンボが繰り出せるうえ、攻撃のバリエーションも多彩。△ボタンの連打だけでもスタイリッシュなアクションを行えるので、普段アクションゲームをプレイしない人でもすぐに楽しめると思う。
また、本作にはアイテム収集などの探索要素や、「3分間敵の猛攻に耐える」などの特別なミッションも多く用意されている。メインストーリー以外にもたくさんの遊び方があるので、そちらにも期待してほしい。
なお、本稿で紹介した内容の一部を楽しめる体験版が、PS3/Xbox 360の両機種で配信中だ。発売が待ちきれないファンは、ぜひこちらをダウンロードし、遊んでみてほしい。