1万本以上のゲームを所持しているゲームコレクターの酒缶さんが、ゲーム関係の方にインタビューを行う連載企画「ゲームコレクター・酒缶のスーパーリコレクション」。連載第10回目は、阿部修治氏へのインタビュー後編をお届けします。

少人数で作られていて、コンシューマタイトルでもちょっと異質なタイトルになっている「コロぱた」を世の中に送り出した阿部さんに、懐かしい話から最近の話まで、ゲームの話を訊いていきます。(前編はこちら

今回のリコレクター:阿部修治氏

ラックプラス代表取締役社長、プログラマー。制作に関わったタイトルは、「ティラムバラム」(PC)、「WWE Raw2」(XBOX)、「スターグラディエイター2」(DC)、「パンツァードラグーン」(PS2)、「GROOVE ADVENTURE RAVE~ファイティングライブ~」(GC)、「ダレットワールド」(PC)、「たまごっちのドキドキ☆ドリームおみせっち」(3DS)など。「コロぱた」ではプロデューサーを担当。

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酒缶:阿部さんが生まれて初めて触れたゲームは何ですか?

阿部:「インベーダー」ですね。僕が触った「インベーダー」は砲台の下がキャタピラになっていて、その上にロケットが乗っかっていた「インベーダー」なんですよ。

酒缶:普通の「スペースインベーダー」ではないですよね。

阿部:でも、敵のキャラクターは普通に「スペースインベーダー」のインベーダーなんですよ。今にして思えば、「ギャラクシーウォーズ」だったのかもしれないです。

酒缶:その当時は、普通にゲームに触れていたんですか?

阿部:小学校3年の時に、インベーダーブームがやってきて、それでどんなものかと触ってみた感じでした。最初は「『インベーダー』ってモノをやってみたい」と親父を急かして、親父と一緒に「インベーダー」をやりに行きました。店の雰囲気が悪くて一人では入れなかったので。

酒缶:インベーダーハウス的なところにですか?

阿部:そうですね。でも、父親は「インベーダー」をやってみたら、あんまりにも出来なさすぎて、すぐに投げちゃって、その時には1回しか行ってないです。

酒缶:「スペースインベーダー」は今でこそゆっくりとした感じのゲームに見えますけど、当時はタイトーの営業の人もあんまりうまくできなかったというエピソードもありますもんね。

阿部:大人には難しかったみたいですね。親父は「もっとガンガン撃てよ! 弾が出ない!」って、連射できないことに怒っていました。弾が画面から消えてから次の弾が出ることを理解するまでに時間が掛かって…。子どもとしては面白そうなのですごいハマって、その時には100円玉を1000円分くらい積んでもらって遊んだのが、初めてのゲーム体験ですね。その後は、駄菓子屋で画面にセロファンが貼ってある「ブロックくずし」をよくやっていました。駄菓子屋の一角がカーテンで閉めるようになっていて、その中で遊んでいました。

酒缶:その時代は結構、ゲームセンターや駄菓子屋さんでゲームをしていたんですね。

阿部:途中からは主に駄菓子屋ですね。ゲームセンターはあんまりの雰囲気の悪さに親から「こんな店はダメだ!」って。ただ、この頃はまだ、あるから遊んでいるという感じでした。決定的だったのは、「ドンキーコング」ですね。「ドンキーコング」の画面にキャラクターがいて、絵が動いているのを見たときに、「この業界はいけるな!」と思ったんです。まだ、小学校の5、6年生ですけど…。

酒缶:すごいですね。子どもなのに、「業界」ですか。

阿部:変に思いますよね(笑)。当時は絵が好きで落書きしていたんですけど、母の方は絵を描いたり花道や書道をしてる人で、そういう事のクオリティーに厳しく、「絵を描くなら凄く上手くならないと食べて行けなくて乞○になる」とか、船乗りの父からは男だったら遠洋漁業だろなどと言われ、「ヤバイ!急いで好きなアニメやマンガ、そういうジャンルで食べて行ける方法を探さなくては!」と焦っていました。そんな状況で見つけた「ドンキーコング」でゲームの世界が輝いて見えたんです。「この業界は来てるな! 面白そうだし生き抜けるんじゃないかな」と思いました、就職意識の高い子どもですよね(笑)。

酒缶:その時は、絵が動くこと自体に驚いていたんですか? ゲームが面白い、とかじゃなくて。

阿部:当時はまだ「ゲーム性」という概念があんまりなかったですからね。もちろん「ドンキーコング」は面白くて4面クリア余裕でしたけど、どちらかというと自分で動かせる、アニメの延長線上にあると思っていました。これは何か違う物があるぞという感じはしていてもそれを上手く表す言葉が無かったような状態ですね。

酒缶:テレビゲームはどうでした?

