2013年6月11日~13日の期間、アメリカ・ロサンゼルスで開催された「E3 2013」。ここでは、Quantic Dreamが開発を手掛けるPS3用ソフト「BEYOND:Two Souls」のデモンストレーション模様をお届けしていこう。
本作は、不思議な能力を持った少女「ジョディ」と、彼女だけがコンタクトできる霊体「エイデン」によって、数奇な運命を辿るサイコスリラーアドベンチャー。物語は、ジョディの8歳から23歳までの15年間が描かれ、彼女の幼少期や思春期、そして大人になってからのシーンなど、さまざまな場面を追っていくこととなる。
これまでの情報では、ジョディがホームレスとして過ごしていた時期や、警官に追われているといった場面が公開されていたが、今回はなんとCIAに入り、ソマリアの戦場に送り込まれるところからスタート。E3で公開されたトレーラーでもそのダイジェストを確認できるが、本作の開発元であるQuantic Dreamによるデモンストレーションでは、実際の操作方法などを交えつつ、ソマリアに送り込まれてからの流れを確認することができた。
ステージの開始地点は半壊した建物が入り組んだような地形となっており、コンクリートの壁に身を隠しつつ、敵との銃撃戦を繰り広げていく。とはいえ、FPSやTPSのように、実際に銃で撃って相手を倒すというアクションを取るわけではない。ステージを進むうえで障害となるものは、主にエイデンの能力を使って排除していくのだ。
ジョディとエイデンはボタン一つで操作を切り替えることができ、霊体であるエイデンになると主に障害物などを破壊する、相手の首を絞めて殺害する、相手の体を乗っ取り操るという3つの能力が使用できる。これら3つの能力は相手によって使えるものが異なり、どれが使用できるかは色によって判別できる。
青い光が出ていれば障害物を壊せるので、その衝撃で相手を殺害。赤い光の場合は首を絞めることができるので、直接相手を絞め殺すといった感じ。
エイデンになって障害を排除したら、ジョディに戻って先に進む。いくらエイデンといえど、全ての脅威を排除することはできないので、もちろんジョディに危機が迫ることもある。その際は「ヘビーレイン」の時のように、QTEによるアクションで危機を乗り越えていくこととなる。
CIAに入って訓練を受けているだけあって、ジョディにも人並み以上の戦闘技術はあるのだが、弱々しくて危なっかしい場面も多々見受けられた。QTEの合間にも、相手にやられそうになったらエイデンに操作を切り替え、ジョディを助けられる場面もあった。
そこで助太刀しないとどうなるのか…といった場面は確認できなかったが、ジョディの行動だけでなく、エイデンがどれだけ彼女を助けるかによってもストーリーの結末が変化するというので、危なくなったら毎回助けていればいいという訳ではないのだろう。もちろん、助けないとゲームオーバーになってしまう可能性もありそうだが…。
少し先に進むと、今度は家屋の多い場所に出るが、ここでも多数の敵が待ち受けていた。相手の車を奪おうとするが、そこには運転手を含めて3人の敵兵。ここでもエイデンに操作を切り替え、まずはオレンジ色の光が出ているキャラクターの体を乗っ取ることに。隣にいた味方から襲われるという不意打ちに等しい攻撃で2体を無力化すると、乗っ取った相手を車の運転席に乗り込ませる。そこですかさずジョディに切り替え、車の荷台に飛び込む。
これで無事に目的地まで…とはいかず、敵兵の検問に引っかかってしまい、そこを強行突破。すると敵兵に追われることとなり、今度は車で敵兵に追われてしまう。カーチェイス同然で安定せず、しかも足場の狭い車の荷台という場所で繰り広げる近接格闘を始め、相手の車に飛び移って運転手をブッ飛ばしたり、また元の車に飛び移ったりと、かなりアクション性の高いシーンとなっていた。
今回のデモシーンだけを見ると、「ヘビーレイン」とはだいぶ趣が違うようにも思えるが、過去のスタジオツアーでは謎解き要素に近い要素もあるなど、場面によって違った楽しみが味わえそうな印象だった。「ヘビーレイン」のような内容を期待している人にとっては、少し毛色の違う場面が多いと思うかもしれないが、デモンストレーションを見ているだけでもゲームへの没入感や、場面ごとの緊迫感が十分に感じられた。