阿部:最初に買ったのはカセットビジョンでした。小学校6年生くらいだったかな? 駄菓子屋で遊んでいた「ギャラクシアン」に期待して、「ギャラクシアン」を買いました。「パクパクモンスター」もあったし、「きこりの与作」もやっていましたね。あと、「モンスターマンション」とスポーツが12個入っている「ビッグスポーツ12」もやっていました。カセットビジョンは死ぬほど遊びました。でも、当時でさえ、カセットビジョンは画面が古いと感じていました。小学校6年の頃には「ドンキーコング」で遊んでいたので、さすがにドットが粗いですよね。

酒缶:じゃあ、カセットビジョンでは絵が動くことへの感動はなかったんですか?

阿部:そこには感動はなかったですね。ただ、家でゲームが遊べる、という部分には感動していました。カセットビジョンの次にPC-6001を買っているんですけど、PC-6001で「ドンキーコング」が出来ないことに気付いて…。PC-6001を見たらグラフィックは使えたので、自分で「ドンキーコング」を作れると思ったんですけど…。

酒缶:「作れる」というのは「絵を描ける」という意味だったんですか?

阿部:当時の「作れる」は「ゲームを丸ごと作れる」イメージですね。

酒缶:普通に全部ですか?

阿部:そうですね。で、3か月くらいかけて「ドンキーコング」クローンを作りまして、途中からアレンジを加えて、わけのわからない魔改造をしているんですけど、作っては友達を呼んで遊ばせて様子を見る、ということをやっていました。その時は、プログラムを無理矢理覚えて作ったっていう感じですね。

酒缶:この時代って、阿部さんは雑誌に投稿したりしていたんですか?

阿部:投稿ではないんですけど、近所の電気屋さんに作ったソフトを持っていって、買い取ってもらってちょっとしたお小遣いをもらえるというシステムがありましたね。近所の小さい電気店に、テープに記録したソフトを持っていっていました。

酒缶:最初に売ったソフトは何だったんですか?

阿部:「ドンキーコング」のクローンみたいなヤツ。「ドンキーコング」とは全く別のモノになっていた魔改造版、「俺はこれの方がいいんだ!」という感じで作っていたヤツですね。その後は力尽きたのか、電子ゲームの「マンホール」のコピーみたいなヤツとか作っていました。すごい作り込んでも、簡単なゲームでも、身入りが変わらないことに気付いたので、簡単に作れるモノを量産しよう、みたいな感じになりました。まぁ、考えてみれば、それが商売の始まりですね。

酒缶:結構稼いだ時期もあったんですか? 作るのにも時間が掛かりますよね。

阿部:いえ全然、微々たるものです(笑)。当時、一番時間が掛かったのが魔改造版「ドンキーコング」で3か月。言語を覚えて、途中でBASICが遅いのでアセンブラを一部使うとかやったので3か月掛かったんですけど、その後は1週間とか、月曜日に作り始めては土日に売りに行くみたいなことをやっていました。ただ、ソフトが売れなくなってきたようで、買い渋りが出てきたんです。PC-6001が一瞬で廃れたので、これ以上は買い取りできない、という雰囲気になりました。

酒缶:その時には、「じゃあ、次のパソコンを買うぜ!」とはならなかったんですか?

阿部:分割で買ったので、支払い終わるまで新しいパソコンを買って貰えなかったんです。本当はPC-8801とか買っておけばもっと出来たんでしょうけど、高校くらいになる頃にはパソコンショップにソフトを売るブームは終わりました。

酒缶:パソコンでソフトを作っていた時期は、ゲームで遊んでいましたか?

阿部:遊んでいました。ファミコンブームでしたし、僕はファミコンを持っていなかったので、友達のうちでファミコンをやり、家に帰ってきてそのイメージをどうPC-6001で表現しようか、という感じでしたね。ただ、「ファミコンのスプライトズルイ!」とか思っていました(笑)。

酒缶:その頃から、就職されるまではどんな感じだったんですか?

阿部:高校は普通高校を卒業して、その後は専門学校ですね。仙台にある東北電子専門学校にCG映画映像技術科というのがあって、てっきり映画を作るところだと思って入ったんですけど、大きな間違いで、CGを描くためのツールを作る学科でした。レイトレーシングとか当時の最先端のCGを学び、レンダリングエンジンを作ろう、という学校ですね。

酒缶:専門学校では、プログラムの勉強をしたんですか?

阿部:CGのレンダリング技術とプログラムだけですね。モデリングもやりましたけど、ほぼプログラムだけでした。勉強自体は面白くて苦も無く過ごせました。

酒缶:でも、映画を作りたくてその学校に入ったんですよね? 当時はゲームじゃなくて映画をお仕事にしたかったんですか?

阿部:映画は、まぁ、これも微妙なんですけど、映画のテクノロジーがあれば、ゲームに何か活きるんじゃないか、というのがありました。当時、ゲーム科というものがなかったので、一番それっぽいものというと映画系の学科かな、ということです。いきなりゲーム業界に就職するのは難しいな、と感じたので、1回世の中のテクノロジーを学ぼうかな、というのがありました。幸いなことに最先端のCGが学べたので、その後の3Dブームには乗り遅れないですみました。

酒缶:で、そこからゲーム会社に入ったんですか?

阿部:専門学校を卒業して、ライトスタッフに入りました。ライトスタッフは「エメラルドドラゴン」を作った人気クリエイターの飯淳さんと木村明広さんの会社で、1000人くらいは応募が来ていたそうです。お茶の水の会場に集められて面談をしたんですけど、みんなPC-9801とかのRPGやシューティングゲームを持ってきているんだろうけど、俺はAmigaで3Dオブジェを回転させるシュールなデモでした(笑)。審査する方にAmigaユーザーが一人居たみたいでホント良かった。居なかったらそもそも青ディスク読めずに終了だったんじゃないかと。

酒缶:でも、ライトスタッフには、長くいたわけではないんですよね?

阿部:「ティラムバラム」を1年半から2年くらい掛けて作りまして…新人だったので、メインではなくビジュアル画面とかを作っていて、担当箇所を作って辞めました。いや色々な葛藤がありまして、会社の人には良くして貰いましたが、3Dモノを作りたい衝動が強すぎて早く3D物作らなくてはという焦りで一杯で(笑)。

酒缶:それで、3Dモノを作っている会社に転職したんですか?

阿部:ライトスタッフを辞めた後、1年半くらいニートしました。ライトスタッフで働いていた時は、お金を使う宛がなかったため貯金をしていたので、1年半くらいは就職しないでひたすらポリゴンエンジンを作っていたんですよ。そうしたら、ライトスタッフの営業だった人がセガ系のネクステックという会社を起こすという話があって、「セガが3Dの実験機を作っているから、君がポリゴンエンジンを作っているのなら、来てみたらいいと」と呼ばれて、そのまま言われるままに入社して、セガサターンの開発機でゲーム作ることになりました。

酒缶:それでいきなり3Dのゲームにたどり着いたんですね?

阿部:「グランチェイサー」に関わりました。ゲーム業界2本目から3Dのゲームでしたね。

酒缶:でも、そこも辞めたんですよね?

阿部:すぐ辞めました。ニートしてたせいか渋谷に通うのが心底しんどくて(笑)、いや非情に申し訳ないけどかなり駄目でしたね。根本的に協調性に欠けるので駄目なんです。また自分の実験をしたいなと思い、都会は生活費が高いし、ちょっと調子崩してた親の面倒も見たいと、今度は地元宮城の仙台の会社に入って、たまたま物理計算とか教育ソフトとかに関わりまして。

子どもにテコの原理を教えるとか教育ソフト、「コロぱた」に若干近いんですけど……海外向けのソフトを作る会社に入って色々なゲーム業界以外のテクノロジーを見れるなと、当時、マルチメディアタイトルが流行っていたので、そういうソフトを作ったり、あと建築のCG会社に入ってモデリングで小銭を稼ぎながら、3Dプログラムやライトウェーブプラグイン作って配布したりしていました。

酒缶:で、その後、またゲーム会社に転職ですか?

阿部:転職というかフリーランスでガイナックス社のPS1のゲーム製作に加わりましたが、3ヶ月もしないでプロジェクトが中止になり(笑)、次はカプコンのゲームの移植開発に関わりました。ドリームキャストの「スターグラディエイター2」に関わったんですけど、この時は、カプコンの格闘ゲームのソースコードに触れられたのが大きかったですね。大きい会社が大きいプロジェクトを取り回すための仕組みが出来ていて、勉強になりました。

酒缶:でも、プロジェクトが終わると、また別の会社に移るんですよね?

阿部:当時は「1本作ったら違うところに行こう」という雰囲気になっていました。会社を辞めることに全く抵抗がなかったんですよ。自分の技術が上がってくると、変な自信も付いてくるもんで、「どこでも行ける」という雰囲気になっていて……当時はフリーでやった方が稼げたんですよ。今よりも羽振りの良い時代だったので。

酒缶:じゃあ、この頃は就職じゃなくてフリーだったんですか?

阿部:就職したいな、と思ったこともあったかもしれないですが、ガイナックスからフリーでした。「契約終わったらから次に行こうかな」という感じです。そしてコナミ社員になりまして、版権モノのゲームにいくつか関わった後、凄く環境は良かったんですが…やっぱり辞めまして(笑)。

酒缶:で、会社を作ったんですよね。

阿部:まぁ、「このままフリーでやっていくのもどうかな?」と思いまして、自分のタイトルを出したいという思いがあったので、会社を作ればどうにかなるんじゃないかと考えて会社を作りました。

酒缶:ラックプラスは1人で作ったんですか?

阿部:3人で作りました。会社を作ってから1年未満で3人はバラバラになっています。3人とも全然意見が合わなかったので…。当時はPS3が出る時期だったので、1人は新しいGPUをいじりたいというけど、うちの規模では無理だったので、「ほかの会社で」という話で辞めていきました。もう一人は、ソーシャルゲームをやりたいというので、そっち方面にいきました。それぞれ色んな意見があったんです。

酒缶:人が抜けていく中で、会社をやっていかないといけないのは、大変だったんじゃないですか?

阿部:そうですね。でも、1人で会社をやっていこうと思っていたところに、今のメンツを紹介されて、そこから一気に40人くらいまで人が増えました。「ダレットワールド」の時に人が必要だったので、大量に人を入れたんです。

酒缶:その頃は、ほかの会社の下請けと「ダレットワールド」を並行してやっていたんですね?

阿部:そこが自分の中で何か色んな意味で転機になりました。「ダレットワールド」が終わると同時に、一部の人を残してチームを解散しました。

酒缶:「コロぱた」はすでに動いていますよね。

阿部:この時は、「コロぱた」以外に、「殉職刑事」と「白北高校 最速部!」というゲームを作っていました。名前と同人誌だけはあるんですけど(笑)。

酒缶:このくらいの時期になると、阿部さんの役割はだいぶ変わってますよね。

阿部:それまではずっとプログラムをやっていたんですけど、「ダレットワールド」の時は社長業をやらなくてはならなかったですね。ただ、社長業は面白くなくて(笑)。元々、現場をやりたいわけですから、多人数は自分には合わないな、と思いました。

酒缶:でも、「コロぱた」では、社長として、プロデューサー業に徹してますよね。

阿部:「コロぱた」は企画の段階ですごくよかったし、僕自身が人から言われるのが好きじゃないので、多分、永津もそうだろうと思って口を出さずに見守った方がいいんじゃないかと思ったんです。まぁ、往々にプロデューサーとかが茶々を入れて嫌な感じになるプロジェクトを何度も見てきたので、完全にフリーでやらせようと思いました。

酒缶:それで、阿部さんは外側の方を向いたということですよね。

阿部:自分は広告とか宣伝とか流通周りとか、資金調達とかするような形にして、あとは永津に全部やらせてみたら、この人は上手くいくんじゃないかと思いました。

酒缶:「コロぱた」以降のタイトルでは、阿部さんは再びプログラマーに戻っているんですか?

阿部:若干薄くプログラムに関わりながら、という感じですね。「たまごっちのドキドキ☆ドリームおみせっち」でもミニゲームを作っています。

酒缶:…あと、ナニカさんとクロフネゲームスというのをやっていたじゃないですか?

阿部:あれは大失敗でしたね(笑)。

酒缶:阿部さんって、結構、新しいことにチャレンジすることが多いですよね。

阿部:一応、二度と立ち直れないようなリスクを背負わなければ少々失敗してもいいと思っているので、色々とやってみていますね。水面下でも実は色んなことをやっていて、こけたりしています(笑)。

酒缶:でも、色々とやらないと、成功は見えないですから。

阿部:100個やって1個当たれば、まあまあいいかな、と。ただ、やることで得ることが結構あって、それで関わりが出来る人だったり、知識だったり、そこから吸収できることは色々ありますからね。失敗しても全くの無駄にはならないかな、というのがあります。

酒缶:ラックプラスの社名にはどんな意味があるんですか?

阿部:あぁ、本当にラッキーのラックの部分なんですけど、海外のレトロゲームで「LUK」と表記されていて、「LUK+○」と書かれていて、丁度会社の名前を決めなくてはならない時だったので、それを見て、「これでいいや」と(笑)。

酒缶:レトロゲームって、どのゲームですか?

阿部:これは残念ながらタイトルも覚えてないレトロゲームというか、2Dのドット絵の無料ゲームみたいなものだったと思います。ドット絵の文字が可愛いらしくて良いなと思いました、「+」は文字にしてしまいました。

酒缶:海外のゲームって、結構遊ばれるんですか?

阿部:アミーガを買ったくらいですから、昔から遊んでいますね。でも、Xbox 360とかが出始めたくらいから、海外のゲームでは遊ばなくなっています。それまではPCゲームとかやっていたんですけど、一般的になるともう遊びたくなくなるみたいな…。なんか、自分で取り寄せてシグノシスのゲームで遊んでいた頃が楽しくて。普通に手に入るようになってからあまり魅力を感じなくなりました。なんでしょうね? よくわかんないですね。マイノリティーなモノが好きなのかもしれないですね。

酒缶:話を聞いていて、それは何となくわかるような気がします。

阿部:掘り出したかったんでしょうね。「なんだこれはー」っていうのを。わかりきっちゃうとダメなんですよ。

酒缶:最近気になっているゲームって、何かありますか?

阿部:「さよなら海腹川背」はすごくやりたいし、SCEの「人喰いの大鷲トリコ」が今一番気になっていますね。「ピクミン」の新しいヤツも気になりますし、小島監督の「メタルギア」シリーズの新作も気になっています。

酒缶:その辺りのタイトルが気になるのは、3Dだからですか?

阿部:いや、そうでもないです。3Dも2Dも今は関係ないですね。すごい3D志向があったのはサターンの時代ぐらいまでです。その頃は、「これからは3Dだー!」という雰囲気だったんですけど、いまはやりきった感じがあって、表現の仕方であれば、「何でもありかな?」と思っています。

酒缶:それもやっぱり、3Dが一般化したからなのでは?

阿部:それはあるかもしれないですね。誰でもやっているのならいいかな、となりますよね。

酒缶:ちなみに次回作とか今後について話せることはないですよね。

阿部:次回作は作っているんですけど、まだ発表できるレベルではないですよね。あと、年内にシューティングが出ると思いますね。ずっと出す出すと言っているけど出してないので、信憑性はないんですけど。

酒缶:今後発表されるモノ以外で、ご本人がやりたいこととか何かありますか?

阿部:個人的には同人で作っているゲームはあるんですけど、それをコンシューマゲームに乗せたいな、とは思っています。完全に、音楽以外は全部自分で作っているんですよ。グラフィックからモデリングから全部。それをコンシューマレベルで発売したいな、と思っています。大集団的なゲームはもうどっかの会社がやるので、個人制作っていうシステムの会社を運営できたら面白いかな、と思っていますね。

酒缶:阿部さんのツイッターのアイコンも「コロぱた」だし、「コロぱた」が御社のイメージになりつつありますよね。

阿部:それ以外もそろそろ出したいですね。「コロぱた」以外になくて終わる会社っていう雰囲気なので(笑)。

「コロぱた」

2009年12月24日にラックプラスがニンテンドーDS向けに発売した自律キャラお使いアクションゲーム。アイテムを配置してからスタートボタンを押すと、ギミックの状況によってキャラクターがいろいろな反応を示すので、そっと見守りつつ、目的を達成していく。ニンテンドーDSを代表するプレミアタイトルの一つ。

公式サイト
http://coropata.com/

酒缶:そこまではないと思いますけど…。会社のイメージが「コロぱた」になっているイメージはあるんですよ。

阿部:まぁ、あれがうちの中で一番うまくいったといえば上手くいったものですからね。まぁ、利益だけだとほかのタイトル、「アクアリウム」の方が出ているので…。

酒缶:ダウンロードはじわじわ売れますからね。

阿部:じわ売れはすごいですからね。「コロぱた」もやるべきかな。やろうかな、とは薄々思っているんですけどね。いつやるかというと…。

酒缶:今でしょ、と言わないと(笑)。

阿部:「コロぱた」は、Twitterで「2年掛かって60面まで来ました」というのがたまに飛んできたりします。有りがたいですよホントに。ビックリしたのが、「コロぱた」の同人誌を売った時に、「会社を4日休んで解きました」という人が来て、その人の熱意が尋常でなくて、「すごいな」と思いました。コミケに来てくれたんですが、慌ただしくて余り話せなくて、この場を借りてお礼を言いたいです、感謝です。

酒缶:そういう人はめったにいないですからね(笑)。

阿部:4日はうちらだって出来ないですよ。社員だって無理ですよ。そういうのはその人だけですけどね。

酒缶:でも、その人だけのためにゲームを作ってはダメなので、もっと広くいろんな人に遊んで貰わないと。

阿部:んーもうその人たち向けは外せないですね、うちの場合重要なお客さんです。あ、でも、子どもも割と出来るんですよ。セガさんのお陰でゲームショウに出展出来たんですが、子どもが結構来たんですよ。多分、画面の絵柄につられたんでしょうけど、意外と子どもがクリアできていたので、子どもってこんなに柔軟性があったんだ、と発見しました。

酒缶:多分、子ども向けはいいと思いますよ。わりとパズル部分って、発想力だから、大人が決めつけてやるよりも、子どもの方がポンポンとできるような気がします。

阿部:そうなんですよ。やり方だけ詰まるので、これはこうやって置くんだよ、と教えてあげると、小学校の3、4年くらいの子が、女の子とかでも簡単にクリアしていて、「えーーできるんだ」って思って。それよりもおじさん系の人が来ると、クリアできないんですね。子どもの発想力と柔軟力はすごいな、って。

酒缶:子ども向け「コロぱた」を作りましょう。

阿部:ベリーハードな…。

酒缶:いや、簡単な方で(笑)。

阿部:エンジンを使って作るのはありですよね。永津はもう作りたくないと言っているので、よかったら面エディットしてください。200面くらい。

酒缶:(笑)。簡単な問題も合わせてならやってみたいですね。わかりました。では、最後の質問ですけど、あなたにとってゲームとは何ですか?

阿部:一番初めの会社に入った時に質問された時に中二臭い感じで「生きるための目的がゲームを作ること」と答えていたけど、ライフワークです。趣味なんですけど。誤解を恐れずに言うなら、仕事と思っていない部分が大きいんです。仕事以上のものと思ってます。

酒缶:そうですよね。フリーの時…ニートと呼んでいましたけど、目的を持ってゲームのエンジンを考えているわけですからね。

阿部:だから、天職なのかライフワークなのかわからないけど、そういうものなんでしょうね。ゲームがなかったら、何をやっているんだろう、という感じですよね。暇で暇でしょうがないんじゃないかな。

酒缶:いや、仕事をしているんじゃないですか? わかりました。じゃ、阿部さん……というか、ラックプラスさんの今後を楽しみにしています。ありがとうございました。

訪問後記

以前から「コロぱた」には他のソフトにはない異質さを感じていましたけど、今回取材をさせていただいて、その異質さは阿部さんと永津さんの個性がそのまま出ている結果だと実感できました。今後もこういう制作者が見えるソフトに出会って行きたいですね。そして、機会があれば「コロぱた」のエディット面を作りたいです。まだ「コロぱた」をクリアできてないけど…。

プロフィール
酒缶(さけかん)/ゲームコレクター

1万本以上のゲームソフトを所有するゲームコレクターをしつつ、フリーの立場でゲームの開発やライターなど、いろいろやりながらゲーム業界内にこっそり生息中。ゲーム関係者へのインタビューをまとめた電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション」を展開中。関わったゲームソフトは3DSダウンロードソフトウェア「ダンジョンRPG ピクダン2」など多数。価格コムでは、ゲームソフトとAndroidアプリのプロフェッショナルレビュアーを担当している。

■公式サイト「酒缶のゲーム通信」
http://www.sakekan.com/

■twitterアカウント
http://twitter.com/sakekangame

■電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション1」
http://www.amazon.co.jp/dp/B008GYU7B4/

■電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション2」
http://www.amazon.co.jp/dp/B00CJ320S6/

■電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション3」
http://www.amazon.co.jp/dp/B00DI3T160/

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